ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
毎日更新しています。

とんすけの 姫ちゃんと星組を見に行った件

2024-10-28 07:00:00 | 宝塚コラム

やあみんな。とんすけだよ。何だか背景が真っ黒でどこにいるかわからないけど、ここはシャンテの前にある椅子なの。そこで朝ごはんのパンを買って食べている所なんだよ。

天気悪いし、梅雨みたいだけど、日本酒のお店とかキッチンカーが並んでてさ。

僕はウキウキ。でも姫ちゃんは「それどころじゃないのっ」ってぼこっ!

痛い。

とんすけ。ちゃんとぬいぐるみの振りしないと怒るよ

はーい。

姫ちゃんと二人きりの星組観劇なんだ。

ぼくね、姫ちゃんとおでかけするの。大好き。

鞄の中でおとなしくしていると、いつの間にか寝ちゃうけどね。

 

じゃじゃーん。劇場入ったよ。こんなにグッズがあるんだね~~~

あ、そうそう。僕今日はね、黒田総理の真似してネクタイしてきた。

どう?可愛い?

椅子に座ってパンフレット読んでるの。

ふーん。三谷幸喜って人は、口だししないって約束したんだね~~

東京公演の初日に見に来たみたいだけど、どうだったんだろ。

気に入ったらいいね~~~

僕も、総理の真似して「イエーー

ひょえ~~これが主演の二人で、ふんふん。

すごーい。こんな緞帳初めてみた~~~

って僕、そんなに見てないけど。あ、ぬいぐるみの振りして大人しくみてないとダメだね。

 

姫ちゃんいわく、「面白かったね~~とんすけ。笑っちゃったね~~とんすけ。

でも映画見てたから話がわかったけど、ちょっと飛びすぎの所もあったかな

だそうです。

僕も思わず声が出そうになったけど、我慢したの。

でも背広着てマンボってあははは~~

あ、ほら、窓辺の僕だよ、ネクタイ可愛いでしょ。

その気になればちゃんとTPOだってわかるんだからねっ!!

星組ってコメディが得意なんだよね。

アドリブも面白かったんだって。

すごい派手な衣装ばかりで、でもちょい「ノバ・ボサ・ノバ」アルゼンチン風とか、色々パクってんじゃない?って姫ちゃんは思ったみたい。

僕は色の洪水にただただ唖然としてみてたけど。

ありちゃんは踊らせてればそれだけですごい存在感だから」

だから?それ、ママにそのままいうの?

いやいや、ありちゃんは全体を通してふられて、荒れているという印象。その横でみんなカップルで幸せだよ」

それもママにいうの?ママ、演出家のお兄さんを嫌いになっちゃうよ。

何で稀惺かずとは真ん中降りしないのよっ!」って怒ってもいたっけ。

最近は姫ちゃんの「推し」になったけど。でも本当はそうでもないの。

だって姫ちゃん、あまり買わなかったしね。

ママは最近瑠璃花夏がお気に入りで、「ありちゃんの相手役は彼女しかいないっ!」で力説してるけど、姫ちゃんからみるとそうも思えず。

詩ちゃんで決まりでしょ」って。

中詰めとフィナーレの衣装はひどすぎる。星組だから見ていられるけど、他の組が着たらもう終わりなくらいデザインがひどい。特に冠が」

うーん。そうなのかな。僕はあまりそういうのは感じなかったけど。

人間って細かい所見るんだね。

僕、ちゃんと姫ちゃんの御膝に乗って静かに見てたんだよ。

でもチケット代払ってないし・・・だからなのかな。劇場のお姉さんににらまれちゃった。ごめんね。でもぬいぐるみにも観劇する権利あると思う。

特に僕は姫ちゃんの護衛だし。

何が護衛よ。静かにしろっていってるのに拍手したりさ。あれじゃ疑惑持たれるでしょ」ってまたぼこっ

帰りには釜めしのお店でてんぷら食べたよ。おいしかった~~

でもまた眠気が・・・

姫ちゃん、電車で寝ちゃ駄目だよ。僕起こしてあげられないからね。

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稽古用小道具ってなあに?

2024-10-10 07:00:00 | 宝塚コラム

歌劇団が今回、打ち出してきた改革の一つが

出演者による稽古用小道具の製作廃止

正直、「まだそんな事やってたの?」ってな感じですけど。

そもそも稽古用小道具ってなあに?

あまり想像がつかないんですけど、わかる人いる?

マイクの代わりとかシャンシャンの代わりはバトンみたいなの使ってた。

「RRR」のシータのネックレスとか、リンゴとか本とか?

以前から、「かつらは自前」「アクセサリー自前」と聞いた時は驚いたもんですが。随分と持ち出しが多い劇団だなと。

衣装一つとっても、着物の時は自分で好きなのを着ている感じだし。

今後は小道具さんが購入して保管して使う。当たり前のように見えるけど。

だけど、やっぱり稽古用とはいえ拘りたい人もいるよね。

 

そういう基本的な事をやるのは当然として、チケット難を何とかして欲しいです。これは帝劇などもそうですけど、一部のお金持ちしか見られないミュージカルってなんだよって思うんですよね。

昔のように横のつながりを断ってしまったわけで、ファンクラブも本人以外の観劇を嫌う傾向にあります。

だから「今度、ご一緒しましょう」と言えないんです。

かといって一人で複数のファンクラブに入るのは禁止ですし。

そうなると転売ヤーの餌食になるしかないんですよね~~~

本拠地はまだチケットの余りがあるようですけど東京はとてもとても。

ヅカファン止めたくなる時があります。

(やめればいいのに?)うーん。もうちょっと。

歌劇団は何をしたいんだろう?と思う事があります。

スカイステージでがんがん見ればいいじゃん。DVD買えばいいじゃん。そんな感じでしょうか?

 

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雪組 ベルサイユのばら

2024-09-09 07:00:00 | 宝塚コラム

運よく1度だけ見るチャンスを頂きました。

色々ベルばらを見て来ましたけど、今回の演出は斬新で尚且つ退屈しない。

彩風咲奈のさよなら公演としても最高の出来で、彼女はなんて幸せなトップスターだろうと思いました。

これから見る方もいるかと思うのですが、オールドファンも初心者もこれだけは心得て見て欲しいです。

 ベルばらは歌舞伎

一般的に植田歌舞伎と呼ばれる仕様で、再演を重ねる度に「これでいいのか?本当にこれでいいのか?」と考え続けてしまいました。時代はベルばらがヒットした時のような女性の権利を主張する時代ではないし、軍隊には女性が沢山います。その中で「男装の麗人オスカル」の需要があるのか?と私は思っていたのです。

そして「原作を読んでから見るべきか、見てから読むべきか」と悩む作品でもあります。

で、今回、結論に達したのは「歌舞伎の段だと思って見れば、整合性のとれない場面の羅列でも矛盾がない」という事です。

植田歌舞伎の特徴は、芝居の整合性よりスターの得意技と見せ場をふんだんにいれた「段」の連続で、だから植田作品に出演しているスターはすぐに認知されます。

柴田作品は徹底的にキャラのタイプはは常に同じ。悪い男と泣かされる女。時々のトップコンビに合わせてストーリーを変えていくという感じ。

植田歌舞伎はストーリー性より場を盛り上げるのが先。

だから「何でこんな所で〇〇なの?」「え?いきなりそれ?」と驚かずに、これは「段」だから、そのシーンに気持ちを埋没させればいいのです。

 

 一幕

今までと何が違うかというと、一言いうと「ストーリー展開の早さ」です。余計なシーンは全部省きました。見たいところ、見せるべきところだけ見せます。

そして、つなぎに薔薇の精達のダンスを入れましょうって感じ。

仮面舞踏会の後はいきなり何年後かな?

薔薇の精達の真ん中に大きなつぼみがあって、そこが開くとピンク尽くしのフェルゼンとアントワネット様が・・・そして愛を語るんです。

そうかと思えば宮廷の広間で、いつものモンゼット夫人とシッシーナ夫人のやりとり。今回はフェルゼン様派とオスカル派に分かれての舌戦。

そこにいきなりジャンヌが現れ(この人誰?って感じですね)偉そうに生意気にぎゃんぎゃん毒を吐きます。

オスカルはどこまでも生真面目な軍人でおばさま達にお付き合いはしません。そこらへんが、星組と違うんだなと思います。

フェルゼンに「本当に愛しているならお別れするべきではないか」と言われ、ショックを受けたフェルゼンは怒って去ってしまいます。

このままだとオスカルとアンドレは結ばれる事にならないんじゃとハラハラ。

アンドレはひたすら片思いを口にしますけど、全然オスカルには伝わってなさそう。

 

アントワネットは「今日からあなたは王太子妃になるのだからと言ってお人形を取り上げられた」話をしますが・・・なんとこのセリフはメルシー伯爵のも含めて3回以上出て来る。

わかった。それは分かったからお人形の名前は何ていうの?と延々と思い続け、最後にやっとステファンだったとわかるのです。

そして、フェルゼンの屋敷にはメルシー伯爵が訪れ「お別れするのが・・・」とオスカルとすっかり同じセリフ。

オスカルの時は怒ったのにメルシー伯爵に言われたら素直にスウェーデンに帰るフェルゼン。

国王の「知っていたよ」も2回程聞きます。

そうか・・・ご存知だったのですね。でもお許しになった心の広い、いい国王陛下だわと。

そして、唐突に「今宵一夜」です。

何と、フェルゼンから手紙が来て、「君を愛しているのはアンドレ」と読んで

え?アンドレが?

となり、アンドレを呼び、ここが本当に見事だと思ったんですけど、オスカルは何もかも初めてだったんですね。

私を抱け」とは言うものの、本当に抱かれたらびくびくしているオスカル。可愛い~~~そしてアンドレのいきなりな強引感がいい!

で、次の場面ではもう死んでいるんです。

観客はここで思うでしょう。

え~~バスティーユないの?でもまあ、フェルゼン編だから仕方ないか

で、フェルゼンがグスタフ3世に出向いて、去る処ですが、夏見ようのグスタフ国王が素晴らしくて、フェルゼンに同情して泣いてしまいました。

私はこのシーンは壮一帆の方がいいと思っているんですけど、でも、こっちもやっぱり感動のシーンだなと思いました。

 

幕が下がるとみんな、感動のあまり色々声を上げていました。

宝塚が初めての人もいたようだし、「ベルばら」が初めての人もいました。

セットのキラキラ感が半端ないし、貴族たちの衣装も綺麗だし、夢の世界とはよく言ったもの。これが「宝塚」ですと世界に向けて発信してもいいんじゃないかと1幕だけ見てここまで思いました。

 

 二幕

またも小公子達が歌って「フェルゼンとアントワネットはどうなるのでしょうか」とふり、ぱっと場面が変わったらいきなり「ロック・ラ・マルセイエーズ」が始まり、華世京率いる市民たちが「1789」ばりに踊ります。

尚先生頑張った!かっこいい事、びっくり。ここでこんな事しちゃって大丈夫?と思ったけど、次の場面でフェルゼンが「愛に帰れ」を歌うと、なぜか自然に繋がって、元の「ベルばら」に。

 

チュイルリー宮では王子と王女が「こまどりが泣いている」を歌います。この歌は鳳蘭のフェルゼン編に初お目見えだったと思うのですが、好きなんです。

途中で終わっちゃうのが悲しい。

ここでまたアントワネットが人形を取り上げられた話をし、そこに国王が入って来て、「知っているよ」が出てきます。

この場面ってアントワネットと国王が初めて夫婦らしい会話をするシーンですが、突如プロヴァンス伯爵が入って来て「呼び出し」があったと。

これで死刑なんですね。

で、何で弟君が?と思うと「お供致します」だったんですね。

アルトワ伯爵はさっさと逃げたけどプロヴァンス伯爵は兄に殉じるのかと感無量(史実は違うけどね)

あっと言う間に国王が死刑になって、フェルゼンは国境の町で国王が死んだ事を知り、馬車を走らせます。

ああ、懐かしい。ツレちゃんの声質に見事に合っていた「駆けろペガサスの如く」私にはいつまでもツレちゃんの声で残っています。あのベルサイユに咲く紅薔薇のように!じゃないよね。

 

でも、ジェローデルがここで時間を巻き戻してしまします。

なんと、ここでバスティーユですよ。諦めていたバスティーユが。

ここで思いました。

日本程、「ラ・マルセイエーズ」を美しくアレンジする国はないと。

パリ五輪の醜悪な開会式を思い出して下さい。

セリーヌ・ディオンが歌ったあれもよかったけど、やっぱりベルばらには叶いません。今でもこの曲を聞くと盛り上がりますから。

ここでのオスカルの「アンドレ、お前はもういないのか」に思わず泣いて。

今まで泣いた事ないのに。やっぱり歳のせいですかね。

小さい頃とまた違った感慨があるんです。

バスティーユに白旗が!」あ、今、ロナンが死んだ・・・・

いやいやいや。

でもね、オスカルのいう「自由・平等・友愛」の先にあったものは、LGBTQと移民ののさばりでした。報われないスローガン。これだから左翼はと思ってしまいました。

どんなに理想を掲げて戦って、勝ち取ったとしても理想は理想でしかすぎず、結果的にこれを悪用しようとする人達を止める力もない。

「自由」の名のもとに「平等」の名の元に多くの人が傷つき泣いている。

その多くの人々がオスカル、あなたと同じ女性であること、留めておきたいです。

さて、こんな所で話を聞いてる暇があるの?フェルゼンと言いたいけど、オスカルの死の真相を知った彼は白薔薇を持って「よくやったな」と笑うんです。

そこ、そんなに清々しく笑っていいの?

そして植田先生の「持論」をフェルゼンが語ります。

つまり、人は黙っていても死ぬのになぜわざわざ戦争をするのかというような。確かにそうだよね。と思っていたら「セラヴィ・アデュー」が。

ここは咲奈ファンが号泣する所。

散る白薔薇も悲しかった。

 

次はもういきなりコンシェルジュリなんですけど、コンシェルジュリと言えば、忘れもしないパリ五輪開会式の「アントワネットの首」があったあそこ。

日本ではこんなにも愛され、悲劇の主人公として生きているアントワネット様、フランスでは違うのかな。

ここでフェルゼンは「王妃様!」と叫んでセリ下がっていくのですが、あまりに早すぎて。

ちょっと・・・ちょっと・・・ここはさあ、主役がもう少しためないと。

夢白あやは初風諄様じゃないんですから~~~~~と思ったら大階段に真っ赤な薔薇が。おおっ!と驚いてまあいいっかの気分に。

 

 フィナーレ

赤い薔薇のロケットを経て、あとはほぼ彩風咲奈が出ずっぱり。特に群舞で縣千を中心に銀橋で踊る姿は生え抜きゆえの感慨がありました。

舞台上でジャケットを着たり脱いだり。

さぞや大変だろうなあと思いました。

特にラストは銀橋でのステップが秀逸で。

難しい振りはいらないの。男役がこういう風に立ったら、こういう風に振り返ったらかっこいい!ポーズの連続で堪能させて頂きました。

パレードは、アントワネット様の真っ赤な衣装で始まり。

そう言えば、初風諄様の時はせり上がってのパレードで、あれも斬新でしたね。

今回はその上でした。

なんせ、トップが降りてきた時、誰もいない。

こんな経験は星組、稔幸の「WEST SIDE STORY」のフィナーレ以来。

え?と思ったらなんと。客席から登場ですよ。

そこで歌って私達も拍手で応えてという、客席一体型のパレードでございました。

終了後は、どよめきが止まらず、私もめまいがしそうでした。

宝塚、やればできるじゃん。

宝塚は永遠ですというのを「ベルサイユのばら」で証明しましたね。

110周年にふさわしい演出でした。

 

 出演者について

彩風咲奈・・・さよなら公演で恵まれてよかったですね。パンフレットも分厚くて、衣装もとっかえひっかえ、これ以上ないです。優しいフェルゼンでした。

夢白あや・・・この世代で植田節を語るのは難しいと思います。時々「へ?」ってセリフ回しもあったけど、非常に歌舞伎的で威厳のあるアントワネット様でした。

朝美絢・・・オスカルとしての出番が少なくて。フィナーレも全然出てこないし。でも、朝海ひかる程ではないにしても、非常に素直で可愛いオスカルだったと思います。場面数のない中で個性を発揮するのは大変だったと思うのですが、よく頑張りました。

縣千・・・非常にかっこよく包容力のあるアンドレだったなと思います。貫禄がついたというか、上級生としてよい意味で成長したなと思います。

華世京・・・ベルナール。ベルナールのモデルはカミーユ・デムーランだと聞いた事があります。新聞記者でジャコバン派の中心になるけど、池田理代子さんの続編では殺されちゃう可哀想な役です。でもここのベルナールは非常によかったと。まあ、ベルナールの見せ場は本来、黒い騎士でそこが省略されているので見せ場はないけどね。

野々花ひまり・・・ロザリー。彼女の見せ場は撃たれたオスカルに駆けよるシーンくらいですね。それと王妃にスープを差し入れるところ。そしてフェルゼンと止めるところ。そつなかったなと思います。

音彩唯・・・大胆なジャンヌでした。見た目も印象的ですけど、セリフ回しの元気のよさが印象に残りました。

まあ原作を知らない人からすれば「誰?」って話ですけど、ジャンヌはロザリーのお姉さんなんだよ。

 

専科の方々も本当に素晴らしく盛り上げてくれてよかったです。

 

本当は、アントワネット様の名セリフ

例え太陽が西から登ったとしても」や

こまどりだって平和平和と鳴いているでしょう。マリーアントワンネットはフランスの女王なのですから」とか

ポリニャック夫人の「文句があるならベルサイユにいらっしゃい」も聞きたくなるわ~~~

 

 衣装について

今回の衣装担当は加藤真美氏です。

任田先生のように袖口のレースや、燕尾服の肩のラインが素晴らしいとか、有村先生のようなワンショルダーのドレスのインパクトや、群舞の衣装のかっこよさは過去のものになりつつあるんだなと。

次代の流れなんだからそれはしょうがないです。

加藤真美氏の衣装は個性的で、現代的で。ある意味好き嫌いがあるような気がするんですね。いい時はいい、でもダメだなと思った時はダメ。

今回、主役クラスの衣装はよいとして、問題は貴族の奥様達なんですね。

何となく「ちょっと違うかも」って感じが。

それは、万里柚美ら大貴族の衣装と、その間に挟まっている昔の貴族の衣装。これを比べると、昔の衣装の方が華やかで可愛いわけ。

で、加藤氏は、年齢に合った衣装を考えたのだと思います。

しかし、ベルばらというのは、全体的にパステルカラーで難しい色合いはあまり似合わないのです。

フィナーレの夢白あやの赤いドレスを見て「これが最強」だなあと思いました。

他の衣装は、ピンク、グリーン、ブルーと色の統率が取れていて好きです。

薔薇の精達の衣装も可愛いし。

だけど、加藤氏の現代性が、今後のコスチューム物の流れを変えてしまわないか、そこから宝塚的なものが消えてしまわないか、ちょっと心配なのです。

任田氏が陽なら有村氏は陰。そして加藤氏はどっちなのか。

ショー向きではあるけど、芝居の中で溶け込んでくれたらいいな。

そしてせめてもう一人、「陽」のデザイナーが欲しい。

「夜明けの光芒」の衣装を担当した植村麻衣子さんのコスチュームは中々よかったなと思います。

日比谷シャンテの衣装展もぜひ見た方がいいですね。

今までになくお金を使っております。

もうびっくり。

そして東宝のグッズ売り場にはキャトルに負けじと品揃えが豊富になりつつ。

特にモーツァルトのくまには着せ替えがあって女子が群がっておりました。

私、「ルパン」のDVDを買おうか迷っているんですけど、買う価値ありですか?

 

 

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宙組 Le Gran EscaLier

2024-08-01 07:00:00 | 宝塚コラム

久しぶりにお友達と会いました。

10年会わなくても、劇場で顔を合わすと昔のように話が尽きないものですね。

パリ五輪、早く終わらないかな。

ここ何回かはひどいなと思うけど、今までで一番ひどい。これ以上よくなりようもない。

五輪やめよう。

 Le Gran EscaLier 

スカステで見る限り、知ってる曲の羅列で斎藤吉正風が出ないのではないかと心配していましたが、なかなかどうして、やっぱり彼は彼だったって事で(褒めてるの)

ほっとしたような感じです。

最初のトリコロールで、ああ、パリ五輪の開会式よりずっとこっちが正当だったなと感じましたし、なんでシャンソンでいかなかったろうかと、遠い日本のレビューの方が、よほどフランスをよく表現しているとあらためて思いました。

色々な場面の合間に「花詩集」を織り込んでいるのもよいですし、映像が大正モダニズム的なのもよい。110周年を祝うことが素直に出来そうな感じ。

まあ、セーヌ川が「ダル・レークの恋」ってのは笑うけど。

とにかく全部知っている曲だし、リアルに見ていた時代ですので・・・心境としては複雑というか、「BLUE MOON BLUE」はともかく、「マンハッタン不夜城」とか「ゴールデン・デイズ」とかまで来ると、何だか苦笑せざるを得ないというか。

よくぞ花詩集、シャンソン、宝塚これらをミックスして一つの流れに出来たものだと、ひたすら編曲した先生に拍手を送りたいです。

特に、真夏をイメージするサンバのメドレーはとても盛り上がって、楽しかったです。

 

でも、いかんせん、人数が少ない。60人でしたっけ?一人休演中だから59人。

舞台がスカスカになってしまう。

それを埋める為にトップ二人は羽根しょいっぱなしとか、何か持ってたりとか。

宙組発足時は66人くらいだったんじゃないかな。

それでも少ないと感じた程でしたので、59人がいかに少ないかわかるというもの。

それを、トップを真ん中に後ろで総踊りばかりされると、これってまるでOG公演?

見せ場がない?

芹香斗亜って何が得意なの?と思ってしまって。

急ごしらえなのはわかるけど、だからって歌って踊って退場ばかりでは見ていて飽きますよね。

様々な過去の楽曲を使うのはいいけど、その時の気持ちを表現するのではなく、さらりと歌って終わる系だから印象に残らないのかな。

天彩峰里だけが表情豊かに歌っていたけど、他の人達は客を没頭させる力に欠けるかなと思いました。

ともすれば新人公演の集まりのようにもみえて。宙組ファンじゃないと、「この人が次世代を担っていくのね」とは思わないだろうなと。

振付がそんなに凝っていないのは、労働時間の短縮のせいなんですかね?

ストーリー性のなさすぎる構成もまた、「難しい事はさせられない」という劇団の配慮によるものなんでしょうか?

芹香斗亜・春乃さくら・桜木みなとの関係性もあまり出てこなくて、チーム性が見えないなあと。

桜木みなとが真ん中に立つと、場が華やかに明るくなり、ああ宝塚を見ているなという気分になれるんですけど、ごめんなさい。芹香斗亜が真ん中に立つと、彼女だけが浮き上がって一人ぼっちに見えてしまい、こちらが緊張してしまうんですよね。

何でだろ。みんな笑顔で元気がいいのに・・・ロケットなんか、足長い、ダンス上手な子ばかりなのに。

人数が少ない方が、下級生にとってはチャンスで、こういう時にどんな小さな場面でも自分をアピールしないといけない筈なんですけど、そういう意味での「俺様」がいないのは残念。

春乃さくらは、初めて見ましたけどとにかく自信たっぷりで色気があって元気。すでに女王様という雰囲気でいいですよね。

娘役は可愛い人が多いし、歌えたり踊れたりわりとアピール度が高いんですけど。

宙組の課題はずばり世代交代ですね。

新鮮味がないんですよ。メンバーに。

これ以上人数が減ったらもっと大変な事になるし。

どうするつもりなのかしらと。

やつれ果て、痩せすぎた天彩峰里を見ると気の毒で、この実力ある娘役を何とか救いたいと思ってしまいました。

歌劇団の村上理事長は、6月に舞台を再開させたことについて

お客さまに舞台をお届けする。舞台を見ていただくことが私どもにできることだ」

と発言。宙組の再編はないと。

でも、この人数では再編しないと何も片がつかないような。

ここ6年以上、同じ顔ばかり見て来たわけです。宙組では。代わり映えがせず、、学年だけ上がっていく上級生って・・・・

今更ながら「上級生のパワハラ」という言葉が独り歩きしていますけど、本当に「パワハラ」があり、それが原因だったのかは本人に聞かないとわからないこと。

遺族が「絶対パワハラ」と言い続けたから、結果的に歌劇団は無難に終わらせる為に、謝罪し、「歌劇団が悪いのです」と言うしかなかったと思います。

ましてや、レッテルを貼られた上級生たちの心持ちはいかばかりか。

やせ細って、笑顔も無理しているのにそれでもきっちりと仕事をこなす上級生達は、強くないと出来ません。私はその強さを称賛します。

これ以上生徒を傷つけないで欲しいです。

叱られたり、アドバイスされてパワハラと思うならその日に退団届を出せばすむこと。

退団の自由は誰にでもある。それを予定していたにも関わらずというところが、もう謎なんですから。

痛々しい舞台を見たいわけじゃないです。

みんなピンクのホッペして弾けるような笑顔で歌って踊って欲しい。

それが願いです。

 

 

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さよなら月城かなと

2024-07-06 07:00:00 | 宝塚コラム

次々とトップが退団していく。

95期の柚香光の次は月城かなとである。

正直、この人に関しての雪組時代は一切知らない。

でも雪組はずっと見てたわけで・・・水夏希・音月桂・壮一帆・早霧せいなとずっとずっと見てたのに、視界に入らなかったのは残念な事でした。

あまり作品に恵まれたというわけではないし、トップがころころ変わったり、組替えが多かったりで新人公演組に目が行かなかったのは事実です。

永久輝せあも同じで、残念な事したなと思います。

と言う事で、スカステで見た「銀二貫」程度の思い出しかないのですが。

正直、これを舞台化と言われて「へ?」って思ったんです。

だってかなり地味な作品だったし。ドラマも見てたけどそこまで面白かったかと言われるとちょっと。

ただ、月城かなとは美しい。本当に美形であると言う事はわかりました。

その美形が月組に組替え。

元々「月城」なんだから全然変でもないんだけど、「ALL FOR ONE」を見た時に「なんて演技が硬い人なんだろう」と思いました。

すごい人見知りっていうのは聞いてたんだけど、こういう役は初めてだったのか、とにかく硬い。客席を笑いに持ち込めない。今一つ自分を解放できないなと感じ、それはトップになってからも同様な気がします。

でも「BADDY」は一つの挑戦であり、殻を破るきっかけでもあったと思います。

 美しすぎる月城かなとが、こんなドジな三枚目を演じると言う所に意外性があり、こういう路線もありなんじゃ、こういう方が気が楽なんではと思ったけど、最終的には「二枚目」に戻り、どこかとっつきにくい部分を残したままだったなと思います。

 

元々が陰の気質を持っている人ですから、トップは陽の珠城りょうで間違いなかったと思います。同じ陰でも美弥るりかのような華やかさには少し欠け、暗い役柄を演じると、どんどん陰陰滅滅になっていく危険性がありました。

応天の門」の道真など、その代表的な作品で、主人公が自分の中に閉じこもっているので、主役としての輝きを奪われたような気がします。

だから月城かなとがかっこよく見える役というのは、明るくて言いたい事をポンポンいうような役ですかね。

例えば「夢現無双」の本位田のような役とか、I AM FROM AUSTRIA」のリチャードのような役。

残念だったのは、「クルンテープ」東京公演でショーは休演だったので、暁千星との勝負を見る事が出来なかったこと。

私的には大好きなショーで今も結構癒されているんですけどね。特にムエタイのシーンは仲良さそうでいいなあと思ってました。

人見知りの子が心から笑う時、回りの人は癒されるんですよ。

「I AM・・・」がコロナ前の作品で、回数見ましたし、いつになく生き生きしていた彼女を思い出します。感情がばあっと行く役はうまいんですね。

「このウインナー野郎」とか彼女が普段は言いそうにないセリフ、それを上品な美しいあの顔から出て来るギャップが面白かったですね。

コロナ禍になり、辛い日々を乗り越えて、やっと再開。

月組はみんな丈夫だったのか、花や星程休演にならず、正直すごいなと思っていたんですよ。

お蔭様で「WELLCOME TO TAKARAZUKA」を見る事が出来たのですが、東京にしかないシーンとして月城かなとの「神楽」があり、これがやっぱり代表的なシーンだろうと思っています。

あの美しさといったらなかったです。幽玄の中で一人舞う月城は神の世界へ行ってしまったような感じがして、ありがたくて。手を合わせそうになりました。

きっとあのシーンが印象的だったので、最後の公演でも装束を着せたのだろうと思います。元々日本物が得意な人だし、似合う人なので当然と言えば当然だったんですよね。

そして「ピガール狂騒曲」のしゃるうも代表作の一つだろうと思います。

傲慢で自分勝手だけどやたら夢は失わずに最後の最後まで頑張る。そういう硬くてでも、愛嬌のある役が非常に似合っていて、私が見た彼女の作品の中では一番です。

そして「桜嵐記」の三男坊。これがまた自由闊達でよかったですね。

いつも何かに縛られているような雰囲気を持つ月城が「自由」に物言って、弟になりきるというのが異色と言えば異色。

 

ただ、ちょっと不安要素もあったんですよ。

暁千星が星組に組替えになって、月城にとって一番の「下級生」がいなくなり、同じ陰の気を持つ風間柚乃が台頭。そこにベテランの鳳月杏が二番手に入ると言う事で、かなり気を遣う事もあったのではないかと。

 お披露目の「今夜、ロマンス劇場で」は名作になり、ただ一人の女性をずっと愛し続ける、それもラブシーンは最後の最後までとっておいてというのが似合っていましたよね。

組替えでいなくなる暁千星を泣きそうになりながら見送る月城が可愛かったです。

トップでセンターに立ち、何とか頑張ってみんなを引っ張って行かなくちゃと言う意識はすごく感じたし、役者としての成長を見る事も出来ました。

もう一つ、月城かなとに似合っていた作品としては「フリューゲル」があるでしょう。

本人は大真面目だけど回りが勝手にコメディにしてくれる・・・そういうのもよかったですし、気が強い相手役だとより彼女が引き立つこともよくわかりました。

歴代の月組のトップの中でも、1.2を争う程美しいトップスター。

いつもこの人を笑顔にしてあげたいと回りが思うようなトップスターで、沢山楽しませて頂きました。

ありがとう。

退団後、どうするのかは未知数ですけど、その美を武器に世間を渡っていけたらいいなと願っています。

 

そして海乃美月

下級生の頃から本当に可愛くて美しくて、何でトップになれないんだろうと、いつも思っていました。

はきはき物を言う役が似合ってて、ドレス裁きも素晴らしくダンスが得意。

明るく元気な海乃美月をもっと早くトップにしてあげたかったなと心から思いました。

今夜、ロマンス劇場で」では男言葉を使いつつ、それが似合ってドレスもどれも素敵で心から「よかったね」って思いました。

「フリューゲル」でも気が強くて元気で・・そんな彼女を見るのが大好きでした。

ゆえに、「ダル・レーク」のカマラはちょっと違うなと思ったんですけど。

「CANCAN」のピスタッシュをさせて見たかったな。

得意なダンスを生かしつつ、芸能界でも頑張って欲しいな。それとも寿かな。

何であれ、すいすいと泳いでいけそうな気がします。

 

月城かなと・海乃美月という超美形コンビが月組で誕生したというのは、奇跡のようなものなんじゃ・・・って思っちゃいけないのよね。

いやいやでも、他の4組からみても顔面偏差値の高さはすごかったと思います。

 

 

 

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夜明けの光芒 東京建物ブリリアホール

2024-06-17 07:00:00 | 宝塚コラム

私、ディケンズは「二都物語」しか読んでいなくて。無知で申し訳ございません。

だからどんな話で結末がどうでがわからず、「逆転裁判」しか作った事のない鈴木圭がどういう演出をするのか、ほんと未知数だったんですけど。

結論としては「宝塚ってこうよね!こうじゃなきゃ!」という作品であり、暁千星にとってはやっと主演としてまともな作品が巡って来て、本当によかったなと思った次第です。

ついこの間までおひげのインド人だった人が、いきなりイギリス紳士が様になる。そして次回は首相秘書?箱がいくつあるんだ?って感じですよね。

 

原作を知らない私からの見どころとしては、ピップ(暁千星」がステップアップするごとに服装が変わっていく事です。

最初はこんな鍛冶屋のお兄ちゃんでした。

小さい頃に姉にガミガミ言われ、庇ってくれる義理の兄とは親友。賢くて可愛い少年。

それがミス・ハビシャムに呼ばれて、そこの一人娘、エステラの遊び相手になった。

ピップはエステラに一目ぼれ。

彼女の為に「ロンドンに出て紳士になりたい」と思っていた。

そんな時、脱獄囚に会い、食料を分け与えた。その事は後々「紳士か否か」という点になっていくのですが。

突如弁護士が現れて、遺産を受け取りロンドンへ行って紳士クラブに入る。

夢の中に出て来るもう一人の自分。「闇」が天飛華音だけど、それとそっくりな人物が紳士クラブに現れ、最初から敵対していく。

ピップはハビシャムの親戚であるハーバートに出会い、一緒に住む事になる。

 このハーバートが絵に書いたような堅実青年で、金持ちなのに親に頼らず恋人と結婚する為に日々節約。事務員として働いてもいる。

そういう堅実さの裏には「贅沢」「欲」は闇ですよね。

ロンドンでエステラに再開するけど、感情的に振り回されてその欲求不満が酒とギャンブルに陥る。

エステラにも暗い過去があり、元々ミス・ハビシャムの「事件」が若者たちの人生を翻弄していく。でも、転落一歩手前で救われたピップはエステラの元に。

今回、思ったのは暁千星が本当イン瑠璃花夏を気に入ったんだなと。

星組に来て、何度か詩ちづるとのラブシーンを見て来たけど、こんなに優しくて積極的で尚且つ心からの「愛しい」目を見た事がないです。

しかもこの二人、背丈の差が黄金律と来てます。

瑠璃花夏がすぽっと暁の腕の中に入る度に「羨ましい」と思う・・・いやはや。ふぶきさんの乙女心を呼び覚ますなんていけないスターさんよね。

腕ぐいっからのキスシーンの色気ったらすごかったなあ。今まで見たことないですよ。

 

瑠璃花夏は、子役専科みたいになってて、そういうイメージしかないから、今回美しいドレスを着てすっと立ったらまあ、なんと美しい事で。「みんな私に夢中よ」と言われても全然違和感なし。赤い衣装が本当によく似合ってました。

今回はアンサンブルのダンスもひときわ上手でしたし、誰一人無駄な人がいないという感じで、星組の結束力を見ました。

でもやっぱりフィナーレ3分に及ぶ暁千星のダンスは本当に素晴らしかったです。

花吹雪が舞い散る中のダンス。オペラグラスが外せない状況でした。

作品的にきっと突っ込みどころは沢山あるんだろうと。何度も見れば

「え?何で?」ってシーンはいくつもあります。

が、王道のラブロマンスには誰もが納得したのではないでしょうか。

 

 出演者について 

暁千星・・・考えてみるとピップが個性を発揮するのは2幕最後なんですね。それまでは割と情けないというか、いい所なんか見つからない青年なんですけど、本来の自分に目覚めてからのピップは恐ろしく魅力的です。野心的・・・にはあまり見えないのは脚本のせいかも。すぐにかっと来たり、ギャンブルに酒のシーンで放蕩ぶりを発揮していますが、そこまで堕落したようにも見えず。

ただ、自分が利用されていた事を知ってからのピップは囚人を助けようと頑張り、親友の事業に全財産つぎ込み、あと一歩で脱税で監獄行きの所を義理の兄に救われ。ここからはもう本物の「紳士」となったピップの成長ぶりが嬉しい。「1789」のデムーランは何だったんだ?と思う程にラブシーンの色気が半端なくて、相性のいい娘役と組むとこうも変わるのかと驚きました。

歌唱力は元々あるのですが、「VIORETOPIA」のシャンパンの女王のように、裏声も美しく、音域も広いので主題歌がよく似合うなと思いました。

瑠璃花夏・・・エステラ。ミス・ハビシャムに育てられ、感情のない女性として「愛」を知らず成長したこの女性が、最後にピップによって「愛とは何か」を知り始める。硬くて殻に閉じこもっている女性から、最後、キス一つで笑顔が可愛い娘役になる。これぞ相手役からしたら、可愛くって仕方ないよねという感じです。

この作品を通して一歩、階段を昇れたらいいなと。

天飛華音・・・まず「闇」と言う役は死の神トートのような・・・「カラマーゾフ」で五峰亜季が演じたような役だなと思いました。とはいえ学年的によくやったな程度ではあったんですけど、恐らく彼女のいい部分がかなり出てきたかなと思いました。ドラムルも「闇」と性格は変わらないし、ただ現実にいるかどうかの差しかない。それをわざと明確にしなかった事で、ずっとピップの「敵」としてそこに存在する。

そういう意味では意義深く、そしてやりがいがあったのではないでしょうか。

元々天飛華音は「陰」の気を持つジェンヌですので、ぴったりでしたよね。

稀惺かずと・・・ハーバート。育ちのよさではぴか一で、素の稀惺かずとがそこにいるんじゃないか?と思った程です。持って生まれた品格と素直さは誰にも真似できない本来の姿。そういう意味ではピップの真逆の存在としてよかったんじゃないかと思います。

しかしながら、稀惺かずとがこれ以外の役が出来るかと言われたらまだ未知数で、「主役の親友」が一番似合うようでは存在感を出す事が出来ません。どうしたら殻を破れるのか研究してみるべきですね。

藍羽ひより・・・ピップの少年時代。これがまた結構な出番でよく声が通り、明るく素直でよい子でした。アンサンブルに囲まれても、大人たちに囲まれても決して負けない「華」があるなと感じました。

乙華菜乃・・・エステラの子供時代。大人になったエステラとそう変わらない役作りがいいなと思いましたし、可愛いし、ツンツンしている所が魅力的。今後楽しみな娘役ですね。

輝咲玲央・・・マグウィッチ。最初、誰だかわからないくらいの汚れようで、でも濡れ衣を着せられた事がわかってからは、本当はいい人で、まっすぐにピップの「施し」をありがたいと思い、これこそが「紳士」であると教え諭す。上級生らしい役でした。

ラスト、亡命に失敗し捕まったら即処刑・・の筈がなぜか生き延びてベッドの上でピップに看取られて死ぬっていうのが「?」でしたけど、いいシーンだったから許そう。

朝水りょう・・・とにかくカッコよく素敵な朝水りょうをこんなに長く見る事が出来て嬉しい。

(だっていつも2役とか3役とかだもんね)弁護士のジャガーズさんは、財産管理人であると同時にマグウィッチの味方でもあるんですけど、なぜこんなに彼に尽くすのかちょっと理解出来ない部分もありました。でも彼のお蔭で寸でのところでピップは助かるのでこれもまあ、許します。

夕渚りょう。アンサンブルでのすごいダンスと共に、悪役でマグウィッチの敵役のコンペイソンを演じていました。この人ってミス・ハヴィシャムをだました人?の割に存在感がなく、これはやっぱり脚本が~~って所なのかな。

七星美妃・・・ミス・ハヴィシャム。最初に出てきた時から雰囲気が違う。綺麗な声、でも独特な話し方が怖い。何かあるぞ・・と思っていたらなんと悲劇の主人公。同情したけど、だからって復讐に関係ない子供を巻き込んではいけないんじゃないか?

彼女のせいでエステラは「愛」を知らない無感情な娘になった。その事を責められると逃げる。おい、逃げるな~~去るな~~責任取れ~~って無理よね。でも七星美妃の演技力は大したもので、今後重要な役も出来そうですね。

美稀千種・・・最初から最後までぶれない「いい人」を演じきって、最後は若い嫁貰って幸せだなと思います。彼が全財産をなげうってピップを牢獄に入れなかった事、本当に善の中の善です。みながこうあれば世界は平和なのに。

もうちょっと描いて欲しかったのが、綾音美蘭のビディと紫りらのモリー。

1幕目では明らかにピップを好きだったビディ。面倒見のよい彼女が二幕の最後にいきなりジョーの奥さんになる。そこには色々あったんでしょう。なんせジョーの前の奥さん、澪乃桜季演じるジョージアナはきつい性格でしたから。

でもジョーも最後に言ってたけど「元々はピップが好きだったんだろ?」ねえ?叶わないから義理の兄ですましたように・・・見えなくもないです。

それとエステラの実の母、モリー。こんな重要な人物がほとんどセリフがなく、後半一気にストーリーを話して、あとは見守るだけ?

夫との最後の別れも、娘との再会もなし?これはあんまりだなと。鈴木圭君。これは非常にまずい点でしたね。

以前にも書きましたが、アメリカでは今もディケンズの作品が人々の心の中に入り込んでいます。ドラマなどでセリフの中に「ディケンズか?」というのがあるんですよね。

この場合のディケンズは「二都物語」ではなく「大いなる遺産」だと思うんですけど。

税金滞納で牢屋に入るというのも、この時代のイギリスの象徴的なもので、私ですら「税金滞納・・牢屋」って思っちゃうくらいですので。

これを機会に「大いなる遺産」を読んでみようかな。非常に教訓的でいいのでは?

 

「RRR」でより強くなった推し活が、また強くなりそうで怖い。

いやっ!もうね、散財する年齢ではない。ひっそりと行く末をお祈りするだけ・・・で・・・

いい・・・筈・・・なのよ。と、自分に言い聞かせています。

 

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月組を見た姫ちゃんの素朴な疑問

2024-06-14 07:00:00 | 宝塚コラム

朝美絢様、雪組次期トップスター決定おめでとうございます!!

ギラギラした雪組になるのかな。

それにしてもプレお披露目が「愛の不時着」とは・・・・

南北問題が背景にある作品を、日本が軽々しく舞台化していいんですかね===

私だったら「コッソンビ二花院の秘密」にするな。

「コッソンビ」って「花士」漢字で書くと意味わかんないけど、要はかっこいい科挙を受ける学者志望の人達。

男役3番手まで決まるし、ラブラブな話だし。こういう方がいいと思うんだけどね。

それより華流の方が宝塚にふさわしい作品が多々あるんだけどなあ。

さて、姫の素朴な疑問。

あのね。お芝居でガーター勲章って貰ってた。あれなに?

ああ、そうね~~~私も詳しくは知らないので調べたけど、要は「ガーター騎士団」に入団させてあげるよっていう意味の勲章が、今は「国や世界に功績があった人に贈られるもの

で、男性は「ナイトの称号」で、女性は「デイム」の称号になります。

呼ばれ方は「サー」「レディ」「デイム」で一代限りのもの。

と言ったら、姫ちゃんが「ふーん。じゃあ、ユリウスとアデーラは貴族になったの?」っていうから。

いやーーそれは中々微妙かなあ。サー・ユリウスとかレディ・アデーラとか呼ばれるけど、名誉勲章だから貴族には入らないんじゃない?」

何とか伯爵とかいうのとは違うしね。

そこで、姫ちゃんまた質問。

誰がそれを欲しがっているの?ママのブログに書いてあったじゃない

そういえば、どこかの誰かが欲しがってるって書いた。

うん。天皇陛下」

え?ぽよよーん?外国人は貰えるの?

まあ、王室同士の場合は「友好」の証というか、「大事な国ですよ」って意味。だから天皇陛下はそれを貰いにイギリスへ行くのよ

へえ

でもさ、日本の皇室は世界一歴史が古くて2000年も続いている唯一のもの、格でいえばイギリスより高いんだよ」

中国4000年より?」

中国は王朝が変わってるでしょ。日本は2000年間1本の糸で繋がっている他には類を見ない家なんです。皇帝・天皇→国王→大公の順。皇帝と天皇は同格なの。でも歴史的に見るとハプスブルク家より長いのよ」

へえ、日本ってすごいんだね~~」

どんな理由でも皇室に興味を持ってくれたらそれでいいよ。

 

ちなみに昭和天皇はエリザベス女王から貰ったのかな?

そして上皇陛下も。だから今上も欲しいって事ですけど、チャールズ国王がそう簡単にくれるのかなと

イギリスのガーター勲章は、いわば「友好の印」で相手国に公式訪問した時につけるものです。

昭和天皇は1929年にジョージ5世より一度ガーター勲章を貰っていましたが、戦争のせいで着用を許されなくなりました。

しかし、1961年に来日した女王の従妹であるアレキサンドラ王女が来日し、戦後初の国賓待遇王族としてもてなされ、事前に英国に問い合わせ、許可を貰ったうえで昭和天皇はガーター勲章をつけて晩さん会に出席しました。

その翌年、秩父宮勢津子妃殿下が訪英して、女王陛下に大勲位菊花章頸飾および大勲位菊花大綬章を贈りました。

エリザベス女王来日の際も、昭和天皇訪英の際も、天皇はガーター勲章をつけておられ「ヒロヒトのブルーリボン」って呼ばれていたようですね。

上皇陛下に贈られたのは恐らく「慣例」としてなんでしょうけど、果たして今上が今回、国賓として訪問しても、このガーター勲章が授与されるかどうかは未知数です。

なぜなら国王は人の好き嫌いが激しい人だし、国王のいう「親友」の中には今上は入っていませんので。まして、晩さん会次第ではかなり印象を悪くする事も考えられます。

本来は、国王夫妻を日本に招き、先にこちらから勲章を出すのが筋かなとも思うんですけど。今の所、病気の国王が極東を訪問するとは思えず、ヨーロッパでは「選挙期間中に来るなんて」と冷めた目で見られているから、今後、皇室外交は冷え込むのではないかと思っています。

もう行くなと言う人もいず。

行って塩対応されてこいと言う感じ?

何度も書きますが「三部会」を経験しなけりゃいいなあと。

 

 

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Eternal Voice消え残る思い Grande Takarazyka110

2024-06-10 07:00:00 | 宝塚コラム

姫ちゃんととんすけと見に行きました。

芝居で寝て、ショーで泣いた・・・そんな作品です。

 Eternal Voce 消え残る思い 

正塚節炸裂でファンは嬉しいだろうなと思いました。

珍しく産業革命時代のイギリスを舞台したコスチューム物。

とはいえラブシーンは一切なく、謎ときミステリ&スピリチュアルが主眼となっている。

とはいっても、わりと左がかっている正塚先生にしては、珍しく「王室を守る」為の話を書いた。

ここには何か意図があるのではないかと私は思いました。

時は産業革命時代のイギリス。見える人アデーラ、感じる考古学者ユリウスが、メアリ・スチュアートの首飾りを巡って、王室を守るという話。

対立構図としては、エリザベス一世VSメアリ・スチュアート、プロテスタントVSカトリック

王室廃止派はイギリス国教会を廃止してカトリックを中心とした世の中を作り、共和制に移行。メアリ・スチュアート系の子孫で霊媒師を利用していく。

一方王室を守る側は「王室は政府の行き過ぎた行動を止める役割がある」を大義とする。

ヴィクトリア女王が夫の喪に服し5年も表に出てこないのは、いわゆる「呪い」のせいで、王太子や、廃止一派が「何もしない女王なんていらない」と打倒王室を目指す。

その戦いなんですけどね。

とにかくダレダレの芝居なんですよ。

最初こそ興味深く見てたんですけど、段々飽きてきたというか、いつになったら話が展開するのかわからず、いよいよクライマックスまで眠ってしまいました。

「メアリ・スチュアートって誰?」的な話をしている人達がいて・・・エリザベス一世は知ってるけど、スコットランド女王は知らんってわけで。

そこからか~~~ 舞台化もされているんだけどね=====

結果的には解決してユリウスとアデーラはガーター勲章を貰う(どこかの誰かが欲しがってるあれですよ)

正塚先生の意欲は買うけど、やっぱりセリフがだらだら続くのは見ててつらい。

背景の映像がなかったら全員寝てたかもしれませんね。

 

 Grande Takarazuka110 

中村一徳の作品はデビューの頃から知っていますが、今までの中で最もよい作品でした。

今回は110周年の映像が素晴らしく。カーテンが閉まっている間を埋めてくれました。

最初はいつものオープニングと思ってました。

とはいえ、群舞の衣装が新調されてて、舞台がスカート部分に茶色の影が入ったドレスの氾濫で舞台が黄金色に見えました。

第三章「アヴァンギャルド」では若手がものすごいダンスを披露。

そういえば月組、ダンスのレベルがいつになく上がっているのと、背が高い人が増えた。

下級生たちのオラオラ感は、ここ数年の月組では見た事がなく、あらら~~まあって感じです。若いっていいわあ。

客席降りもサービス抜群というか、何だかみんな目がぎらついているような?

でもやっぱり一番は第15場から始まる「思い出の雪の路」「荒城の月」でしょうか。

中村先生は恐らく珠城りょうの「Welcome To Takarazuka」の東京公演の「神楽」を見てたに違いなく、月城かなとに一番よく似合う装束を着せ、「荒城の月」を踊らせたのです。

半月の月が満月になっていく場面はすっかり「Welcome」と同じだけど、美しい装束に身をまとった月城かなとを再び目に出来た事は本当に嬉しく、そこからは涙腺が崩壊していきました。

ラスト、装束に月が描かれているのも、全く素晴らしく「月組」にふさわしいと思いました。

そこから海乃美月の歌が入り、礼華はるの「ムーン・リバー」が流れ、やがて20場の「MY Friend」に来ると、退団者がみんな銀橋に上がり、彩音星凪の姿を見たらもうダメ。

こんなに素晴らしいさよなら公演はないなあ。

月城かなとも幸せなら退団者全員、本当に幸せだったんだなあと胸が熱くなりました。

デュエットダンスも、最後にしてようやく二人の心が通い合っている感じで、美しいコンビがこれで終わりかと思うと、かなり残念でした。

月城かなと・・・芝居では小難しいセリフを淡々と話す、そういうのが似合ってる人なんだなと思いました。ショーでは人見知りの激しい彼女がやっと笑顔を見せた感じがして、よかったねと。特別ファンでもないのに泣いてしまいました。

海乃美月・・・芝居ではわりとごてごて系のドレスを着て、それがまた本当に似合います。美しさが際立ってました。もっともっと宝塚には必要だったなと。

鳳月杏・・・落ち着いた語り口、安定した歌唱力、突拍子のなさが面白く、今後に期待します。この人も日本物が本当に似合う人だしなあと。

風間柚乃・・・何をやっても失敗すると言う事がない人なんですよね。適切で上手で。でもその分地味に見えるのは致し方ないのかな。下級生が大きくてひときわ小柄感があるし。もう一皮むけないと追い越されてしまうような気がします。

礼華はる・・・前回よりすっきりして、貫禄が出て来たのはよい事です。もっと欲をだしていいのでは。

彩海せら・・・この人は成長したな感があり、今後、急速に上がっていくような気がします。マグマを持ってる下級生たちを率いるにふさわしい人かも。

天紫珠李・彩みちる・・・この二人の女対決を楽しませて貰ったのですが、恐らく天紫珠李がトップになってもこの構図は変わらないのではないかと。

 

何に触発されたのかはわかりませんが、とにかく下級生たちのオラオラ感が半端なく、それぞれ個性を打ち出し始めた事は本当にいい事では?

今の月の下級生ってわりと背が高いし、何でも出来るし、面白みもあるんじゃないかな。鳳月杏の下で自由にのびのびとやってくれれば、月組の魅力が増すのではないかと思います。

 

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アルカンシエル 東京千秋楽ライブ配信

2024-05-28 07:00:00 | 宝塚コラム

たゆたえども沈まず・・・

小池先生はこの言葉をどう解釈したろうか。

単なるフランスの話だから引用したとは思えません。

今、世界は揺れていますが日本も同じ。

いつ中国に侵略されるかわからない、ロシアにも同様で、そうなった時、プライドを保ち続ける事が出来るのか。

日本人が「たゆたえども沈まず」と言えるのか。

そんな思いを感じました。

小池先生オリジナルとしては、近年まれにみる良作ではないかと思っています。

内容が内容なだけにいつもの浅薄さでいくわけに行かず、知らず深くなっていたのかな。

ストーリー展開というよりも、クラシックにジャズにラテンと、様々なダンスを柚香に踊らせる、ピアノを弾かせる。

それぞれのいい部分を最大限に引き出した作品だと感じました。

まあ・・ナチスの将校フリッツが、軍人なのにパリに肩入れするってのは気持ちはわかるけど、実際にはありえず、そういう場合はスパイという設定にするのが通常と思います。

あんなにエンターティメントが好きなら何で軍人になるんだよって話で。

そもそも、ジャズを禁じられているのにわざわざジャズをやらせるとは、脇が甘すぎ。

ジョルジュの、ラストの一発は、これはもうしょうがないとは思うけど、そうは言っても伏線がないので突拍子がなく見えますね。

普通は、その場で射殺ものなのに、なぜか帰国ですか。

 

という様々な突っ込みどころもありました。

エッチなドイツ人から救ったら自分が狼になるパターンとかね。

後半はやや走りすぎ。あっという間に時間が過ぎてパリ解放だしね。

歴史を知っている人ならともかく、「連合軍」と「ソ連」の違いって判ってるかな。

ここらへん、難しいよね。

「凱旋門」「カサブランカ」を見て、さらに「その後」を見ないとね。

 

でも最終的にはやっぱり感動してしまうんですよね。

柚香光の一つ一つの表情をきりっとって全部写真にしたいと思う程。

なんて魅力的な男役なんだ。柚香光は。

そして何てお似合いなんだ。星風まどかと。

 

さよならのご挨拶。

柚香光の巧みな敬語使いにすっかり惚れました。

今時、原稿があったとしてもあれだけきっちりと敬語を使える人って少ないでしょ。

幸甚の極みでございます」(最高に幸せです)

ほんと、これには参りました。

本当にお育ちのよい人なんだなあ。どこかの皇后に日本語教えてあげてよ。

柚香光のご挨拶を聞いていると、日本の厳守である天皇皇后の稚拙さがよくわかります。

それに花!

持ってた花が・・なんだろう。あの大きな真ん中が実のようになっている花は。

あれにばかり目が行ってしまいました。

そしてご挨拶の後は、自由自在に「庭」でぴょんぴょんする柚香光が。

 

コロナの被害を最も受けた組のトップとして、本当に大変だったと思います。

私達にとって少尉を見ると、きっとあの頃を思い出すと。

だからこそ、目に焼き付けておきたい軍服の少尉でした。

 

ファンの皆さんも、お疲れ様でした。泣いて下さい。どうぞ。

慰める言葉はないけど、しばしの喪失感に浸り、また新しい一歩を踏み出しますように。

 

 

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さよなら柚香光

2024-05-23 07:00:00 | 宝塚コラム

私はそもそも花組には縁がないので・・・といいつつ、明日海りお時代は結構本公演見てたんだなと思う今日この頃。

柚香光は95期。礼真琴や月城かなと、朝美絢などと同期です。

新人公演を見ていないので、本公演で見たものの感想しか書けないのですが。

柚香光は非常に特徴的な顔をした人ですよね。

面長で目が大きくて鼻が高くて、新人の時はちょっとアンバランスな感じがしたものです。

ミーマイ」(2016)のジャッキーはいかにも男役が演じている感じだったけど、この作品で「非常に美人」という事がわかりました。

この人、帝劇とかでブロードウェイミュージカルが似合うんじゃないかなと思った記憶があります。

我が家の姫は「新源氏物語」での六条御息所がとってもお気に召して「柚香光最高」と言ってたような気がしますが。

要するに、新人の頃の柚香光は非常に中性的なので、女役をやっても違和感なく、むしろそっちの方がいいんじゃない?と思わせるくらいのものを持っていたという事です。

その後、本格的に柚香光のかっこよさを知った作品としては「金色の砂漠」(2016)ですね。

 本格的なコスチューム芝居で、悪役。演技や滑舌は全然いいと思わなかったけど、やっぱり見た目のかっこよさとか、コスチュームが似合うって事はよくわかりました。

柚香光の出世作としては「はいからさんが通る」(2017)ですよね。

チケットは即完売。そりゃこのビジュアル見たらもう。

こんなに伊集院少尉が似合う人っているんだなあと思いました。

のちにスカステで見て、ストーリーはともかく曲がよかった事。柚香光らしさが非常によく現れていて、これでファンが倍増。

「柚香光」と少女漫画の相性はよく、後に「花より男子」(2019)でさらにパワーアップします。

 

その後はとんとん拍子に出世して「ポーの一族」(2018)ではアラン・トワイライトを演じました。

へえ、こういういい所のおぼっちゃまも似合うのねと。彼女の育ちを見れば当たり前なんですよね。本当にブルジョア家庭で育った子だったんだなと。

年齢的にどうなの?と思ったけど、明日海りおのエドガーとの相性はよく、違和感がなかったなと。少女漫画が似合う男役がここでも証明されました。

個人的に印象にのこっているのが「CAKANOVA」(2019)です。

学年が上の鳳月杏の夫というだけでなく、非常に面白い悪役を演じてくれて、ここで演技力とか見せ方が開花したような気がします。

 

順風満帆のトップ就任だったけど、2020年のコロナ禍でお披露目の「はいからさんが通る」が休演の事態に。さらに緊急事態宣言が出て、ジェンヌさん達はみな活動休止を余儀なくされ、ファンも非常に悲しみました。

本来なら華やかにトップ生活が広がる筈だったのに、何の因果なんだろうと私自身も考えてしまいました。出版社が公演チケットを抽選で売ってくれる企画もあったけど、そもおじゃんになったし、あの頃は演劇界全ての火が消えたようでした。

スカイステージによる無観客の配信も悲しかったなあ。

でも、実際にこの目で見た時は、正直、涙が止まりませんでした。

待ちに待った宝塚が、華やかな宝塚が戻って来たのだ。

そして柚香光の少尉の姿を見た時は感動しました。

舞台の幕が上がる事が当たり前でないと痛感」したという。そうだよね。本当に。

オケなし、銀橋なし、メンバーも減らされて・・さらに何度かの休演を経て上演を続けるストレス、毎日PCR検査をするストレスが、観客の立場でもそのつらさがわかりました。

そういう意味で「はいからさんが通る」は非常に印象的でした。

 

柚香光と華優希の相性も素晴らしくよかったけど、「元禄バロックロック」(2021)から組み始めた星風まどかとの相性は抜群で、ここらへんから非常に「自由な」柚香光を見るようになったと思います。

 二人のラブラブぶりに何度にやついたかわかりませんが。

ただラブラブというのではなく、柚香の娘役に対するからかいの仕草や、いきなり驚かせたり・・という観客もびっくりのアドリブが非常に素晴らしいのです。

舞台を「庭」のように歩く人・・・それが柚香光です。

一切、段取りをみせず、本当に自然にやってくれるので「自在に空間を操っている」ように見えたのですね。

「巡礼の年」(2022)ではピアノも披露してくれて、本当に芸術家の中で育ったんだなとつくづく感じました。

傲慢さも、傷ついた顔も、自然で生まれながらの才能があるからこそと思わせるところが柚香光の柚香光たるゆえんですね。

また「うたかたの恋」では、今までこんなに泣いたルドルフはいたろうか?という程泣いてて。ちょっとこちらももらい泣きしてしまいました。

鴛鴦歌合戦」では、七五三のような衣装、あまり相手役とラブラブってわけではなかったけど、コメディセンスも発揮。

コメディと言えばブロードウエイミュージカル

Nice work if you can get it」(2021)と「TOP HUT」(2022)の好演も見逃せません。

軽薄な男も柚香光にかかるととっても魅力的になるという所が・・・本当に素晴らしいです。

千秋楽の挨拶なども、非常に個性的で客の心を掴むのが上手だなと本当に思います。

出来ればこのまま男役として外でもブロードウェイミュージカルをやって欲しいくらいですが、やっぱり女性になっちゃうかな。

でもコロナで世界中が最悪の日々を乗り越えて、華やかな宝塚を一番最初に見せてくれた柚香光には本当に感謝しています。

今後、どのような道を行くのかわかりませんが、器用な人だし様々な才能も持っているので何も心配してはおりません。頑張って欲しいと思います。

 

そして星風まどかも。

宙組にいた時は常に「妹」的な役ばかりで、実力の半分も生かされていなかったと思ったものですが、花組に来て生き生きと花が咲いてよかったねと。

演じる力がある人なので、今後も大きな舞台で活躍してくれるといいなと思います。

二人とも、ご卒業おめでとうございます。

 

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