さて、昨日の続き。
登り口は笹ヶ峰の登山口。昨日はずっと雨で、今日の天気が心配だったのですが、朝から晴れてくれました。
8時過ぎに出発。
登り口からもうブナやダケカンバが葉っぱを黄色くしています。
登山道が西斜面についているため、この時間まだ林床まで日は射さず、黄色い木々の後ろの青空が明るさを伝えてくれます。
十二曲りという急坂を登りきると、右手に妙高山の外輪山の西斜面が望めます。
逆光になって、背の高い樹にだけ日が当たり白っぽく浮き出た眺めがなかなか良い。
ここは下山時、順光に変わって本当の色(ってなんだ?)を発していました。
富士見平を越えると左手に焼山、火打山が望めるようになります。
頂上から麓にかけての斜面がすばらしい。
ささと針葉樹の緑、ナナカマドの赤、ブナやダケカンバの黄と茶、木肌の白、フラクタルな個と全が自然の配置の妙を見せ、いつまで眺めていても飽きることがありません。
ここから上は残念ながら盛りを過ぎてしまってました。
高谷池でお昼を食べて、天狗ノ庭まで足を延ばし、すっかり茶色くなった湿原を眺めて帰途に着きました。
もう一回来る気になるよう、山頂はお預け(時間が取れなかっただけ)
高層に雲は出るものの空気の澄んだ日だったようで、午後になっても富士見平辺りで北アルプスはもちろん、八ヶ岳、南アルプス、富士山の山頂部まで眺めることができました。
で、ここからが以外にも今回の山行でもっとも心に残るだろう経験を得た時間でした。
十二曲りの下り、午前中は届かなかった日が射し、薄曇とはいえ黄色い葉っぱを鮮やかに。
下りゆえ、歩く視線の向こうには自然と木々が目に入り、つづら折れの道を進むにつれて近景と遠景で折り重なった葉っぱが地面を隠し、一瞬視界の全てが黄色と桃色とオレンジ色で占められた時がありました。手前と奥の移動速度の差が黄葉の真っ只中に居ることを実感させ黄色く染まってしまいそうでくらくらと眩暈を感じるくらい。
ちょっとしてからゾクゾクと鳥肌が。
後ろを歩いている3人くらいのパーティのお母さんが、その感激を同行のお母さんに話すのですが、その内容がいちいち私の感慨と同じなので、可笑しかった。
「鮮やかじゃないんだけど、あの薄い桃色がきれい」
「緑色がちょびっと残っているのも素敵だわぁ」
「ひやー、黄葉の中に吸い込まれそう」
ダイレクトに私の気持ちを代弁してくれてました。
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