頂いた年賀状を読む。挨拶の言葉の背景に、様々な牛のイラストが載っている。
今年は「牛」年なのだな。牛は大変かわいい動物だ。13年間過ごした茨城時代の牛の思い出が懐かしい。
当時勤めていた事業所は、某メーカーの開発部門で山里の奥にあった。その近くに、黒毛和牛を肥育する農家があり、よく牛を見に訪れていた。最初は警戒するが慣れてくると、実に可愛い顔をみせてくれる。僕の住んでいた常陸大宮市には、市営の牛牧場があり、また、セリ市場がある。そういった牛について社内に紹介しようと、社報に書いたことがある。その一部を抜粋すると、
「今年は丑年。常陸大宮市には、県立畜産研究所、市営牧場、JAのセリ市場といった食肉牛の施設が整えられ、高級黒毛和牛、常陸牛を肥育する畜産農家も多い。これらの施設は一本の道路で結ばれ。なだらかな丘が連なり牧歌的な風景が美しい。・・・・・・
ぼくの知る畜産農家では15頭が肥育され、それぞれ名前をもっている。飼い主は顔で見分けがつく。手塩にかけた牛を手放す時が農家にとって一番つらいという。・・・・・・」
以上一部抜粋。
セリ市場では自分の運命を悟った牛が、懸命に抵抗する姿もあった。これが最後と観念した表情の牛もあった。実際に目には涙が流れることもあった。それを見た後では、しばらく、罪悪感を感じ牛肉が食べられなかった。
ともかく、人間は牛に助けられ、牛の上にのって、生きてこられた。これは事実だと思う。今年は丑年。色々大変だが良い年にするよう努力したい。牛に恥じぬように。
絵は牛のセリ市場。思い出しながら描く。
2021年1月8日 岩下賢治