よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

映画三昧ーアラビアのロレンス

2009年11月03日 | 映画
戦争スペクタクル巨編!! 昔は、こんなキャッチフレーズで、色々な戦争映画があり、ワクワクしたものだ。史実をベースにした海外物は歴史の勉強にもなる。

アラビアのロレンスはそんな一つだ。一介の英国将校が、その語学力と土地勘(10代で中東を旅している)を買われ、敵国ドイツの野望を粉砕すべく、熱砂のアラビア半島で、ドイツに通じるオスマン帝国を相手に戦争を仕掛けていく。

圧巻は、帝国が海に面する拠点のひとつ、アグァバ陥落のシーンだろう。到底横断は出来ないだろうと思われる砂漠を意表をついて横断し、アグァバの背後から責めるのである。駱駝に乗った騎馬軍団が、「アグァバ!」と叫ぶあのシーンだ。

後にアラビアのロレンスと呼ばれるT.E. Lawrenceは、映画の冒頭に有る如くオートバイ事故でアッサリこの世を去ってしまうが、これをやるのが、シェイクスピア役者のピーター・オトゥールがピッタリはまっている。この端正な顔立ちの役者の最大のポイントは、あの透き通るような目だろう。
もう一人の役者、オマー・シャリフを観たのもこの映画が初めてだ。暫くして、「ドクター・ジバゴ」で、メインステージに躍り出た。この映画もロシア革命前後を描いたスペクタクルである。役者も、ジュリー・クリスティ、ジュラルディン・チャプリン、アレック・ギネス、忘れたくないのが、「長距離ランナーの孤独」という映画に出ていたトム・コートネィ。

オトゥールに話を戻すと、次に観たのが「ロード・ジム」。現地人役で日本人ぽいのが出てくるのだが、最後の配役を見ているとIchizo Itamiと出た。そう、あの伊丹十三なのだ。未だ20代の前半だったろうか。

最近はCGなる度派手なシーンを作れるコンピューターグラフィックは発達して、それはそれでいいのだが、音や映像の速さで目を誤魔化されるだけで、昔の画面の厚みが感じられない。昔のスペクタクルは捨てたものではないのだ。

映画三昧ー山崎豊子

2009年10月24日 | 映画
テレビドラマ「不毛地帯」が始まった。なかなか見ごたえがある滑り出しだ。

山崎豊子の小説は、文句無く面白い。その映像化も期待に違わぬ力作が多く、大いに楽しめる作品群だ。

「白い巨塔」。田宮二郎の熱演だ。当時、田宮はあせっていた。大映の看板になかなかなれず、代表作にも恵まれず状態。そこにこの大役が来た。貫禄を表現する為に腹に胴巻きしての熱演は功を奏し、代表作になった。

「華麗なる一族」。万表家当主の佐分利信、息子の仲代。「鉄」を中心とした高度成長期を時代背景に、実際の山陽特殊鋼倒産の現実もあり、豪華配役相まって、なかなかの大作。

「大地の子」。映画ではないがテレビドラマで泣くに泣けた。その前に本を読んでの涙、涙。ドラマを観ていると、本の筋書きが頭に浮かび、場面が出てくる前からもう涙。これにも、親父役で仲代が出ていた。

「沈まぬ太陽」。この本も話題作だ。渦中のナショナルフラッグの話だが、巨大会社に敢然と立ち向かう、伝説とも言える男の話は、壮絶で、よし坊、とてもじゃないが、あのタフネスは持ち合わせていない。今年最大の楽しみの映画だろう。


映画三昧ー Hangover(二日酔い)

2009年10月04日 | 映画
最近のハリウッド映画には面白いものが無い。有名どころが出ていても、これといったのが無いのだ。そんな中で、言ってみれば知らない俳優が出ていてアタリのコメディが有る。Hangover、「二日酔い」と言う映画だが、これがオモシロイ。

最近は日本のドラマにも結構頻繁に使われているバディ(Buddy)、そう、ダチのことだが、結婚を控えた男がダチ3人と、ワイナリーでのワインテイスト旅行と偽って、ベガスに独身最後の羽目外し旅行に行くのだが、ドンちゃん騒ぎの果て、翌朝気がついたらひどい二日酔いに加えて、明日結婚する主役が行方不明となる話だ。かくて全く記憶が無い中でのバディ探しが始まる。部屋にトラが居るのは何故か。Valletパーキングで車が来てみれば、パトカー。何故なのか。変な中国人に脅されるのな何故なのか。バディの一人の歯が一本欠けている。何故なのか。

二日酔いと思っていたのは、実は乱痴気パーティの時にドラッグ、エクスタシーと言うのを飲まされた結果と後から分かる。最後の方で、歯が欠けたのは、自分でペンチで抜いた事が分かる。最後にハチャメチャなベガスパーティの証拠写真が出てきて、納得だ。

兎に角、笑える。

映画三昧ー東宝喜劇

2009年09月04日 | 映画
後年の寅さんシリーズの松竹、トラック野郎の東映喜劇があるが、かつての東宝は「喜劇の東宝」と言ってもいいくらい強かった。

まずは「社長」シリーズ。確か、社長太平記から観始めたのだが、森繁の社長に加藤大介の部長、秘書の小林圭樹、お調子者の宴会部長の三木のり平等が固め、社長夫人が久慈あさみ、お色気マダムに淡路恵子がからんでの誠におおらかな喜劇だった。年代的には、杉並から引っ越した後だろうから、田無の東宝だろうか。

次が、「駅前」シリーズだ。これも森繁、伴順にフランキー堺。女優人は淡島千景、淡路恵子、池内淳子がレギュラーだった。
封切の度に観にいっていたわけだから、よくそんな金が有ったものだと、不思議で仕方がない。どこから金を工面したのだろうか、よく分からないのだ。

それにしても、当時の東宝は、女優人が豊富だったような気がする。思い出しただけでも、他に司葉子、草笛光子、河内桃子、団玲子。往年の司葉子もよかったが、河内桃子は好きな女優の一人だったな。映画より舞台の方が多かったような気がするが。

映画三昧ー永山一夫

2009年09月02日 | 映画
長年捜し求めていた、と言うか、あきらめていた名前が突然目の前に現れたのにはびっくりした。あまりにも突然だったから、ネットで何を調べていたのかもすっかり忘れてしまった。永山一夫。どこかで見たような、そうだ、奴だ。以前のブログで書いた、北朝鮮に渡った、忘れられない悪役である。これで、長年のつかえが漸く取れた。

悪役といって重要な役柄ではないから、いつも出番は少ない。なにしろ、映画が始まり、最初に配役名が順番に出てくるが、いつも決まって最後の方、その他大勢の中に名前が見えるのである。役柄は鉄砲玉であったり、チンピラだったりして、最後にあっけなく殺されてしまう。殺されるまでに、必ず大写しで、ニヤッと、ふてぶてしい顔を見せたものだ。

東映の俳優と思っていたが、調べてみると日活のやくざチンピラ映画にも出ているので、こういう役柄では重宝されていたのかもしれない。

当時の悪役達が後年チョッと変わった親父役で結構楽しませてくれたから、彼が日本に残っていたら、どんな事になったのだろうかと想像すると、何か残念な気がする。実力の芸能界と言えども、彼にとっては出自の為の限界を感じていたのか、それとも、やはり、多くの人が抱いた「極楽黄土」を北に夢見たのだろうか。当時の新聞のインタビュー記事の詳細は覚えていないが、北での夢を語っていた印象は覚えているから、やはり、両方なのだろうな。

当時、一般の人に混じって、芸能、芸術関係で著名な人が北に渡ったと聞くが、当時の社会党は全く罪な事をしてくれたものだ。

映画三昧ーThe Magnificent Seven

2009年08月23日 | 映画
アメリカ映画も近年は昔のリメイクがやたらと多い。兎に角 ネタ切れだが、銭をかせがにゃならぬときているから、手っ取り早いところと言えよう。問題は面白いかどうかだが、オリジナル版を超える作品というのは、なかなか無いもんだ。

チャーリーズ・エンジェルなんかは、それなりに観れば結構楽しめるが、昔のテレビ版を知っていると、やはりオリジナルのエンジェル美女達にはかなわない。
かつて、ピーター・セラーズでヒットした「ピンクパンサー」はどうか。確かに、スティーブ・マーチンは悪くはないが、味が違う。最新版2作目は見事にコケてしまった。

日本の作品のリメイクも結構ある。ダイ・ハードのブルース・ウィリス主演のLast Man Standingは三船敏郎主演の「用心棒」である。
しかし、リメイクとしては非常に出来のよい作品となったのは、あの「荒野の七人」にトドメを刺す。
「七人の侍」もよく出来た娯楽映画だ。志村喬を筆頭に、加東大介、宮口精二、稲葉義男、千秋実等に加え、三船敏郎や木村功。文句無く面白い。

「荒野の七人」も配役が面白い。あの、ユル・ブリナー、スティーブ・マックウィーンときて、足長おじさんのジェイムス・コバーン。チャールス・ブロンソンがいるかと思えば、ナポレオン・ソロのロバート・ボーンといった、豪華キャストとくる。木村功の役どころはドイツ俳優のホルスト・ブッフホルツときた。

皆、鬼籍に入り、ロバート・ボーンが荒野の七人の最後、トリを取るようだ。今でも、たまにテレビのCMに顔を出している。

映画三昧ーモンパルナスの灯

2009年08月05日 | 映画
あの頃の日本、アメリカ映画と張り合っていたフランス映画の時代があった。時は美男子のアラン・ドロン、綺麗どころと言えば、カトリーヌ・ドヌーブ。他にもジャン・ポール・ベルモンドやリノ・バンチェラなんかがスクリーンの中で暴れまくっていた。フレンチが気を吐いた時代だ。そして、忘れちゃいけない、ジャンヌ・モロー。

モンパルナスの灯」を見たのはヨーロッパ特集3本立ての名画座だ。
30代半ばで世を去った画家モジリアーニの一生を描いた作品だが、これを、やはり同じ様に30代で世を去ったジェラール;フィリップが演じているので印象深い。もちろん、彼には代表作と言ってもよい「肉体の悪魔」があるのだが、好みで言えばモンパルナスだ。実在のモジリアーニは、彼が世を去ってから作品の評価が高まった作家と言われているが、貧困にあえぐ中、唯一の希望であった伴侶ジャンヌは、彼の死後、一年くらいで後を追ったという。

この映画には「男と女」のアヌーク・エーメがでているし、あのタフガイ、リノ・バンチェラも出ている。
今頃、フランス映画を観る機会がさっぱり無いので物足りぬ。ハリウッド映画ばかりじゃ、飽きると言うもの。

映画三昧ー ビビアン・リー

2009年07月18日 | 映画
女優は一様に美しい。だから女優になるとも言える。しかし、魅了された女優と言うのはそんなに居るわけではない。片手も居れば良い方だろう。

ビビアン・リーはその一人だ。「風とともに去りぬ」を観て、それで終わらなかった。都合6回も観てしまったのだ。何故そんなに観てしまったのか、いまだに分からない。と言うよりは、やはり、ビビアン・リーに参ってしまったのだろう。アメリカ人の根っこに今でも居座っている「Civil War」(南北戦争)を時代背景としてアトランタを舞台に繰り広げる壮大絵巻とでも言おうか。

これがクラーク・ゲーブルか、オリビア・デ・ハビランドって東京生まれか、等と話題も尽きない。映画のシーンもアトランタが燃えるところは圧巻、豪華絢爛盛りだくさんである。
原作者マーガレット・ミッチェルは地元ジョージア州アトランタでこれを書き、その後交通事故で早世してしまった。今よし坊は、ゆかりの地アトランタに住んでいるが、まだ、マーガレット・ミッチェル記念館には行ったことが無い。いつでも行けると思うと、なかなかチャンスが無いものだ。

ビビアン・リーにゾッコンとなってからは、哀愁、アンナ・カレニーナ、欲望と言う名の電車、そして愚か者の船と続いたが、やはり、スカーレットがあまりにも強烈だ。

インド生まれの、この野生的な小娘が、英国の名優、ローレンス・オリビエを射止め、更に、スカーレット役が見つからないまま撮影スタートした「風」の主役をも射止めたことは、かなりの強運の持ち主だろう。

最近の映画で、こういう風にゾクゾクっと来る女優がさっぱり居ないのは残念このうえもない。

映画三昧 -ミシシッピ・バーニング

2009年06月07日 | 映画
先月5月、アメリカの片田舎で小さな歴史的出来事があった。アメリカでも最貧の州の一つに数えられるミシシッピ州、人口7~8千人のフィラデルフィア市に、初めて黒人の市長が誕生した。

この地に黒人市長が誕生したのは特別の意味を持つ。60年台初頭、ここは、人種差別運動の先頭にいた。そして、1964年、市民運動家三人(黒人一人白人二人)が殺害されるという有名な事件が勃発したのだ。

事件は、KKK(クー・クラックス・クラン)のメンバーである、警察官が、町の教会の火事を調査に来た市民運動家3人を強制逮捕し、釈放した後、同じKKKのメンバーに手渡し、リンチ殺害したもの。教会の火事は明らかに人種差別撤廃運動を支持する教会に対する白人反対勢力の仕業である。事件は全米の注目する所となり、ジョンソン大統領が連邦捜査を支持、この事件が直接的な引き金となり、有名な「公民権法」の制定となった。その意味では誠に大きな事件なのである。

1988年、この事件を題材として出来たのが「Mississippi Burning」である。
映画では、ジーン・ハックマンとウィレム・デフォーが連邦捜査官として、活躍するのだが、この頃の背景を知る素材としては必見である。
たまにミシシッピをドライブする時、よし坊はいつも、この映画を思い出し、周囲の風景を重ね合わせる。

このような、重い歴史を背負ったフィラデルフィア市に、ジェイムス・ヤングという黒人が、僅か46票差で白人現職(3期)を破った。歴史の流れは、明らかに変わったのだと思う。今年、国家としてオバマ大統領を誕生させ、ミシシッピの片隅では、その流れを具現するかのように、新市長が誕生した。長い、長い道程である。

映画三昧 -Eye of the Needle(針の目)

2009年05月20日 | 映画
戦争映画もイロイロだ。派手なドンパチものから、スパイ物まであり、其々に面白さがある。

古くは非情さを描いた「西部戦線異状なし」という名作がある。捕虜キャンプ脱走物で楽しいのが、スティーブ・マックウィーンやジェームス・ガーナー他豪華キャストの「大脱走」や、邦画名「脱走特急」というフランク・シナトラ主演の列車をハイジャックしてスイスへ脱走する連合軍兵士の話もある。シナトラは最後死んでしまうが。
忘れちゃいけないのが、クワイ河マーチで有名な「戦場に掛ける橋」だろう。アレック・ギネスと早川雪州が出た日本軍の捕虜収容所の話だ。同じ捕虜収容所の話で、ドイツを舞台にした第17捕虜収容所「Stalag 17」というのもある。ウィリアム・ホールディング主演だが、あのテレビ版のミッション・インポッシブルで一世を風靡したピーター・グレイブスが駆け出しで出ているから面白い。ギリシャにあるドイツ軍の砲台を爆破しに行く「ナバロンの要塞」も面白い。

潜水艦物となると、新しいところでは「Hunt for Red October」がショーン・コネリーであったが、ロバート・ミッチャムとクルト・ユルゲンスの戦いを描いた「眼下の敵」を忘れてはいけない。アメリカの駆逐艦とUボートの両艦長の心理戦は正に手に汗を握る。

救出劇では、「Saving Private Ryan」がある。4人の息子がありながら、3人も戦死してしまい、国として最後に残ったひとりを親元に帰すためにフランス戦線にいるライアン二等兵を救出する話である。
ボスニアを舞台にした、「Behind the Enemy Line」も、テレビで放映される度に毎回見てしまう映画だ。オーエン・ウィルソンを救出するジーン・ハックマンがいい。

スパイ物では、チョッと古いが、ウィリアム・ホールデン主演の「偽の売国奴」がある。スエーデンを舞台にした映画。何故かヨーロッパを舞台にすると、諜報・エスピオナージという言葉がぴったりする。

もう一つおススメは、「針の目」というサスペンス。
コードネーム、The Needleのドイツスパイを演じるのは、曲者役者、ドナルド・サザーランド。ノルマンディー作戦直前の情報を得たドイツスパイ、彼と恋に落ちたスコットランド寒村(孤島)の女性、この二人が最後はこの孤島で国を賭けて戦うスリルに富んだ戦争スパイ物で、小品ながらの佳作だ。