原作と似て非なる部分
もう30年も前の作品ですから、今更リメイクするといっても限界があるし、特に
実写版ではとても不可能な事が多いと思っていました
でも根本として「放射能に汚染された地球を救う為にヤマトはイスカンダルに向かう」
というテーマがきっちりしていれば、その過程がどう変わろうとそれはそれでいいのでは
ないかと
アニメと実写の違いで、表現に苦慮するのはガミラスのデスラー総統とイスカンダルの
スターシア デスラーキャラの強烈さは今も語り草ですし、スターシアのい美しさは
多分男性の理想の女性そのものだと思いますから。
でも ああ・・・こんな風に表現するのかーーとちょっと感心しました。
やっぱり背景には「スターウォーズ」など、ハリウッドの宇宙物を踏襲するしかないって
部分があったと思いますが、それでもまあ、下手に誰かがかつらかぶって出てくる
よりはずーーーーっとよかったと思います。
FX技術の素晴らしさ
FX技術といえばやっぱりハリウッドだよなあーーと思うんですが、日本のそれが
こんなにすごいものだったとは思いませんでした
宇宙でのガミラスとの戦い、茶色の地球に埋もれているヤマト。それが発進する
時の高揚感、ワープや破動砲発射時の迫力。どれをとっても素晴らしかったです。
映像が綺麗なのは無論の事、集中して見る事が出来るってすごいと思いました。
でもな・・ちょっと制服がな・・・・
ヤマトといえば白地の上着に矢印のマークですけど、あれが上着が白で、下が
カーキ色のズボン、上着の下はカーキ色のタンクトップなんですね
現実的だと思いますけど、何で上下で同じ色にしなかったんだろう・・・・
ちょっと古臭く感じるというか、安っぽく見えるというか?
森雪の黄色も上下が黄色だったから映えたんであって・・・とちょっとブツブツ。
キャラクターの性格の違い
まず、一番違うのが森雪。
原作ではただ一人の女性で通信を担当していましたけど、今回はブラックタイガーの
パイロット ゆえに性格がきついのなんのって。
佐渡先生は女性になってましたが、キャラ設定としては酒好きで猫を抱いていて
沖田艦長の最後を看取る方で変わらず。
原作と全く変わらないなあ・・・と感じたのは徳川機関長でした
そうそう、アナライザーにはびっくりです。
で・・・トラウマの再現かっ
最初は普通に「宇宙戦艦ヤマト」だったんですけど・・・後半から「さらば・・」の
様相が強くなってまいりまして、きゃーー 弁慶立ちの斉藤がっ
こりゃあやっぱり・・・と。でも耐えました
悪いけどこっちのガミラスは白色彗星ほど怖くなもんね。
役者さんについて
感覚的にですけど、いわゆる「ヤマト世代」と呼ばれる30代後半から50代に
かけての人達の思い入れが尋常じゃなくて、力一杯精一杯、ヤマトに出演できる事を
ものすごく喜んでいるし、夢中になって演じているって感じ
まさに「夢が叶った」状態なんですよね。
でも、ヤマトを知らない世代である20代や「アトム世代」の方たちが妙に冷静なので
そこにギャップを感じました 熱すぎるヤマト世代の気持ちはすごくよくわかるけど
うちの子供たちみたいな10代、20代なんかは「だから何?」って感じなんでしょうね。
木村拓哉・・・古代進。
いわゆる「何をやってもキムタク」なんですよ。出て来た瞬間、10年以上
も前の「君を忘れない」の上田少尉と同じだーーと思いましたから
でも、何をやってもキムタクだけどとにかくかっこいいの。
彼が笑う、振り返る、必死な顔になる・・・それだけで絵になっちゃう。
これがスターというものなのかもしれません
最近、月9とかに出て若手の旬の俳優に比べると劣化しただのって
言われていますが、どうしてどうして
ラブシーンのうまさも証明済み・・・(でもワープの最中に×××しちゃ・・)
あらためてキムタクってすごいんだなあと思いました。
黒木メイサ・・・森雪。
原作と真逆の性格が幸いしてますよねーー 強くて美しくてかっこいい。
もうちょっと色気が欲しい所ですが(森雪ファンとしてはね)
しょうがないかな。でも草君と共演していた時の方が合っているような?
多分、アニメとか見てないんじゃ?
柳葉敏郎・・・真田さん。真田さんの役にしては歳をとりすぎているんじゃないかと
思ったんですけど、そこはさすがにギバちゃん。思い入れのある役だけに
存在感で見せてくれました
時折、キムタクが織田裕二に見える事もあったけどさ・・・・・
緒形直人・・・島大介。こっちも何となく老けて見えない事もないけど、いつの間にか
子持ちになってて驚き 古代君のよき味方ですね。
ラスト、森雪を抱いて去るんだけど・・・ごめん、重そうにみえた。
山崎努・・・沖田艦長。見た目も話し方もアニメそのもので。アニメより冷静沈着で
ちょっとおちゃめ
西田敏行・・・徳川機関長。まさにアニメから飛び出てきたかのような人でした。
機関室って居心地よさそうだったけどな。
高島礼子・・・佐渡先生。ほんわかしてて違和感ゼロ
あとは色々出てますが、三浦貴大君、さりげなく出てあっさりしんじゃうのね。でも
俳優生活、いやに順調じゃない?
ストーリー性に難があるとすれば、2時間にしては詰め込みすぎで、やや浅薄な
感じがしました 特にブラックタイガーの面々と古代との繋がりはもうちょっと
深く熱く語ってくれれば、ラストに生きるのではないかと思ったんですが。
また、正直「敵」が見えない状態で戦っているんですね
敵にどんな意志があり、どんな感情があるのかが全く見えてこない。
あのアニメのよさって、敵側のデスラーと古代達の生存競争における言葉の応酬
にあったような気がするのですが
今回は全くそれがないので、あまり怖くない分、ゲームっぽさを感じる?
っていうか、感情のない敵に向かってヤマトの面々は何であんなに熱いの?って
思ってしまう
あたイスカンダルとガミラスの定義も今ひとつっていうか?半物質なのか?と
思ったり?でも少なくとも生身の生き物ではないらしい・・・どうやって地球の
放射能を除去したの?ねえ、教えて教えて状態
そもそもイスカンダルが何で地球を助けてやろうと思ったかが曖昧で
アニメのように、海だらけの島にたった一人で暮らしているスターシアも十分
不気味だけど人間味があって好きだったなあ
で・・・エンディングで森雪とチビちゃんが・・・え?じゃあ、やっぱりあの時?
ひょえーー と思いつつ泣いてました。
明かりがついてもみんなぐすぐす言ってたような気がします。
放心状態っていう感じで、もくもくと帰っていく人達の姿が印象的でした。
絶対、一度は見てみるべき。