遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

インボイスを用いた経理方式の導入正式決定

2015-11-28 23:58:58 | my notice
 読売新聞は、27日の朝刊 1面トップで、政府・与党が消費税率10%導入時に軽減税率を設けるのに伴い、請求書などに税率や税額を明記するインボイス(税額票)を用いた経理方式の導入を正式に決めたと報じました。
 軽減税率導入に伴い、その計算事務に対してインボイス導入の議論はされてきていましたが、政府が導入を決定したとの報道は初めて接したので様子を見ていますが、他紙やTV等での報道に接しません。ネットで検索しても、正式決定のニュースはみつかりません。
 その疑問はさておき、インボイスの導入に反対論が多いのは何故でしょう。軽減税率の導入で消費税率が複数して事務負担が増えると反対論が多いのは何故でしょう。
 欧州では軽減税率が導入実施され、インボイスも普及していますが、欧州で出来ていることが、日本では出来ないのは何故なのでしょう。日本人は、欧州人より頭がわるいからでしょうか。単なる従来のやり方を変える事への反対なのでしょうか。それとも他に理由があるのでしょうか。輸出業務では必須で実践済のインボイスなのですが...。

 
軽減税率でインボイス導入決定、当初簡素経理も : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
 【日本の解き方】消費税のインボイス導入で「益税問題」も解決可能だ 領収書使用で抵抗も少ないはず - ZAKZAK 
インボイス導入へ 益税対策 手つかず 中小配慮 公平性に課題 (11/27 読売・スキャナー)

 請求書などに税率や税額を明記するインボイス(税額票)の導入が正式に決まり、世界標準に遅れた日本の経理方式は大きな転換点を迎えるインボイスは脱税などの不正を防ぐ決定打とされ、公正な納税制度の確立が期待できる

 一方で、
小規模な事業者への優遇策は強化され、「益税」の対策は先送り
された。軽減税率の導入にあたっては、幅広い国民の理解を得る努力が欠かせない。 (経済部 関根晃次郎、沼尻知子)

■税率チェック
 消費税法は現在、帳簿に記載した売上高や仕入れ額から納税額を計算する「請求書等保存方式」を採っている。証拠書類として請求書の保存が義務づけられているが、税率や税額を記載する必要はない。
 これに対し、インボイスも事業者間でやり取りする請求書の一種だが、取引ごとに税率や税額、事業者番号などを記載する点で異なる。インボイスを発行する事業者には写しが残り、受け取った事業者にも保存義務がある。
 
税務署はインボイスを突き合わせてチェックすれば、税率のごまかしを見破ることができる。
 インボイスには本体価格や税額が記載されているため、明確に区別して管理できる。事業者はインボイスに基づき、支払った税額と受け取った税額をそれぞれ積みhげ、差額を納税する。
 ただ、インボイスの義務づけまでは現在の請求書の書式を変えず、軽減対象品目に印を付けるだけで済む簡素な「区分記載請求書等保存方式」を認めることにした。

新優遇策「みなし特例」
■わずか10日

 
課税売上高が5000万円以下の事業者に対する納税面での優遇策は充実されることになった。業種ごとの「みなし仕入れ率」を用いて仕入れ時の税額を計算できる現在の簡易課税制度は益税を生むと指摘されていたが、存続が決まった。さらに、「みなし特例」という制度も加わる
 みなし特例は、わずか10日間のモデル期闇の販売実績で軽減品目の割合をはじき出し、年間を通じた軽減品目の販売割合とみなす仕組みだ。
 例えば、スーパーでこの10日間の売上高に占める軽減品目の割合が半分だった場合、年間を通じて半分とみなす。しかし、実際の年間売り上げで軽減品目の方が少ないと、客から受け取る税額は「みなし」で推計した税額より多くなる。その差が益税で、簡易課税制度で生まれる益税と二重になる形だ。
 仮に、モデル期間に軽減品目の販促キャンペーンを展開し、10%の商品の販売を抑えれば益税は膨らむ。自民党税制調査会の宮沢洋一会長は26日の記者会見で、こうした販促キャンペーンで軽減品目の割合を算出することを禁じると強調したが、実効性は不透明だ。
 こうした
特例でも対応できない事業者には、主に軽減対象の商品を取り扱っている場合に限り、売上高の半分を軽減品目とみなす方式を設ける。個人経営の青果店や鮮魚店などを想定している。

 
課税売上高が1000万円以下の事業者は引き続き、納税しなくてもいい「事業者免税点制度」が適用されることになった。主に個人事業主などが対象だ。
 
益税は、簡易課税制度と事業者免税点制度によってもたらされ、国と地方の分を合わせて6000億円規模と推計される。税率引き上げと新たな特例の影響で、増税後は益税の拡大が避けられない
。事務負担増への反発を和らげるために「税制の信念を曲げてでも設計した苦肉の策」(与党幹部)だ。

■抜本見直し
 インボイスを義務づけた後、簡易課税制度やみなし特例をいつまで続けるかや、どう見直すかについて、政府・与党は明らかにしていない。
 本来の税額を納めてきた事業者が、インボイスに沿って厳格な経理を求められることを考慮すると、不公平感が増すことになる。東京都内のスーパー経営者は「業績が好調だと(優遇策の)対象外になる。
お客さんから消費税分を受け取っていても納税しないのは不公平だ
」と批判する。
 現在の簡易課税制度で、仕入れにかかる税額を算出するために用いる「みなし仕入れ率」は6区分しかないが、ドイツでは約50に細分化されている。取引実態との乖離を抑えるためだ。
日本も今後、
簡易課税制度などの抜本改革が欠かせない


税の不信感 増す恐れ 浅羽隆史・成蹊大教授(財政学)の話
 「インボイスの導入を決定したことは評価できるが、時期を明示していない。税率が複数になるとインボイスは必須で、出来るだけ早く導入するのが望ましい。
簡易課税制度は当初、課税売上高5億円以下の事業者が対象だったが、現在は5000万円以下まで引き下げられた。それでもなお、同様の制度をもつ海外諸国より上限が高い。消費税率が上がれば、益税の規模は現在よりも膨らむだろう。対策を講じなければ、国民の税に対する不信感や不公平感が増す

 消費税導入時に設定された簡易課税制度。消費者から消費税を貰いながら、仕入れとの差額の納税すべき税を納入しないで利益として取得できる「益税」が生じている制度。納税額を計算する事務負担増への反発を和らげるために導入された制度ですが、温存され、更に、「みなし特例」という制度も加わるのだそうです。消費者には増税の負担を強いて、その負担を軽減させる制度を設けるために、小規模業者とは言え「益税」を拡大させる!
 事務負担は、IT導入(商品マスターで区分設定など)で軽減可能です。そのための投資が必要ですから、一定期間の猶予を設け、その間の「益税」で投資の負担軽減を図るなどの策を講じればよいだけです。
 軽減税率の導入如何にかかわらず、インボイスの導入は、仕入れで支払う消費税額を正確に確認出来、消費増税による仕入れコストアップの転嫁をスムースにするメリットも生じます。消費税が今後も上昇することが予測されますが、その都度「益税」が増える不公平の解消策にもなります。
 冒頭のリンクでの高橋氏の他も、インボイスの導入で、日本の税制を世界標準に近づけて、クリアで平等な制度に転換すべきとの意見があります。賛成です。
 

軽減税率 識者に聞く 早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問 野口悠紀雄氏 (11/28 読売朝刊)

インボイス手間変わらず
 消費税率が2桁になれば、
軽減税率の導入はやむを得ない。現金を低所得者に給付するとなれば、誰を対象に、いくら支払うかが非常に難しいからだ。軽減税率は生活必需品など適用品目の目安がつきやすい。欧州で一般的に導入されているのは現実的
といえる。
 ただ、例えば食料品の中でどこまでを
軽減対象にするかという点には客観的な答えはない。線引きは政治で決めるべき問題
だ。
 軽減税率論議で「財源がない」というのは、おかしな論理だ。税収の見込みが減るのが嫌なら、もっと税率を上げればいい。中小企業の納税事務の負担が増えるという意見もあるが、税制が複雑になった今の時代、納税にコストがかかるのは仕方がないだろう。
 
企業は取引で請求書を発行しており、請求書に税率と税額を明記するインボイス(税額票)を導入しても手間は変わらない。
経理事務はほぼ電子化されておりすぐ対応できるはずだ。
 
インボイスが導入されると、仕入れで支払う消費税額を正確に確認できる。中小企業にとっては、適正に増税分を価格に上乗せして請求しやすくなるメリットもある。優遇策である簡易課税制度や事業者免税点制度は、インボイスの導入とともになくすべきだ。



 # 冒頭の画像は、与党税制協議会であいさつする自民党の宮沢洋一税制調査会長(右)と公明党の斉藤鉄夫税制調査会長(左)




  この花の名前は、ハキダメギク


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