いよいよ日本にとっては60年目の8月がやってくる。
日本にとって「鎮魂」を意味する夏でもあったりする。
原爆で多くの人が犠牲になり、また敗戦が決まった夏
毎年この季節になると、戦争物の映画・ドラマやドキュメンタリーが多数放送される。
今年は中国や韓国の反日運動に触発され「歴史認識」を巡っての議論が活発化・・
さぞや沢山放送されるのかなーーとおもいきや・・
ドラマやドキュメンタリーはそこそこやるようだけど、他はあまり盛り上がらない
みたい。
(当たり前みたいに毎年夏の火垂るの墓は別として。いわゆる戦争映画が
少ないかな・・・)
いつも考えるわけではないのだから、今の季節くらい、ちょっと60年前の
出来事に思いを馳せつつ、ドキュメンタリーで勉強し、ドラマや映画でさらに
知識を増やす・・というのも有意義では?
そこでお薦めしたいのが「父と暮らせば」(井上ひさし原作。宮沢りえ主演)
今日の朝日新聞によると、94年に舞台作品として発表されてから、
フランス語・ロシア語・英語など6つの国で翻訳され海外での上演も
相次いでいるらしい。
日本では去年、宮沢りえと原田芳雄の2人で映画化されている。
この映画は数々の賞を受賞。
宮沢りえはますますこれで「大女優」として飛躍したのだけど、上映してくれる
館が少なかったのか、DVD化されるまで見るチャンスがなかった
内容は・・・敗戦後の広島。
壊れた旅館に一人暮らしする娘と、彼女の心の中に住む父親の会話だけで繋がっていく
ストーリー。
娘は、父も友人も失ってしまって自分一人が生き残っているという罪悪感にさいなまれている。
「私は幸せになってはいけない」と強く思い込んでいる。
そんな娘の前に被爆資料を集めている青年が現れ、恋に落ちるのだけど、かたくなに
拒もうとする娘を父は必死になって説得していく。
この映画には一つも悲惨なシーンは出てこない。
会話だってなにげない日常的なものがほとんど。
それなのに、見ていると体中に原爆の恐ろしさやその後遺症の恐さや、悲しみや苦しみが
伝わってきて切なくなる。
この作品を他の女優が演じたらきっと「嘘」に見えたに違いない。
なぜなら、血色が良くてふくよかな現代の女性には演じられないキャラだから。
宮沢りえのガリガリのスタイルと白すぎる肌の色が一層「薄幸」感を際立たせ
「なるほど彼女は被爆者かも」と思わせるのだ。
つまり宮沢りえの存在が芝居にリアリティを与えていると言える。
「被爆して友人は死に、父を助けられなかった自分・・なぜ自分だけが生き残ったのか」
と嘆く娘に父親は必死にやさしく強く「幸せになっていいんだよ」と諭していく。
その心の交流があまりにも優しくて、余計に「戦争の理不尽さ」や「原爆の残した傷」を
強調させるのだ。
海外で数々上演されるのは、わりと翻訳しやすい脚本だからという事もあるし、
新聞に書いてあるように
原爆について日本人が、仕返しをする発想ではなく、この悲劇が人類の上に
繰り返されないようにと考えていることに感銘を受けた」という反響によるものも大きいだろう。
静かな8月の夜、家族でじっくり見てほしい映画
そして、もう一つ、日本の戦争を題材にした舞台が海を渡り成功したものに、
「WINDS OF GOD」がある。
これは今井雅之主演の舞台で、漫才コンビの2人が事故をきっかけに戦争末期の特攻隊に
タイムスリップしていくという話で、最初は小劇場で上演されていたものがアメリカで
高い評価を受けロングラン。そして95年には映画化された
最初は特攻隊たちの考え方や行動に一々現代の思想で反発ばかりしていた2人が
次第に彼らと同化していく過程で、初めて「戦争」を身近に感じることができ、平和とは
戦争とは何かを考えるというお話だ。
この作品が原爆を落としたかつての敵国で上演され、高い評価を受けたのは、
プロデュースが奈良橋陽子だったという事もあるけど、やっぱり
「恨みつらみを述べるよりも当時の人間性を浮き彫りにする」事で、現代人に
「戦争の悲惨さ」を訴えようとしたところになるのではないか
この作品は、民放で今年、ドラマ化されるようなのでぜひぜひ見て欲しいです。
「戦争」は繰り返してはならない。
それを次世代に訴えかけるのには、やっぱり被害者意識だけではいけないと思う
恨みだけでも発展しない・・
日本が戦後貫いてきた「敵国を受け入れて過去を忘れる」という姿勢は、
ある意味正しかっただろう・・(でも戦後補償は行って来たけど)
だけど、これからの半世紀は「忘れた過去を思い出して検証し、あの戦争は
一体何だったのか正しく理解し、世界に発信していくこと」
が大事だと思うんだけど・・・
日本にとって「鎮魂」を意味する夏でもあったりする。
原爆で多くの人が犠牲になり、また敗戦が決まった夏
毎年この季節になると、戦争物の映画・ドラマやドキュメンタリーが多数放送される。
今年は中国や韓国の反日運動に触発され「歴史認識」を巡っての議論が活発化・・
さぞや沢山放送されるのかなーーとおもいきや・・
ドラマやドキュメンタリーはそこそこやるようだけど、他はあまり盛り上がらない
みたい。
(当たり前みたいに毎年夏の火垂るの墓は別として。いわゆる戦争映画が
少ないかな・・・)
いつも考えるわけではないのだから、今の季節くらい、ちょっと60年前の
出来事に思いを馳せつつ、ドキュメンタリーで勉強し、ドラマや映画でさらに
知識を増やす・・というのも有意義では?
そこでお薦めしたいのが「父と暮らせば」(井上ひさし原作。宮沢りえ主演)
今日の朝日新聞によると、94年に舞台作品として発表されてから、
フランス語・ロシア語・英語など6つの国で翻訳され海外での上演も
相次いでいるらしい。
日本では去年、宮沢りえと原田芳雄の2人で映画化されている。
この映画は数々の賞を受賞。
宮沢りえはますますこれで「大女優」として飛躍したのだけど、上映してくれる
館が少なかったのか、DVD化されるまで見るチャンスがなかった
内容は・・・敗戦後の広島。
壊れた旅館に一人暮らしする娘と、彼女の心の中に住む父親の会話だけで繋がっていく
ストーリー。
娘は、父も友人も失ってしまって自分一人が生き残っているという罪悪感にさいなまれている。
「私は幸せになってはいけない」と強く思い込んでいる。
そんな娘の前に被爆資料を集めている青年が現れ、恋に落ちるのだけど、かたくなに
拒もうとする娘を父は必死になって説得していく。
この映画には一つも悲惨なシーンは出てこない。
会話だってなにげない日常的なものがほとんど。
それなのに、見ていると体中に原爆の恐ろしさやその後遺症の恐さや、悲しみや苦しみが
伝わってきて切なくなる。
この作品を他の女優が演じたらきっと「嘘」に見えたに違いない。
なぜなら、血色が良くてふくよかな現代の女性には演じられないキャラだから。
宮沢りえのガリガリのスタイルと白すぎる肌の色が一層「薄幸」感を際立たせ
「なるほど彼女は被爆者かも」と思わせるのだ。
つまり宮沢りえの存在が芝居にリアリティを与えていると言える。
「被爆して友人は死に、父を助けられなかった自分・・なぜ自分だけが生き残ったのか」
と嘆く娘に父親は必死にやさしく強く「幸せになっていいんだよ」と諭していく。
その心の交流があまりにも優しくて、余計に「戦争の理不尽さ」や「原爆の残した傷」を
強調させるのだ。
海外で数々上演されるのは、わりと翻訳しやすい脚本だからという事もあるし、
新聞に書いてあるように
原爆について日本人が、仕返しをする発想ではなく、この悲劇が人類の上に
繰り返されないようにと考えていることに感銘を受けた」という反響によるものも大きいだろう。
静かな8月の夜、家族でじっくり見てほしい映画
そして、もう一つ、日本の戦争を題材にした舞台が海を渡り成功したものに、
「WINDS OF GOD」がある。
これは今井雅之主演の舞台で、漫才コンビの2人が事故をきっかけに戦争末期の特攻隊に
タイムスリップしていくという話で、最初は小劇場で上演されていたものがアメリカで
高い評価を受けロングラン。そして95年には映画化された
最初は特攻隊たちの考え方や行動に一々現代の思想で反発ばかりしていた2人が
次第に彼らと同化していく過程で、初めて「戦争」を身近に感じることができ、平和とは
戦争とは何かを考えるというお話だ。
この作品が原爆を落としたかつての敵国で上演され、高い評価を受けたのは、
プロデュースが奈良橋陽子だったという事もあるけど、やっぱり
「恨みつらみを述べるよりも当時の人間性を浮き彫りにする」事で、現代人に
「戦争の悲惨さ」を訴えようとしたところになるのではないか
この作品は、民放で今年、ドラマ化されるようなのでぜひぜひ見て欲しいです。
「戦争」は繰り返してはならない。
それを次世代に訴えかけるのには、やっぱり被害者意識だけではいけないと思う
恨みだけでも発展しない・・
日本が戦後貫いてきた「敵国を受け入れて過去を忘れる」という姿勢は、
ある意味正しかっただろう・・(でも戦後補償は行って来たけど)
だけど、これからの半世紀は「忘れた過去を思い出して検証し、あの戦争は
一体何だったのか正しく理解し、世界に発信していくこと」
が大事だと思うんだけど・・・