よし坊のあっちこっち

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選挙ーアメリカと日本

2006年11月10日 | アメリカ通信
アメリカの中間選挙が、上下院とも民主党の勝利で終わった。2000年、フロリダ州のきな臭い勝利により大統領となったブッシュ及び共和党の独占的やりたい放題に漸く民意が動いたのだと思う。

人間とは熱狂する動物である。最初から「イラクありき」で、周りを戦争パラノイア達で固め、見事国民を煽り突入の果てが、一向に好転しない状況と戦死者及び傷病者の増加の一途では、さすがの国民も嫌気が差す。ベトナム戦争時の数字とは比較にならないが、それでも、戦死者3千人近く、傷病者は2万人以上。精神的なダメージ構造は殆ど同じであろう。

アメリカ人は、大きく路線を変える時、内部改革では出来ないことを知っているように思える。だから、政治では、選挙という手段で、相手に実権を渡させる。会社では、全く外部からトップを呼び、Turnaround Managementを実行する。

歴史的に日本はそういう土壌がないので、なかなか難しいのだが、最近の成功例で言えば、政治の世界での小泉、会社では日産のゴーン改革がそれに当る。小泉の場合、同じ自民党内の異端児という個人に頼った点では、本筋論とはちょっと違うが、敢えて言うとそういうことになる。自民党が迷路に迷い込んだ時、日本の民意は民主党に行けるのか。国民の選挙や政治に対するスタンスがアメリカと相当違うだけに予測がつかない。

今回の選挙は地方自治体の選挙もあった。その中で、日本人には馴染みのないサウスダコタという州の小さな町の更に小さな区長選が記事になっていた。
立候補者は現職の共和党候補と民主党の対立候補の二人だが、民主党候補は立候補後に実は亡くなってしまった。しかし、この地域住民は共和党の方向性ではダメだとして、亡くなった民主党候補を当選させたのだ。住民の意思はこれだ、と見せたのである。これからどうなるかは法律規則もあり不明だが、民意を反映させるということにかけては、アメリカ人はパワフルである。