遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

胡錦濤主席のおみやげは、ボーイング200機

2011-01-20 20:52:32 | EEZ 全般
 米中首脳会談が実施されました。安全保障面で対立が顕在化しつつある両国ですが、経済関係での応酬と融和に注目していました。
 胡錦濤主席や温家宝首相が欧州各国を歴訪した際、大型商談(発注)をお土産にして各国を釣り上げていましたが、米国には、ボーイング200機の発注(総額約3兆7000億円超)を持参したのだそうですね。

 
中国、主席訪米に合わせボーイング200機購入 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 
 首脳会談を控えて、クリントン長官が、「G2」を否定、インド・豪州を含めたアジア諸国との連携強化を打ち出していましたが、中国の覇権拡大については話題には上らなかった様です。ただし、オバマ大統領は、人権問題には言及したとのことですね。

 
オバマ大統領、中国側に人権尊重を促す : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 
 胡錦濤主席は、「両国は互いの核心的利益を尊重すべきだ」と強調し、人権、台湾問題などでの中国の立場を尊重するよう求めたとのことです。応えは平行線のままですが、進展はなくても、指摘し続けることに意義があるということでしょう。

 金融面では、米側の人民元切り上げ要求に対し、中国側がドル安政策を指摘するなどの応酬がありましたが、オバマ大統領が取り上げています。
 
時事ドットコム:米大統領「人民元は過小評価」=中国に切り上げ求める-胡主席は国内配慮要請

 【ワシントン時事】オバマ米大統領は19日、胡錦濤中国国家主席との会談後の共同記者会見で、中国人民元について「依然過小評価されている」として、一段の切り上げを求めた。両首脳は「包括的な経済協力の推進」(共同声明)では合意したものの、貿易、経済の不均衡是正の上でカギとなる人民元問題について具体的措置は打ち出せず、今後も米中間の摩擦は続きそうだ。
 共同声明では「中国が人民元の改革、弾力化への取り組みを継続する」ことを確認しているが、大統領は会見で、中国が人民元の上昇を防ぐため「激しく(市場)介入している」と批判。中国が弾力化を約束した人民元の上昇ペースは期待するほど速くないと不満を表明した。
 胡主席はこれに対し、経済や貿易で不一致な点を「相互尊重、平等の立場で協力して解決していく」と、人民元への直接の言及を避けるとともに、国内事情への配慮を暗に求めた。大統領によると、主席は過剰なペースで為替相場が上昇すれば輸出が打撃を受けるとの懸念を示したという。


 中国メディアは、人権問題などの記者会見の内容は報道せず、大国中国が米国の歓迎を受けたPRに努めている様子です。
  
中国、大国ぶり強調 「世界で最も重要な首脳会談」 (1/20 産経)

 【北京=矢板明夫】中国の江沢民前国家主席が1997年10月に訪米して以来、約13年ぶりとなる国賓待遇での胡錦濤国家主席の米国訪問を、中国の新聞、テレビは「大国の握手」「世界でもっとも重要な首脳会談」といった表現で大きく伝えている。超大国・米国と堂々と渡り合う中国の大国ぶりを強調することで、中国を発展させた胡錦濤政権の業績をアピールする狙い
があるとみられる。

 胡主席は昨年、ブラジル、ロシア、フランスなど6カ国を公式訪問したが、今回の訪米に対する中国メディアの注目度は完全に別格扱いで、米国側の歓迎ぶりや宿泊するホテル、食事のメニューの予想など詳しく伝えている。「発展途上国との関係を最も重視している」と強調している中国だが、本音では米国との関係をもっとも気にしていることをうかがわせている。
 江前主席が97年に訪米したときに、米中間の「建設的戦略パートナーシップ」を打ち出したことが、国際社会における中国の存在感を高めるのにつながったといわれている。当時と比べて、中国の国内総生産(GDP)は世界7位から2位の座をうかがうまでに成長し、外貨準備高も約1300億ドルから2兆5千億ドル規模まで20倍近く膨らんだ。
 自信を深めた中国は今回、
米国と対等に渡り合う形で国際金融や北朝鮮、イランなどの世界情勢について話し合い、米中時代の到来
を国際社会に印象づける狙いがありそうだ。
 中国の研究筋によると、胡主席の訪米で米中関係がさらに強化されれば、
昨年から親米色を強め、中国と距離を置き始めた東南アジア諸国や、日本、韓国を牽制(けんせい)する効果
があり、中国周辺の国際環境を改善することにも役立つという。
 昨年10月の共産党中央委総会で中央軍事委副主席に選出され、ポスト胡錦濤が確定した習近平国家副主席の影響力が高まっている。こうした中、胡主席は訪米の成果をアピールすることで現指導部の存在感を改めて示し、
2012年秋の党大会の人事調整に向け、影響力を維持したい内政面の思惑もあると指摘される。


 今回の胡錦濤主席の訪米では、中国側から執拗な格式を重んじる要求があり、オバマ大統領はそれを飲んだ形での歓迎を表現したそうです。これに対しては、人権問題問題(例=劉暁波氏)が積み残されている国のトップを国賓扱いにすることなどに反対の世論もあり、ベイナー下院議長などが公式晩餐会を欠席したのだそうですね。

 胡錦濤主席の訪米で、中国国内への胡錦濤主席の中国国内へのPRは、十分に出来たようです。2012年の、習近平氏への政権移譲に影響力を保持しようとする胡錦濤主席のPRでは、大きな効果があったようですね。会談内容では、肝心なところは双方譲らず主張しあったのですが、成果はいまのところ報じられていません。
 米国には、どのような成果があったのでしょう...?

 米中共同声明の要旨 / 西日本新聞

 
 



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