一年の振り返り
この1年、様々なことがあったと思います。
例えば、ロシアのウクライナ侵攻や各地での紛争や内戦、また異常気象ですね。それから大きな事故とか事件によって多くの尊い命が失われたり、また人々の生活を脅かすようなことがあったと思います。
中でも気候変動によると考えられる異常気象、これは洪水であったり、干ばつであったり、それから熱波などもありますね。
それから山火事などいろいろあるわけですけれども、この気候変動というのは非常に気に掛かっています。そしてこれは生態系にも大きな影響を及ぼしますし、また、例えば食料不足など私たちの暮らしにも大きく影響するものだと思います。
そして、この気候変動というのはもちろん地球規模のものであるわけですが、これは人間活動によるものも非常に大きいウエートを占める、気候変動に関する政府間パネルの第6次評価報告書で言われていますけれども、そのようなことから、個人個人もそのことに意識を向けていくということが必要なのではないかなということを感じています。
エリザベス女王陛下の崩御についてですけれども、エリザベス女王陛下の70年にわたる御代の間にはいろいろなご苦労があったと思います。
しかし、あれは21歳のお誕生日だったでしょうか。
その時のスピーチで「私の生涯を皆さんに(中略)捧(ささ)げます」ということをお話しになりましたが、そのことを実践されてこられたのではないかと思っています。
崩御後に、ウェストミンスターホールにものすごくたくさんの人たちがお参りに来ていて、改めて国民から信頼された方だったのだなと感じました。
私自身は、今までにご訪日の時以降は、1989年と90年にお目に掛かっていると思います。
ここ、天皇が誕生日で何というか楽しみですね。実際には英国に行ってないけど、行かれたような感想、心がこもっていると思いました。
また、沖縄の本土復帰50年、このこともこの1年の間では印象に残っていることの一つです。
沖縄の復帰、1972年5月ですけれども、その時私は小学校の1年生でした。
恐らくその式典のあったその日だと思うのですが、これは定かではありません、学校の全校の朝会の時に、その時に校長先生の話があって、私が行っていたのは学習院初等科で、校長のことを科長と言うのですが、話があって、その時に、今日、沖縄が復帰しました、ということを先生が話したこと、それがすごく印象に残っているのですね。
もう50年たった今でも、強く印象に残っています。
また、この50年というこの年には、戦争の時に非常に多くの人、県民の4人に1人が亡くなったとも言われていますけれども、その沖縄戦のことに思いを致す機会にもなったと思いますし、それからいろいろな展示会とか芸能の公演とかが行われ、沖縄の文化、芸術を知る機会にもなったのかなと思っております。
それ以外ですと、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染状況というのが、デルタ株の時までと、それからオミクロン株になってからとで、やはり随分人々の持つイメージも変わってきていると思います。
私自身もいろいろ、現場の医療者とも話をしていると、もう全然違う病気というぐらいの感じを持っているという話をよく聞きます。
また、行動制限も非常に緩和され、海外からも人が日本を訪ねてくるようになってきたわけですね。そのような中にあって、私自身、観光地が再び賑(にぎ)わいを取り戻したということがすごく良かったなと、観光地だけではないですけれども、いろいろな所が以前の状態に近くなってきたということを非常に喜ばしく思っているところですが、一方でまた、感染者が増加しているときなどの医療施設、病院などの状況、それもやはり入院患者が増えれば大変なことになってくるわけで、その辺りのうまくバランスと言いますか、どういうふうに取っていくのが良いかというのは、なかなか難しいところだなということを最近感じております。
それとCOVID-19の関連で言うと、人と動物の共通感染症というのは、感染症の中でもかなり多くあるわけですけれども、やはりこの一つの感染症だけでなくて、それから人との感染症ということだけでなく、やはり生態系全体としての位置付けと言いますか、ワンヘルスという言い方をよくしますけれども、その概念が少しずつ広まってきているのかなという印象も受けています。
最後になりますけれども、この4月に立皇嗣の礼に関わる神宮の参拝と、それから山陵の参拝を済ますことができて、これで大礼に関わる全ての行事が終わったことになり、そのことに安堵しているところです。大体以上がこの1年に関したことです。
当たり前の事ですが秋篠宮家にとっては、一つの行事と祭祀が密接に繋がっていると言う事が強く感じられます。
皇室のSNS活用についての関連質問
皇室のことの発信という点で言えば、やはり間接的でない方がストレートに伝わると、私は思います。
ただ、宮内庁のホームページでそれをするのが適当なのかどうかというのは、また考えないといけないことかなと思うのですね。
宮内庁のホームページ、イコール皇室のホームページなのか、それとも宮内庁という皇室を支えている一つのお役所が皇室のことを発信しているのか、その辺りの位置付けも今後、検討していく必要があるのではないかなと思います。
なるほど。
今現在、皇族のうちの誰かが個人のアカウントで発信しているかどうかということは私は知りませんけれども、恐らく私はやらないと思いますが、そういう可能性も、もちろんあり得ることだと思います。
佳子様や悠仁殿下がその部分を担っていけばよろしいのですね。
これは先ほどの基準とも少し関係してきます。
事実誤認のことが書かれていることについて、これは余りにもひどい事実誤認だと思われることについて、それは違うよ、という反論をするということは、あり得ると思うのですね、私は。
早く反論していくべきと私は考えます。
一方で、これは去年もお話ししたのかな、記事というのは、そのことのみ書かれているわけではありませんので、幾つかの複数の事柄が中に書かれています。
そうすると、それ以外にも、軽い誤認というのは変な言い方かもしれませんが、何かそういうものが幾つか散見された場合に、このことは違うけれども、ほかに書かれていることは全部正しいのね、ということにもなるわけですね。
そこが、私が、基準が必要ではないかと言い、また、今年、基準を作るのが非常に難しいと言ったことになります。
ですから、どういう形だとそういうことが、ここに書かれていることは間違いですよということを、つまり何か良い形で発信できる方法があれば、それは良いと思っていますが、これは恐らく、引き続き検討する必要があると考えています。
確かにそういう誤解を受けることもあるでしょうけど、とにかく敵は全然そんなこと考えていないですから。
佳子様について
まず手話についてですけれども、(全日本)ろうあ連盟の関係の行事で、本当に最後のフレーズだけ初めて手話を、その前に結構練習したのですが使いました。その時は妻からは少しアドバイスをもらったのですが、娘からは特になかったと思います。
ただ、例えば障害者スポーツ大会などでも、やっぱり挨拶をするときに、全部ではなくても手話がある程度できないといけないのかなということを感じていますので、もしかすると、今後は何かあるかもしれません。
最初の方のご質問ですけれども、意見を聞かれればということは、仕事のことについてであったり、あと、例えば彼女がどこかで挨拶をするときに、原稿を見てくれとか、それに対して私がコメントすると、そういうことです。
よろしいでしょうか。