ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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OSK レビュー春のおどり

2013-04-07 08:41:17 | ヅカOG その他舞台

 昨日は雨でしたが、日生劇場にOSKを見に行ってきました。

宝塚とOSKが背中合わせに上演している事実って、何気にすごくないですか?

しかもOSKさんは73年ぶりの東京公演という事で。

無論、OSKファンの大半は宝塚も見ている人達ではあるでしょうけど、そこらへんの区別を自分なりに

きっちりつけて楽しんでいるようです。

前回の三越劇場の時には感じませんでしたが、今回は正当なレビューとは何なのかよくわかりましたし

宝塚とOSKは全くの別物。それぞれの楽しみ方があっていいと思いました。

私が見た回にはオギーとカルーセル麻紀が来てました。

 桜絵草紙 

OSKはタイトルは全て「春のおどり」なんですね。それで2部構成になっていて、1部が和物。2部が洋物。

ショー主体。でもこれはショーというよりはレビューですね。あくまでも。

 

さて、「桜絵草紙」ですが、作・振付が山村若という人です。

お恥ずかしい話ですが、私は山村流も知らなかったし、山村若という人が植田先生のお子さんである事も

知りませんでした。

山村流って歌舞伎などの振付をするお家柄。若さんは6世宗家。

4世が祖母。5世が植田先生の奥様で一人娘だったので婿養子に来てもらったと・・・でも5世さんは名乗る前に

お亡くなりになったので追号されたそうです。

で、山村若さんは宝塚の振付もしているようで・・・・「宝塚ジャポニズム・序・破・急」では

松本悠里さんの弥勒菩薩とその後の「千体仏」を振りつけています。

植田先生にとって、あの作品のあの二つは特に思い入れが強いから、自分のお子様に・・・という事になったんでしょう。

で、「桜絵草紙」はどうだったかというと、はっきり言って「序・破・急」なんかよりずっと楽しくて有意義なレビューでした。

・ チョンパで明るく始まるプロローグ

・ 「ミロワール」で彩吹と音月がやったようなシーンの和物版。非常に美しく見応えあり。

・ 鶴・・・これはかつてOSKの大階段が事故で壊れた時、40名以上の重軽傷者をだしました。その時にファンから

  沢山の励ましの千羽鶴が送られてきて、そのお礼の為のレビューなのだそうで、OSKを代表するシーンになってます。

 衣装も美しく、振付も上品で希望にあふれていました。

・民謡メドレー・・・こういうのは世代を超えて盛り上がれるのではないかと。

つまりすべてにおいてオーソドックスだったという事です。古きよきレビューの形がこんな所に残っているんだなあって。

「鶴」をみながら渡辺武雄先生の日本物のショーを見たかったなと思いました。

 

確かに宝塚における和物の演出といえば谷先生か酒井先生か植田先生か。

宝塚ではたとえば沖縄を取り入れたり、東南アジアまで足を延ばしたりしますよね。今回の星組でも似たような事が。

だいたいショーにお経を産みいれるとか、仏様を登場させるなんていう発想は植田先生にしか出来ないと思います。

そういう「ちょっと変わった事をやってみよう」「人と違うものを作ろう」という意識はとても貴重だし、尊重します。

だけど、観客が和物のショーに求めるものは、季節感と明るさ、懐かしさ・・・ではないかと思うんですね

そういう意味で「桜絵草紙」は和物の原点に返ったような作品で、目からうろことはこの事だなあと。

こっちを台湾に持って行った方がよっぽどうけるんじゃないか?なんて・・・・・・

とはいえ、工夫も欲しいのは確かです。

スパイスとして第4景の「漢(おとこ)」というのがあったのですが、これがまあ、いさましいったらありませんでした。

歌詞も正統派で「ああ・・・日本人だなあ」と思わせてくれるものでした。

ラストの獅子3人は見事で「おめでたい」ムード満載のまま終わりました。

とはいえ、やっぱり工夫も必要だなあと思います。

まず、衣装。こればっかりはどうみてもセンスが悪い。

それから構成・・・「鶴」はいいとして、他の場面はもう少し凹凸があってもいいんじゃないかと。

また書生さんと女性の話は、へんてこなパントマイムをやるより、もっと早く場面を動かず必要があったでしょう。

その為には例えば「雨」「風」「雪」などの群舞を取り入れたりするのもよかったかも。

 

 Catch a chance Catch a dreams

こちらは一転して洋物レビュー。構成や振付は名倉加代子。で、Kasumi-boyが振付したりした部分もありました。

全体的に「振付」の巧みさが現れていました。

ここが宝塚と違うんですね。今の宝塚は稽古時間が少ないのとトップにけがをさせたくないばかりに

安易な振付でお茶を濁すパターンが増えています。(礼音になんでリフトがないんだよっ)

群舞にしてもあまりにも「男役の型」にこだわりすぎて、ポーズを決めるだけの踊りになっている。

でもOSKの場合、とにかく技術的にもビジュアル的にも「稽古が大変だったろうな」「あわせるの、大変そう」

というウルトラC級のものが多くて、見ごたえ感がかなりありました。

いまいちわからなかったのがKazmi-boy振付のラプソディ イン タンゴ・・・・男役と娘役の踊りの筈が

いつの間にか男役同志のラブシーンに?びっくりしてしまいました。

洋物は非常に楽しい。でもやっぱりここでも工夫は大事かなと。

日本物よりも、トップ・二番手・三番手の序列が前で後は全部後ろというのがやたら多く、若手が中心になって

一場面を演じる部分がないんですね。

チェリーガールズはとても可愛らしかったし、素敵でしたけど、若手の男役はわりかし損をしているような?

私達からみても、常にトップが真ん中で両脇にいるパターンばかり見せられては飽きてしまいます。

 

今回は、羽根なしシャンシャンなしのフィナーレでしたが、かえって斬新

宝塚との差別化を視覚的に表現したいいフィナーレだと思いました。

やっぱりショーって、見た後に「わあ」って終わるのが一番じゃないですか?

ちょっとの間だけいい思いをして帰るのがいいんじゃないですか?

ショーを見ながら「あの人はスポンサーがないばかりに実力があっても使われない」なんて

考えながら見るよりね。

 

 出演者について 

桜花昇ぼる・・・・何でこの人はこんなに初々しいんだろう。白がよく似合って日本舞踊が御得意?

           ファンから見るときっと守ってあげたくなるタイプの人なのかなあと。

           背中がちょっと華奢なので、女性の役をやっても十分。

高世麻央・・・・二番手。非常に正統派の二枚目。でも中世的な美の桜花と外人の桐生に囲まれてしまうと

          うもれる感じ。三越で見た時は結構三枚目もこなしていたような気がしますが。

          でも、往年のスターとか書生さんとか、いわゆる正当な役ばかりやってました。

朝香櫻子・・・・娘役・・・っていうより女役トップ。結構な学年らしいのになぜか美しい。出てくると花が咲いたようになります。

桐生麻耶・・・・非常に背が高く、男性張りの体格、外国人のような顔立ち。写真うつりはあまりいいとはいえないけど

         実物を見ると、他の人が全部かすんでしまう程のド迫力。

         ガタイがいいからどんな重いコスチュームでもOK。そして背広がやたら似合う人です。

         一人だけ他と違う踊り方をするので目立ちます。全身運動が好き?そいでもって顔に表情をつけたがる。

        宝塚ではあたりまえなことだけどOSKでは目立つんだなあ。

 

他には楊琳君と悠浦あやと君の任期が急上昇中に見えました (ははっえこひいきね)

ゆえにっ 真ん中にださんかいっ 上の3人は出ないでいいから若手だけのシーンを作って下さい。

 

繰り返しますが、少女歌劇とレビューは全くの別物です。今回はそれがよくわかりました。

どちらか一方が劣っているとかすぐれているとかではない(衣装とセットは考えものだけど)

それぞれのよさをいいとこどりして楽しめばいいんじゃないの?と思います。

ブローウエイミュージカルで「日本じゃありえないよなあ」とか思いながら見るなら、OSK見て

「日本人でよかったよ」って素直に思えばいいし、でも「エリザ」も「ベルばら」も楽しんでもいいって事です。

 

コメント (6)
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女信長

2013-04-07 08:40:56 | ドラマ・ワイドショー

 いやー眼福眼福

理想の天海祐希がそこにいたっ という感じです。でもね、宝塚っぽくはないけど下地は宝塚って感じ?

 

 女信長 

印象としては、矛盾だらけのファンタジーで、筋が通らないストーリーばかり。史実の結果に合わせて

矛盾を突かれそうになったらさっと他の場面に飛んでしまう・・・登場人物の心象が信長以外は

浅くて軽くて気の毒というようなものでした。。

それなのに、なぜか全部みちゃった。目が離せなくなって、ラストはもう矛盾なんかどうでもいいやーー的な

感じになってしまいまして それって何でなのかな。

脚本は濃のナレーションで進んでいく、歴史物語みたいな感じですよね?

ドキュメンタリードラマじゃあるまいし、今時ナレーションで紙芝居的に進んでいくのは古いんじゃないかと思ったけど

わかりやすいといえばわかりやすい。

歴史オヤクじゃなない限り、信長の人間関係をそる若者も少なくなったしね。

歴史ドラマにおいてはある程度の「説明」が必要で・・・・その説明がかなり多かったなあと。

脚本の中の痛い部分。たとえば

・ 長政も秀吉も信長が女だと言ってしまえば全部そこで終わるんじゃない?

・ 土田御前が信行を産んだ時点で信長を消せばよかったんじゃない?

・ 秀吉が欲しいと言ってるんだからお市を秀吉に上げればよかったんじゃない?

って冷静に考えれば思う事。それを全部、父親の無理やりな「お前は信長として天下を泰平に導け」という遺言で

押し切る。長政は男のプライドが許さないから言わない、秀吉は裏があるから言わない・・・秀吉のお市への

思いが「女をものとして扱う傲慢さが見える」からやらない(そういう自分は妹を道具にしてるんじゃないねーー)

という、かなり強引な理屈付けをあっさりと、しかもスピード感を持ってやってくれたので、

視聴者は「あれ?」と思う暇がない。

あとでDVDで見て「これってよく考えてみればさーー」ってな感じなんです

 

だってそもそも信長が「女」である事を知ってる人間があんなにいるという事自体、危ない。危なすぎると思います。

それにしょっちゅう「おちょう」に代わるというのも、あれじゃバレバレじゃん と誰もが思いますって。

そのせいで妹と妻を敵に回すなんてさあ・・・・・ 信長もわきが甘いなあと思ったり?

原作が直木賞とってる作家?で、脚本が「ショムニ」「華麗なる一族」「獣医ドリトル」などを書いている人。

「ショムニ」は見てないけどヒットしたよね?

「華麗なる一族」はまあ・・・焼き直し?「獣医ドリトル」は面白く見せて頂きましたけど。

でも、ちょっと甘さの残る脚本家で、その甘い脚本を力技でねじふせたの天海祐希だと思います。

 

真面目に今回の天海祐希は信長が乗り移っておりました。

何なの?あのかっこよさは 宝塚出身だからっていうけどね・・・・真矢みきや真琴つばさがやったら

ものすごく濃くて、それこそ「これぞ宝塚」になっちゃったと思うの。

天海はそもそもアンチ宝塚な部分があって、今回も男役としての「型」以外ほとんどナチュラル。

要するに天海の信長は決して「宝塚的」ではなく、本人が持つ天性の「男役」なんですよ。この違い、わかるかなあ。

だって作りこんでる部分が何一つないんだもん。

そこに立っているだけで、赤いブラウスにネックレスつけているだけで、鎧を着て馬に乗っているだけで

「天海祐希は理想の「男」だ」と言えてしまうもんね

何でそれを現役時代に発揮してくれなかったんだよっ 今の天海にならどの演出家だっていろいろ役をつけて

くれるでしょうに。ああ、もったいない。

 

特に毎回ドラマで「お怒りの天海祐希が好き」な私としては、怒鳴りまくる、蹴っ飛ばすを沢山見る事が出来て幸せ。

怒り出すと全身から「男役」オーラが噴出して包み込み、光の玉となって相手役にぶつかっていくーーという印象です。

しゃがみこんでしゃべる時、金魚鉢をじっと見つめる目。城から脱出したお市を冷たい目で見るとき、

怒りまくって秀吉や光秀を蹴っ飛ばす時、出陣の号令をかけるとき、その美しさに圧倒されて、目が離せなくなりました。

 

全てが「天海祐希仕様」だった為に、他の役を演じている人達がかすむかすむ。

それに信長が男として生きる辛さに悶々とする気持ちはものすごく伝わってくるのですが、受ける男たちの思惑が

今一つ伝わってこない。長政がお市と3人も子供を作りつつ信長を最後にどう思っていたかとか、秀吉が信長に矢を

向けた時、その後の気持ちとか。ラブシーンに至る過程がねえ・・・・あまり深く追求するとそれこそ

「そんな馬鹿な!」になっちゃうからかなあ。

(いやでも・・・一言付け加えさせて頂くなら、信長さま、あなた、いじいじしすぎだってば。しかも好きな男にすぐ

「天下を上げる」っていうの、まるでダメ男に貢ぐ女そのものじゃん)

 

内野聖陽・・・・激高する信長を見つめるときの苦しげな顔とか悲しげな表情とか。ああ、優しいんだなあって思う光秀でした。

玉山鉄二・・・・ついに天海とラブシーン!出世したなあ っていうか、ラブシーンお上手

伊勢谷友介・・・・非常に腹黒い秀吉で。サルと呼ばれているけどどこがサルやねん。でもこういう悪役の方が似合う?

藤木直人・・・最後の最後においしいとこどりの家康だったわ ハンサムで。

仲村獅童・・・こういうガタイのいい人が側にいないと天海はきゃしゃに見えちゃうかも。でもしどころがなかった役ですね。

小雪・・顔の劣化が 疲れ切ってるし復帰が早すぎたのでは?

長澤まさみ・・・絶世の美女のお市?と思ったけど、天海の妹ならまあいいっか・・・あれでも必死に頑張ったんだろうなあ。

西田敏行・高畑淳子・・・この二人のリアルな真剣さがあってこそ、このファンタジードラマに命が吹きこまれました。

               この二人が少しでも下手にやったら、15分でテレビを消す人が続出したでしょうね。

佐藤浩市・・・・何で服部半蔵?いくら友情出演でもと思っていたら、ラスト、天海を抱きかかえなくちゃいけなかったのね。

         じゃあ、あのガタイがないとだめね。

竹内力・・・すごい信玄で(笑)なんで、この人が出てくると笑えちゃうんだろう。

三谷幸喜・・・まさか今川義元をやるとはっ 笑いました。

 

舞台出身者とテレビの人のセリフ回しの違いが非常に大きくて、そこに違和感があったのですが、

でも1夜目の後半、お市のあずき袋のシーンからまるで「舞台」のようなセリフの応酬が続き

芝居好きな私としては非常に嬉しかったです。

ウッチーと天海だと舞台になっちゃうのかしら?そういうの、いいわあ

そもそも天海は今までの役がひどすぎたのです。

多分、本人もゲネのビデオみて「自分には女女した役は似合わない。自分のキャラは普通の女性じゃない」と

気づいたでしょうね。認めるのは嫌だろうけど。結局、こういう役か「女王の教室」の先生のような

どこまでも命をかけて、怒りまくる役がぴったりなんだってば。

今なら「ベルばら」のオスカルが出来るんじゃないの?

人生はあっという間。そのあまりにも端正な顔もいつかは崩れる時が来る、

だからこそ、今、それを生かす役をやって欲しい。奇をてらったりせずにね。

 

あーでもっ。赤いブラウスにネックレス姿の美しかった事!!

南蛮風のマントの襟から見える首筋の美しい事!

立ち姿の凛々しいこと!

暫く録画した映像で堪能させて頂きますわ

コメント (13)
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