平昌オリンピックを境に朝鮮半島に関わる政治が大きく動いている。北朝鮮・韓国、アメリカ、中国、そして、背後には、ロシア、日本が絡む。北朝鮮の非核化への道筋はどう進められるのか。朝鮮半島の統一はなされるのか。関係国リーダーの指導力が問われる。
上記の目覚ましい動きに関連して、今日、世界のグローバル化という歴史の流れの中にあっても、個別の国ごとのポピュリズム政治が顕著だ。タイム誌の、5月14日付の、カバー記事は、「強者の時代」the strongman era。今日の状況をよく切っている、と思う。
内容は・・・1960年代に、アメリカの世相を反映したハリウッドの犯罪ドラマ、「怒れる男」angry manが大ヒットした。暴力の支配する時代に、腕力をもって正義と法を守る男の物語。・・・だが、今日の舞台は、ホワイトハウスだ、と揶揄している。その主役は他の国を顧みるまえに、まず自国を優先して政治を進める。そして、その傾向は、世界中に広がっている。ソ連崩壊後のロシアに栄光を復活しようとするプーチン。天安門事件の恐怖を払いのけ、中国新時代の夜明けを宣言する、習近平。・・・さらに、やくざのボスのような振る舞いの、フィリピンのデトルテ。ヨーロッパでは難民受け入れに反対するハンガリーのオーバン等々・・・。他方、リベラルで民主的な、ドイツのメルケル、フランスのマクロン、日本の安倍等は必ずしも充分にアピールできているわけではない。心配なのは、冷戦の勝者が一世代前のような勢いがなくなり、民主的なシステムを尻目に強者が腕力をふるう政治がはびこること。
・・・僕は、このような記事は理解しますが、閉そく状態を打破するには強者が腕力をふるうこともあり、と思います。
ところで、朝鮮半島の現状、北朝鮮と韓国の関係。これこそは、歴史を知らなければ何も前向きに考えられない。歴史を知るには、韓国の、国定高等学校歴史教科書、を読むのも、ひとつのよい方法だと思う。歴史をどう捉えるか、解釈はいろいろあるのだが、韓国の視点での古代から現代までの歴史を知ることも必要だろう。僕も読んだが、高校生レベルの教科書は優れている。
絵は、タイム誌の表紙の概略。・・・強者達、時計回りで、プーチン、デトルテ、ハンガリーのオーバン、そして、トルコのエルドアン。
2018年5月11日 岩下賢治