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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

失政つづきの習近平 外交政策はこれからどこへ向かうのか

2016-08-18 23:58:58 | 中国 全般
 中国共産党の人事等重要案件が決められるという「北戴河会議」は、今年も今月初に開催された様でした。来年の党政治局常務委員の改選に向けた議論がなされると注目されているのですね。
 汚職撲滅の名の元に政敵を排除し、独裁色を強めている習近平。経済成長鈍化や、外交の失政が続く中、反対勢力の反抗の火種はおおきく、政局の行方が焦点になっているのですね。
 つづいた習近平の外交での失政を、宮家邦彦氏が整理しておられましたので、既に衆知の事ですが、備忘録としてアップさせていただきます。
 

裏目ばかりの中国外交 (8/18 産経 【宮家邦彦のWorld Watch】)

 最近の中国外交は見るも無残。やることなすこと、ことごとく裏目に出ている。原因は何なのか。まずは事実関係
から始めよう。

 【南シナ海問題】フィリピンが中国の人工島問題を
仲裁裁判所に提訴したのは2013年。昨年10月、同裁判所は中国にも配慮してか、比側主張の一部にしか管轄権を認めなかった。にもかかわらず、中国は同裁判所に一切協力せず、無視を決め込んだ。案の定、本年7月の判断では中国側主張の多くが否定された
。外交的にはあまりに稚拙なやり方だ。

 【日中関係】14年11月の日中首脳会談以降も両国関係は進展していない。それどころか、
最近尖閣諸島付近では中国公船・海軍艦船の活動がエスカレートしている。こうした動きは日米同盟を一層強化
させるだけなのだが、解放軍など対外強硬派は国内の国際協調を求める声など意に介さない。

 【米中関係】一連の首脳会議で
オバマ大統領が習近平主席に求めたのは南シナ海の非軍事化と米私企業の知的財産権へのサイバー攻撃の中止だ。しかし解放軍が関わるためか、習氏はゼロ回答を繰り返す。米国はサイバー戦担当の現役中国軍人を起訴し中国が造った人工島沖にイージス艦を派遣
した。

 【北朝鮮】中朝間の軋轢(あつれき)が始まったのは80年代から。当時訪中した北朝鮮の金正日総書記は改革開放を始めた中国を「修正主義」と批判した。90年代以降、
金総書記は先軍政治の下で核兵器開発
を始める。中国は緩衝国家たる北朝鮮を見捨てることができない。金一族は中国外交の足元を見て生き延びたのだ。

 【韓国】一時は蜜月に見えた朴槿恵(パククネ)韓国大統領との関係も悪化しつつある。中国が反対する中、韓国は最新鋭迎撃システム
「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備に踏み切った。中国は猛反発し、韓国批判キャンペーンと報復措置を打つも後の祭り。中国が韓国に投資してきた外交的資源は無駄
になった。

 【台湾】中国は馬英九前総統の台湾との関係を深めたが、今年1月の
総統選で民進党・蔡英文氏の当選
を阻止できなかった。ここでも中国外交は投入した資源に見合う成果を上げていない。

 最近の成功例といえば、歴史問題でロシアを対日批判に取り込み、アジアインフラ投資銀行(AIIB)設立で欧州を巻き込んだことぐらい。でも、
筆者の関心は中国外交の失敗自体ではない。その裏にある理由は共産党中枢の国際法「音痴」だけではないだろう。筆者の仮説
はこうだ。

 ●今の中国には一貫した戦略に基づく外交政策につきコンセンサスがなく、
政治局常務委員7人の中にも外交的知見を持つ者がいない


 ●この外交的真空状態をめぐり、自薦他薦の政治プレーヤーたちは
敵対者を陥れるかのように競い合うから、外交政策は場当たり的に決まる


 ●論争は恐らく重層的だ。政策面では、
韜光養晦(とうこうようかい)型国際協調派と民族主義的対外強硬派が綱引き
を行っている。

 ●一方、
権力闘争の面では、習主席の周辺で彼の仲間と政敵たちが、政策とは別の次元で綱引き
を続ける。この2つは相互に関連し合う。

 ●
問題は現在国際協調派の力が弱いこと
だ。仮に、国際協調策が進んだとしても、不満を持つ対外強硬派には、そうした流れを潰せるだけの物理的パワーがあるからだ。

 最近の中国のちぐはぐな動きもこれで一応説明可能なのだが、これを具体的に検証することは非常に難しい。
 
満州事変(昭和6年)を起こした85年前の日本にも政治の中枢に外交的真空があった。当時日本の政治指導者には現場の独断専行を制御するだけの外交的知見がなかったのだ。中国が似たような状況に陥ることはない、と誰が断言できるだろうか

 現在の政治局常務委員7人の中に外交的知見を持つ者がいないことから、中国の外交政策は一貫性がなく、場当たり的なものとなっている。権力闘争が激化しているので、政策とは別の次元での綱引きが行われている。その綱引きで、国際協調派の力が弱い。
 満州事変を起こした85年前の日本にも政治の中枢に外交的真空があった。中国の現状が類似の状況に陥っていると言うのです。

 上海閥の江沢民や、共青団派の胡錦濤といった強固な政治基盤を持たない習近平は、太子党や地方政治時代の部下などといった人脈固めを、汚職追放の御旗での虎退治により進め人民の支持を高めることで体制強化を進めてきました。
 しかし、経済成長の鈍化と、外交政策の失政で、その威信は揺らぎはじめている様なのですね。
 その兆しのひとつに、江沢民を「カエル」の愛称でのアイドル化が進んでいるのだとか。90歳の誕生日を迎えた江氏が急に人気を集め始めた理由として、国内に対し言論分野で締め付けを強化し、景気低迷に有効な対策を取れない現在の習近平政権に対する不満の表れだと。また、「江沢民時代の中国はいろいろ問題があったが、少なくとも高度経済成長があり、言論に対する締め付けも緩かった」「習近平政権を直接に批判できない人々が、江沢民をもち上げることで、今の政権をけなそうとしている狙いがある」のだとも。
 中国に「反日」を定着させたのは、江沢民でしたね。。
 
江沢民氏が90歳にして「カエル」の愛称でアイドル化 習近平政権の締め付けに対する中国国民の不満の裏返しか?(1/2ページ) - 産経ニュース

 「北戴河会議」の様子はいまだに聞こえてきません。尖閣沖での大漁船団と公船の出現や領海侵入は、困った時の反日強化で、会議での劣勢の矛先を逸らす行為との声が聴かれましたが、衝突漁船員救助後、一端姿を消しています。
 ひきつづき会議の行方が注目されます。



 # 冒頭の画像は、「抗日戦争勝利70年」の軍事パレードでの、習近平、江沢民、胡錦濤、李克強




  アーモンドの花

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