紅梅です。
徴用工、慰安婦、など日韓関係の先行きが、以前に増して危うい状態に突き当たっている。
韓国との政治的な問題、あるいは朝鮮半島に関わる様々な問題は、日韓併合を含め、明治のころから、あるいは豊臣、さらにはずっと昔から、日本が発展していく上での、避け難い難題として重く横たわってきた歴史がある。あるいは逆に半島の方からみれば、日本については処理し難い大きな課題難題として常に横たわってきていたと言えよう。朝鮮の人たちが歴史問題という時、こうした古い時代からの筆舌に言い表せない思いが錯綜しているのだと推測できる。
私たち現在の日本人からすれば、敗戦を契機として朝鮮問題は、風俗や政治面を含め、ある程度穏当な措置がとられ、平穏に今日に至っているようにも思う。しかし半島の方から見れば、自国の経済が発展してくるの従って、この問題についてはさらに突っ込んで行くべき課題になっている違いない。それというのも、朝鮮半島が分断され、これがいっこうに進展しないことが大きな問題だからだ。朝鮮民族の統一という、かの国での最大の課題はいっこうに目鼻がつかない状態が続いていて、その方途を探るのが、表面には現れないが、北と南の、政治家の一番の課題に違いないのだ。
ある時、わずかな期間、李朝朝鮮が、朝鮮統一というその役割を果たしただけだったのだが、その評価も現在の朝鮮半島の政治勢力の人達からは胡散臭く見られているようなのだ。
統一できない最大の理由には思い至るものがある。半島という地理上の宿命のようなもので、例えば日清戦争や日露戦争は、日本と清、あるいは露との戦いとして表現されているのが、戦場となったのは、ほとんど朝鮮半島なのである。戦災を受けたのは、清や露ではなく、半島だったのだ。現在の分断となった朝鮮戦争も表面的には南朝鮮と北朝鮮の、主導権争いだったが、実質はアメリカと中国人民軍との戦争だった。そんな歴史をだどれば、北も南も、朝鮮半島の統一は民族の悲願だと言っていい。
しかし、共産主義とアジア的世襲主義が結びついた政治主義が背景にある限り、その方途はあまりのも難しい。民衆の投票などで云々できる問題ではないのである。いま韓国の、ムンジェイン政権が日本やアメリカとギクシャクしているのは、この政権が上記のような理想であるが故の果てない難問に道筋をつけようと、微かな方途を密かに探っているからだと思える。
政治的な事柄に深入りはしたくないが、韓国の動向の中に、この統一への願いがあることを見逃してはならないと思う。日本として今問われるのは、朝鮮半島のそうした動きを支持するのか、どうかである。
新聞やテレビ、ジャーナリズムが韓国問題に腰が引けていて、いわゆる人権派とか、名ばかりの左翼系の論客が、真正面からこれを取り扱わなくなっていることに、私はおおいに不満があるのである。【彬】