大変厳しい現実にあるアラブの国々。シリア、イラクのIS、それに誘導されるテロ・・・。宗教にも関わる難しい問題だが、日本の一市民として自分の考えをもつべきと思い書かせてもらいます。
1.趣旨
中近東のアラブ諸国、イスラム文化を受け継ぐ国が、何故、どのようにして、テロリストを生むような地域になったのか。それに対しどう対応したらいいのか。
2.アラブの歴史
1) 7~15世紀;ムハンマドの時代からイスラム教が広まり、中近東、北アフリカに、イスラム帝国繁栄。
2)1517年、アラブはオスマン帝国の支配下にはいる。
3)1919年、第一次世界大戦終了。シリアはフランスの、イラクは英国の植民地になる。世界中からユダヤ人のパレスチナへの移住増える。
4)第二次世界大戦後、シリア、イラク独立。イスラエル建国。
5)2011年。アラブの春。アラブ諸国の独裁政権が倒れ民主化が進む。
シリアではアサド政権と反政府との争いの間に、イラク・フセイン軍の残党、イスラム・スンニ派が、過激派ISをつくる。
3.ISについて。
頭のバグダディーは、「カリフ(イスラム教の頭)を中心としたイスラム教国家をつくる。」と主張し、世界中のイスラム教徒にジハード(闘争)を呼びかける。パリ同時テロもISが指導と宣言。
4. アラブ・イスラム世界について、私の考え。
アラブはオスマン帝国から第二次世界大戦まで、強国の支配下にあり独立後も多くの紛争を経てきた。アラブの春の後のアラブなりの民主化を進めるのが平和への道である。
テロをジハードだとして、正当化するイスラム過激派ISの主張。これをイスラム諸国の国民、はどう考えるのか。テロを正当化するのは正しい宗教ではない。インドネシア、マレーシア国民も率先して反対を主張しなければならない。
アラブはイスラム教が国家を支えている。一方、欧米のキリスト教国家は、政教分離が進んでいる。国単位の宗教闘争は不毛だ。アラブの経済は石油・ガス収入が支えとなっている。今後の産業の在り方、所得の分配が極めて大きな課題。偏見、貧困、がテロの温床でもある。
絵は、シリアのアレッポ城 2015年12月15日 岩下賢治