ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

災害と避難場所

2018年09月08日 | 日記

 山ぶどう

 この夏は、中国地方の集中豪雨から始まって、2度3度の大型台風、そして極め付けに北海道の大地震と自然災害が日本列島を立て続けて襲った。多くの生命に加え、桁外れの被害額になっているものと思う。
 被害に合わなかったわたし達は、ただ座視しているより他にない。
 そしていつものように、マスコミなどから災害対策が講じられるのだろう。が、以前にも触れたことがあるのだが、わたしは次の一点だけ提案したい。
 地域共同体の拠点としての、災害避難場所を作ること、である。現在各地で指定されている避難場所は公園などの緑地が主である。しかしそれは避難場所とは言え難い空き地である。
 各地の自治体には文化センターとか、しゃれた施設がつくられ、展覧会やコンサートなどが行われているのだが、そうした文化施設を作る前に、共同体の維持を目的としている自治体なのだから、最重要課題となるのは、いざという時の生活の安全を守る避難場所を作ること以外ない。そこで思う。昔から日本では学校が地域を集約する役割を果たしてきており、だから運動会でも学芸会でも、地域の父兄がたくさん集まって、鎮守のお祭り以上の賑わいをみせた。消防団の演習をはじめ、各種の選挙もみな学校施設を利用する。校長は首長と並ぶ尊敬される人物だった。この学校という施設組織を避難場所として充実させたいのである。
 都市化が進み、さらに私立の学校に通う子供が多くなったこともあって、公立学校の果たす役割は影が薄くなってきたように思える。そのうえ、少子化・広域化で、学校の統廃合が行われているのだが、学校を教育の場だけと狭くとらえずに、地域共同体のまとまりの場、すなわち防災避難場所を中心として、住民が各種の行事に活用できる多機能の場所として再生して欲しいのである。廃校跡地だけではない。現在の学校にもぜひ防災施設を併設し、学校の持つ機能を多様化したい。
 都市部でも学校の敷地は十分広い。この敷地には、少なくとも自前の発電設備(緊急用)が必須だ。そして水(校庭の地下に貯水池を設置)を確保し、簡易水洗トイレを作る。毛布や食料などの備蓄も必要だろう。
 現在でも学校が避難場所として利用されるのは承知している。しかし、映像などで紹介されているのを見ると、体育館のようなだだっ広い空間に布団を敷いているだけのようだ。体育館ではなく、なぜ教室を使わないのか。教室なら子供用とは言え、椅子や机がある。給食用の設備もどんどん開放すべきだ。
 学校併設の防災避難施設は、緊急時だけでなく、地域の集まりや会合にも利用され、夜間も管理人が常駐する。さらに看護婦=医療担当者も常駐し、健康相談の役目を負う。
 今日のわれわれの生活は複雑なインフラが支えている。そんな生活に最低限対応できる防災避難施設として学校を再設計再整備すること、それが新しい共同体の基盤となるのではないだろうか。【彬】
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする