夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

八千草薫さん御逝去、高齢者の私は、ご冥福をお祈りした後、涙を浮かべて・・。

2019-10-29 13:51:51 | ささやかな古稀からの思い

昨夕、ニュースをぼんやりと視聴していたら、女優の八千草薫(やちぐさ・かおる)さんが、
24日の午前7時45分、膵臓(すいぞう)がんのため死去した、と報じていた。

私は八千草薫さんにはお逢いしたことはないが、小学4年生の頃から映画少年となり、
独りで映画館で鑑賞するようになり、確か三船敏郎さん主演の『宮本武蔵』(監督・稲垣 浩)を観て、
お通を演じた女優さんを見て、綺麗なお姉さん、と少年心として感じたりし、清麗な御方、と後年は感じ深めたりした。

この後、ときおり映画作品、テレビ作品を鑑賞してきたが、
無念ながら山田太一さん脚本の『岸辺のアルバム』(1977年)は見逃してきたが、
向田邦子さん脚本の『阿修羅のごとく』(1979年)、山田太一さん脚本の『いちばん綺麗なとき』(1999年)、
感銘を受けて、心の片隅に残っている。

そして倉本 聰さん脚本の『やすらぎの郷』(2017年)は、連続ドラマは苦手な私でも鑑賞し、
特に八千草薫さん、有馬稲子さんの演技力に感心させられたりした。

このように私は、熱烈な八千草薫さんのファンでないけれど、
昨年の2018年の2月9日に所属事務所の公式サイトで、
2018年1月に膵臓(すいぞう)がんの手術を受け、2019年に入って肝臓にもがんが見つかり、
闘病中であることを公表されて、私も知ったりした。

              

私は東京の調布市に住む年金生活の75歳の身であるが、 私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、
我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、 そして私より5歳若い家内と共に、古ぼけた一軒屋に住み、ささやかに過ごしている。


こうした中、昨年までは私たち夫婦は、幸運にも大病に遭遇せずに、 過ごしてきた・・。

しかしながら私は、新年そうそうの1月3日の夜10時過ぎ、 心臓の左胸が圧迫され、強く痛みを感じて、
やむなく救急車で循環器専門の『榊原記念病院』に搬送されて、 10数名の医療スタッフの中で、
私は中央診察台で心電図、造影剤を入れてカテーテル、 そしてCTスキャンなどの精密検査、 或いはレントゲン終えたのは、
1月4日の早朝3時半すぎであった・・。

やがて『胸膜炎』(急性冠症候群)と病状とされ、 しばらく経過観察したく・・ と入院が余儀なくされて、
結果的に8泊9日の入院となったりした。

そしてタバコの喫煙に関して、自己節制の能力が欠けて、やめられず、 56年ばかり自身に甘えてきたが、
遅ればせながら禁煙を決意した。
                           

そして3月の初めの頃、私は突然に左眼だけが酷い白内障になったように視力が激変し、
結果的には4
月2日より、眼科医院に6泊7日して左眼の 硝子体手術を受けたりした・・。

              

この間、私が3月は左眼の検査で忙しくしている時、 家内が体調を崩して内科を検診した後、
まもなく胃の後ろ側にある 長さ20センチ前後の左右に細長い臓器の膵臓(すいぞう)に異変があることが推定された。

そして精密なCTスキャンを専門病院で検査した時、
やがて
検査入院して、 精密な状況を把握して、対処することになった。

何かしら膵臓(すいぞう)の働きとしては、
食べ物の中のタンパク質を溶かす「膵液」という消化液を作って、膵管から十二指腸に出す「外分泌機能」と、
血糖や消化液の量を調節するホルモン(インスリン、グルカゴン、ガストリンなど)を作って 血液に出す「内分泌機能」がある、
と学んだりしてきた。

こうした中で、膵臓にできる腫瘍としては、 一般的に「膵がん」と呼ばれる悪性の腫瘍や、
その他にも色々な種類の腫瘍がありますが、 腫瘍の種類、状態や進行度などによって治療の方法が変わる、 と教えられてきた。

このようなことを私の住む地域の大きな総合医療センターで、 3回ばかり通院して、
私たち夫婦は専門医師のアドバイスされる中、初期の膵臓(すいぞう)がんです、と診断されたりした。

そして4月17日より2泊3日で、家内は検査入院したりした。

この間、私たち夫婦は、最悪の場合を想定することもあったりして、揺れ動いたりした。
やがて病院で手術、その後の経過状況、 やがて回復状況を想定して、18泊19日の入院生活を過ごすこととなった・・。

こうした心情は家内の思いを配慮すれば、これまでの14年半の多くの投稿文の中で、 最も明記しずらかった・・。

                            

こうした中、たまたま公式サイトの【 介護ポストセブン 】を見ている中で、
『 八千草薫さん「90歳目前のがん手術」“する”“しない”の境界線 』 と題された見出しを見たりした。

そして私は、家内の病状のことがあり、真摯に精読したりした。

この記事の原文は、『女性セブン』の2019年2月28日号に掲載された記事のひとつで、
関連の公式サイトの【 介護ポストセブン 】に2019年2月15日に配信され、 無断であるが記事の大半を転載させて頂く。

《・・八千草薫さん「90歳目前のがん手術」“する”“しない”の境界線

(略)2月9日、八千草薫(88歳)さんが所属事務所の公式サイトで、 肝臓がんの闘病中であることを公表した。

治療に専念するため、出演予定だったドラマ『やすらぎの刻(とき)~道』(テレビ朝日系)と
ドラマ『執事 西園寺の名推理2』(テレビ東京系)を降板する。(略)

               

☆昨年1月に膵臓(すいぞう)の摘出手術、3月には仕事復帰

八千草さんは、2017年末に毎年受けている人間ドックで、膵臓(すいぞう)がんが見つかり、
昨年1月に膵臓を摘出する手術を受けた。

90歳を前にして行った大手術について、 医療ガバナンス研究所所長で医師の上昌広さんが解説する。
「膵臓がんは、自覚症状がほとんどなく、見つかった時は、手遅れというケースも多い。
合併症が極めて多く、数パーセントが手術で亡くなるともいわれますが、
手術をしないと余命1~2年という可能性もある重篤な病気です。

八千草さんは高齢ですが、本人が完治を望んだので手術に踏み切ったのでしょう」

手術後は2か月療養し、昨年3月からドラマの撮影で仕事に復帰した。(略)

               

☆手術「する」、「しない」は、年齢よりその人個人の身体的若さによる

高齢化が進む現在、シニアとがんは、密接な関係にある。
なかでも問題は、がんがわかった時に手術を「する」のか、「しない」のかという判断だ。

「一般的には、高齢になるとともにリスクを恐れて、がんの手術を避けるようになり、 80歳を超えると多くの人が手術をしません。
80代後半で手術に踏み切った八千草さんは、よほど体力があったのだと思います」(上さん)

一方、高齢になると、がんの進行は、遅くなるといわれている。
手術せずに「天寿を全うする」という人も少なくない。
ただし現在は、昔に比べて、高齢者が手術を受けやすくなった。

医療経済ジャーナリストの室井一辰さんが指摘する。
「“手術に年齢の上限はない”が今の主流の考え方で、 年齢よりもその人個人が、身体的に若いかどうかが問われます。
また、ここ10年ほどで医療技術が大きく進歩して、高齢者でも手術を受けやすくなりました。

例えば『マルチスライスCT』を使えば、 一度にたくさんの写真を撮影できて、
患部を細かく診断できるようになりましたし、 腹部に小さな穴を開けて、カメラを挿入して手術する『腹腔鏡手術』が普及して、
患者の体に与える負担が少なくなりました」

そもそも手術が選択肢になること自体が、完治の可能性を示すと室井さんが続ける。

「確かに切らなくても、寿命に関係のないがんもありますが、がんはできるだけ切除すべきです。
医師が“外科手術をしますか”と提案するのは、 患者が手術に耐えうる体力を持ち、がんを切除できると判断したからです。

がんが全身に転移していれば、手術は困難ですが、
手術ができる時点で、“治せるがん”なのだと前向きにとらえるべきです」

              

☆手術のリスク「麻酔」「出血」と「入院」

一方で、手術をすることの危険性もある。 その最大のリスクは「死」だ。

秋津医院院長の秋津壽男医師が指摘する。
「高齢になるほど、体力は低下しており、手術中に血圧が変動して、 死を迎えるリスクはゼロではありません。
また、がん周辺の正常な細胞を切り取ることにより、体がダメージを受けることもあります」

室井さんが注目するリスクは「麻酔」と「出血」だ。
「一定時間、強制的に意識を飛ばして、呼吸機能を抑制する場合もある全身麻酔は、大きなリスク。
特に高齢者は体に負担がかかりやすく、脳に影響が及んで認知症リスクが増す恐れもあります。
また高齢者は血管も弱っているので、 最悪の場合は、手術中に大量出血で死にいたる可能性があります」

☆術後の「入院」もリスクになる。

「高齢者の場合、入院してベッドで過ごすと、想像以上に体力が落ちてしまいます。
入院生活で“楽”をしすぎて足腰が弱り、退院してもそのまま寝たきりになるケースがあります。

このため、高齢者が入院する場合は、筋力を維持することが大切。
最近は、手術後のリハビリに筋トレを取り入れることが大事だといわれます」(室井さん)

八千草も昨年1月の膵臓摘手術後は、人の手を借りなければ、歩けなくなっていたほどだったという。
もちろん手術である以上、医療ミスが起きる可能性もゼロではない。

               

☆大切なのは“絶対に治す”という「気力」
このように、高齢になるほど手術のメリットとデメリットの振れ幅が大きくなるが、 はたして何歳まで手術は可能なのか。

秋津さんは「あくまで体力が判断基準」と指摘する。
「寝たきりの70歳だったら手術はしませんが、山登りする90歳なら手術します。(略)
 本人が手術を望んでも、“あなたの体力では、手術中に何が起こるかわかりません”
と医師が手術を断ることもあります」

高齢者の手術で、もう1つ大切なのは「気力」だ。
「本人に“絶対に病気を治す”という気力があれば、いくつになっても、がんに立ち向かえます。
八千草さんも“なんとしても舞台に復帰するんだ”という強い気持ちがあったので、
手術に踏み切ったのでしょう」(秋津さん)

上さんは、「高齢だからと手術を諦める必要はない」と指摘する。
「昔は年を取ると手術をしませんでしたが、 今は医療が進歩して、高齢でも手術が可能になりました。
ただし普段から体力がないと手術はできないので、
日常生活で運動や栄養に気を使い、できるだけ健康を維持しておくことがとても大切です」(略)・・》

注)記事の原文に、あえて改行を多くした。        

                

たまたま八千草薫さん(88歳)の肝臓がんの闘病に伴い、高齢者が肝臓がん等に遭遇した時、
各専門家のアドバイスを私は読みながら、家内の深情を私が書きづらかったことを、 ほぼ明記されている、
深く同意させられた・・。

このような我が家としては、家内は入院して手術して、やがて退院後に定期通院をしているが、
やはり転移などが怖く、秘かに八千草薫さんの肝臓がんの動向が気になり、先達の師のように思い続けてきた。

このような深情を秘めてきた私は、私は八千草薫さんが御逝去されたと知った時、瞼(まぶた)が熱くなり、
八千草薫さんの御自宅の方面に向かい、ご冥福をお祈りした後、涙を浮かべていた。

余談であるが、「逝去」は、自分の家族や身内以外が亡くなった際は、相手を敬い「逝去」を使い、
「死去」は、家族や身内が亡くなった際に使う、と私は高校時代に国語の先生から学んできた。

コメント (2)
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