さすがに寒い 職場が寒い。
2月1日のオフ会。まだ人数に余裕がありますので、予定がつく方は「メッセージ」を下さいね。
さて、今年もやって来ました 恒例「歌会始め」もとい、ふぶきの部屋流「深読み歌会始め」いきまーーす。
今年のお題は「静」
天皇陛下 御製
慰霊碑の 先に広がる水俣の 海青くして静かなりけり
ネットではちょっとした大騒ぎでした。
なんせ「天皇陛下が水俣を詠んだ!」のですから
確かに、皇太子妃入内以来20年の時を経て、陛下は満を持して詠まれた歌とも言えるでしょう。
慰霊碑の先に広がる水俣の海は青くて静か・・・・同じ「海の静か」を詠っても、雅子妃の「釜石の海」は
なんと空々しい事か。
とはいうものの、20年も経てば、ご本人ですら「自分はチッソ会長の孫」だという事も忘れているのでは
ないかと。むしろ、この歌によって「皇太子妃と水俣」はタブーでもなんでもなく「過去」になってしまったとも
言えるのではないでしょうか。
誰かがこそっと皇太子妃に「ねえねえ、水俣ってあなたのおじいさまが会長だった会社が起こした
前代未聞の公害病の事でしょう?」とご注進でもしない限り、「別に」といったところなのでは。
そう思うと、ちょっと悔しい。
皇后陛下 御歌
み遷りの 近き宮居に仕ふると 瞳静かに娘は言ひて発つ
伊勢の遷宮に旅立つ黒田清子さんを詠ったもの。
「遷宮が近いので伊勢へ参ります」と臨時祭主の娘は挨拶して出発した・・・・・
深読みすれば「内親王のあるべき道」を説いたものではないかと。
「天皇の娘」は天皇になるのではなく、「伊勢の祭主」になられるが道であると。
皇太子殿下
御社の 静けき中に聞え来る 歌声ゆかし新嘗の祭
毎年、出席している新嘗祭の「新嘉殿の儀」を詠ったもの。
だから何?って感じですが、深読みすれば「自分だけが天皇のそばで聞く事が出来る」神楽。
つまり「自分は次代の天皇である」と宣言しているようなもの。
大嘗祭はまだかなーーというのは深読みしすぎです。
皇太子のあまりの得意満面の顔にげげっとなりました。
皇太子妃殿下
悲しみも 包みこむごと釜石の 海は静かに水たたへたり
とってつけたような被災地訪問時の歌。ご本人は今年もご欠席。
「体調の波」でもなく、もう出席しない事が決まっている・・・・出るつもりはさらさらないという事でしょうか。
さて、釜石の海が静かだった・・・と言われて、ちょっと違和感?
リアス式の釜石の海は静かに水をたたえているだろうか。むしろ、荒波が打ち寄せるのではないかと。
この歌は陛下がお詠みになった
津波来(こ)し時の岸辺は如何なりしと 見下ろす海は青く静まる のパクリではないかと言われています。
確かに、とても妃殿下の作られた歌とは思えません。
秋篠宮殿下
数多なる 人ら集ひし遷御の儀 静けさの中御列は進む
沢山の人が集っている式年遷宮の儀で、神様は静かに進む・・・という意味ですが
去年の式年遷宮はいつになく国民の関心が高かった。
殿下はゆえに「数多なる人ら」と詠んだのでしょう。
皇后陛下の「皇女が祭主として奉仕する式年遷宮」の歌。そして呼応するかのように
妹君を見守られた秋篠宮殿下のご体験。静けさの中に阿吽の呼吸が見えます。
秋篠宮妃殿下
いくつもの ボビンを子らは繰りながら
静かにイドリアレースを編めり
これは去年、秋篠宮夫妻が行かれたスロベニアのイドリアの街で見た「レース編み」ですね。
でも、実はイドリアという町は水銀鉱山の町で水俣とは姉妹都市。
つまり陛下の水俣の歌と対になっているのです。
眞子内親王
新雪の降りし英国の朝の道静けさ響くごとくありけり
エジンバラ大学へ留学していた時の歌ですね。苦心の作といった感じ
常陸宮被妃殿下
秋祭 君の挨拶を聞かむとし 子供神輿の子らは静まる
宮邸に毎年近所の御神輿がやってくるそうです。子供達はわいわい言いながら宮邸に来るけど
宮様のご挨拶が始まると静かに聞いている・・・なんとも微笑ましい風景です。
三笠宮妃殿下
思ひきや 白寿の君と共にありて かくも静けき日々送るとは
妃殿下・・・本当に静かな日々でしょうか。白寿をお迎えになり、何ともめでたい筈の年。
けれど両殿下の前にはいつも「死」の影が静かに。そう思うと心が痛みます。
仁親王妃殿下
わが君と 過ごせし日々を想ひつつ 静かにながるるときありがたき
生きていた時は、顔を合わせるのもお嫌だった仁殿下をこのように偲ばれるとは。
全てを時が解決してくれたかのようです。
彬子女王
夏の夜に子らと集ひし大社静寂の中に鈴の音聞きぬ
彬子女王は子供達と一緒に出雲大社へ行かれました。その時の歌です。
そういえば出雲大社も遷宮の年でした。
伊勢が陽なら出雲は陰。陰陽が出そろったわけです。
高円宮妃殿下
灯籠の あかりともれる回廊を 心静かに我すすみゆく
・・・だから何?な歌ですが。何だかここまで単なる情景を詠うというのは、どこぞの皇太子妃と
すっかり同じメンタリティですね。
承子女王
静けさを やぶる神社の鳥の声 日の落ちてよりいづる三日月
日没と同時に三日月が上る・・・・何だか不吉な予感がするんですけど。
だって静けさを呼ぶって鳥が鳴いているんですよ。怖いっ。ホラーだ。
典子女王
かすみゆく 草原に立ち眺むれば いとど身に沁む静けさのあり
一体、どこの風景を詠まれたのでしょうか。この歌だけ解説がないのです。
つまり「どこでもない」ところを詠んだ?
典子女王は外国にも行ってないし、日本には「草原」はないし。想像力豊かですねといったところ?
ただ孤独感は伝わってきますよね。
御姉妹の中でもとりわけひきこもり」な印象の方ですし。
選者の歌
続かない 話題と話題のすきまには 君との距離が静かにあつた
15歳の少年の歌です。携帯を持ち始めてメールをしている時、ふと会話が途切れた・・・というような?
「距離」を静かに感じる。なんともナイーブな少年ですね。
二人分 焼いてしまつた食パンと 静かな朝の濃いコロンビア
女子大生の歌。ネットでは「同棲コロンビアの歌」と言われて話題になってます。
こんな歌を選ぶなんて、どういう倫理感を持っているんだーと。
確かにね。カレシと別れてひとりで過ごす朝に二人分、お安を焼いちゃった・・・・ですものね。
これは「想像」だとアナウンサーは言ってたけど、想像で歌えるもんじゃないでしょ。
静けさを 大事にできる君となら 何でもできる気がした真夏
歌詠みに目覚め、毎日詠んでいるという大学生の歌。
これは小学校の臨海学校の時、一人で海を見つめていた少女を詠ったもの。
5年生で「何でもできる気がした」というからすごい。おませな初恋だったんでしょうね。
嫁ぐ日の 朝に母は賑やかに 父は静かに食卓囲む
デパートに勤めて30年の女性。28年前、お姉さまが嫁ぐ日の朝を詠ったもの。
これは「秋篠宮殿下が涙ぐんでいらした」と話題に。そう思ってじっと録画ビデオを見つめたのですが
確かにうっすらと?眞子様や佳子様の事に思いを寄せられたか、24年前の自分達を感じたか。
24年前、秋篠宮殿下は笑顔一杯で「結婚の儀」に向かわれました。
見送る両陛下も皇太子も紀宮も笑顔笑顔。
一方で、嫁いでこられた紀子様はこんな朝をお迎えになったろうと思うと、涙が・・・なのかなあ。
閖上のまち全体がさら地となり潮風静かに来る季のなし
被災地を詠うならこうでなくちゃと思います。
閖上のまち。大昔はサイクリングに行ったり釣りや海水浴をしたまち。
それが更地になって潮風が静かに吹く。やっぱり東北の海は「静か」ではないんですよね。
本日の妃殿下方です。
驚いたのは彬子女王の痩せっぷり。
ドレスの首回りがだぶだぶになっているではありませんか。今にも折れそうなお体と拝察します。
紀子妃もかなり細くていらっしゃるけど、さらに痩せておられて。心配ですね。
典子女王は眠そうに顔を横に向けていらっしゃいました。
男性皇族は皇太子と秋篠宮殿下のみ。
皇太子の歌が始まった時、秋篠宮がちょっと顔をそむけたというか、伏せたような感じがあって。
もともとにこやかにする場ではないとは思いつつ、厳しい表情に胸がつかれました。
次世代の事をああだこうだというべきではないのですが。
皇后が不在で、でも「きさいの宮の御歌」と詠まれ、全員起立して頭を下げる風景を想像してごらんなさい。
その挙句に「娘はこんなに大きくなった」歌が詠まれたら・・・・そして皇太子・・いえ、その頃は天皇ですね。
天皇が得意そうな顔でにこにこ笑っていたら。
これぞホラーです。
列席する皇族は秋篠宮妃と眞子・佳子内親王のみ。
20歳をとうに超えても歌会始めには出ない愛子内親王。歌は別人が作ってるとネットであれこれ言われる皇女。
それよりも、出席せずとも「ひつぎのひめみこの歌」と詠まれたらそれこそ・・・
「まこのひめみこ」「かこのひめみこ」「ひさひとのみこ」の次に「ひつぎのひめみこ」が来たら怒り心頭になりそう。