ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
毎日更新しています。

長崎ランタン祭の皇帝役に飛翠真凛

2025-01-30 07:00:00 | 宝塚コラム

いきなり「長崎ランタンフェスティバル」と言われても、長崎に縁遠い存在の私にはぱっとはわからず、そういえば、いつぞやの月9のドラマでそんなシーンがあったかもと。

こんな感じのフェスティバルだそうです。

これの2月8日のパレードの皇帝役に星組106期で長崎出身の飛翠真凛が選ばれたそうです。

へえ・・・106期かあ。

たった1日とはいえ、大役ですね。確か今、「にぎたつ・・・」が終われば休みだし?

 結構化粧が上手になればイケメンになりそうな・・・

で、皇帝役ってどこの皇帝なの?と思ったら。

去年の皇帝が福山雅治だったらしい。

あら、皇后陛下は仲里依紗。

しかしこの衣装は確かに清朝だけど、何で下半身が袴なんだ?

宝塚から「蒼穹の昴」の衣装を借りてはいかがでしょう?

でも、こんな格好の彼女を見てみたいと思うのは私だけかしら?

きっと若くて立派な皇帝陛下になりますわ。

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礼真琴のANTHEM の意義

2025-01-27 07:00:00 | 宝塚コラム

何日経過しても武道館の興奮が収まらないのであえて書かせて頂きます。

とはいtっても、しつこく書くけど武道館は決して音楽向きの場所ではないです。

アリーナ席と1界のスタンド席以外は舞台がほぼ見えなくなるので、礼真琴がトロッコに乗って動いているシーンや、舞台上の群舞の意味も、双眼鏡だけでは読み取れない。

ただ、会場がくるくると色が変わっていく、炎が燃え立つ、紙吹雪がこれでもかっと言う程に飛び出す、みんなのブレスレットが勝手に色を変える。

そういう意味では現場で見てよかったなとは思います。

しかしながら、いわゆる「アリーナ席」はOGが沢山いました。その理由は恐らくですが、

礼真琴で武道館を埋める事が出来るか」という問題だったと思います。

アリーナ席を用意するのでと呼んだOGは本当に沢山いたし、彼女達がかぶりつきで見る事が出来た事に文句をいうつもりはありませんが、いわゆる、コツコツお金を貯めて、ファン歴も長いファンを「貢献度」によって差別化するというのは、ちょっと嫌、許せないなと思います。

当初は余裕でチケットが取れるようなことを言いながら、一か月前には「チケット難」になり、結果的に上手下手に追いやられたファンたちはどの層なのか。

毎回目にするこういう光景が、少しずつ不信感へ繋がるなと思いました。

この武道館は配信で見るのが最も正しかった。でなければアリーナ席か。

とりあえず私が見た千秋楽はブルーレイになるようなので、この際、ファンであってもなくても、何なら宝塚を見た事のない方にもぜひ見て頂いて、それくらいの価値はあると思います。

総合演出を手掛けた太田高彰氏による会場の雰囲気作りは抜群で、それはもう宝塚じゃなくて、様々なバンドやアイドルのコンサートのようで、さらにその中でも非常に上質で迫力あるステージ作りだったと言えます。

今まで武道館でコンサートを行って来たのは二人。

真矢みきと柚希礼音でした。

真矢みきが武道館でコンサートを行うと聞いた時の驚きと「席が埋まるのか?」という心配は今とすっかり同じでした。

でも真矢の生み出した世界は、あの当時の宝塚ではありえない程現代的でかっこよかったと思います。

柚希礼音の場合も、ダンス力を生かした素晴らしい舞台だったと思います。

しかし、今回のANTHEMはまずテーマがそこにありました。

応援歌」を意味するANTHEMという言葉を軸に、ファンに対して前向きになれるような楽曲だけを集約して選びました。

私は、礼真琴の最初のコンサートである「VERDAD」を見ています。

まだコロナ禍で会場はアンフィシアター、これまた円形の不思議な劇場の、ありがたい事に一番うしろだけど真ん中から見る事が出来たのです。

前半は星組の歴史を振り返るような演出。後半はJ-POPやミュージカル曲に特化して進みました。

宝塚らしく、おしゃべりも多かったなと思います。

でも、カラオケボックスをイメージした背景と礼真琴が歌うAdoの相性のよさに驚いて、「礼真琴にぜひJ-POPを歌って欲しい」と思いました。

その願いが叶って「REACH」というアルバムが出たんですけど、個人的にはちょっと期待外れ。もう少し最近の曲を入れて欲しかったなと。

とはいえ「ギラギラ」「勇者」などは本当に素晴らしい出来で、退団したらシンガーになってくれたらいいのにと思いましたよ。

だから今回も「VERDAD」のようなものになるのかなと予測していたら、とんでもないものだったという話です。

最初から照明は勿論レーザー光線飛びかう中で、EXSILEやそれ系の人達が表現できない「真っ当な歌唱力と圧倒的なダンス力」でガンガンと「ANTHEM」を歌い出すわけですから。

見た目は勿論いいし、星組のメンバーの個性的といったらない程で、それなのになぜかものすごくグループとしてまとまっています。

礼真琴のオーラが組子に放射状にのびているかのような錯覚を起こさせるものでした。

「オーリバル」など日替わりのメニューでは、その度に照明が変わり、当たり前ですが曲のイメージを変えていく・・そして老人ですらもノリノリにならざるを得ない程のパワーに圧倒されていきました。

曲を選ぶ→順番を決める の流れがものすごくよくて、違和感も変化もわからず、一瞬にして世界観が変わっていく感じでした。

ひろ香祐がマイクを担当したトークで語られた内容は、宙組だったらきっとパワハラと言われるのではないか?と思う事もありましたし、でもそういう事があったから下級生が育ってきたのだと思うと感慨深いものがありました。

組において下級生が育つ理由は二通り。

 ものすごく目端が利いて面倒見のいいトップ

水夏希や北翔海莉がそういうタイプで、すれ違いざまにアドバイスしたり、楽屋で指導したり、厳しい事もいいつつ褒める事も忘れない、飴とムチを使い分けるタイプ

 自分が何も出来ない事を認めて下級生に委ねるタイプ

真琴つばさや紅ゆずるがこのタイプで、自分の欠点を認め、苦手な事は出来る生徒にどんどん振るおおらかさを持っている。彼らが教える事は常識です。

 

礼真琴は目端が利いて面倒見がいいタイプです。むしろ、カリスマトップの元では下級生は頼ってしまって育たないというわけです。

そんな人柄を知った所で、「これからはちょっと宝塚の世界に戻りまして」と言われて始まったのが、一つの曲の中に宝塚の礼真琴が関わった作品を織り込んでいくという手法。

そして、それを下級生が実際に衣装を着て担当し、礼真琴と和していく。

これで泣かないファンはいないだろうと思います(私はひたすら関心してたけど)

で、最も素晴らしかったのは「マダム・ギロチン」でこれ以上ない悪役の顔を見せた礼真琴が、そこから「最後のダンス」を歌い、そして消え、そこに暁千星が圧巻のモダン・ダンスを見せて、礼真琴が中央のセリから飛び出すシーン。

私から憎しみを奪うな」から「栄光の日々」とヅカメロディを紡いだと思ったら、そこからまた一瞬にしてJ-POPへ戻る。

通常だと暗転してちょい時間があって、トークを挟み・・という場面からなんでしょうが、これを省略しても全然問題ないという流れに圧倒されました。

ミセスの「Soranji」は多分、本人達が歌うよりずっといいと思いました。

Adoなどの曲もそうなんですけど、いい曲をさらに綺麗な声で迫力で盛り上げる礼真琴の歌唱力は本当にPOPSに向いています。

最後に「星を継ぐもの」で締め、「THIS IS ME」をアンコール曲に選んだことも、最初から最後までファンを応援し続けてくれた楽曲選びだった思います。

 

礼真琴とテジェさんの新曲「SOULS」を聞けばわかりますが、彼女は宝塚の域を超えたコンサートを行ったと思います。

これを見た後では過去のどんな宝塚のコンサートを見ても古いと思ってしまうかもしれません。時代の流れにピッタリで、むしろ最先端をいく楽曲が宝塚のトップスターが歌い切ったという意味で、本当に意義深いコンサートでした。

TCAミュージックで「RECH」の中の曲がアップされているので、騙されたと思って一度お金を払って聞いてみて欲しいです。無論「SOULS」も。

退団が惜しまれるな・・・・と。

 

 

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ANTHEM 千秋楽

2025-01-22 07:00:00 | 宝塚コラム

「ANTHEM」見てまいりました。

結果的に日曜日と千秋楽を見て、間の月曜日は配信で見たので、合計3回見た事になります。

 1月19日

この日は余裕があって、とんすけと姫と靖国神社へ行き遊就館を回って武道館入りしました。武道館はそもそもがコンサート向きではないと思ったのですが。

トイレも女性に配慮されていたとはいえ、結構大変でした。

1月19日の18時半の部の日替わりの曲は「オーリバル」で会場がオレンジ一色に染まりました。

若い時以来、コンサート経験のない私にとって上手側のスタンド席は、正直、出演者が何をしているのかわからなくて、ただひたすら、レーザー光線のすごさや紙吹雪の華やかさに圧倒された時間でした。

ブレスレットも勝手にぴかぴか光るのを楽しんでいました。

隣の人はノリノリで一生懸命拍手していたけど、こちらは追っていくのがやっとという状況で(情けない事に)

ただ礼真琴の歌唱力の圧倒的なうまさに感動し、照明その他、装置の素晴らしさにただただ震えていたという事です。

また暁千星が髪を伸ばしてる事に驚き、二番手としてまた礼真琴の相手役として素晴らしく立派になった事にやっぱり感動していました。

選曲の素晴らしさ、そしてその順番に寸分の間違いもない事に驚き、その世界観に埋没して気が付いたら終わったって感じです。

トークコーナーでは天飛華音が「ANTHER WORLD」の礼真琴の役を貰って、震えて泣いてしまった時、礼真琴に優しく「大丈夫」と抱きしめて貰ったそうです。その後も本番までなにかと面倒を見て貰ったと。

そういう上級生と下級生の間柄は本当に宝塚ならではの事で決してこれはパワハラではないのにと思いながら聞いていました。

驚いたのは後半、宝塚の曲を下級生が衣装を着て登場。それらを礼真琴が一緒に歌いながら、最後に「VIOLETOPIA」の曲で締めるかっこよさ。

さらに「マダム・ギロチン」から「最後のダンス」と来て「栄光の日々」への流れが自然すぎて聞き入ってしまったこと。

さらに礼真琴の新曲「SOULS」のナンバーが全然浮かなかった事に驚きました。

正直、武道館というのはアリーナ席で見ないと何の意味もないなと思わせる部分もありました。

端っこで見てると何が何だかわからないし、ただ、紙吹雪とレーザー光線、そしてブレスレットの光はその場にいないと経験出来ない事なので、それだけはよい経験だったと思います。

 

1月20日

この日はOGが沢山来てて配信でもみんなが落ち着かない事がよくわかりました。

正面からの配信でやっと出演者が何をしていたかわかり、「ああそうだったのか」と納得したりね。

そもそもコンサートならではの音の重厚感と照明の連携がすばらしく、ANTHEM=応援歌という意味が本当によくわかりました。

礼真琴はファンの為に「応援歌」になる曲ばかりを選んでくれたんだと。

マイナスの言葉が一つもない世界観。癒しと許しと自己肯定感に満ちた楽曲は本当に心地よく、礼真琴はポップスが似合う。

それは「VERDAD」の時によくよくわかっていたけど、あの当時よりより強くわかりました。礼真琴は宝塚で唯一無二のボーカリストです。

何というか、礼真琴によって武道館のコンサートの様式が変わったというか、今までのスターとは違う、J-POPもミュージカル曲も歌い分けられる実力が必要なのだという事です。

「流星」は礼真琴と暁千星のデュエット作品ですが、二人の音域や声の質の合う事と言ったら!いい相手役なんだなと勝手に思いました。

礼真琴の過去の作品へのオマージュは、下級生が衣装を着て一緒に歌うという趣向でこれがわりと斬新に見えました。

そうか、この子でこの役でもよかったんだなと。

どの役も「ただ愛しい」それがよくわかる演出でした。

 

1月21日 千秋楽

この日は大変でした。ぎりぎりに九段下に着いて、とりあえず駅のトイレ待ちをしてたら時間がなくなって、この年で姫にはっぱをかけられながら北の丸公園を走り抜け、そこから階段を上がって西側へ行く・・・という事をやってしまったので席に着いた時は吐きそうになるし、咳が止まらなくなっているし。

よくぞ姫に引っ張られながら走ったものだと自分で自分を褒めちゃう。

そして、今回は下手側だったので前回よりは舞台がよく見えてほっとしました。

そうですね。

「流星」の時、より一層礼真琴が暁千星の肩によりかかって結構「姫」してました。

JーPOPで歌い上げた前半は衣装も華やかで、観客の心に刺さるものばかり。

礼真琴は音域が広いからいいのですが、やっぱり下級生が大変だったのでは。

その下級生たちも全面に出る事が多くて、番手の順を関係なくしている事が新しく、それぞれの個性が見えて、一回り大きくなったような気がします。

宝塚の曲では「マダム・ギロチン」の圧倒的な迫力にびっくりして、そこから静かに「最後のダンス」へ行き、そこから違和感なく「栄光の日々」への流れが素晴らしく、聞き入ってしまいました。

「栄光の日々」では暁千星がパーシーの部分を歌っていたんですけど、もしかして「スカピン」も合うんじゃないか?と思ったり。

そして「Soranji」にはみな泣かされました。

「われらは尊い」という歌詞が突き刺さるんです。

いつかミセスとコラボしてほしいとつくづく思いました。

また、暁千星のダンスもすごくて、いや、何でこんなに目に焼き付くようなダンスを・・・・と言葉が出ないわ~~と。

そういう得意な事をやらせてくれるのも素晴らしくて、礼真琴の懐の広さを思いました。

「SOULS」は最初はわけがわからず聞いていたんですけど、よくよく聞くと名曲だなと。礼真琴の宝塚人生が詰まっている歌詞に心打たれました。

本当に本当によくぞここまで…と思うと下級生の頃から見て来た身としてはただただ嬉しくて、ありがたくて。

ここにいるのは大スターだけれど、ある意味等身大のエンターテイナーで、この10年以上、悩みつつ葛藤しつつ自分を磨き上げて来たのだと思うと、若さというのは素晴らしいと思うし、今まで宝塚にはいなかったタイプだったのだと気づき、今、目にしているものの価値を再確認しました。

無理してでも来てよかった。時間を共有出来てよかった。

私ももうちょっと頑張れるかと思いました。

私はブルーのパーカー。なぜかとんすけも一緒。千秋楽までついて来るなんてねえ。

「だってぼく、ずっとこっちゃんみてきたし」

はいはい。

姫は緑のパーカー。緑というよりカーキですね。この色を着ている人が多かったです。

「僕も忘れないで」あ・・・とんすけったら。

でもこのパーカーはラメがぼろぼろ落ちるので、たちまち上に着ていたコートもキラキラ。洗濯したら下着までキラキラ。

どうするの、これ・・・・って感じです。

 

 

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動画でみない?ハジメテのタカラヅカ

2025-01-06 07:00:00 | 宝塚コラム

つい先日、私のバッグに暁千星のワッペンがあるのを発見した全く知らない人が「あ、ありちゃん」と言ったので、「もしかしてヅカファン?」と聞きました。

「デイミトリ」から星組を見て、礼真琴のファンになり、今回の「記憶にございません」は「かっこよくない礼真琴様はダメです」と言いつつ5回も見たんですって。

どうやってチケットとったんだろう。

宝塚におけるチケット事情はひどくなるばかりです。

けれど、大劇場はそうでもない。「見たければ兵庫県までおいで」って事なんでしょうけど、阪急は意地悪だなと思います。

大切なお披露目やさよなら公演に高校生や農協の団体を入れる。席は埋まるかもしれないけどファンを増やす事にはなりません。

少子化で若い人はK-POPに流れる昨今、新しいファンの発掘は重要ではないかと思うのです。

宝塚を見ると言えば真っ先に浮かぶのが「タカラヅカスカイステージ」です。

ケーブルテレビに入っている人はスカステが入っていたり、あるいはオプションでついていたり。料金は毎月2970円。3000円くらいはかかります。

我が家の場合はケーブルテレビのオプションで入っています。

朝から晩まで宝塚三昧ですからファンにとってはいいけど、初心者にいきなり3000円は高い。

その知らない人も「スカイステージは高いので入ってません」といいました。

それからWOWOWでも月に1本、宝塚の放送があります。他にも映画もみれるしドラマもあるし、決して損ではないけどやっぱり2000円強。

我が家はオプションで入っています。

 

これらはケーブルテレビやスカパー加入者にとってはちょっとお得かもしれないけどそう言うのがない人が宝塚を見る事は出来ないのか・・・というと、そうでもないらしい。

Amazonプライムに加入中の姫は、アマプラの中でタカラヅカ・オンデマンドにさらに入る事によって、古い宝塚の作品をレンタルする事が出来ます。

ショーや芝居だけなら500円くらい。2幕物は800円くらい。

でも月に一度、無料で見る事が出来る作品があります。

今月、つまり1月には、月組、明日海りお版「ロミオとジュリエット」と星組のショー「ジャガービート」を見る事が出来ます。

無料ならまあ・・・見てやってもいい?

期間中なら何度見ても無料なので、ショーを初めて見るなら3回は見て欲しい。最初はなんだこれ?2回目は音楽が耳になじみ、3回目は目を引く人が出来るという感じですね。

ジャガービート」は東京で2023年のお正月から公演が始まりました。

星組の礼真琴をトップに据えた作品です。

宝塚にはトップスター制度があって、

トップスター・・・礼真琴

トップ娘役・・・舞空瞳

二番手・・・瀬央ゆりあ

3番手・・・暁千星

4番手・・・極美慎

2番手娘役・・・有沙瞳小桜ほのか

3番手娘役・・・詩ちづる

ここらへんまで名前を覚えておけばOK。基本、舞台に出て来る順はこの順になります。

このショーは、礼真琴演じるジャガーが舞空瞳演じる蝶?に恋してそれが無残に終わるも最後はハッピーエンドのデュエットダンスというストーリーです。

ブラックパピヨン(暁千星)に羽根をもがれたクリスタ(舞空瞳)は羽根を探すのですが、一目ぼれのジャガーがそれを追いかけていく。

1枚の羽根が各舞台で人の手に移る事で連続性を示しています。

秀逸なのは、サーカスの団長(暁千星)に誘われるままそこに入り込んだジャガーが翻弄され、仲良くなった女の子が実は機械仕掛けのお人形だったというシーン。

詩ちづるの目をあいたままの倒れた姿がさすがっ!と言われたシーンです。

そこから各スターが出て来る中詰めへの入り口に入るのですが、夜の世界で明るく歌い踊る瀬央ゆりあを始めとするスターたちの流れが最高に盛り上がります。

衣装がド派手で、みんな髪型にも創意工夫がみられ、その派手さに目がちかちかしてしまう程です。

中詰めの後は、「ナルキッソス」のシーンで、これを姫に解説させると

有沙瞳がカッコいい暁千星に惚れて仲良くなるけど、ふと鏡を見たら「なんて綺麗な僕」と暁が思ってしまい、もう一人の自分(極美慎)に夢中になって有沙瞳を捨ててしまう。怒った有沙瞳は魔法をかけて二人を石にしてしまう」

というストーリーなんですけど、この暁・極美のダンスの高度な技術とカッコよさと色気。見ている方は全然有沙瞳に感情移入するんじゃなくて、自分に酔っている二人に「素敵」と思うんだからすごい。

最近の宝塚ではこういうBLシーンが多用されていますが、その中でも秀逸なシーンです。

さて、クリスタを追っていたジャガーはようやく羽根をみつけ、彼女の元にかけつけますが、クリスタは車椅子で歩けない。でもジャガーが羽根の花束を上げると魔法がかかって歩けるように。二人の束の間の楽しい時間。

そこにバッファロー(瀬央ゆりあ)が現れ、戦いになりクリスタはジャガーを庇って死んでしまう。

そこでジャガーが初めて流した涙。それが「愛」を知った瞬間と言う事になります。

ここでもやたらかっこいい歌やダンスが出てさらに礼真琴の驚異的な早変わりにびっくりし、生き返ったクリスタとデュエットダンス。

本当はデュエットダンスが出ると、次はもうフィナーレのパレードなんですけど、ここでは「ジャガーとクリスタの話は終わり」で、いよいよ本当のフィナーレが始まります。

紫色の衣装に着色のモールをまとった極美慎が西城秀樹の歌を熱唱。

それから瀬央ゆりあがこれまた西城秀樹。

斎藤吉正は秀樹が大好きなんですよね~~~

大階段のダンスでも礼真琴は歌って踊って大活躍。

これでもかっ!と歌い踊り、さらに瀬央ゆりあと暁千星を従えて踊り、ラストは舞空瞳とデュエットで締めます。

画面で見てても気持ちが上がっていくとうか、東京の千秋楽なのでお遊びや掛け声、振りが半端ではなく力が入っているのがわかります。

損はさせません。

これ見たら絶対次も見たいという気分になります。

色々お金がかかる部分も有料動画配信にはあるけど、でも今回は無料ですので、ぜひ見た事のない方には見て頂きたいです。

 

 

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独断と偏見による宝塚大賞

2024-12-28 07:00:00 | 宝塚コラム

今年の宝塚は本当に大変な1年だったと思います。

事実に基づかない誹謗中傷にさらされ、伝統破壊までされてしまう程で。

でも、女性しかいない宝塚で秩序を保つにはある程度の厳しさは必要で、それに勝った人だけが残れる世界だと思うんですよ。

外部の人間関係の方がずっと複雑だし、厳しいわけで宝塚だけがやり玉にあげられるのはおかしいと思います。

藤井先生が復活してくれるのを待っているし、「お声がけ」も絶対に必要だと思っています。

さて、今年はあまり実際の舞台を見る事が出来ず、それは来年もそうだろうと思っています。

スターがスターでいる為には一般人よりも大事な顧客があり、だからチケットが回らないのだろうと思います。

阪急はそれを先に考えないと。あ、でもディズニーリゾートのように

一般人の家族連れよりオタ同士でし烈なグッズ争奪戦をやってくれる方がずっとありがたい」と思っているんだろうな。

関西はともかく東京で宝塚を見る事が出来る人はある意味、「選ばれた人」なわけですから。OGも沢山毎日のように観劇している様子で、それはスターもファンも嬉しいけど、その為に普通の人が見られないのは残念です。

 

それでは独断と偏見による宝塚大賞を始めましょう。

 

 最優秀作品賞 芝居部門

星組「RRR」・・谷貴矢演出。原作がインド映画という事でどうやるんだろうと心配でしたけど、蓋をあければ子供も大人も楽しめるエンターテイメントになっていました。あの作品を1時間半に詰め込んだのは素晴らしいし、星組の団結力と「ナートゥ」ダンスに脱帽。

星組「夜明けの光芒」・・・鈴木圭演出。原作はディケンズ。原作と比べるとよりシンプルなストーリーがわかりやすく、古き良き宝塚を思わせる作品性に惹かれました。

 最優秀作品賞 ショー部門

星組 「Violetopia」・・指田珠子演出。あんなに暗いとか地味とか言っておきながら最終的に中毒になってしまうあたり、どこかオギーを思わせます。

音楽の選び方、展開、振付、衣装、全て調和されていてよかったです。今後はトップをいかにトップらしく見せる事が出来るかを考えて欲しいです。

月組「Grande TAKARAZUKA 110!」・・・中村一徳。月城かなとの退団にふさわしい、そして宝塚110周年にふさわしい仕上がりで、ファンでなくても感動出来る作品でした。

 

 主演男役賞

礼真琴・・・そりゃぶっちぎりですよね~~「RRR」「記憶にございません」の演技に対して。緩急つけ、どんな役でも自分のものにしてしまう。さすがに優等生だなと思いました。どこの組の人もここに至る事が出来ない事が問題なんでは?と思いますけど。

 主演娘役賞

瑠璃花夏・・・万年子役で未だに表に出てこられない瑠璃花夏を「夜明けの光芒」のエステラにした演出家は偉いと思います。本当は演技力もダンス力も美貌もある娘役です。「RRR」のマッリは最高に素晴らしかったし、男役にとって「守ってあげたい」と思わせる要素が高く、伝統的な娘役です。

 助演男役賞

朝美絢・・・男役っていうかオスカルはどっちなんでしょうね。オスカルが今宵一夜でびくつく顔が忘れられず、その目力に圧倒されました。

縣千・・・このアンドレは久しぶりにいいなと思いました。縣千は実力派なんだけどイマイチ地味でこれ以上成長するかどうかはわからないけど、男らしい理想のアンドレでした。

 助演娘役賞

小桜ほのか・・・「RRR」の怖ーい夫人の役、また「Violetopia」のサーカスの場面における素晴らしい声。すっかり大物になりましたよね。

音彩唯・・・「ベルサイユのばら」のジャンヌが最高でした。意欲的で元気で前に出ようとする姿がいいかなと。ただ気の強いだけの娘役にならないようにしてほしい。

 最優秀歌唱賞

小桜ほのか・・・今、彼女に勝る歌唱力を持った人はいないのかもしれませんね。声が綺麗だけではなくどんな歌でも歌いこなしてしまう所が素晴らしいなと思います。

 最優秀ダンサー賞

暁千星・・・当たり前ですけど。「夜明けの光芒」のフィナーレのシンプルなダンス、「Violetopia」のシャンパンの女王とか、とにかく演出家が「暁には踊らせたい」と思うようです。本当は歌唱力もあるんだけどね。

 最優秀演出家賞

植田紳爾・・・「ベルサイユのばら」の演出について。驚きましたね。あの方、まだまだ「ベルサイユの蓮」を作る事は出来ないなと。どうしてそういう発想が来るのかなとか、どうして若手がそういう風に考えられないのかなとか、色々こちらが考えてしまいます。

「ベルばら」をばっさり切って、歌舞伎仕立てにしてセリフが重複しようが構わなくて、とにかく見せ場を与えること。スピード感があること、特に二幕目最初のシーンはびっくり。無論、階段降りのあとの客席から登場にもびっくり。

何か新しい事をやってやろうという意気込みがすごくて大御所ぶりを発揮しました。

来年は礼真琴と芹香斗亜が退団、大幅な組替えがあり混乱が予想されます。

個人的には好き嫌いに関わらず、頑張って千秋楽をみようかなと。

 

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宝塚 大幅組替えは吉と出るか凶とでるか

2024-12-17 07:00:00 | 宝塚コラム

清く正しいヅカファンはじっと組替えに耐え、ぐちゃぐちゃ言わないのがよい。筈・・・です。

でも、私のようにショックでぶっ倒れそうな人もいたと言う事で書かせて頂きます。

大幅な組替えが発表されました。

花組

二葉 ゆゆ・・・2025年4月4日付で宙組へ組替え

月組

きよら 羽龍・・・2025年3月10日付で宙組へ組替え

 

雪組

愛 すみれ・・・2025年6月23日付で宙組へ組替え

叶 ゆうり・・・2025年6月23日付で宙組へ組替え

星組

極美 慎・・・2025年8月11日付で花組へ組替え

宙組

瑠風 輝・・・2025年8月1日付で星組へ組替え

専科

水美 舞斗・・・2025年4月28日付で宙組へ異動

(6月の別箱「RED STONE」に出演予定)

瀬央 ゆりあ・・・2024年12月29日付で雪組へ異動

(3月の朝美絢お披露目から出演予定)

 

きよらは元々宙組に行く予定だったからまあいいとして。

宙組の次期が桜木みなと95期で、そこに水美舞斗と愛すみれを入れる。

同期3人にして最強軍団にするんですか?

宙組に関して言えるのは、今必要なのは組子を増やす事で、はっきり言って上級生より下級生を増やすべきじゃないかと私は思っています。

上を3人95期にする事で、壁を作ってしまうのではないか?と思ったり。

またいくら同期とはいえ、カラーが違うよね~~と。

宙組の次期2番手か?と目された瑠風輝がなぜに星組へ?

暁千星の同期なんだけど、今の星組には98期が沢山いるんですけど。

 

さらに花組は極美慎が異動。これまた聖乃あすかと同期。

二番手に同期を入れる意味は?競争させてどっちか落としますと言われているようなもの。

そういうやり方、今までなかったと思うんですけどピラミッドの頂点を目指すなら戦えと言う事でしょうか?

 

雪組は、縣千がすんなり上に上がらなかったという事なんですね。

私はなかなか味が出てきたと思ったんですけど「まだ早い」ので瀬央ゆりあを入れると言う事ですね。

大人しい雪組(朝美絢だけギラギラしてますけど)に刺激を与える事になるんでしょうか。

なぜか月組だけは鳳月杏と風間柚乃体制に変わりがない。

でも正直、本当にテコ入れが必要なのは月組だと個人的には思います。

 

こういう人事になった理由はただ一つ。

育つのが遅すぎる」からです。

もはや100期なんて安定の二番手をやっていなくちゃいけない筈ですし、98期もトップになって当然、お任せしますでいかなくちゃいけないのに、作品に恵まれなかったのか、本人の実力なのか、今一つ「不安」材料が消えない100期から下って事ですよね。

入団時の審査に問題があるのかもしれません。

今やAKBなどの方が「あの子、男役できそう」っていう子がいくらもいる。

彼らに「宝塚」という選択肢がなかったのはなぜかと言う事を歌劇団は考えるべきです。

いつまでも天海祐希だ檀れいだと言ってる場合ではないのです。

暁千星レベルが他の組にがんがんいるのが普通なんですよ。

だらだらと上げてトップにしたのはいいけど、結局組のカラーを残せずに退団した上級生の背中を見て来た下級生はどうしたらいいのか?

歳のせいなのか、下級生がみんな同じ顔に見えて。

何でもっと個性を発揮しないかなと思って見たり。そういう事を許さない組事情があるんだろうかと思て見たり。

 

金持ちで沢山チケット買って、ジェンヌに貢ぐ人達だけいればいいという、歌劇団のスタンスもよくないです。

この少子化時代によくそんな親方日の丸的な営業が出来るなと。

だからスターも育たないのでは?

貧乏人は映像で見てればいいとでも思っているのかな。

いやいや、愚痴をこぼしてもしょうがないんですけど。

星ファンとしては極美慎が花に取られるのが本当に嫌っ!

暁・極美の素敵なダンスみたいじゃないの?ビジュアル最高!イケメン最高!何でもはや美しい聖乃あすかがいる所に行く必要が?

いつかの真飛聖のようにならなきゃいいけど。本当に心配です。

そして何で宙育ちの瑠風輝が星に来るの?今更。

すんなり宙で上げて上げればいいのに。星は体育会系なんだけどな。

まあ、先は長いのでこの人事が本当に未来の宝塚にとって吉と出るか凶とでるか見据えていかないといけませんよね。

 

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星組 千秋楽ライブビューイング

2024-12-03 07:00:00 | 宝塚コラム

結局舞台を見る事は出来なかったのですが、配信の方で見ました。

 記憶にございません 

石田昌也が三谷幸喜の映画「記憶にございません」を舞台化。

今になってなぜ「記憶にございません」なんだろうとは思ったけど、総裁選や衆院選などの時期と重なり、映画さながらに考えさせられることが多々あったと思います。

映画と違う部分は

・小野田っちと奥さんとの友情物語

・記憶を取り戻すシーン

ですかね。

正直、あの映画をどうやって?と思ったけど、22場も使って細かく原作に忠実に再現したという感じがします。

ナレーションというか、ストーリーテラーとしてニュースキャスターを用いた事もわりとスムーズにいけたかなと思います。

とにかくギャグが面白い。千秋楽だけあってみんな好き勝手なアドリブで場を笑わせ、真剣にやっている所が本当に面白くでかなり笑わせて頂きました。

「献金マンボ」は耳から離れなくなります。石破の姿を見る度に歌ってしまいそう。

とはいうものの、やっぱり映画を舞台化するのって難しいのではないかと。

三谷幸喜はそもそも舞台出身の脚本家ですから、やりやすい方だったのかもしれないけどあまりに場面転換が多すぎてついていけない部分もあったし、よその組がやったらさぞやつまんないだろうと。

タイプなんだ」というセリフも中井貴一が言うからリアリティがあるので、礼真琴が言うとやっぱりどこかセクハラに聞こえる。男役には似合わないセリフですよね。

どうしても主役に重きを置く為に、本来個性的な面々がかすんでしまう事も事実で、例えばお手伝いさんもそうだし、井坂もそうだなと。

舞空の「魂胆があるのね」も石田ゆり子程可愛くないといういうか。

でもまあ、最後はいつもの星組のようにわちゃわちゃして終わって楽しかったねと。

 

 Tiara Azul 

「青い星」

竹田悠一郎デビュー作品。

なぜ今、アルゼンチンのカルナバルなのか、ブラジルと何が違うの?

でも調べてみたらどっちも似たような感じらしい。

宝塚でカルナバル物といえば

「ノバ・ボサノバ」「サザンクロスレビュー」「RIO DE BRAVO」と色々あるんですけど、全体的な印象としてはそれらをごちゃまぜにして、いいとこどりしただけ。

ついでに「パパラギ」から場面借りました~~って感じで、正直あまりオリジナル性は感じていません。

そもそも、主題歌がどこかで聞いた事があるようなフレーズで、そこで何で音が下がる?

思い出せないけど、絶対に聞いた事があるぞ~~に加えて衣装がめちゃ古臭い。

リズムもまた90年代そのもので、目新しいものと言えば、「やけタンゴ」と大階段のシーンだけじゃないかと。

そして最低と思ったのが、背中につけている羽根と被り物。これが本当にひどい。

ひどいと思ったけど、本物のアルゼンチンのカーニバルでは

 こんなんらしい。

被り物はそれを再現しているけど、中詰めのそれぞれの羽根は、踊りにくいとみんな言ってた。ぶつかりそうだし、重い。けど、不満も言えないんだろうなと。

特に始めの方で、低真琴の白スーツに生えたような黒い羽根。普通はこういうのは、差込口が見えないようにする筈なのに丸見え。

これは衣装部さん、ひどいんではない?

色の洪水のような衣装も、個性的と言えばそうなんだけど「ジャガービート」などに比べたらダサイの一言。あか抜けてない印象があるんですよね。

宝塚の衣装デザイナーが、みんなこんな複雑な色使いばかりしていると、「品格」を問われる時が来るのでは?と思います。

フィナーレの舞空瞳のドレスはとても可愛いし、結婚式などでも役に立ちそうだなとおもったけど、タイトルに「ティアラ」がついているんだし、日本人から見れば「ティアラ」は冠なので、もう少し「被ってみたいわ」と思えるようなものをどんどん出してくれたらいいのにと思いました。

礼真琴が久しぶりに踊りまくって楽しそうなのもよかったし、何と言っても暁千星の「やけ酒タンゴ」これはもう、彼女しか踊れない分野で、それだけがこのショーの価値なんだろうと思います。

「パパラギ」パクリシーンは、演出家によれば「エクレールブリアン」の風のシーンへのオマージュらしいけど、衣装といい、ダンスと言い、やっぱり激似です。

ああ、これはサザクロか、こっちはノバボサノバ?いやいやこっちは・・・と古株のファンは一々思い出して「見た事あるわ~~」と思った人、多かったのでは?

とにかうエリマキトカゲのあの襟とか、マンボでよく出て来る衣装は・・・もうやめてって感じでした。

我が家の姫はフィナーレのダンスが何で「星に願いをなのよ」と怒っていましたけど、とりあえず5年も星娘でいてくれたんだしねと大目に見てあげてと言ったのですが。

今回、竹田悠一郎は非常に扱いやすい題材で、冒険もあまりせず無難に収めたと思うんです。そういう意味では色々あったけど、「VioLetopia」の方がずっと意欲作だったと思います。

そうはいっても後々DVDを見たら評価も変わって来ると思うので、今度はこまめにDVDやスカステで放送されたものの感想も書いていかないといけませんね。

 

 出演者について 

礼真琴・・・「記憶にございません」では非常にコメディアンぶりを発揮して面白かったです。中井貴一の黒田よりもより誠実で素直な性格に見えたのは確かです。ショーに置いては、やっぱり歌唱力もダンス力もぴか一の人だったんだなと納得。星組の頂点として油が乗り切ったところを見る事が出来て非常に幸運だと思いました。

舞空瞳・・・石田ゆり子のようなキュートさはない。何に対しても真面目すぎる性格が硬いイメージを出すのかなと思いました。ショーでは男役を従えてがんがん踊る、この人の真骨頂だろうと思います。優等生らしいなと感じたんですけど今後、どうなっていくかな。礼真琴への片思いは今後もそうなんだろうなと。

暁千星・・・「記憶にございません」の井坂は、舞台ではやりようがない役ですよね。無表情すぎてもいけないし、感情的でもいけない。回りが熱く盛り上がれば盛り上がる程、その冷静さが仇になって埋もれがちだったなと。不倫の現場も「遊びならもうちょっと楽しんだら?」と。おディーン様のような天然にプレイボーイは出来ないね。

ショーにおいては、やっぱりタンゴのシーンがすさまじくて、回りがみんな下手に見える~~と。大階段でも「1789」を彷彿とさせるダンスシーンを発揮。

極美慎・・・佐藤浩市が演じた役を、ここまで綺麗にかっこよく演じ、しかもそれが似合っているって新しい発見。これはワルでも惚れてしまいますよね。ただ明るいだけでなく影も似合う、貫禄のある男役に成長しました。

ショーでも、一人で歌っても全然違和感なしで頭一つ出た感じ。今後に大いに期待します。

天飛華音・・・若手筆頭みたいな感じでショーでは目つきぎらぎらで踊ってました。「夜明けの光芒」以降、自分に自信が出て来たんじゃないかなと思います。しかし、じゃあ、技術面はどうかと言われると「これぞ天飛華音」というものはまだ見えない。正念場かな。

小桜ほのか・・・芝居の方では色気とムチでガンガン突っ走り、礼真琴の一つ一つを全部把握した上でのやりとりがめちゃくちゃ気持ちよかったです。ラストの方で、黒田から電話があり、また恋心が再燃したシーンも可愛らしく、さすがだなあと。ショーにおいては、当たり前に歌が上手い。美穂圭子のような将来を感じます。

稀惺かずと・・・彼女程「おぼっちゃま」が似合う男役はいないです。見た目もいいし、これから「これぞ稀惺かずと」というものを表に出せば、もっと目立つはず。現在は何となくまだ委縮している印象があります。

 

今回、特筆すべきは大希颯と瑠璃花夏で、大希颯は背も高くセリフ回しもいいし「RRR」の頃に比べると演技も上手になってます。あとは本当に化粧と前に出ようというギラギラ感。

どうも今時の若手は前に出ようとしない感じが多い?

朝美絢や天飛華音のような、「自分が!」を出さないと埋もれていくだけなのに。何が何でも上に上がってやる!という野心が欲しいなと感じました。

瑠璃花夏はショーにおいてはまだまだ後ろにいる感じですけど、芝居でのアメリカ大統領は華やかで演技力もしっかりしており、安定感がこの上なくいいと思いました。

どうせ詩ちづるには負けるんだろうけど、本当はダンス力もあるし、歌唱力はそれこそお墨付きで、私は次期トップ娘役は彼女がいいと心から思ってます。

もう大金持ちだったら・・・おばさまになってあげるのに(くすん)

舞空瞳について

花組のトップ娘役になると思っていたらまさかの星組への組替え。

気が強そうで優等生でど真ん中に一人で立てる。こういう娘役は花組でこそ光るものですけど星組の礼真琴の相手役になり、かなり勝手が違ったと思います。

礼との相性も決していいとは思わなかったけど、でも何をどう思われても押しが強く迫っていく姿には鬼気迫るものを感じました。

1番同士ってお互いに何でも出来るし、プライドも高いしそれなりのぶつかり合いがあったでしょう。

でも「1789」の礼真琴休演を支え、「ミーマイ」も乗り切った所は彼女の功績として大きいと思います。

私の中では常に「食聖」のアイドルに見えているんですけど、今後、そんな路線でやっていけないかな?

今後のご活躍をお祈りします。

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とんすけの 姫ちゃんと星組を見に行った件

2024-10-28 07:00:00 | 宝塚コラム

やあみんな。とんすけだよ。何だか背景が真っ黒でどこにいるかわからないけど、ここはシャンテの前にある椅子なの。そこで朝ごはんのパンを買って食べている所なんだよ。

天気悪いし、梅雨みたいだけど、日本酒のお店とかキッチンカーが並んでてさ。

僕はウキウキ。でも姫ちゃんは「それどころじゃないのっ」ってぼこっ!

痛い。

とんすけ。ちゃんとぬいぐるみの振りしないと怒るよ

はーい。

姫ちゃんと二人きりの星組観劇なんだ。

ぼくね、姫ちゃんとおでかけするの。大好き。

鞄の中でおとなしくしていると、いつの間にか寝ちゃうけどね。

 

じゃじゃーん。劇場入ったよ。こんなにグッズがあるんだね~~~

あ、そうそう。僕今日はね、黒田総理の真似してネクタイしてきた。

どう?可愛い?

椅子に座ってパンフレット読んでるの。

ふーん。三谷幸喜って人は、口だししないって約束したんだね~~

東京公演の初日に見に来たみたいだけど、どうだったんだろ。

気に入ったらいいね~~~

僕も、総理の真似して「イエーー

ひょえ~~これが主演の二人で、ふんふん。

すごーい。こんな緞帳初めてみた~~~

って僕、そんなに見てないけど。あ、ぬいぐるみの振りして大人しくみてないとダメだね。

 

姫ちゃんいわく、「面白かったね~~とんすけ。笑っちゃったね~~とんすけ。

でも映画見てたから話がわかったけど、ちょっと飛びすぎの所もあったかな

だそうです。

僕も思わず声が出そうになったけど、我慢したの。

でも背広着てマンボってあははは~~

あ、ほら、窓辺の僕だよ、ネクタイ可愛いでしょ。

その気になればちゃんとTPOだってわかるんだからねっ!!

星組ってコメディが得意なんだよね。

アドリブも面白かったんだって。

すごい派手な衣装ばかりで、でもちょい「ノバ・ボサ・ノバ」アルゼンチン風とか、色々パクってんじゃない?って姫ちゃんは思ったみたい。

僕は色の洪水にただただ唖然としてみてたけど。

ありちゃんは踊らせてればそれだけですごい存在感だから」

だから?それ、ママにそのままいうの?

いやいや、ありちゃんは全体を通してふられて、荒れているという印象。その横でみんなカップルで幸せだよ」

それもママにいうの?ママ、演出家のお兄さんを嫌いになっちゃうよ。

何で稀惺かずとは真ん中降りしないのよっ!」って怒ってもいたっけ。

最近は姫ちゃんの「推し」になったけど。でも本当はそうでもないの。

だって姫ちゃん、あまり買わなかったしね。

ママは最近瑠璃花夏がお気に入りで、「ありちゃんの相手役は彼女しかいないっ!」で力説してるけど、姫ちゃんからみるとそうも思えず。

詩ちゃんで決まりでしょ」って。

中詰めとフィナーレの衣装はひどすぎる。星組だから見ていられるけど、他の組が着たらもう終わりなくらいデザインがひどい。特に冠が」

うーん。そうなのかな。僕はあまりそういうのは感じなかったけど。

人間って細かい所見るんだね。

僕、ちゃんと姫ちゃんの御膝に乗って静かに見てたんだよ。

でもチケット代払ってないし・・・だからなのかな。劇場のお姉さんににらまれちゃった。ごめんね。でもぬいぐるみにも観劇する権利あると思う。

特に僕は姫ちゃんの護衛だし。

何が護衛よ。静かにしろっていってるのに拍手したりさ。あれじゃ疑惑持たれるでしょ」ってまたぼこっ

帰りには釜めしのお店でてんぷら食べたよ。おいしかった~~

でもまた眠気が・・・

姫ちゃん、電車で寝ちゃ駄目だよ。僕起こしてあげられないからね。

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稽古用小道具ってなあに?

2024-10-10 07:00:00 | 宝塚コラム

歌劇団が今回、打ち出してきた改革の一つが

出演者による稽古用小道具の製作廃止

正直、「まだそんな事やってたの?」ってな感じですけど。

そもそも稽古用小道具ってなあに?

あまり想像がつかないんですけど、わかる人いる?

マイクの代わりとかシャンシャンの代わりはバトンみたいなの使ってた。

「RRR」のシータのネックレスとか、リンゴとか本とか?

以前から、「かつらは自前」「アクセサリー自前」と聞いた時は驚いたもんですが。随分と持ち出しが多い劇団だなと。

衣装一つとっても、着物の時は自分で好きなのを着ている感じだし。

今後は小道具さんが購入して保管して使う。当たり前のように見えるけど。

だけど、やっぱり稽古用とはいえ拘りたい人もいるよね。

 

そういう基本的な事をやるのは当然として、チケット難を何とかして欲しいです。これは帝劇などもそうですけど、一部のお金持ちしか見られないミュージカルってなんだよって思うんですよね。

昔のように横のつながりを断ってしまったわけで、ファンクラブも本人以外の観劇を嫌う傾向にあります。

だから「今度、ご一緒しましょう」と言えないんです。

かといって一人で複数のファンクラブに入るのは禁止ですし。

そうなると転売ヤーの餌食になるしかないんですよね~~~

本拠地はまだチケットの余りがあるようですけど東京はとてもとても。

ヅカファン止めたくなる時があります。

(やめればいいのに?)うーん。もうちょっと。

歌劇団は何をしたいんだろう?と思う事があります。

スカイステージでがんがん見ればいいじゃん。DVD買えばいいじゃん。そんな感じでしょうか?

 

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雪組 ベルサイユのばら

2024-09-09 07:00:00 | 宝塚コラム

運よく1度だけ見るチャンスを頂きました。

色々ベルばらを見て来ましたけど、今回の演出は斬新で尚且つ退屈しない。

彩風咲奈のさよなら公演としても最高の出来で、彼女はなんて幸せなトップスターだろうと思いました。

これから見る方もいるかと思うのですが、オールドファンも初心者もこれだけは心得て見て欲しいです。

 ベルばらは歌舞伎

一般的に植田歌舞伎と呼ばれる仕様で、再演を重ねる度に「これでいいのか?本当にこれでいいのか?」と考え続けてしまいました。時代はベルばらがヒットした時のような女性の権利を主張する時代ではないし、軍隊には女性が沢山います。その中で「男装の麗人オスカル」の需要があるのか?と私は思っていたのです。

そして「原作を読んでから見るべきか、見てから読むべきか」と悩む作品でもあります。

で、今回、結論に達したのは「歌舞伎の段だと思って見れば、整合性のとれない場面の羅列でも矛盾がない」という事です。

植田歌舞伎の特徴は、芝居の整合性よりスターの得意技と見せ場をふんだんにいれた「段」の連続で、だから植田作品に出演しているスターはすぐに認知されます。

柴田作品は徹底的にキャラのタイプはは常に同じ。悪い男と泣かされる女。時々のトップコンビに合わせてストーリーを変えていくという感じ。

植田歌舞伎はストーリー性より場を盛り上げるのが先。

だから「何でこんな所で〇〇なの?」「え?いきなりそれ?」と驚かずに、これは「段」だから、そのシーンに気持ちを埋没させればいいのです。

 

 一幕

今までと何が違うかというと、一言いうと「ストーリー展開の早さ」です。余計なシーンは全部省きました。見たいところ、見せるべきところだけ見せます。

そして、つなぎに薔薇の精達のダンスを入れましょうって感じ。

仮面舞踏会の後はいきなり何年後かな?

薔薇の精達の真ん中に大きなつぼみがあって、そこが開くとピンク尽くしのフェルゼンとアントワネット様が・・・そして愛を語るんです。

そうかと思えば宮廷の広間で、いつものモンゼット夫人とシッシーナ夫人のやりとり。今回はフェルゼン様派とオスカル派に分かれての舌戦。

そこにいきなりジャンヌが現れ(この人誰?って感じですね)偉そうに生意気にぎゃんぎゃん毒を吐きます。

オスカルはどこまでも生真面目な軍人でおばさま達にお付き合いはしません。そこらへんが、星組と違うんだなと思います。

フェルゼンに「本当に愛しているならお別れするべきではないか」と言われ、ショックを受けたフェルゼンは怒って去ってしまいます。

このままだとオスカルとアンドレは結ばれる事にならないんじゃとハラハラ。

アンドレはひたすら片思いを口にしますけど、全然オスカルには伝わってなさそう。

 

アントワネットは「今日からあなたは王太子妃になるのだからと言ってお人形を取り上げられた」話をしますが・・・なんとこのセリフはメルシー伯爵のも含めて3回以上出て来る。

わかった。それは分かったからお人形の名前は何ていうの?と延々と思い続け、最後にやっとステファンだったとわかるのです。

そして、フェルゼンの屋敷にはメルシー伯爵が訪れ「お別れするのが・・・」とオスカルとすっかり同じセリフ。

オスカルの時は怒ったのにメルシー伯爵に言われたら素直にスウェーデンに帰るフェルゼン。

国王の「知っていたよ」も2回程聞きます。

そうか・・・ご存知だったのですね。でもお許しになった心の広い、いい国王陛下だわと。

そして、唐突に「今宵一夜」です。

何と、フェルゼンから手紙が来て、「君を愛しているのはアンドレ」と読んで

え?アンドレが?

となり、アンドレを呼び、ここが本当に見事だと思ったんですけど、オスカルは何もかも初めてだったんですね。

私を抱け」とは言うものの、本当に抱かれたらびくびくしているオスカル。可愛い~~~そしてアンドレのいきなりな強引感がいい!

で、次の場面ではもう死んでいるんです。

観客はここで思うでしょう。

え~~バスティーユないの?でもまあ、フェルゼン編だから仕方ないか

で、フェルゼンがグスタフ3世に出向いて、去る処ですが、夏見ようのグスタフ国王が素晴らしくて、フェルゼンに同情して泣いてしまいました。

私はこのシーンは壮一帆の方がいいと思っているんですけど、でも、こっちもやっぱり感動のシーンだなと思いました。

 

幕が下がるとみんな、感動のあまり色々声を上げていました。

宝塚が初めての人もいたようだし、「ベルばら」が初めての人もいました。

セットのキラキラ感が半端ないし、貴族たちの衣装も綺麗だし、夢の世界とはよく言ったもの。これが「宝塚」ですと世界に向けて発信してもいいんじゃないかと1幕だけ見てここまで思いました。

 

 二幕

またも小公子達が歌って「フェルゼンとアントワネットはどうなるのでしょうか」とふり、ぱっと場面が変わったらいきなり「ロック・ラ・マルセイエーズ」が始まり、華世京率いる市民たちが「1789」ばりに踊ります。

尚先生頑張った!かっこいい事、びっくり。ここでこんな事しちゃって大丈夫?と思ったけど、次の場面でフェルゼンが「愛に帰れ」を歌うと、なぜか自然に繋がって、元の「ベルばら」に。

 

チュイルリー宮では王子と王女が「こまどりが泣いている」を歌います。この歌は鳳蘭のフェルゼン編に初お目見えだったと思うのですが、好きなんです。

途中で終わっちゃうのが悲しい。

ここでまたアントワネットが人形を取り上げられた話をし、そこに国王が入って来て、「知っているよ」が出てきます。

この場面ってアントワネットと国王が初めて夫婦らしい会話をするシーンですが、突如プロヴァンス伯爵が入って来て「呼び出し」があったと。

これで死刑なんですね。

で、何で弟君が?と思うと「お供致します」だったんですね。

アルトワ伯爵はさっさと逃げたけどプロヴァンス伯爵は兄に殉じるのかと感無量(史実は違うけどね)

あっと言う間に国王が死刑になって、フェルゼンは国境の町で国王が死んだ事を知り、馬車を走らせます。

ああ、懐かしい。ツレちゃんの声質に見事に合っていた「駆けろペガサスの如く」私にはいつまでもツレちゃんの声で残っています。あのベルサイユに咲く紅薔薇のように!じゃないよね。

 

でも、ジェローデルがここで時間を巻き戻してしまします。

なんと、ここでバスティーユですよ。諦めていたバスティーユが。

ここで思いました。

日本程、「ラ・マルセイエーズ」を美しくアレンジする国はないと。

パリ五輪の醜悪な開会式を思い出して下さい。

セリーヌ・ディオンが歌ったあれもよかったけど、やっぱりベルばらには叶いません。今でもこの曲を聞くと盛り上がりますから。

ここでのオスカルの「アンドレ、お前はもういないのか」に思わず泣いて。

今まで泣いた事ないのに。やっぱり歳のせいですかね。

小さい頃とまた違った感慨があるんです。

バスティーユに白旗が!」あ、今、ロナンが死んだ・・・・

いやいやいや。

でもね、オスカルのいう「自由・平等・友愛」の先にあったものは、LGBTQと移民ののさばりでした。報われないスローガン。これだから左翼はと思ってしまいました。

どんなに理想を掲げて戦って、勝ち取ったとしても理想は理想でしかすぎず、結果的にこれを悪用しようとする人達を止める力もない。

「自由」の名のもとに「平等」の名の元に多くの人が傷つき泣いている。

その多くの人々がオスカル、あなたと同じ女性であること、留めておきたいです。

さて、こんな所で話を聞いてる暇があるの?フェルゼンと言いたいけど、オスカルの死の真相を知った彼は白薔薇を持って「よくやったな」と笑うんです。

そこ、そんなに清々しく笑っていいの?

そして植田先生の「持論」をフェルゼンが語ります。

つまり、人は黙っていても死ぬのになぜわざわざ戦争をするのかというような。確かにそうだよね。と思っていたら「セラヴィ・アデュー」が。

ここは咲奈ファンが号泣する所。

散る白薔薇も悲しかった。

 

次はもういきなりコンシェルジュリなんですけど、コンシェルジュリと言えば、忘れもしないパリ五輪開会式の「アントワネットの首」があったあそこ。

日本ではこんなにも愛され、悲劇の主人公として生きているアントワネット様、フランスでは違うのかな。

ここでフェルゼンは「王妃様!」と叫んでセリ下がっていくのですが、あまりに早すぎて。

ちょっと・・・ちょっと・・・ここはさあ、主役がもう少しためないと。

夢白あやは初風諄様じゃないんですから~~~~~と思ったら大階段に真っ赤な薔薇が。おおっ!と驚いてまあいいっかの気分に。

 

 フィナーレ

赤い薔薇のロケットを経て、あとはほぼ彩風咲奈が出ずっぱり。特に群舞で縣千を中心に銀橋で踊る姿は生え抜きゆえの感慨がありました。

舞台上でジャケットを着たり脱いだり。

さぞや大変だろうなあと思いました。

特にラストは銀橋でのステップが秀逸で。

難しい振りはいらないの。男役がこういう風に立ったら、こういう風に振り返ったらかっこいい!ポーズの連続で堪能させて頂きました。

パレードは、アントワネット様の真っ赤な衣装で始まり。

そう言えば、初風諄様の時はせり上がってのパレードで、あれも斬新でしたね。

今回はその上でした。

なんせ、トップが降りてきた時、誰もいない。

こんな経験は星組、稔幸の「WEST SIDE STORY」のフィナーレ以来。

え?と思ったらなんと。客席から登場ですよ。

そこで歌って私達も拍手で応えてという、客席一体型のパレードでございました。

終了後は、どよめきが止まらず、私もめまいがしそうでした。

宝塚、やればできるじゃん。

宝塚は永遠ですというのを「ベルサイユのばら」で証明しましたね。

110周年にふさわしい演出でした。

 

 出演者について

彩風咲奈・・・さよなら公演で恵まれてよかったですね。パンフレットも分厚くて、衣装もとっかえひっかえ、これ以上ないです。優しいフェルゼンでした。

夢白あや・・・この世代で植田節を語るのは難しいと思います。時々「へ?」ってセリフ回しもあったけど、非常に歌舞伎的で威厳のあるアントワネット様でした。

朝美絢・・・オスカルとしての出番が少なくて。フィナーレも全然出てこないし。でも、朝海ひかる程ではないにしても、非常に素直で可愛いオスカルだったと思います。場面数のない中で個性を発揮するのは大変だったと思うのですが、よく頑張りました。

縣千・・・非常にかっこよく包容力のあるアンドレだったなと思います。貫禄がついたというか、上級生としてよい意味で成長したなと思います。

華世京・・・ベルナール。ベルナールのモデルはカミーユ・デムーランだと聞いた事があります。新聞記者でジャコバン派の中心になるけど、池田理代子さんの続編では殺されちゃう可哀想な役です。でもここのベルナールは非常によかったと。まあ、ベルナールの見せ場は本来、黒い騎士でそこが省略されているので見せ場はないけどね。

野々花ひまり・・・ロザリー。彼女の見せ場は撃たれたオスカルに駆けよるシーンくらいですね。それと王妃にスープを差し入れるところ。そしてフェルゼンと止めるところ。そつなかったなと思います。

音彩唯・・・大胆なジャンヌでした。見た目も印象的ですけど、セリフ回しの元気のよさが印象に残りました。

まあ原作を知らない人からすれば「誰?」って話ですけど、ジャンヌはロザリーのお姉さんなんだよ。

 

専科の方々も本当に素晴らしく盛り上げてくれてよかったです。

 

本当は、アントワネット様の名セリフ

例え太陽が西から登ったとしても」や

こまどりだって平和平和と鳴いているでしょう。マリーアントワンネットはフランスの女王なのですから」とか

ポリニャック夫人の「文句があるならベルサイユにいらっしゃい」も聞きたくなるわ~~~

 

 衣装について

今回の衣装担当は加藤真美氏です。

任田先生のように袖口のレースや、燕尾服の肩のラインが素晴らしいとか、有村先生のようなワンショルダーのドレスのインパクトや、群舞の衣装のかっこよさは過去のものになりつつあるんだなと。

次代の流れなんだからそれはしょうがないです。

加藤真美氏の衣装は個性的で、現代的で。ある意味好き嫌いがあるような気がするんですね。いい時はいい、でもダメだなと思った時はダメ。

今回、主役クラスの衣装はよいとして、問題は貴族の奥様達なんですね。

何となく「ちょっと違うかも」って感じが。

それは、万里柚美ら大貴族の衣装と、その間に挟まっている昔の貴族の衣装。これを比べると、昔の衣装の方が華やかで可愛いわけ。

で、加藤氏は、年齢に合った衣装を考えたのだと思います。

しかし、ベルばらというのは、全体的にパステルカラーで難しい色合いはあまり似合わないのです。

フィナーレの夢白あやの赤いドレスを見て「これが最強」だなあと思いました。

他の衣装は、ピンク、グリーン、ブルーと色の統率が取れていて好きです。

薔薇の精達の衣装も可愛いし。

だけど、加藤氏の現代性が、今後のコスチューム物の流れを変えてしまわないか、そこから宝塚的なものが消えてしまわないか、ちょっと心配なのです。

任田氏が陽なら有村氏は陰。そして加藤氏はどっちなのか。

ショー向きではあるけど、芝居の中で溶け込んでくれたらいいな。

そしてせめてもう一人、「陽」のデザイナーが欲しい。

「夜明けの光芒」の衣装を担当した植村麻衣子さんのコスチュームは中々よかったなと思います。

日比谷シャンテの衣装展もぜひ見た方がいいですね。

今までになくお金を使っております。

もうびっくり。

そして東宝のグッズ売り場にはキャトルに負けじと品揃えが豊富になりつつ。

特にモーツァルトのくまには着せ替えがあって女子が群がっておりました。

私、「ルパン」のDVDを買おうか迷っているんですけど、買う価値ありですか?

 

 

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