この1年を振り返り,殿下の印象に残っている出来事とご感想をお聞かせください。妃殿下は9月に50歳を迎えられましたが,ご心境や今後の抱負などについてもお聞かせください。
秋篠宮;
この1年ということですけれども,今朝ほども福島県で大きな地震があり,津波の警報・注意報が出ております。
私もこの(記者会見の)ちょっと前もニュースで見ておりました。
今日のこともそうですが,熊本でも4月に大きい地震がありましたし,それから先ほど家内が申しましたように鳥取の地震があり,そしてまた台風10号による大きい被害がありました。これはなかなか予測できないこともあるのだろうと思いますけれども,こういう自然災害のときの防災,それから減災の重要性というのをやはり非常に感じた次第です。
それに関連することになりますけれども,私は熊本県に6月の初めに参りました。
目的は,熊本にある済生会病院を訪れて現地での当時の患者さんの受入れの状態や様子,それから現に病院の職員も被災しているわけですから,その時の様子などを聞いて施設なども見学したのですが,その時に印象に残ったことがありました。
それは,本震が4月16日に起こってから上水道が使えなくなって,これは病院にとっては非常に大変なことで,水の確保が大変なことになるわけですけれども,その時に熊本の済生会病院は地下水をくみ上げて,つまり井水を利用して,これは通常から使っていたらしいのですね。
その貯水槽も破損はしたのですけれども,全部が破損したわけではなくて,残って大丈夫だったところもあり,それがかなり有効に働いて,特に透析の患者さんとか何回も対応ができたという話を聞きました。
確かに大きい地震とかがあった場合に断水ということは必ず出てきますし,そういうときに改めてそういう地下水,井水を利用することの大事さというのはもう一度やはりそういうことができる場所であれば考えてみる必要があるのだなということを強く感じました。
熊本に私は短時間しかおりませんでしたけれども,町の中で一たび地震があると大変な被害が起きるということを今回も実感しまして,建物の耐震など,そういうことを常日頃から考えておくことが大事なのだなということが印象に残りました。
それからもう一つ,これは東北の震災復興と関係がありますけれども,宮城県で「東北子どもまちづくりサミット」というのがありまして,これはセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが行っている活動です。
東日本大震災が起こった年からそれが始まっていると聞きましたが,もちろん当時小学生高学年だった人も今は高校生くらいになっていますが,それを毎年のように,もう7回目でしたか,行っていますが,自分たちの住んでいる地域,町づくりに積極的に,そういう児童・生徒,その年代の人たちが参加し,その人たちの視点でもって,それを提言していくということを行っておりますが,その発表を聞きながら,私たち大人が思っている以上に,考えている以上に,そういう若い世代,子どもたちがきちんとした意見を持ってそういうものに積極的に参加し,取り組んでいるということに大変感銘を受けました。
そのほかいろいろなことがありますが,今年も非常にうれしい話としては,ノーベル生理学・医学賞に大隅教授が決まったということが挙げられますし,それによって基礎研究の大事さということが多くの人に伝わったのではないかと考えます。
また,昨年私たちも行きましたリオデジャネイロでオリンピックとパラリンピックが開催されて,日本人が多くメダルを取り,また入賞したということ,これも大変喜ばしいことだと思います。
一方これは大変残念なことですけれども,今年の10月13日にタイ国のプーミポンアドゥンラヤデート国王陛下が崩御になりました。
私は1992年にお目に掛かって以来,幾度となくお訪ねし,またお招きいただいてお会いする機会がありましたが,私がタイで行ってきた活動などを非常に温かく見守って,時にはサポートしてくださっており,私は大変その点で有り難く思っております。
近年はお身体(からだ)の具合が悪くてタイに行きましてもお会いする機会がここ何年かはなかったわけですが,またご挨拶できればと思っておりましたけれども,崩御ということになり大変残念に思っております。
そして,その後10月27日に三笠宮殿下が薨(こう)去になりました。
妃殿下のお悲しみいかばかりかと察するところでありますけれども,三笠宮殿下にはうちの子どもたちの帯親になっていただいたり,その他いろいろなところでご縁があり,100歳という高齢であられましたが,残念なことであり,また皇室にとっても大きなことだったと考えております。
まず熊本の地震以後、井戸水に関しての詳しい話は素晴らしいです。
これぞ本当の意味で「水の研究」という事になるのではないでしょうか。
東北の事も忘れないでいて下さって嬉しいです。その他、タイのプミポン国王に
関してはもっとお話しになりたいこともあったろうなと感じます。三笠宮殿下の
事も胸に迫るお話で素晴らしいです。
妃殿下は9月に50歳を迎えられましたが,ご心境や今後の抱負などについてもお聞かせください。
紀子妃殿下;
今年の9月の誕生日に,一つの大きな節目を迎えることができました。
両陛下を始め,今までに温かく見守ってくださり,支えてくださった方々に感謝の気持ちを抱いております。
この50年の日々を思い返しますと,幼少からの懐かしい思い出とともに,多くのお話を伺い,経験を積み重ねる中で世界が広がってきたと思っております。
また,いろいろな課題がまだありますが,宮様に教えていただきながら始めた公的な務めや子育て,趣味などでの出会いやつながりのおかげで,心の温かさや心の豊かさにふれることが度々ありました。
そして,様々な方から,命を育み守ることの大切さが伝わってきました。
この年齢になり,互いに気持ちが通じ合うことを感じながら生きていることをありがたく思うことが多くなりました。
今後につきましても,様々な公的な行事や活動に心を尽くして務め,関心を持っている分野においても更に学びを深め,視野を広げてまいりたいと考えております。
また,家族と過ごす時間を大事にしながら健康面にも気をつけていきたいと思っております。
色々ご苦労があるのに・・・・ 優等生すぎますよ・・・紀子様。
天皇陛下の象徴についてのお務めに関するお言葉なのですが,非常に簡略化して申し上げますけれども,象徴天皇というのは国民のために活動を続ける,それこそが象徴のお姿であると,そのように私は受け止めておりますけれども,一方でそれは天皇の本来の姿ではないと,天皇というのは存在するだけでいいんだという意見の方もいらっしゃいます。これに関して殿下のお考えはいかがでございましょうか。
秋篠宮;
いろいろな意見があると私は思います。
現在の天皇陛下が活動していく,活動はいろいろなことがあります。
例えば大きい災害があったときにそこにお見舞いに行かれることもそうでしょうし,その他もろもろのことがあります。
私はやはり,いろいろな意見はありますけれども,今現在陛下が,先ほどお話ししましたように,象徴というのはどういうふうにあるべきかということをずっと模索し,考えてこられたその結果であるだろうと考えています。
なかなかそれ以上のことは言うことは難しいですけれども,やはり天皇になられてからのその日々の中でずっと考えてこられて,今のような考えになられたと私は思いますし,私もそのお考えは,なかなかいい言葉で言えないですけども,私もそのお考えに非常に同じような気持ちを持っております。
実は答えになってない事なんですけど、そういうしかないという事ですね。
秋篠宮殿下にしては随分と遠回しな言い方です。
しかし、裏読みすれば「今上の意志は硬いし考え続けて来た事だから
あからさまに否定はできない」という風に受け取れます。なぜなら、それをやったら
皇室内に派閥を作る事になるからです。自らは動かず・・・忍耐ですね。
ご家族団らんの紀子様のブローチはシシィスターに似てるなあって。
もっとゴージャスかもしれませんが。
また悠仁殿下は本当に大きくなられて将来は立派な陛下になられますね。