移民の国アメリカは、その故にあらゆる場面で差別が露呈しやすい。それを防ぐために様々な法律やルールが設定され、時代と共に日常生活での露骨な差別は表面的には影を潜めているが、何か事があると途端に顔をのぞかせる。
差別の中で最も根深いのはRACE、主として肌の色による人種差別であろう。国際色豊かな移民国アメリカで、たった50年前までは、南部16州は異人種間(肌の色の違いによる)の結婚を禁止していた。主たる目的は白人と黒人間の結婚禁止にあったのたが、州によってはアジア系やヒスパニック系、最も厳しい州では”all-colored”として白人以外との結婚を禁じていた。 ”世界で最も自由な国”を標榜するアメリカだが、世界的に見れば、当時「アパルトヘイト」で悪名高い南アと肩を並べる禁止国であった。
1958年6月、バージニアに住むリチャード・ラビング(白人)はミルドレッド・ジェッターと結婚するためにD.Cに向かった。地元バージニアでは異人種間結婚禁止により結婚証明書が発行されないからである。ラビング夫妻の行動を察知した州警察は翌月夫妻を逮捕し裁判で一年の刑が下された。「好きな人と一緒に住み、育った場所で子供を育てる。それ以上望むことは無い。それなのに、何故逮捕されなければならないのか。法律があることは知っている。しかし、その法律は間違っている」。素朴にそう考えたラビング夫妻の長い戦いが始まった。
今から50年前、毎年6月12日がLoving Dayとして記念されている1967年のその日、連邦最高裁は歴史的な判決を下した。バージニア州でのLoving v. Virginia訴訟に関連して異人種間結婚禁止の法律を無効としたことにより、同州を含む南部16州の関連法が無効となり、悪名高い「禁止国」からアメリカは脱却した。
それから50年。1967年当時、全米での異人種間の結婚はわずか3%であったが、移民の増加は人種構造を劇的に変え、2015年現在、新婚カップルの6組に一組は異人種間結婚であり、既婚カップルの実に10組に一組が異人種間の婚姻関係である。
今や何処へ行っても、異人種カップルが当たり前の光景となり、差別など薄れているように思えるが、白人がある日突然異人種カップルを刃物で襲う事件を耳にすると、その根深さを感じざるを得ない。事件にならずとも、目に見えない形の差別や嫌がらせがコミュニティや働く職場であると言う。50年目の現実がここにある。
差別の中で最も根深いのはRACE、主として肌の色による人種差別であろう。国際色豊かな移民国アメリカで、たった50年前までは、南部16州は異人種間(肌の色の違いによる)の結婚を禁止していた。主たる目的は白人と黒人間の結婚禁止にあったのたが、州によってはアジア系やヒスパニック系、最も厳しい州では”all-colored”として白人以外との結婚を禁じていた。 ”世界で最も自由な国”を標榜するアメリカだが、世界的に見れば、当時「アパルトヘイト」で悪名高い南アと肩を並べる禁止国であった。
1958年6月、バージニアに住むリチャード・ラビング(白人)はミルドレッド・ジェッターと結婚するためにD.Cに向かった。地元バージニアでは異人種間結婚禁止により結婚証明書が発行されないからである。ラビング夫妻の行動を察知した州警察は翌月夫妻を逮捕し裁判で一年の刑が下された。「好きな人と一緒に住み、育った場所で子供を育てる。それ以上望むことは無い。それなのに、何故逮捕されなければならないのか。法律があることは知っている。しかし、その法律は間違っている」。素朴にそう考えたラビング夫妻の長い戦いが始まった。
今から50年前、毎年6月12日がLoving Dayとして記念されている1967年のその日、連邦最高裁は歴史的な判決を下した。バージニア州でのLoving v. Virginia訴訟に関連して異人種間結婚禁止の法律を無効としたことにより、同州を含む南部16州の関連法が無効となり、悪名高い「禁止国」からアメリカは脱却した。
それから50年。1967年当時、全米での異人種間の結婚はわずか3%であったが、移民の増加は人種構造を劇的に変え、2015年現在、新婚カップルの6組に一組は異人種間結婚であり、既婚カップルの実に10組に一組が異人種間の婚姻関係である。
今や何処へ行っても、異人種カップルが当たり前の光景となり、差別など薄れているように思えるが、白人がある日突然異人種カップルを刃物で襲う事件を耳にすると、その根深さを感じざるを得ない。事件にならずとも、目に見えない形の差別や嫌がらせがコミュニティや働く職場であると言う。50年目の現実がここにある。