この映画の事を書くのは3度目だ。去年、待ちに待ったDVDが発売されたので、早速アマゾンジャパンで購入、実家の娘に保管してもらっていた。運よく今年の春にニュージャージーの娘が日本出張する際、実家に寄るというので持ち帰ってもらったのである。
先日、実に50年振りで観た。アリダ・バリとジョルジュ・ウィルソン。当時印象的に脳裏に残っている二つのシーン。ダンスをしながら鏡に映った戦争の傷跡、頭の傷。そしてラストの、向かってくるトラックに立ちはだかる記憶喪失の夫と衝突音。戦争の傷跡を扱ったこの映画は、やはり、心に残る佳作である。
あの頃、日本は実にいい外国映画を選定していた。戦後のアメリカ文化全盛の時代にも、フランス、ドイツ、イタリア、スェーデンを中心に日本に持ち込んでくれていた。当時の東和などの配給会社のお陰でもある。特により質の高い映画を、と展開してくれたアート・シアター・ギルドの存在は非常に大きいだろう。
アメリカに居ると、ハリウッド映画がすべてのような空気が蔓延している。加えて金さえ入ればいい、感覚だからCGを駆使した冒険ヒーローものが何と多いことか。ハリウッド映画を益々つまらない物にしている元凶みたいなものだ。
映画の質、という点では、ヨーロッパの映画を数多く観ているわけではないが、ヨーロッパの方がハリウッドよりレベルが高いように感ずる。ベネチアやカンヌ、ベルリンの映画祭で選ばれる映画の方がどう見てもアカデミーで選ばれた映画より質が高いように思うのはよし坊だけだろうか。
「かくも長き不在」。待ち焦がれた元恋人に漸く再会したようなものだ。長年の引っ掛かりがひとつ取れた。
先日、実に50年振りで観た。アリダ・バリとジョルジュ・ウィルソン。当時印象的に脳裏に残っている二つのシーン。ダンスをしながら鏡に映った戦争の傷跡、頭の傷。そしてラストの、向かってくるトラックに立ちはだかる記憶喪失の夫と衝突音。戦争の傷跡を扱ったこの映画は、やはり、心に残る佳作である。
あの頃、日本は実にいい外国映画を選定していた。戦後のアメリカ文化全盛の時代にも、フランス、ドイツ、イタリア、スェーデンを中心に日本に持ち込んでくれていた。当時の東和などの配給会社のお陰でもある。特により質の高い映画を、と展開してくれたアート・シアター・ギルドの存在は非常に大きいだろう。
アメリカに居ると、ハリウッド映画がすべてのような空気が蔓延している。加えて金さえ入ればいい、感覚だからCGを駆使した冒険ヒーローものが何と多いことか。ハリウッド映画を益々つまらない物にしている元凶みたいなものだ。
映画の質、という点では、ヨーロッパの映画を数多く観ているわけではないが、ヨーロッパの方がハリウッドよりレベルが高いように感ずる。ベネチアやカンヌ、ベルリンの映画祭で選ばれる映画の方がどう見てもアカデミーで選ばれた映画より質が高いように思うのはよし坊だけだろうか。
「かくも長き不在」。待ち焦がれた元恋人に漸く再会したようなものだ。長年の引っ掛かりがひとつ取れた。