ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

秋の「武蔵野」を歩く

2019年10月13日 | 日記

 10月に入ったある日、予定通りの練習日、小金井公園で200m ×10本の短距離インターバルを終えた。この日は、暑さも去り、心地よい空気に誘われ公園内を散策してみたくなった。そして、いつか来たことのある、或る場所に脚は向かう。

 公園の南側に、公用の敷地と民間の敷地がパッチワークように混在しているところがある。民間の敷地は、主に畑である。その中を長さ300mほどの道がまっすぐに通る。舗装されていないむき出しの土で、農道のようだ。そこを歩く。栗林は収穫の時期。様々な野菜が栽培されている。農機具などが、放り出されていて、人の働く匂いがしてくるようだ。時折通り過ぎる人は、農作業をする人なのか。その風景は、何か懐かしく、これが僕の心の中にある「武蔵野の風景」なのかとも思う。

 国木田独歩の、名作「武蔵野」の中の一節「・・・・畑とても数里に続くものなく、林の周囲は畑、畑の三方は林、というような具合で・・・・ただ乱雑に入り組んでいるかと思えば、たちまち野に出るようである、・・・・それが武蔵野に一種の特色を与えていて、自然あり、生活あり・・・。」僕も同感する。

 今見ているのは、まだ緑濃い夏のようなのだが、秋が進み、これが紅葉の季節となり、そして冬に向かう、そのあたりが、武蔵野の趣のある風景になる。冬の雪もまた凛とした美しいものになるだろう。折りに触れ訪れてみよう。

   2019年10月12日   岩下賢治

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