先日、WOWOWで放送されていたのをやっと見終えまして・・・・
休憩なしの2時間30分っていうのは、結構きついものですね。
宝塚の場合、芝居が1時間30分強、休憩が30分でショーが1時間ですから
トイレにいく時間はあるけど、「12人・・」はねーー
オープニングで三谷さんが「生瀬が芝居の合間にトイレに行った」とか
行ってましたが、気持はわかります
女優陣は大変だったろうなーーっと。
12人の優しい日本人
いわゆる三谷幸喜作品です。
出演者はみーーんな知ってるおなじみの人ばかりですが
中でも江口洋介とかーー筒井道隆とかーー石田ゆり子は
それこそ「おなじみ」ですよねーー
(小日向文世も)
あらすじ
これはいわゆる「一幕物」と呼ばれるお芝居で、場面転換がありません。
延々と出演者は出ずっぱりなんです(ゆえにトイレも行けない)
日本で、これから採用される「陪審員制度」・・これを痛烈に皮肉った
(っていうと語弊があるけど)作品です。
別れた暴力夫に復縁を迫られた元妻の子持ち女性が、男を
トラックの前に突き飛ばして殺してしまった・・・
さて、有罪か無罪か
どう見たってこれは「有罪」なんだけど、なぜか12人のうち11人まで
が「無罪」を主張します。
その理由は「あの人は人殺しをするような人に見えない」とか
「あんな男、トラックにひかれて死んで当然」とか
「何となく、みんなが無罪を主張するから」とか
根拠も主体性もないような答えばかり。
そこで、ただ一人「有罪」を主張した生瀬さんが、その根拠を
朗々と述べ立てて、そこから議論が白熱していく・・というお話。
見てて思ったんですけど、もし日本で本当に「陪審員制度」が
採用されたら、こんな感じの議論で結局「有罪」でも「無罪」にされちゃう
ような結果になるんじゃないかって。
だって、日本人って殊更「悪者になりたくない」思考の人が多いし
犯罪に対する意識が低い。
(ゆえにライブドア事件みたいなものが平気で起こるし。彼に同調する
人も多くなるの)
それにみんなお仕事を休んで来ていたりするから、
「早く終らせて早く帰ろう」みたいな雰囲気って確かにあるよねーー
また、被告や被害者を自分と比較して「私は○○なのにあいつはなんだ」
とかいう論理を展開する人も確かにいるし・・・・・
ものすごーーく感情的で情緒的で、思わず「こんなんで有罪とか無罪とか
言われたら嫌だな」と思うこともしきり。
また「犯罪の意図があって殺人なら執行猶予がつかないけど、
傷害致死罪で有罪にしちゃえば執行猶予がつくから、
無罪派も有罪派もどっちも納得していいんじゃない?」
なんて意見もあり・・・このあいまいさこそが「日本人」そのものなのよねーー
本当は
「有罪にしちゃったという罪悪感にさいなまれるのが嫌で
きっちり白黒決めるのが嫌で、有給休暇も取れないような仕事を
している」日本人にとって、司法側から一方的に呼び出される
「陪審員制度」は向かないのかもしれないわーー
テレビとはいえ、ものすごく集中して笑いながら見ることが出来る
作品でした。
出来れば生で見たいよねーー