「透ける」という意味にとってはいけない^^;
お隣の『善助さん』ちの田んぼは、後継者(息子たち)の活躍で、あっという間に稲刈りが終了し、『夢屋農園』の田んぼだけが取り残されてしまいましたよ。稲刈りは「人頼み」だから、毎年同じことなのだけれど、今年は田んぼに足を運ぶ回数さえ極端に減っておりますよ。7月末までにカメムシ予防のために草刈りをして、薬剤防除をして、ヒタヒタ程度の水をかけたら、後は病気が出ようが手の掛けようがない…米価下落による意欲の減退か、はたまた体調不良か?今年は少々真剣味に欠けている。それでもねぇ…誰かが刈り取ってくれる訳でもないから、重い腰を上げて、田んぼを見回り「刈り取り期」はとうに過ぎていると判断して、相方である『チャオちゃん』の作業場に行ってみました。いつもの年なら、『夢屋本田』の稲刈りをして中古機械の調子を確認し(結構、トラブルが多いんです^^;)調子が乗って来たところで自作地の稲刈りを始める彼でありますが、今年は自作地分の脱穀調整をしておりましたよ。(つまり、作業をお願いに行く時期が遅いということだわなぁ^^;)「今年は細いねぇ…。(実入りがよろしくない状態)」「神経痛が出て、息切れして水掛けすら満足に出来なかった。」元気が取り柄の彼も御年数えの80歳…年々、余病や衰えが出ても不思議ではないお年頃なのでありますよ。
息を切らしながら二階の籾蔵を行き来し、腰掛けている彼を見兼ねて「すけっか?(手伝うか?)」「すけでけっか?助かる。」と相成った次第でありますよ^^;
『おやじぃ』の見立てでは少々遅い^^;
『すけっか?(透けっか?)』『すけでけっか?(透けでけっか?)』などと、良いオヤジが中坊の如く「ノゾキ」をしようなんて言う訳ではない^^; 我が在所の方言でありますよ。調べてみると、宮城県や滋賀県の一部でも『すける』という方言があるらしい。
『ヨイ』『ヨイナシ』…「農作業を手伝い」「農作業の手伝い返し」で、金銭的なやりとりを相殺すること…かつて、田植えや稲刈り作業に人手が必要だった頃は、小規模農家では人工賃を相殺していた。「お互いさま」の精神だわなぁ。(現金収入が乏しかったという事情も当然にある。)
米作り素人だった『おやじぃ』も『チャオちゃん』にバカにされながらも「田起こし、代掻き作業」を自前でするようになり、今年は『チャオちゃん』の田んぼ一枚を代掻き手伝いしたっけ^^; 『チャオちゃんトラクター』もガタが来ているから、来年は田起こし作業を手伝うことになるのだろうか?いやいや、年齢的にも体力的にも、あと2、3年が限界かも?などと勝手に、相方のことに思いを馳せるのでありますよ。(全く余計なお世話ではある^^;)
さて、『チャオちゃん』が米作りから引退したら…「我々、小規模農家は米作りから撤退するしかないのではないでしょうか?」これは40年前に、とある面接会場での若き日の『おやじぃ』の回答である。予想通り、機械化、大規模農家への集約化は進みましたけれど、よくもまぁ、あれから40年間赤字の田んぼにしがみついて来たもんだわ^^; これからは、作業効率を上げるために、耕作場所が点在するという問題を解決しなければならないとも思うのだけれど。(農地の流動化)
「すけっか?」「すけでけっか?」なんて会話は無くなってしまうんだろうなぁ(笑)