都会にもカヤツリグサが花をはさせています。
自然災害が猛威を振るう中、電力の不足や通電の困難さが社会問題になっているが、SF的だが、思うことがある。(SFというと荒唐無稽な空想と思いがちだが、実はしごく科学的な思考をバックボーンにもった物語である)
電気は保存ができないという特質をもっていいるので、発電所は必要電力を随時余分に発電していつでも需要に対処していけるように設計されている。しかも電力は送電する場合、大幅に漏出する。相当余分に送電しているらしく、山間や郊外に行くと、太い送電線がうんうん呻っている光景に出会う。自然の風景は台無しである。
これは電力消費地に大規模な蓄電装置がないためである。電気自動車や携帯電話は高性能な蓄電装置を内蔵して、自分で電力を確保しているのだが、その容量は少量で、その都度充電しなければならないようになっている。そうした小規模の蓄電装置ではなく、大容量の蓄電装置が考えられないか、研究は進んでいるらしい。
一時、マイナス絶対温度下では電力は漏出しないので、この超電導の化学式を実用化することが研究された。私たちはこの夢のような研究は頓挫したと教えられているのだが、実は徐々に研究は進行しているらしい。
これが実現されれば、大容量の電力を貯蔵することができ、今日の電力に依存した技術文明は一気に変換されるような大変革になる。なにより被災地に電力が不足するというようなことはなくなるはず。
話は飛ぶが、リニアモーターカーというのは、ある面、超電導装置を取り入れた機械だ。蓄電した電力を磁力に変換して走行する仕組みである。そして電力の保管には、超電導装置に頼っているようなのである。門外漢でその仕組みはよくわからないが、これがさらに実用化されれば、新幹線や地下鉄はすべてリニアモーターカーによって、運行されるようになるかもしれない。車両は電力による車輪走行ではなく、磁力によって車体を浮上して滑る。
電力についてはさらに夢が膨らむ。それは無線で送電が可能ではないのか、ということ。これも相当に研究が進んでいるようで、電気自動車用の、短い距離でだが、無線での送電が可能のようになっている。SF的には発電所を宇宙空間に設置し、そこから地上に送電することが可能になるのだ。
こんなことを今思うのは、最近の自然災害のせいである。
災害や戦争というのは、良いにつけ悪いにつけ技術革命のモメントであった。世界中で引き起こされている自然災害の脅威に、技術革命が背中合わせでやってくるかもしれない。【彬】