柿の花です。
京王電鉄の電車に乗った。
車両に足を踏み入れてびっくり。新車両だったのだろう、なんと座席にヘッドレスト(頭のもたれ所)がついているのではないか。よく見ると、肘掛けもついていて、左右の乗車客との区分けがはっきりしている。つまり、明確に個人用の座席となっているのだ。
思いもよらぬ、これが横座りのシートの新デザインなのである。従来の横座りは通常7人掛けであるが、この場合は6人掛けになっている。新幹線などの3人掛けが横に2つ並んでいると思えは良い。
首都圏の電車は満員の通勤電車を解消するため、1車両にいかに多くの乗客をスムースに乗せることができるかでデザインされている。1車両4ドアなどといったのはその典型である。一方、座席のあり方の工夫は後回しにされてきた。そのため、荷物を脇に置き2人分の座席を占領しているとか、狭いところに無理やり割り押し込んでくる、足を広げているなど、様々なマナーに対する苦情が出ていた。京王電鉄のこの新車両は、そうした批判に対する一つの工夫対処であろう。この新車両、果たして乗客のどんな反応が出てくるものだろうか。
私が際会した車両では、座っている人は、応接間に通された客人のように、スマホを見ながらも泰然としているようにみえた。
公共交通の進化は、移動時間の正確性だけでなく、快適さにも配慮が行くようになったのだと思う。京王電鉄の工夫を嚆矢として、JRを含め、各社の座席や乗降の工夫が今後どんどん進んでいくに違いない。前々回だったか、このブログで指摘しておいた座席の横座りの問題。今後、縦座りの研究が進められ、その実現は目の前に来ているように思う。【彬】