前稿で書いたように、ワシントン・ポストの調査報告がいかにアメリカ政府が初期情報を軽くみて初動対応を誤ったかを明らかにしてくれたが、続いて出たCNNの医療行政の面の検証によると、前回のパンデミック(2009-2010の豚インフルエンザ)時の対応と今回の対応には大きな差があることがうかがえる。多数の専門家や関係者の聞き取り調査から以下が集約されている。
① 20年以上も米国が培ってきた緊急時の政府行動要綱が実施されなかった。行動要綱とは、いち早く州政府、病院、民間研究所などを総動員して、テストの実施と患者の隔離を行いながらクラスター発生が起こるまでに時間稼ぎをして病院の患者急増体制を整える。
② 非常事態ではGo Big Go Nowが基本かつ不可欠。平時なら決められたプロトコール通りやらねばならないが、戦時でそんな悠長のことをしていたら敵にやられてしまう。平時の手続きにとらわれず早く動け、ということだ。
前回のパンデミック時はオバマ政権下だったが、パンデミック対策に携わった関係者によると、Go Big Go Nowを実践するのに何の障害も無かったという。逆に言えば、今回、政府トップの状況判断の甘さ(CIA情報をまともに取り合わなかった)が命令系統毎に非常時体制を取りにくくしてしまったようだ。その結果、非常時に動かないといけない部分が平時の規制を解除しないままに推移し、全てが後手後手に回ってしまった。
凡庸なトップを持った組織は不幸である。
① 20年以上も米国が培ってきた緊急時の政府行動要綱が実施されなかった。行動要綱とは、いち早く州政府、病院、民間研究所などを総動員して、テストの実施と患者の隔離を行いながらクラスター発生が起こるまでに時間稼ぎをして病院の患者急増体制を整える。
② 非常事態ではGo Big Go Nowが基本かつ不可欠。平時なら決められたプロトコール通りやらねばならないが、戦時でそんな悠長のことをしていたら敵にやられてしまう。平時の手続きにとらわれず早く動け、ということだ。
前回のパンデミック時はオバマ政権下だったが、パンデミック対策に携わった関係者によると、Go Big Go Nowを実践するのに何の障害も無かったという。逆に言えば、今回、政府トップの状況判断の甘さ(CIA情報をまともに取り合わなかった)が命令系統毎に非常時体制を取りにくくしてしまったようだ。その結果、非常時に動かないといけない部分が平時の規制を解除しないままに推移し、全てが後手後手に回ってしまった。
凡庸なトップを持った組織は不幸である。