伝えたんく

日々の何気ないできごとに感じた幸せ

旅の楽しみ29…インドネシア

2008-10-26 22:43:18 | 

 写真は影絵芝居に使われるワヤンという人形だ。
インドネシアではWayang Kulit(ワヤン・クリッ)として楽しまれている。インドの古代叙事詩マハーバーラター、ラーマヤナをモチーフにしたものだ。ダランと呼ばれる人形遣いが無数の人形を操りも台詞も声色を変えながら全て一人で演じるのだ。寺院の祭礼や儀式で演じられる重要な芸能の1つだという。

 というところまでワヤンについては旅前に予習をしておいた。ワヤン人形はお土産ととして簡単に手に入ると聞いていたので、後は値段の交渉だ。しかし予期せぬ出来事が起こってしまった。その国の文化をちゃんと知らないと困るということだ。


ジョグジャの裏道を急ぐガイド
その後ろに義姉と義母が続く、早い早い・・・

 ジョグジャカルタでサマン・サリを見た後に、案内してくれたガイドさんが道を急ぐ。おいていかれてはたまらないのでしっかりと歩く。予想はしていたが土産物屋に着いたのだ。2軒並んでいて、1つはバティック(ろうけつ染め)、もう1つはワヤンの店だ。

 ゆきたんくは最初にワヤンの店に案内された。とても柔らかい笑みを浮かべた現地の人。こちらが日本人だと分るのだろう。片言の日本語で話しかけてくるが、片言の英語でしか話をしないことにした。プランバナンの入場券では日本人価格が現地人価格の10倍ということがあったからだ。ましてお金を持っている人は、そうでない人に施すのがイスラムの教えである。そこに遠慮はないのだということも聞いていた。

 「まあ、少し買ってもいいかなぁ。」くらいには思っていた。向こうも日本語が通じないようなので英語で話し始めた。

 I want it.と指差した人形を店員は取ってくれた。そしてその隣にあった人形も撮り、Love story.と言ってその場でワヤン・クリッ(だと思う)を始めたのだ。

  I love you.  Oh i'm happy.てな感じだ。そして二体の人形をゆきたんくに手渡し、ナナジュウマンと日本語で言ったのだ。やはり誤魔化しきれなかったのか、日本人観光客が多いから反射的に言ったのかは定かではない。日本円で6600円くらいだ。じゃあ1体で35万ルフィアだろうと思って、1体返したら今度は英語でNo noと言ってまた渡してきた。
 これは押し売りだと思い、不快な顔をした。そうしたら値を下げてきて、50万ルフィアまでになった。でもそんなことは問題ではない。私は1体欲しいのである。2体もいらないのだ。しょうがないので店を出たら、バティックの店からガイドが追いかけてきて「チョット、アンタ!」と大きな声。腰に手を当て(怒ったことをしめす態度)てみた。
「アンタ、ドシタ。」完全な日本語だ。I don't want a two dool. I want one dool.

と言ったらOk next. とバティックの店を指差した。気分直しに入ってみた。義姉がいてやりとりをしている。インドネシア語が飛び交っているのでゆきたんくは何が何だが分らない。その途中で〇〇さん(ゆきたんくの本名)、気に入らなかったら絶対に買わないことよ。と言ってくれた。そして店員とのやりとりでどんどん値を下げていく。インドネシア語は分らないが、値段の部分は指を出しながらやりとりしているので大体は分ったつもりだ。

 そこで気に入ったろうけつ染めがあったので、言われた値段で買おうとしたら、義姉がさらに下げてくれた。それからワヤンのことは忘れていた。


ジャカルタ北部のワヤン博物館(左側の建物)

 義兄に連れて行ってもらったワヤン博物館はプロテスタントの教会だった建物を使っている。中は撮影禁止だったので写真はない。しかし、ワヤン人形遣いのダランが影絵芝居を演じている写真をみたり、ワヤン・クリッだけでなく、ワヤン・ゴレッ(クリッの人形がぺったんこなのに対し、立体的)の人形も数多く展示されていた。それらをいれる箱も展示されていたが、並んでいるのを見ると棺おけのようだった。館内が薄暗いこともあった。

 帰り際、義兄と受付のお兄さんがワヤン談義で盛り上がり、それを訳してゆきたんくに伝えてくれる。その中で、ワヤン・クリッというのは大体が2体一組で演じられるということだった。幕(スクリーン)の真ん中にダランが座り、そこから左右にある人形を1体ずつ持って演じていくのだという。つまり、ワヤン・クリッに1体という概念はないのだということをこの時知った。

 ジョグジャの土産物屋の外での「チョット、アンタ!」は何でこの人は気分を害しているのか分らなかったことに対しての言葉ではなかったか。ゆきたんくが2体1組という概念を知っていたら、もう少し違った対応ができたのではなかっただろうか・・・。


ブロックMのデパート、バティク売り場

 ワヤンが売っていた階は店員がすぐに近づいてくるのでカメラを出すことができなかった。楽器もあったし、インテリアもあった。残念だった。

 結局ここでジョグジャで見たよりもきれいなワヤン人形を買うのだが、デパートのやつは1つの袋の中に2体入っている「2体入りセット」の形で売られていた。

 それが冒頭の写真のやつである。ジョグジャでの出来事を反省するゆきたんくである。

 そうそう、気になるお値段は29万ルフィア(2730円)であった。

 

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