ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
毎日更新しています。

リーガル・ハイ・37歳で医者になった僕

2012-05-30 15:50:58 | ドラマ・ワイドショー

 小沢VS野田の対談は決裂ですかーー今更どうでもいいかな。

小沢さんの言ってる事は大昔のマニフェストに聞こえる

もはや実現不可能なことに拘っているような気がするし、消費税増税も納得できず。

要するに全部納得できないだけの話です。

 それ以上に頭に来るのが東電の「値上げ分にボーナスが入っていた」話。

悪びれもせずに「年棒下がっているからいいだろ」的な発言にムカツク

会社更生法を受けた会社で冬にはボーナス?

生活保護不正受給と同じで、真面目に働いている人が馬鹿を見る時代なのね。

来年の大河ドラマ「八重の桜」のメンバーがあらたに発表され、剛力彩芽とか

黒木メイサとか・・・うーん

メンバーだけ見ると今年以上の若手スターてんこ盛りで、意気込みを感じるけど

会津物というのはそういう「流行」とは真逆の世界だからなあ。

黒木メイサは中野竹子さんの役だそうですが、出産を控えてて竹やりの稽古

出来るの?

時代劇の所作に疑問がある人達ばかりかあ 会津武士道はそこらそんじょの

立ち居振る舞いではまねできないよ。

西田敏行は今回西郷頼母役。おおっって感じだけど実際はもうちょっと若かった

んじゃない?松平容保役は相当なイケメンじゃないと

 

 リーガル・ハイ 

昨日も大いに笑わせて頂きました。

21世紀のこの時代に、旧家のしょうゆ屋で起こった遺産争いの顛末。

まるで「犬神家」のような設定と堺雅人の金田一装束が素晴らしかったです。

しかも今回出てくる料理は名産の「わらび」料理としょうゆかけご飯

休暇中の服部さんは何もせず、しょうゆ屋を手伝ってるし・・・しかもここで

またも「水戸黄門」ネタだよ・・・

しょうゆ屋の末っ子が実は「芸者の子」で「俺が芸者の子だからって・・・」と

いじける様子にコミカドが「今、平成だよな」と突っ込むのもナイスで。

それにしたって遺言状が3通も残され、後々4通目が出てくるに至っては

唖然・・・一番賢かったのはあの女の子なのね。

とはいえ、今回は勝ちなの?負けなの?

 

 37歳で医者になった僕 

撮りだめしてたのを見たら、結構紺野先生がまともになっているので

当初お暴走は何だったのか?と思ってしまいました

で、今回は佐伯先生の恩師が入院。でも誤診?医療過誤?

どーする・・・ってな感じ。

いやーー毎回、スイーツを食べているあの佐伯先生が実は熱い学生だった

なんて、何が彼を変えたのか?

 

研修医が一つの病室に集まって採血とかするってありなの?

しかも雑談まじりに・・・・いくらなんでもそれはないだろうみたいな?

本当に暇な病院なのねと思ってしまいます。

 

今回の真飛姉さん・・・出番はともかく「飲みにいく」となったら必ず来るって

いうのが楽しくて。

しかもやたらそれが自然だからなあ。

話も弾みそうだし。とはいえ、手作りは出来そうにもないかも。

入院中、真飛姉さんみたいなナースがいたらなあとか思ってました。

そしてドラマで彼女を見るとなぜか必ずヅカ時代のDVDを見たくなるので。

また「太王四神記」みちゃおうかなあ。

 

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今度はキンコン梶原も・・・・

2012-05-29 17:37:35 | ドラマ・ワイドショー

 ワイドショー見てたら、長谷川理恵が結婚と妊娠を発表したとかで。

この人、本当にお金持ちと結婚してセレブ妻になりたかったんだなあと思いました。

石田純一・神田正輝と交際してて、でも結婚にいたらなくて。

それはわかるけど変わり身が早くないですか

あっちが駄目ならこっちで・・・でも結婚してくれないならやっぱりやめて、こっち・・・

みたいな

彼女なりの「人生観」があるんだと思うけど。

あまり好きな生き方ではないよねーー

AKBのニューシングルがオリコンの記録を塗り替えたそうで、おめでとうございます。

とはいえ、いわゆる「総選挙」の投票が出来る・出来ない云々で売れているだけ

なんじゃないかとちょっと意地悪を言いたくなりました。

日本でもっとビッグな作詞家でプロデューサーの秋元康氏にとって、これは

名誉なことですか?

私はあまりそうは思わないけど

 

 キンコン梶原も母親が生活保護 

生活保護不正受給に関する矛先は吉本興業一本に向き始めたような気がします。

でも、これは吉本だけじゃなくて、関西全体の価値観の問題ではないの?

とはいえ、吉本興業の異常な「擁護」は怖いです

 

 吉本芸人キンコン梶原の母親も昨年3月から生活保護費を受給。

 母親は祖母の介護とパート先の倒産が重なり生活保護を受給。

 最初は11万円。母親がパートで働き始めてからは5万に減額。

 梶原は母親が住むマンションの

           ローン40万円を支払っている

 母親は生活保護受給を停止。総額140万円は「不正ではない」と主張。

 

 へえ・・生活保護って持ち家がある人でももらえるものなんだ・・・と新発見。

  私が大学で公的扶助を習っていた頃は、そういうのはなかったと思いますが

  月40万円のローンを払っていた梶原は「8月で返済が終わるのでそしたら

  受給を打ち切るつもりだった」と言ってますが、月40万を負担するなら母親の

  生活費は出せたんじゃないの?っていう、感覚がないんだよね

 彼にしてみれば「ローンの返済が大変で母親の生活費までは出せないから

  「役所の人に勧められたし、受給を決めたんであって俺のせいとちゃう」だろうなあ。

  「じゃあ、月10万くらいのマンションに住まわせてあと20万円生活費として

  出す事は可能ではなかったのか?」って話だけど「いくらのマンションに住もうが

  うちらの勝手やねん」って感じ?

 こういうの・・・不正受給っていうんじゃないの?

   民主党やら自民党がこれらによって「受給額の10%減額」などを検討しはじめて

   います。という事は、本当に必要で貰っている人の足を引っ張っているというか

   きちんとやっている人がとぱっちりを受ける事になりますが、人道的に

   そのあたり、どうなの?

 吉本興業は「絶対に自分達は悪くない」と主張し、片山議員らを徹底的に

   脅しにかかっているし、「ミヤネ屋」も擁護しっぱなしという事で、関西系の

   マスコミはみんな吉本の味方。同じ考え方でいいわけね?

 ワイドショーでは「あいりん地区」「山谷」といわゆる大昔の「ドヤ街」においての

  「不正受給」っぷりを報道していますが・・・まあ、大阪の市役所にずらりと並ぶ

  保護受給者と保護費で成り立っているパチンコ屋の両立ってひどいと思います

  でもまあ、こういうのは大昔からあったんじゃないかと。

 要するに地方によって審査基準が全然違うという事です。

   財政難の筈の大阪がおおらかに生活保護費を出す一方、絶対に出さない

   九州・・・特に「北九州式」とかいわれる審査方法でしたっけ?

   あれもだめ、これもだめでどんどん追い詰められていく人達のドキュメントを

   みた事あります。東北や北海道も似たようなものじゃないかと

   東京では区の住民票を変えるだけでわりと保護費が貰えるとか何とか?

   日本全国大阪式なら文句ないかもしれないけど・・・・・

 生活保護費に関しての問題点は

   現時点の最低賃金や国民年金に比べて生活保護費の方が水準が上。

   非正規雇用者・無年金者・独身者の増加による相互扶助の崩壊

   現金を支払うことの問題

であるといえます。

要するに安定収入を得られる人のパーセンテージが著しく下がっており、それが

労働意欲を失わせているという事。

それから「ある一定の能力(パソコンとかコミュニケーション能力のみ)」に秀でた

人しか正規雇用につけない現状 → 労働環境の狭さによる落ちこぼれが

増加 → 環境に適応できない → 労働意欲の低下 → 生きる能力の低下

って事ですね。

 

このままいくと、高齢化と少子化により扶養家族のいない独居老人が増える。

現在、労働意欲がない若者達の高齢化。

購買意欲の低下 → 市場が低下

生活保護費の地域格差。貧富の差。ああもう、考えるだけで国家が崩壊する。

今の日本って(いや、世界的にそうなのかもしれないけど)

労働価値の低下による労働の為の労働社会で、産業革命期や女工哀史時代より

さらに対価が下がっているという状態で、「戦前よりもなおひどい時代」なんだと

思います

こんな時代に得をするのは一部の富裕層だけ。

人というのは生きている限り幸せを追求する権利があり、その為に生きているわけです。

その幸せの象徴の一つが「金」なわけで。

その「金」を得る為に労働するわけですが、いくら労働しても金が増えず

あるいは減る一方、または金を得る手段が極端に減った場合、幸せを追求する

どころか、そこへたどり着く道筋さえ見えない状態になるんですよね。

そうなったら「意欲」もなくなる。もっとも賢い生き方は「無欲」という事で

数十年後には餓死すら不幸とは呼ばない時代が来るかも

日本ではそれをサイレント・レボリューションと呼びますよ。

 

まず必要なのは

 最低賃金の底上げ

 安定収入の確保 (成人が屋根とインフラとエアコンつき住居に住めて

                            おいしいものが食べられる生活)

 労働市場の拡大 → 個性に合わせた労働環境を確保

 生活保護費の現物支給 (米・水・ミルク・住居等)

家族に扶養義務を云々するのは、これからの時代はナンセンスです。

だけど、高収入の家族は別だけどね。

こういう事をしていかないと、一部のセレブ層に多くの貧困者がたかるような

事態にもなりかねない。そうなったらお隣の国みたいになっちゃう。

ひがみ根性と恨み社会はむなしい。どんなに貧しくても自立した生活を送り

プライドを保つ努力をしなくてはならないでしょう。

 

 

でもほんと、時代は変わったのねーーマンション持ちでも生活保護かあ。

私達が20代の頃は「生活保護費を増やすべきだ」と思っていたのに

今や保護費受給は特権ですからねーー 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平清盛 21回目

2012-05-28 11:39:55 | ドラマ・ワイドショー

 おかげさまでわりと元気です。が・・・気になるのが出血

退院してから増えたような気がして。でもよくある事みたいだし?

いつになったら温泉に行けるんだろうなあ・・・・・

多分、今期のドラマで視聴率1位は「ATARU」じゃないかなと。

最初はぶっとんでるドラマだと思っていたけど、次第に中居君のチョコザイが可愛らしく

見えてきて

昨日の「蛯名は違う」って台詞も効果的でした。

でも、撮りだめしたビデオを見つつ思うのは、質的にはやっぱり「リーガル・ハイ」が

一番だと思うんだけどなあ

再放送イチ押しです(何の慰めにもなってないか)

 

 平清盛 

いよいよ「保元の乱」って事で、盛り上がるなーーと思ってたら

戦というよりただの喧嘩に見えてしまってショック。

源平の戦って喧嘩レベルだったのか?

あの当時は「やあやあわれこそは・・・」と名乗りを上げてから戦うのが普通で

義経みたいに奇襲ばかりやってると「卑怯者」呼ばわりされるらしい。

とはいえ、いきなり清盛と叔父さんの一騎打ちじゃ、何の為の戦なのか

わからなくなっちゃう。

源氏は源氏でこっちも身内の争いで、お父さんを殺そうとする義朝君がいるし

狭い京都の通りで戦えば、喧嘩レベルのごちゃごちゃ戦になるのは

わかるんだけど、なーんか今まで見てたドラマのイメージと違う。

「草燃える」の義経の戦シーンもプール使ってるのバレバレだったり

スタジオだってすぐわかる設定だったけど、もう少し緊迫感があって盛り上がって

いたような気がするなあ

兎丸のはしゃぎ方にも違和感があったし・・・・喧嘩じゃなくて戦なんだよ?

脚本家としては「情に厚い清盛、冷徹な義朝」という対比で

描きたいんだろうなあと。

それで清盛に対する好感度をアップさせたい狙いはあるんだろうけど、

冷徹ながら必死感が出てる義朝のほうがリアルだと思います

 

ネットで話題の頼長の「ひえーー」シーン・・・・わかるような気がする。

今まで冷たくて策士で意地悪で強い頼長だったのに、戦が始まるや否や

怯えて逃げ回り為朝さんに怒鳴られる始末

こんなかっこ悪い頼長は見たくないっ って思うよね。

でも貴族様なんて戦闘経験ないんだし、怯えるのはしょうがないのかなあ。

挙句に崇徳上皇にまで「お前を信じるのではなかった」なんていわれて。

頼長可哀想

 

今週は久々い「王家の犬」「もののけの血」という事場が出て来て、その呪いか?

視聴率が10%で最低を記録しちゃった。

原因は、戦闘シーンの間延びにあるでしょうね。

「葵三代」の1回目の関が原シーンが懐かしい。あれくらいのものを見せて

欲しかったです。

 王家の犬 → 朝廷の番犬 と先週までは言葉が変わってたけどこっちも

            違和感ありかなあ。「番犬」ねえ・・・番犬という言葉が平安時代

            にあったのかしら?

 もののけの血 → 白河法皇自ら「もののけの血」とか言ってる時点で

               何だか不敬ですが、それがここまで引っ張ってくるとは。

               もののけ」と呼ばれて「もののふです」と返す清盛。それって

               しゃれのつもり?とくすり。

 

違和感といえば常盤御前が正室のいる屋敷に引きとられてしまったこと。

そういう事ってあるのかなあ。

しかも戦を前にしている殿に向かって正論をはいて説教

由良さんに同情しました。

常盤ってこんないい子ぶりっ子なのか? 側室らしく頭を低くしてなさいよって感じ。

 

さらに違和感といえば、戦にしゃしゃり出る鬼若 → 弁慶。

いくらなんでもありえないんじゃないか? 何でこんなに鬼若が出てくるのか

さっぱりわかりませんでした。

 

で、今回は小日向&梅雀様様でございましたね。この二人がいなかったら

時代劇というスタイルそのものが失われてしまったかも。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国史劇風小説「天皇の母」55 (ふぃっくしょん)

2012-05-27 11:08:55 | 小説「天皇の母1話ー100話

新潟はそろそろ秋の気配が濃厚になっていた。

東京はこのところ、いつまでたっても夏が終わらず、特にビルに囲まれた

丸の内界隈はフェーン現象のせいで、なお一層暑い。

それでも暦上は秋なのだからと、人々はスーツの色を暗くしてみたり、早い者に

至ってはセーターなどを着てみたりする。

だから山から吹いてくる風が心地いい田舎は、東京から集まった人達にとっては

ほっとする一瞬なのだった。

ムラカミ市の自宅は、空き家になっている。

オワダ家の両親は共に老人ホームでの余生をよぎなくされていた。

子供達が何人いても結局面倒を見る人間は誰もおらず、兄弟が金を出し合って

高級有料老人ホームに入れたのだった。

外務省に務めるヒサシ以外はみな、金にならない学者ばかり。

(全く・・・不甲斐ないというか。そういう俺だって結果的には施設に親を送り込んだ

張本人なわけだけどな。俺は嫌だなあ。もし人生最後の日が訪れるとしたら

世界で一番高いレストランで最高級のステーキを食べ、ワインを飲んでから

死にたい。大理石の御殿の中で。施設で朽ち果てるなんざまっぴらだ)

 

法事に訪れた人々は僧侶の読経を聞きながら神妙な顔をしている。

考えてみると新潟にオワダの墓はない。

兄も弟も東京に墓を作った。自分は・・・・まだ、そんなものは必要ないと思っていたが。

こっちに墓を買うのは高いのかな」

ちらっと、隣に座る親戚の一人に言ってみる。

彼は声を潜めて「東京さ比べたら高いって事はないだろうけど、でも色々しきたりが

あるから。お寺さんに相談してみたら

そう・・檀家になれば毎年檀家料を払って、法事を定期的に行い、墓参りのついでに

寺に布施をして・・・と、面倒な事が多々ある。

しかし。あくまでもオワダの本拠地は新潟のムラカミ市という事になれば、墓の一つ

もなければ格好がつかないだろう。

それも兄達のよりも立派で威厳がある墓を。

 

こりゃ、珍しいこと。ヒサシ君が来るとは。仕事、忙しくねえのかい?

お父さん達は元気?奥さんは?お嬢さん、何人いたっけか」

法事の後の食事会で、古くからの親族に矢継ぎ早に尋ねられて、ヒサシは言葉を

濁した。

ユミコはまだ入院している。時々ヒステリーを起こす以外は別にどうってことは

ないのだが。

レイコとセツコはそれぞれスイスとパリに留学している。この双子が双子でさえ

なければ事はもっとスムーズに運んだかもしれない。

マサコちゃんは?」

ああ・・今、ロンドンの大学に留学していますよ」

前に雑誌に載ってたって。何でも外務省に入ったって?優秀なお父さんの子は

やっぱり優秀なんだなあ」

マサコちゃん、皇太子妃候補になったって?すごいねえ。美人で頭がいいと

いいねえ。そしたらあたしたちも親戚だわ」

いや、それは単なる噂で」

「そうよねーー皇室に入るのには3代前までさかのぼって調べられるっていうし

難しいってば」

キコさんみたいなおっとりしたお嬢さんの方が向いてるって」

その言葉にヒサシはカチンときた。それでも我慢して黙っている。

でも、嫁さんはどうしたの?何で来ないの?」

いや、ちょっと具合を悪くしておりまして」

そら大変だ。まあ、あんたは次男だからそれでもいいけど、長男の嫁ったら

ほら病気している暇もないから」

あんた、何いってるの。ヒサシ君の嫁さんは箱入り一人娘だ。婿養子とおんなじ。

気を遣ってるんだーーヒサシ君。今時流行りの逆玉?いやいや、それも大変だな」

ああ・・・くだらない。

いつもならこんな法事には顔を出さないものを。

 

なのに、なぜ来た?」

目の前で酒をついでくれたのは兄だった。

いや、爺さんの100回忌だから来ただけ」

お前にとって爺さんなんてどうでもいい事じゃないのか?それとも何か

利用できることでもあるのか?」

失礼だな。私だってオワダの人間だ。法事に来る権利くらいあるだろう」

ついかっとなってしまい、「兄さん・・・」と妹にたしなめられる。

いつも来ない人が来るから珍しがられているだけよ

そうそう、兄さんは外国暮らしで忙しいし、子供達もみな優秀で、私達とは

身分が違うから」

何が身分だよ。努力した結果がこうなっただけだ。ひがむ必要はあるまい」

ひがんでなんかないわよ。でも、新潟より近い静岡のホームにだって滅多に顔を

出さないじゃない?寂しがってたわよ。お父さんもお母さんも」

まるでうるさい雀のように妹達はなんやかやと言い出した。

回りは興味深げに見ている。

ここまで憎まれ口をきかれても仕方ない理由がヒサシにはあった。

 

ユミコと結婚して以来、付き合うのはもっぱらエガシラ家の人間ばかり。

ユミコはマサコが生まれた時の母の言葉をまだ恨んでいるらしく、絶対に

オワダ家と近寄ろうとはしない。

それを見て来た娘達もまたオワダ家には近寄らない。自然に親戚とは疎遠になる。

甥や姪達に会うこともなければ祝い事にも招かれない。

親族からすると、数年に一度会うか会わないかの我が娘達が奇異に見えると

言われたことがあった。

いつも姉妹で固まって他の人と話が出来ない」と。

季節の挨拶も、社交辞令も娘達には無縁だった。勿論ユミコにも。

他人とうまく関わりあう必要などなかったから。

頂点に立つのは常に自分達で自分達が基準だと思えば、たとえ周りと会話が

出来なくても落ち込む必要はないし、超然としていられる。

そう思ってやってきたのだ。

 

ヒサシにとって近いのは職場・政府の人脈であり、金であり、自分の部下だった。

お前どんな人生を生きようと知った事ではないが、オワダの名前を利用する

ようなことはするなよ。俺達を巻き込むな

「兄は憮然としていった。

どういう事だよ」

学者の一人としてはお前が唱えたハンディキャップ論には大いに反対だ。

そんな考えを弟が持っていた事自体ぞっとする。もう一つは機密費流用の話だ」

は・・兄さんも新聞報道を信じているのか

信じるも何も事実だろう。お前ならやりかねないさ。小さい頃から計算高くて

ケチなお前なら。どんな時も自分の利益しか考えない。お前が国会に引き出されても

たとえ逮捕されても俺達とは関係ないから」

へえ・・・全く寂しい話だな。身内が・・・それも兄弟が信じてくれないとは」

何が兄弟だよ。お前達のような汚い政治まみれの人間と一緒にするな。

お前が東京に出て以来、滅多に顔を合わさないし、親戚付き合いもしないし

ずっと無関心だったのに、今になってここに姿を現したという事実が、俺は不思議だ。

いや、不信感を持っている」

墓を買おうかと思っただけだ」

墓?お前の信じる宗教に墓なんぞ必要だったか?白地に題目書いたたすきと

長ったらしい数珠さえあればいいんじゃないのか?」

いい加減にしろ」

ヒサシは思わず兄の顔を殴りつけた。

殴られた兄は座ったまま倒れこんでしまう。一斉に回りが駆け寄ってきた。

どうしたの?今日は法事で大切な日だっていうのに」

いい歳してみっともない

叔母が仲裁に入った。

「ヒサシ君。お兄ちゃんに何を言ったの?」

悪いのは兄貴だろう。人を侮辱しやがって。たかが大学教授のくせに」

お兄ちゃんに向かってそれはないでしょ。ヒサシ君、謝りなさい。こういう時は

若い方が先に謝るの。お兄ちゃんは今日の法事の為に散々尽くしてくれた

んだよ。日を決めたりお寺さんにお礼したり食事の世話まで。そりゃあもう。

長男だから当たり前かもしれないけど、今時家族総出でこういう法事をきっちり

やってくれるってなかなかないんだよ。だからあたしらだってこうやって久しぶりに

集まって楽しい時間を過ごしているんじゃないの。ねえ?」

いいか、ヒサシ。無心論者のお前が今更ここに墓なんて、どんな企みが裏に

あるのかわからんが、たいがいにしとけよ。そうでないと今にオワダ家全体に

災いをもたらすようになる」

「どういう意味が・・・」

「お前んとこの長女。皇太子妃候補だと?いくら外交官の娘でも

由緒正しい家の娘しか皇太子妃になんかなれん。お前の娘にそんな資格が

あると思うのか?もし、こんな事が実現したら日本は終わりだ。お前の娘は

ミナマタ病を引き起こしたチッソ会長の血が流れているんだからな」

兄の言葉にヒサシは顔変え、ぶるぶると震え始めた。

ミナマタ病がなんだ。それと私達に何の関係がある?マサコはあんた達の

子供と違って出来がいいんだよ。え?ハーバード出の子供なんか、あんたらの

中にいるか?外務省勤めして東大に入ってオックスフォードに留学した奴が

いるか?皇太子なんか手の平に載せてやる。三顧の礼で迎えさせて見せる」

その台詞に一同はただ黙るしかなかった。

 

 

 

コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いい加減「恨」は捨てなさいって

2012-05-26 16:09:09 | つれづれ日記

 先日、フジTVの「なかよしテレビ」で矢野某という中国で活躍する俳優さんが

韓国・中国の嫌いな所は、日本にいる時は日本大好きと言っておきながら自国に

帰ると反日発言を堂々とやるという事。竹島の事とか・・・」といいかけた所で

「あんたも同じだーー」とか突っ込まれておりましたが

(くりいむしちゅーさん、そういう時は自国人の味方をしてくれないと)

ヒョンギいわく「僕の奥さんも日本人で子供もそうだけど・・・韓国帰ったら・・・

日本好きとはいえないかもしれない・・色々あるんですよーー」って言ってましたが

まさにそれ

韓国ドラマを見ていると、K-POP界の出世街道を走る為にはまず日本進出が

第一条件らしく、そういう台詞がよく出てきます。自国でではなくよその国で成功する

事が大事っていう事に疑問を抱かないどころか「利用すべきものは利用してやるけど

それと好き嫌いは別」みたいな考え方が根付いているんですね

それが今回の「生活保護不正受給?」問題にも波及しているような気がします。

 

 韓国の元挺身隊女性ら三菱重工を訴える 

 

 26日付け、韓国「ハンギョレ」新聞報道

 戦時中に勤労挺身隊として三菱重工名古屋航空製作所で働いていた女性

   9人が、来月、未支払い賃金、一人当たり1奥ウオン(670万)を求めて

   提訴する予定。

 日本の裁判では65年の日韓請求権協定で個人請求権も消滅している。

 ゆえに99年にも提訴するも敗訴。でも今回は韓国の最高裁が

   「消滅していない」見解を発表。

 来月5日に来日して交渉する予定。三菱重工はノーコメント。

 

 戦時中?挺身隊?いくつなの?この人たち・・・と思ったら84歳ですって?

   ハルモニ、84歳にもなってそんなにお金が必要なわけは何?

   「家門」の恥になるからやめた方が利口。

   自分達が一部の思想家に利用されている事にも気づかない無教養な人間だって

   わかるから。

 ハルモニ達の人生を否定したきたのは日本人とか日本という国ではない。

  「韓国」という母国ですよーー昔、挺身隊にいたっていえば、普通は「親日的な

   行動を起こした」とみなされるのでは?なのに、こういう時だけ「日本に利用され

  ただ働きさせられた哀れなハルモニ」って言われるの。気分がすっきりする

   そんな事で「恨」が晴れるのか。節操がなさすぎる。

 戦争は半世紀以上前に終わっているのよ。なのに、いまだ戦時中を生きている

  人たちがいるらしい。

  そんな民族だから自殺率は高いし、価値観が融通利かなくて先進国から取り残され

  ていくのではないかと  

  要するにお年寄りの思考がストップしているゆえに、若者が苦労するわけです。

  今に韓国という国から本物の韓国人がいなくなってしまうのでは?

  お金があれば自由な国で暮らしたいものね。結局、民主主義が根付かない国だと

  暴露したようなものです。

  それにしても、一度決めた事を堂々と撤回して「こっちが正しい」と主張するとは

  国家の風上にもおけない。国際的な信用を失うだけですよ。

 浅田次郎の「日輪の遺産」を読みなさい。

  うちの父は戦後、軍人恩給を受けませんでした。「国に返すべきもの」という思い

  からです。日本人の美徳ってそういうものだと思う。

  「貰えるなら貰っとけ」ではないでしょ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

皇室ウイークリー

2012-05-26 08:39:11 | 皇室ウイークリー

ご日程

両陛下

5月16-20日・・・両陛下 → イギリス訪問

5月21日・・・天皇陛下 → 皇太子より国事代行の報告を受ける

           両陛下 → 山口県植樹祭について説明をうける

5月22日・・・天皇陛下 → 通常業務

           両陛下 → 新任外国大使夫妻らとお茶

5月23日・・・両陛下 → 赤十字国際委員会総裁と昼食

                 勤労奉仕団に会釈

                 島サミットについて説明を受ける

5月24日・・・両陛下 → サミットに出席する首脳らとお茶

 

皇太子殿下

5月18日・・・通常業務(代行)

      両殿下 → オックスフォード大学総長と会う

5月20日・・・両殿下 → 両陛下のお迎え

5月21日・・・参内し国事代行について報告

         ボストン美術館展見学

5月24日・・・ベトナム副主席と会う

         勤労奉仕団に会釈

         島サミット茶会に陪席

 

秋篠宮両殿下

5月18日・・・両殿下 → 日本ワックスマン財団助成金贈呈式及び夕食会

5月20日・・・両殿下・眞子内親王 → 両陛下のお迎え

5月21日・・・両殿下 → 世界ろう者卓球選手権大会日本女子団体戦優勝者

                 に会う

                 日本スポーツ少年団創設50周年記念式典について説明を

                 受ける

                 『全国ろうあ大会」について説明を受ける

                  ブータン王妹アシ・ケザン・チョーデン・ワンチュク殿下に会う

5月22日・・・両殿下 → ウガンダ訪問について説明を受ける

5月22-24日・・・秋篠宮殿下 → 北海道訪問

          ・ 旭山動物園視察

          ・ 日本動物園水族館協会会長始め関係者との昼食

          ・「平成24年度日本動物園水族館協会通常総会並びに協議会」出席

          ・ 「日本動物園水族館協会情報交換会」に出席

         ・ 「平成24年度日本動物園水族館協会通常総会並びに協議会」に出席

5月23日・・・紀子妃殿下 → 結核予防会平成24年度資金寄附者感謝状贈呈式

                     及びお茶会に出席

5月24日・・・紀子妃殿下 → 島サミット茶会に出席

 雅子妃は今回、オックスフォード大学総長夫妻に会って得意かもしれませんが

   夫妻は秋篠宮夫妻に先に会ってます。

   また、両陛下のお見送りとお迎えに出たようですが、毎回のごとく、お見送り時の

   式典には「別室で控えた」そうで・・・目立つ所しか出て来ないんですね。

 21日の金環日食ですが、テレ朝だったかが「皇太子様と愛子様も」めがねで

  見たと報道しましたが、東宮大夫の発表では「皇太子ご一家が」だそうです。

  でも、見た場所は「庭とベランダで」だったそうなので、多分皇太子&内親王が庭で、

  妃はベランダから見たのでは?

 22日予定だった皇太子の登山ですが雨の為中止。

   30日に変更になったそうです。

   ここでネット上ですがちょっとした話題が。

    30日の登山はあくまで「行啓」という扱い

    一泊して温泉入ってコーヒー飲んで山頂でカップヌードル食べて帰って来る

     予定?

    皇太子が通る予定の道筋付近の住人には

     ・ 洗濯物を干すな

     ・ 小学校の児童達を見せるな (通学時間を変更しろ)

     ・ 犬を見せるな

     などの要請が東宮職からあったと・・・・・

     もし、これが本当だったら大変な事です。両陛下はどちらへ行くにも

     さらりとしているのに、皇太子は仰々しい行列及び規制をかける。何様なのか?

     勘違いしているんじゃないかと。

     東京スカイツリー見学の時も大雨で視界ゼロだったみたいだし、30日も

     大雨が降るかも。それでも「行啓」だから行くのかしら?

 

 

                 

 

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

河本の生活保護費不正受給問題

2012-05-25 18:02:44 | ドラマ・ワイドショー

やっと・・・記者会見したんですね。

雑誌に「生活保護費不正受給問題」が出て以来、とにかく河本の顔を見るのが

いやでバラエティは敬遠しておりました。

ちらっと記者会見の内容を拾うと

 母親は離婚してから河本と姉をスーパーの鮮魚売り場で働きながら育てる。

 14,5年前に母親は働けなくなり、その息子も年収100万円だったので

   生活保護需給を決める。

 保護費打ち切りの相談は1月頃からあった。実際に打ち切ったのはマスコミに

   出てから母親が自主的に。

自分が、東京に出てきてテレビに出るまでにかなりの時間がかかってしまいまして、

その間、環境も変わり、結婚もしまして、自分の家族もできました。

東京に出てからも自分のバイトをし、奥さんにもバイトをしてもらって

生計を立てるようになりました。

そこから数年がたったころようやく全国のテレビ番組に出させていただくことが

できまして、福祉事務所から母親の援助はできないか打診がありました。

福祉の方に「援助できます」「精いっぱいの援助しかできませんが

よろしいでしょうか」とお返事して書類を返しました。

それから数年がたち、再度、福祉事務所から援助の増額をしてもらえないかという

話をもらい、改めて家族と話し、増額の援助を、毎月送れる金額を提示して、

書類を返しました。

 これまですべて福祉の方と相談して決めたことですし、

このことに何か問題があるのかと思っていましたが、

今になって考えてみると、むちゃくちゃ甘い考えだったと深く反省しています。

申し訳ありませんでた。

 普通、援助が出来たら保護費は打ち切りの筈では?っていうか親の扶養義務は

  息子だけではなく、姉にもあるわけで。二人で負担すればなんとかなったのでは?

  「人生で親が足かせになるなんて許せない」という考え方もあると思います。

  でも、「育てて貰った」と思っているなら、真っ先に恩返しをすべきだったのでは?

  援助の増額までしても保護費を受け取っていた事実は重い

  でも、それは本人が・・・・というより役所の問題なのかもしれません。

  「もらえるものはもらっとけばいい」って考え方があるんでしょうね。

 「ムチャムチャ甘かった」って何がどう甘かったんだろう・・・全然わかりません。



 「今もずっと病気を患っている母親の治療費のこととか自分の生活のこととか、

自分がダメになってしまうと、すべてがダメになってしまうのではないかという

不安で、福祉の方と相談して決めさせていただきました。

ただ、母親は一人で僕と姉を育ててきまして、大変お世話になったのに、

今度は自分がおかんを……(涙で声を詰まらせる)、

おかんの面倒を見なくてはならないということに対して……、

自分の考えが非常に甘かったという認識があります。

 記者会見では「大変お世話になった方なのに」と親に敬語をつける始末。

  芸人は先がわからない仕事だから・・というのは言い訳にならない。

  そういう職業を選択したのは本人だし、だからってそれを理由に親の扶養義務が

   なくなるわけじゃないし。

  そもそも生活保護を受ける事に何のためらいも躊躇もない所が



 「本来は自分がやらなければならないことを、岡山の福祉の方にお願いして、

大変お世話になりましたので、助けていただいた分のお金をきちんとお返ししたいと

思います。

お金をきちんとお返しした上で、岡山の、岡山に対して、いろんなことで貢献

できればと考えています。

これから早急に、いろいろな事に役立っていければなと思っています。

今回の件は本当にいろいろ深く考えさせられました。

 もっと自分がしっかりしていれば、母親に嫌な思いをさせることもなかった

でしょうし、税金を負担してくださってるみなさまに大変申し訳なく思っています。

自営業の方々でもごく当たり前のように親の面倒を見る、そういう方も全国の

みなさんみんなされているにもかかわらず、自分の仕事が不安定というだけで、

甘くなってしまったことに

申し訳なく思っています。そういう方にも改めておわび申し上げたいと思います。

申し訳ありませんでした」

 言いたかった事は要するに

  「芸人という不安定な仕事についているゆえに、収入が一定しないし、将来の

  自分の為に貯蓄もしなくちゃいけなかったし、病気もしたし。だから母親の面倒

  を見る余裕がなかった」という事ね。

  どこまでも「芸人」という仕事を「不安定な仕事」と特別視しているけど、そんなら

  やめて違う仕事につけばいいやん。

  今時のサラリーマンだっていつリストラされるかわからへんで。

 昔の吉本だったら、レギュラー一本決まった時点で

  「これでお前も一本立ちや。はよオカンに教えてやって金も送ってやり。

  芸人の家族がいつまでも生活保護を受けてるなんざ、かっこわるいでえ。

  岡山に御殿の一軒も建てんと。きばりや」

  となって、「オカン!生活保護なんか卒業や。これからはわいがこれまでの

  ぶん、贅沢させてやるで」

  ・・・・ってなれば美談だったのにね。

 

 河本の母親も「悪いことはしていない」ときっぱり言って・・・・

   子供も子供なら親も親だなあと。

   東日本大震災では、定収入を受けていた人が突如失業。失業保険の

   需給延長を巡っては、大いにもめたよね。

   生活保護を申請なんて・・・したくても出来ないんだってば

   たった2、30万の義捐金を受け取ったらそれすら「収入」だもんね。

   そんな思いをしている東北人は多いのに、「芸人」だから不安定な収入だから

   って・・・・・いやいや、甘いというより「価値観」の差では

 

法律上、なんら問題がないとか、片山議員は恵まれて育っているのに貧乏人

いじめしているとか・・そういう「河本擁護」が一番頭にきます。

法律上問題ないなら、泣かなければよかったじゃないかっ 何で泣く?

悔し涙?ああ・・これで仕事へるーーっていう?

こういう人にこそ必要な「自己責任」という言葉。

 

 

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国史劇風小説「天皇の母」54 (フィクションよね)

2012-05-18 07:00:00 | 小説「天皇の母1話ー100話

皇室会議において全会一致で「カワシマキコ嬢をアヤノミヤ妃に内定」したのは

9月のことだった。

キコはその決定を運命の入り口だと思った。

自分はまだ若いと思っていた。

愛を信じるだけでは結婚生活は成立しない」と誰もが言うけど、今の自分の

よりどころは「愛」しかないのだ。

身分も財力もなく、ただアヤノミヤの愛だけを心の支えとして入内するのだ。

記者会見には紺色のワンピースで臨んだ。

かつて皇后が婚約記者会見で手袋についてあれやこれやとバッシングされた例も

あるので手袋は長めにした。でも、本当はワンピースに馬鹿でかい手袋はあまり

似合っているとはいえなかった。

髪は後ろで一部を束ね、りぼんをつけて帽子はなし。

ひたすら質素に目立たぬようにと気を遣った。

「質問を受けてわからなくなったら僕の顔を見て」

アヤノミヤはそう言って励ました。

 

ずらりと並ぶ記者と二人の間は随分と狭かった。

アヤノミヤは婚約が決まって笑顔が絶えず、そんな彼を見ていると自分まで

笑顔になった。でもすぐに緊張が戻ってきて硬くなる。

質問は型通りに思われた。

・アヤノミヤ様のどこが好き?

・どんな家庭を築きたいですか?

それらは予想していた事なのですらすらと答える事が出来た。

アヤオミヤはたえず自分を見てにっこり笑ってから答えるので、記者はそのたびに

フラッシュをたく。

でも・・・「キコさんに質問します。アヤノミヤ様は初恋の人ですか?」

この質問にはびっくりしてしまった。

思わずアヤノミヤを見ると、微笑んでいる。

お答えしてもよろしゅうございますか?」

どうぞ」

その自信ありげな彼の返事が心を決めた。

はい。そうでございます」

初めての恋。初めての愛を貫いて私は結婚するのだ。アヤノミヤが皇族だから

ではない。私がであった彼は学習院の大学の先輩。

私を「シャオチー(小さなキコちゃん)」と呼ぶ、私だけをみつめてくれる彼。

お子様は何人?」

何人にいたしましょうか

すかさずアヤノミヤが助け舟を出して皆大笑いした。

こんな風に突如、どきりとする質問をされるのが記者会見なのかしら?

何と答えたら・・・・

あの・・それも、殿下とよく相談して」

また笑いが起こった。

考えてみると、みんな笑顔だらけの記者会見だった。

 

上出来。緊張したけど大丈夫だったね」とアヤノミヤはそっとキコのほほに

手をあてた。真っ赤になったほほは熱くなっている。

今日はこれだけではない。

これから両親と参内して夕食を一緒にとる事になっている。

粗相をしないだろうか。テーブルマナーは大丈夫だろうか。

元々は鷹揚でのんびりとした性格なのに、今日はめまぐるしくあれこれ考える

自分がいる。

心配しなくても女官が全部教えてくれるから

はい・・・

まさか、もう結婚したくなくなった?」

もう、殿下ったら」

今日は綺麗だったよ。結婚の儀の時はきっと、もっともっと綺麗だろな

アヤノミヤは滅多にキコを褒めたり称えたりするタイプではなかったけれど

そんな台詞が出たという事は、内心はかなり心配だったのではないだろうか。

宮様もご心配だったの?緊張していたの?」

当たり前。慣れているわけじゃないよ

そうか・・・殿下もまたそうだったのか。

キコはほっとした。この人の背中を追いかけるしか出来ない。

先の事をあれこれ考えても仕方ない。

今は今出来る精一杯の事をするまで。

オールウエイズスマイル。父の教えが頭をよぎる。

そうだ。くよくよするのはやめよう。いつも笑顔で乗り切ろう。

そう思ったらこれから結婚の儀までの果てしない日々も耐えられると思った。

 

テレビで会見の様子を見ていた皇后は

皇室に春風が吹いてくるみたい」だと思った。

キコの回りはなぜかいつも春風が吹いている。それは参内しても同じ。

御所の庭の花々が一斉に咲きだすような明るさを持ってきてくれる。

そういう雰囲気は自分にはなかったと思う。

かなわない・・・・ちょっと皇后はそう思った。

 

テレビで会見の様子を見ていたヒサシは唇をかみ締めた。

今時、こんな前時代的な皇室にとって理想的な女がいたとは」

これではマサコの分が悪くなる一方だった。

もう嫌。皇室なんか大嫌い。マスコミが毎日追い掛け回して。

私達のまーちゃんは関係ないって言ってるのに」

ユミコはわめくように言った。

関係ない事はない。今後は」

何を言ってるんですか?まーちゃんは皇太子妃候補から外れているのよ。

なのにまたマスコミが騒ぎ出して・・まさか、あなたが手を回したの?」

さあな」

さあって・・・まーちゃんは皇室に向かない事くらい知ってるじゃないの。

あの子は一生外務省で働くって言ってるのよ」

それでは困る。色々な意味でマサコには何が何でも皇太子妃になって

貰わなくては」

いきなりドスンと音がした。

ユミコが泡を吹いて倒れている。

おい、しっかりしろ。ユミコ」

ヒサシは慌てて双子を呼び、救急車を呼んだ。

 

神経衰弱のようなもの・・・で、ユミコは暫く入院が必要になった。

ヒステリックですぐに興奮する様は娘とよく似ていた。

自分の頭の中で整理がつかなくなるとすぐにパニックを起こすのだ。

娘を思うゆえなのか。追い掛け回されることに疲れただけなのか。

ヒサシも娘の出来がそれほどいいとは思っていない。

けれど、とにかく、今の自分に残された手は娘の入内のみ。

機密費流用の件が表ざたになる前に。

そして皇太子妃、皇后の父として国連の大使に。

ヒサシの野心はどこまでも膨らむばかりだった。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国史劇風小説「天皇の母」53(フィクション?)

2012-05-17 07:00:00 | 小説「天皇の母1話ー100話

アヤノミヤとカワシマキコ嬢の婚約が正式発表されたとき、

国民は皇室が時代とともに変わった事を認識した。

古い時代の人から見れば、何もかも「掟破り」のように見えたのだ。

・ 弟宮が兄宮より早く結婚すること

・ 発表が先帝の崩御から1年経っていなかったこと

・ カワシマキコ嬢は学習院の官舎住まい。一軒家に住んでいない。

・ 学生結婚であること

それでも、国民からもろ手を挙げて祝福された理由はいくつかある。

・ アヤノミヤが強い意志を持って愛を貫いたこと。

・ キコ嬢は今時珍しい程清楚で可愛らしいお嬢さん。しかも学習院出身。

・ 先帝崩御で何となく暗くなりがちな世相に明るい空気を吹き込んでくれたこと。

以後、「キコちゃんブーム」が起きる。

カワシマ家にはテレビがないらしい。お父様の躾の一環で、テレビよりも

家族のコミュニケーションを大事にする」

「カワシマ家は3LDKの官舎に住んでいて贅沢を知らない家庭」

学習院・常盤会は「アヤノミヤ様、よくぞお選びになって下さった。最高の女性を」

と褒め称えた。

実際の所、キコ嬢は素直で明るい性格。

どんなにマスコミに追われても嫌な顔一つせずにお辞儀をする。礼儀正しいその

態度や明るいしぐさが記者達を魅了した。

毎日、ジョギングの時も美容院に行く時もキコ嬢はマスコミに追い掛け回された。

そのうち、顔見知りになるとさらに笑顔が加わって何となく得をした気分になる。

けなげでいたいけで、でも笑顔が素晴らしい若い女性が筆頭宮家の妃になる。

それこそ20世紀最後のシンデレラ・ストーリーかもしれない。

そう、あの中古の官舎の中からアヤノミヤ王子はキコ姫を見つけ出したのだ。

 

天皇・皇后は婚約の発表と同時に、カワシマ夫妻を御所に招いた。

ミチコ妃の時には考えられない事だった。

あの時のような思いはさせない・・・との強い決意から天皇・皇后は結婚前の

嫁の実家と親交を持つ。それは大きな改革として受け入れられた。

それにカワシマ夫妻もよく応えた。

どのように招かれても決しておごることなく、地味に目立たないように行動する。

学者のカシマ教授と天皇は話が合った。

慣れ親しんだ学習院の教授という事で、一層親しみがわいたのかもしれない。

結婚の儀の事は何も心配しなくてよろしい。全て任せるように」と皇后は言った。

金銭的に余裕がない筈のカワシマ家には皇室から提供していくつもりだ。

派手には出来ないが体面を保つだけのものは持たせなくては。

皇后の頭の中でセツ君の台詞が蘇る。

入内する前から皇族に好かれているとは・・・・なんと幸せな娘であることか。

キコはノリノミヤともすぐに仲良しになった。

二人で喋っている姿はまるで姉妹のようだ。

アヤノミヤ・ノリノミヤ・キコと3人並ぶとそこだけほわっとした空気が流れる。

孤立しているような皇太子がまた不憫にも見えた。

皇后の心の中では気負いがないキコの心情がなかなか理解できないし

ちょっと可愛げがないと見える。

かつての自分もまたそうだったことは・・・あまり記憶にない。

でも、とにもかくにも認めたのだ。

私情を挟んではいけない。

 

そんなブームに危機感を覚える人間がいた。

オワダヒサシである。

まさかアヤノミヤが皇太子よりも早く結婚を決めるとは思わなかった。

でもどうせ大学教授ふぜいの娘だからとタカをくくっていたらとんでもない。

彼女はブームを巻き起こしてしまった。

田舎くさい娘だと思う。貧乏人の学者家庭のくせにと思う。

学習院ごときで何だというのだろうか。

それなのに国民は何を喜んでいるのだろう。両陛下との仲も良好?

何もかもオワダ家と違うその姿勢にヒサシは怒りを覚えた。

このままでは皇太子妃もキコ嬢のような娘を・・・という事になりかねない。

何とかしなくては。

外務省には独自のネットワークがあり、機密費も無論ある。

さあ・・誰に相談しようか。誰を取り込むべきか。

娘の妨げになる奴はどこまでも排除せねば。

ぐるぐるとアイデアが浮かんでヒサシはほくそえんだ。

 

 

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国史劇風小説「天皇の母」52 (フィクションだった)

2012-05-16 07:00:00 | 小説「天皇の母1話ー100話

その年の夏、初めてマスコミがカワシマキコ嬢をカメラにとらえた。

彼女は学習院大学のキャンパスを父親と一緒にゆったりと歩いていた。

セミロングの髪と清楚なワンピース。

そのおっとりとした雰囲気に誰もが「今時、こんな女性がいるのか」と思った。

 

キコが決めたのだから、その通りに。でも責任は全部自分にあると思いなさい。

何よりも皇室を敬い、両陛下を敬い、殿下に尽くす事。出来るかい?」

父の言葉をキコはしっかりと頷きながら聞いた。

今後はお前を助けてやれないだろう。どんな辛い事があっても一人で耐えると

約束できるか?」

はい」

母はさめざめと泣いた。

まだ22歳なのに。皇室は私達には遠い所です。絶対に苦労します。

でも何もしてやれません。それでも結婚に賛成なさるの?」

キコが殿下との愛を成就させたいと言っているのだから」

そうは言っても。私は心配です。ミチコ妃殿下の苦労を私達は知っているのよ」

時代が違うさ。それにキコは選ばれたんだから。決して好き嫌いだけで決めている

わけではない。アヤノミヤ殿下の見識を信じよう」

まるで・・かぐや姫のよう」

泣く母の肩を父はそっと抱いた。

オールウエイズスマイル。この言葉を胸に頑張れば何事も耐えられる。キコの

幸せを祈ろうじゃないか」

キコはその時、両親が心配しつつも自分を尊重してくれている事を知った。

取り乱す事なく、自分と殿下を信じている。

そんな気持ちが嬉しかった。

姉さんは勇気があるなあ

弟のシュウがボソッと言った。自分が皇室に嫁いだら彼はカワシマ家のただ一人の

子供になる。もう頻繁に会えないし、昔のようにからかったりも出来ない。

そして姉が皇室に嫁ぐという事は、弟にとっても無言の圧力がかかる事だった。

今後は行動に注意しなくてはならない。

姉の名誉を傷つけないように。マスコミにおもしろおかしく取り上げられないように。

人を好きになるってすごい事なんだね

ごめんね」

え?別にいいよ。僕、反対してないよ。相手がアヤノミヤ様なら仕方ないや」

シュウはそう言って顔をしかめた。

 

そして学習院のキャンパスで初めてマスコミの前にさらされたとき、

寄り添ってくれている父の大きさが伝わり、緊張の中にも余裕を感じる事が

出来た。

何も怖がる必要はない。

家族はいつも一つなのだから。

キコはゆっくりと笑った。オールウエイズスマイル。今、自分が出来ることは

微笑むことだけ。

 

そしてその頃、マサコはベルギーを旅行して歩いていた。

もうそろそろ新学期が始まるというのにイギリスをでてヨーロッパ旅行に

あけくれていたのには、わけがある。

イギリスに来て以来、マサコは気が塞ぐことの連続だった。

授業についていけない。友達が出来ない。アメリカでは自由にやっていけたのに

何でロンドンでは無理なのか。

一緒に行った6人の仲間ともうまくいかない。

結局、大学の寮を出てアパートに引っ越した。

修士論文を書かなくてはいけないのに、どうしても書けない。誰が悪いって

自分?そんな筈ない。自分はハーバード出なのに。

いらつくロンドン生活。

そこにさらに日本からマスコミが押しかけてきた。

どうしてなのかわからないけど、一度脱落したヒロノミヤ妃の候補に挙がっていた。

「心配しないで任せておけ」

と父は言うけど、マサコには事情が飲み込めなかった。

誰が何の目的で自分を皇太子妃候補にしようとしているのか?

あんな男と本気で結婚しろって?冗談でしょ?いや・・冗談じゃないのかも。

妹達の報告によるとマスコミが勝手に盛り上がっているみたいだけど。

そんなある日。

ロンドンのアパートの前に日本人が数名待ち構えていた。

マサコさん、お妃候補にあがっていますが・・・

頭の中で何かがブチ切れた。

その件については私には関係ございません。私は今ロンドンに留学中で

ございまして今後も勉学を続けて行きたいと思っておりますので」

語気を荒くしたつもりはなかったけど、一瞬にして彼らがひるみ後ずさったので

そこでちょっと溜飲を下げた。

 

ヒサシは外務省事務次官を目指していた。それから国連大使も。

家柄もなく、学歴だけが命のこの男にとって「権力」はプライドそのものだった。

頭のよさでは兄にはかなわない。でも、外務省内で権力を掴めば・・・誰もが

自分の前にひれふすだろう。

「恨をはらしておくれ」という遠い日の言葉が思い出される。

そうだ・・・差別だ。身分が何だ、家柄がなんだ・・血筋がなんだというのか。

純粋な日本であることはそんなに偉いものなのか?

そもそも自分達をこんな風にしたのは誰だ?日本人ではないか?

日本という国を見返してやりたい。その為には自分が権力を持たなければ。

権力を持つには政治家と繋がること。

そして、最大限に利用できるものは利用すること。

その為にマサコは重要なポジションにいた。

今の皇室において「お妃候補」として最も重要な事はなんだろう?

家柄?いや違う。学歴だ。

そのもっとも代表格はほかならぬ皇后。

皇后がお妃候補にあがったとき、散々「聖心女子大を優等の成績で卒業した」

事が喧伝された。それはショウダ家がどんな家柄であるかとか、血筋はどうだとか

そんな事よりも重要で華やかな理由に見えた。

あの時から皇室に入るには「学歴」が必要になったのだ。

げんにタカマドノ宮妃だってそうではないか。

バイリンガル、留学経験、よい成績・・・・それがこれからの妃としての重要な

ポイントである。

マサコの持つ学歴はぴったり。

そして、娘を皇太子妃にすれば「父親」の存在もクローズアップされる。 

「プリンセスの父親」がどれだけ影響力があるかみせつけてやりたい。

娘がどう考えようとそれは関係がない。

あの娘は贅沢が出来て華やかに暮らせればそれでいいのだ。

ヒサシは夢に見た。

オワダの血が皇室に入り込み、永遠に「名家」として家門の栄光を極めることを。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする