写真は霞ヶ浦の美浦村の最東端、稲荷ノ鼻付近をゆったりと浮かんでいるヨットだ。この霞ヶ浦がかつて鹿島海軍航空隊のあった所だと知っている人も年々少なくなってきているはずだ。
一部の戦跡調査をしている方々がそれを知っている状況だ。
夏には、海水浴客(海ではないが・・・)で賑わう場所になっているのだ。
その時に、人々が甲羅干しをしたり、のんびりと過ごしたりしている所の近くに写真のようなものがある。
稲荷ノ鼻の突端にあるのだ。
鹿島海軍航空隊の航空機射出装置、カタパルト跡。
ここでは主に水上機の練習などの訓練が行われてた。
台座にレールが乗っていて、レールの上にクレーンで航空機を載せ、火薬を点火して航空機を射出させる仕組みになっている。
とは言っても言葉では分りにくいから写真をご覧いただこう。
戦跡調査仲間が持っていた本から
この台座の丸い部分を留めていた所が丸い跡がある写真だ。
所々ボルトのねじ山の部分がまだ残っている。
海水浴客がいる場所からは見えにくい。
このような岸の突端にカタパルトがあれば、風の方向を気にせずに艦載機を発射することができるわけだ。よくこんなものを考えたと思うが、クレーンでレールの上に置かれる様は格好良くないと思う。
カタパルトの円弧部分
御影石がまだ新しく光っているように見える。陸軍では境界標柱に使われる御影石は海軍では標柱には使われているのを、私は見たことがない。
このおかげで、カタパルト跡のある突端は形がはっきりと認識できるのだ。
このようにはっきりと残っている戦跡もね別に保護されている訳ではない。
歴史の証人として誠に貴重な遺構だと思うのだが。