ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

狭すぎる飲食店

2018年01月15日 | 日記

日本水仙

 外食することが多いわけではないが、私が行くような居酒屋や大衆食堂は、どこに行っても狭い。一坪に4人がけ、両肩どころか面と面がぶつかりそう。立ち食いのファーストフードならいざ知らず、落ち着いて飲み、食べるには、正直言って狭すぎる。私はタバコを吸わないから、隣に喫煙者が座ったりしたら最悪である。
 安価な店に行って狭いなどと言うなかれ、とも言えるのだろうが、こうした不快な思いをしているのは私だけではあるまい。
 店側には当然ながら狭い理由があるだろう。
 経営が成り立つためには、諸経費を切り詰め、狭い場所に席数を目一杯に確保する以外にない。従業員の給与も低く抑えるためにカタコトの外国人を雇う。ところが、それでも経営が成り立たず、閉店に追い込まれる店も少なくない。私の住むところでは、ずいぶん賑わっていたはずの「富士そば」が閉店だ。

 問題はどこにあるのだろうか。原因は家賃が高いからだと思う。知り合いの不動産業者に聞いた話だと、通りに面したところでは坪3万が相場だそうだ。10数坪を必要とする飲食店だと、月40~50万の家賃となる。これでは負担が大きすぎる。そこで新たな店は、高価格な、例えば客単価が1万円前後もする料理店にならざるを得ないのだ、とその不動産業者は言うのだ。
 町の活性状況を図る測定器は、多様な飲食業の隆盛度数計である。消費の最終段階である飲食業の動きを考慮せずして、経済の活性はありえない。以前のような工業生産が経済の基本ではなくなっているのである。

 思いつきだが、店舗規模に応じた飲食店への公的な補助はできないのだろうか。かつて吉本隆明は不況脱出の経済政策として、消費業界に大量の資金投与を示唆すること提言したことがあったことを思い出す。【彬】

 

 

 

 

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