その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

夢屋工房(あなたへ)

2012-09-05 12:11:11 | 夢屋工房

突然ですが、降旗監督作品「あなたへ」のモントリオール世界映画祭特別賞受賞おめでとうございます^^;
81歳の高倉健さんの居住まいも加齢による衰えが感じられるのでありますが、人生に目的を持って旅することが出来る人は稀であり、明日の事さえ分らない放浪を続けることが精一杯の毎日に、ひと区切りをつけるためにも久し振りに映画館で観たいと思った『夢屋国王』であります。
大体、自分の事さえ分らない毎日なのだから、オッカーが何を考えているのかなど分るはずもなく、成人してあっという間の30年、平均寿命まであと30年などと考えると、そろそろ人生の仕上げ方を考えなければならないのでありますが、日々のお飯と缶ビールにありつく事に謀殺されて、人の気持ちを思いやるなどということが出来ないのであります。立ち止まって考えるには少々早いような気がしますし、さりとて、このまま走り続けてよろしいものかと考える、悩み多き50代なのであります。そんな中で、任侠物から離れ、老いた「健さん」が演じてきた作品の役柄は、パンピーの頑ななオヤジの姿であり、無口な男の姿に憧れてしまうのでありますよ^^;

さて、早朝の海岸を歩いておりますと、浜辺に打ち上げられた小石の表面が非常に滑らかであることに改めて気付くのでありまして、山から崩れた大石が長い年月をかけて川を下り、水と石に洗われて表面の角が取れていく。人もまた環境や他人に洗われて、歳とともに角が取れて行くのだろうかなどと、急に哲学し始める『夢屋国王』であります。『瞬間湯沸かし器』の異名を取る『夢屋国王』が、他人に対する諦めではなく、人の失敗も許容できる性情に落ち着くには、まだまだ時間が必要だとは思われますが…。
「夢屋さんは、朝早くから何をしていたの?」と、旅館のロビーから外を眺めていた同行のオバチャンたちに聞かれても、まさか、浜に打ち上げられた小石を集めてパンダを造っていましたなんて応える訳には行きませんから、「金目の物が流れ付いていないか探していました。」と惚けてみせる。日頃の言動と年齢に見合った答えを用意して置かないと、シブいオジサンには成れないのであります^^;
海辺で見られる植物を探しているとハマゴウの花が咲いておりました。ハマゴウは「浜香」とも表記されるようで、その葉や樹皮からお香が作られたこともあるらしい。予めそれを知っていたら、葉を揉んで香りを楽しんでみたものを…世の中、まだまだ知らないことが多いのでありまして、また訪れた時の課題として取っておきましょう。青紫色のハマゴウの花言葉は「愛の喜び」なんでありますと…愛の喜び…思い当たるフシが無いのであります^^;

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