遊爺雑記帳

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トランプ大統領の支持者らによる先週の議会占拠事件 どのような報いにすべきか 次期大統領にとって容易な選択肢はない

2021-01-13 01:23:56 | 米国 全般
 トランプ大統領の支持者らによる先週の議会占拠事件を巡り、議事堂内での恐ろしい惨状を伝える動画や画像、音声が次々と明らかになっています。
 トランプ氏が議事堂乱入前に行った集会で、支持者らに対して選挙結果を覆すよう「死に物狂いで闘え」と促したと、トランプ氏の責任を問い、辞任要求や弾劾の動きがあり、メルケル首相の様に他国からの批難も湧き上がっています。
 しかし、一方で、「平和的かつ愛国者的に」行進せよとも指示していた事実を踏まえると、トランプ氏を暴動の扇動者とする主張は根拠に欠けるとも共和党は訴えています。
 「議事堂に侵入したのはトランプ支持者ではなく、アンティーファだ」等、暴力行為に及んだのは、紛れ込んだ極右、極左だとかの報道がありましたが、こちらのほうは、FBIが否定している様ですね。

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 バイデン米次期大統領は就任にあたり、多くの困難な選択を迫られることになると、混乱した大統領選を経て誕生する新政権の茨の道を、WSJエグゼクティブのジェラルド・F・サイブ氏が解説しておられます。
 
バイデン氏の苦しい決断「融和か報復か」 - WSJ 2021 年 1 月 12 日 ジェラルド・F・サイブ WSJエグゼクティブ・ワシントン・エディター

 ジョー・バイデン米次期大統領は就任にあたり、多くの困難な選択を迫られることになるが、中でもとりわけ厳しい決断となるのが「復讐(ふくしゅう)かそれとも融和か、どちらを促進する役割を担うのか」という問題だ。

 その
どちらを選んでも、バイデン氏には何の得もない

 ドナルド・トランプ大統領の支持者らによる先週の議会占拠事件を巡り、議事堂内での恐ろしい惨状を伝える動画や画像、音声が次々と明らかになっている。トランプ支持者は大統領選では大規模な不正があったと裏付けもなく主張し、バイデン氏の勝利を正式に認定する手続きを阻止しようと議事堂に乱入した。上院内では一人の男が結束バンドを手にして走っており、その使用目的は人質の手を縛るためというのが、唯一、自然に行き着く妥当な見方だろう。また、群集は議会内にいるマイク・ペンス副大統領を絞首刑に処するべきだと連呼していた。

 ナンシー・ペロシ下院議長(民主党、カリフォルニア州)の議会スタッフの一団は、ペロシ氏の居所を突き止めようと群集が扉を打ち破って侵入を試みている間、会議用のテーブルの下に身を潜めていた。今回の事件では、議会を守ろうと乱入者に対処していた警官2人が死亡、うち1人は消火器で頭部を殴られて命を落とした。

 トランプ陣営の元選対本部長で、大統領上級顧問を務めていたケリーアン・コンウェー氏でさえ、議会占拠を受けて週末にこうツイートした。「目をそらすべきでも、弁解すべきでもない。より多くのことが判明するのに伴い、状況は今後さらに悪化する」

 議会占拠の内部の状況を示したこれらの画像が明らかになったことで、
多くの民主党議員に加え、一部の共和党議員さえも、あと数日の任期となったトランプ氏への退陣要求を強めているトランプ氏が自ら辞任するか、大統領の職務執行が不可能と判断された場合の罷免手続きを定めた合衆国憲法修正第25条の発動のいずれかを通じて、トランプ氏の免職を求めているが、双方とも実現する見込みは薄い

 そうなると、
残る選択肢はトランプ氏が任期まで大統領職にとどまるのを静観するか、議会乱入を誘導したとしてトランプ氏を下院で弾劾訴追し、上院で弾劾裁判にかけるかだが、現状では弾劾の公算が大きくなっている。民主党内では、支持者を刺激して反乱に向かわせたトランプ氏を見逃さず処罰することで、反乱の再発を防ぐことが重要との考えが支配的になっている。こうした中、民主党議員はバイデン氏がこれに支持を表明することを望んでいる。

 ただ、現実的な問題として、下院が迅速に弾劾に動いても、上院では早期に弾劾裁判に着手する見込みはほぼ薄い。
民主党は月内に上院の主導権を握るまで、裁判の実施を望まないかもしれない。下院民主党ナンバー3のジェームズ・クライバーン議員(サウスカロライナ州)は週末、下院指導部はバイデン氏の就任100日が過ぎるのを待ってから、弾劾訴追決議案を上院に送付する可能性があると表明すでに退任した大統領を弾劾裁判にかけることが可能かどうかという新たな問題も浮上してきた。

 そうなれば、生死を分ける新型コロナウイルス予防ワクチンの配布加速など、政策を実行に移す上で、
バイデン氏の就任直後という重要な時期に、議論を二分するトランプ氏の問題が再びのしかかるのは確実だ。そして注目を浴びることを生きがいとするトランプ氏は、望むものを引き続き手にすることになる。つまり、単純にトランプ氏に消えてほしいと願っている政敵の希望は、打ち砕かれるのだ。

 これに加え、国民の分断や政治的な報復を乗り越え、国家の結束を促したいとの意向を度々表明している
バイデン氏が個人的にトランプ氏への報復を支持する立場を示せば、同氏の主張は説得力を失うとの指摘が共和党内からは出ている。また、トランプ氏が議事堂乱入前に行った集会で、支持者らに対して選挙結果を覆すよう「死に物狂いで闘え」と促した一方で、「平和的かつ愛国者的に」行進せよとも指示していた事実を踏まえると、トランプ氏を暴動の扇動者とする主張は根拠に欠けるとも共和党は訴えている

 ただ、共和党議員の多くが、トランプ氏の扇動的なレトリックや選挙が盗まれたとする主張を巧妙に、もしくは明確に許容していた経緯を踏まえると、大半の民主党議員にとっては、ここにきて国家の融和や癒やしを求める声は空虚に響く。

 だが歴史を振り返ると、過去にも国家の傷を癒やすため、新たに就任した大統領が困難な選択をした事例がある。南部出身のジェームズ・モンロー大統領は、自身の当選によって悪化した南北の政治分断を癒やすため、就任直後に北部の州を歴訪した。スキャンダルで政権を追われ短命に終わったとはいえウォーレン・ハーディング大統領も第1次世界大戦後に残った傷を癒やすため、徴兵に抵抗するなど扇動的な行為で有罪となった社会主義者のユージーン・V・デブスの刑期を減刑した。

 そして
最も広く知られるのが、ウォーターゲート事件の裁判のトラウマ(心的外傷)から国家を救うため、ジェラルド・フォード大統領は前任者のリチャード・ニクソンを恩赦した。フォード氏の恩赦決定は反発を招き、おそらく1976年の選挙で敗北する要因となった。だが、歴史的には好意的に解釈されている。

 歴史学者のスティーブン・オークス氏は「それぞれ(の大統領)――哀れなハーディングでさえ――冷静さを取り戻す必要があると考えた」と話す。

 
次期大統領にとって、このような状況で容易な選択肢はない。歴史を踏まえても、また公職者による将来の正しい言動を促すためにも、先週の議会占拠に関する何らかの報いが必要だ。しかしながら、どのような報いにすべきか決定することは簡単なことではない――そして、バイデン氏が望んでいない選択肢であることも確かだ。

 議会選挙事件を経て、民主党議員に加え、一部の共和党議員さえも、あと数日の任期となったトランプ氏への退陣要求を強めているのだそうです。
 トランプ氏が自ら辞任するか、合衆国憲法修正第25条の発動のいずれかを通じて、トランプ氏の免職を求めているが、双方とも実現する見込みは薄いと。
 残る選択肢はトランプ氏が任期まで大統領職にとどまるのを静観するか、議会乱入を誘導したとしてトランプ氏を下院で弾劾訴追し、上院で弾劾裁判にかけるかだが、現状では弾劾の公算が大いとのことですが、民主党は弾劾決議案を下院に提出しましたね。
 米民主党、トランプ氏の弾劾決議案を下院に提出 罷免なければ採決へ - BBCニュース

 民主党は、トリプルブルーを達成しましたから、上院での可決にまにあうのでしょうか。
 バイデン氏の就任後となれば、すでに退任した大統領を弾劾裁判にかけることが可能かどうかという新たな問題も浮上してくると。
 就任直後となると、新型コロナウイルス予防ワクチンの配布加速など、新政権の政策実行に追われる中、議論を二分するトランプ氏の問題が再びのしかかることになる。
 その時、国家の結束を促したいとの意向を度々表明しているバイデン氏が個人的にトランプ氏への報復を支持する立場を示せば、同氏の主張は説得力を失うとの指摘が共和党内からは出ていると。
 
 しかし、過去にも国家の傷を癒やすため、新たに就任した大統領が困難な選択をした事例があるのだそうですね。
 最も広く知られるのが、ウォーターゲート事件の裁判のトラウマ(心的外傷)から国家を救うため、ジェラルド・フォード大統領は前任者のリチャード・ニクソンを恩赦した件。
 フォード氏の恩赦決定は反発を招き、おそらく1976年の選挙で敗北する要因となった。だが、歴史的には好意的に解釈されていると。

 国民の分断や政治的な報復を乗り越え、国家の結束を促したいとの意向を度々表明しているバイデン氏が、トランプ氏の弾劾にどのような姿勢で臨むのか。
 トリプルブルーが成った議会の状況では、民主党の議案は可決可能ですが、トランプ氏も過去の当選大統領を上回る票を獲得しています。その国民への配慮が、政権の安定運営には欠かせません。
 お手並み拝見といったところです。
 しかし、議会への乱入事件では、トランプ氏は平和的にと言ったとはいえ、デモ行進を促したのは事実。次回の大統領選での評価を下げたことには違いないですね。



 # 冒頭の画像は、米連邦議会議事堂になだれ込むデモ隊




 この花の名前は、原種ヘラボラス
 
 
2月 7日は、北方領土の日


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