正直言って、雪組時代の彩吹は「濃い顔の男役」という
イメージしかありませんでした。
花に移動して新人公演の主役を務めるようになってからの公演は
ほとんど見ていないですし・・・
私が「あれ?」と思った最初の公演は「カクテル」での
ソロでしょうか
樹里や春野のような浪々と歌うタイプではないけれど、
心に染み入るような歌い方をする人なんだなーーと思ったんですね
それからちょっと伸び悩みというか、派手で豪快な下級生に囲まれて
地味で萎縮した印象があった彼女ですが
「天使の季節」「アプローズ宝塚」で見事に弾けたようです
一言でいうと、舞台に立つ「楽しみ」を覚えて、自分が路線なのかとか
トップを目指すという事は二の次になって、ひたすら与えられた仕事を
一生懸命こなす・・・という姿勢になったという事ですね
顔つきが楽になったというか・・・「一皮剥けたわねーー」という印象でした
それから「NNAKED CITY」での力強い演技、
さらに「マラケシュ」での的確な演技に
「この人、ずーーっと宝塚にいてほしいなあ」と
思うようになりました
最も感銘を受けたのは「落陽のパレルモ」でしょうか
本来の男役としての色気や包容力を十二分に発揮しながらも、
本当にこれ以上ないという程的確な演技を見せてくれました。
でも・・・トップになるには「的確」だけではいけないわけです・・・・
むしろ、「危うさ」や「派手さ」「自己アピール」がないといけないんですね。
そういう意味では、トップにはならなかったけど樹里咲穂の方が
ずっとずっとトップにふさわしかったと思います
(比べることはおこがましいんですけど・・
今思うと樹里をトップにしなかった劇団のおろかさに失望しますね)
今回、花組版「ファントム」のキャリエールを見て、彩吹の持つ
「的確な演技」路線は一層際立ってきたなと思いました
けれど、ショーでは真飛より目立たなかったりするんだよねーっとも
思ってしまって
学年的にはまだまだ「いぶし銀」の心境に立つには早いと思います。
それだけに・・・ある意味なんでも出来る優等生でもある事だし
何とか大きな羽根を背負わせたいとも思うのですが
冬には雪組に組替えして、一期上の新しいトップ、水夏希を支える
立場になります
非常に有能で頼りになる2番手になると思います
今、非常に演技する事や舞台に立つことに気負いがなく、楽しそうに
余裕すら見せている彼女を非常に愛おしいと思いますが、
出来ればもう一化けして欲しい気も・・・・・・
小柄だけど「男役」としての色気や包容力は十分にありますし
歌唱力には定評もあると思います
実力派の彩吹が正当な扱いを受けて自己を全う出来るような・・
そんな男役生活を送らせてあげたいなと思います。
(単なるファンモード・・・・)