遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

習近平の窮状が滲む全人代

2021-03-09 01:23:56 | 中国 全般
 「社会主義」と「市場経済」のせめぎあいが注目されると近藤氏が注目すると紹介させていただいた今回の全人代。
 改革開放経済を推進し、今日の経済大国に導いた鄧小平を継承する共青団派の李克強首相が、毛沢東時代の専制政治への回帰を目指す習近平への反旗を顕したとの評価が聞こえてくる大会となった様ですね。
 王毅外相の対米けん制記者会見。少子化対策での産児制限撤廃。財政の不動産依存の加速に伴う不動産価格の高止まり等々、習近平政権の窮状が顕在化してきています。

 中国・王毅外相“暴言連発”で厚顔無恥ぶり世界発信! 「ジェノサイド」認定は「デマ」、台湾の「統一は必須」 石平氏「もはや国際世論を考慮する余裕ない」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

 
中国共産党100年 21年全人代 王外相記者会見
中国、対米けん制前面
 (3/8 読売朝刊)

香準・台湾 「核心的利益」強調

【北京=中川孝之】
中国の王毅国務委員兼外相は7日の記者会見で、焦点の米中関係について「核心的利益の侵犯は絶対に許さない」と述べ、米国のバイデン政権を強くけん制した。米国の対中政策の基調が徐々に厳しさを増す中、習近平政権にも妥協の姿勢はみえない。

■険しい表情
王氏の記者会見は、1月20日のバイデン政権発足後初めて。王氏は、米記者の質問に答える形で「
中米関係では何よりも、内政不干渉の原則を守るべきだ。米国は民主や人権を口実に他国の内政に干渉し、世界の動乱と戦争の根源になった」と険しい表情で訴えた。
中国が対米関係で
内政干渉と主張するのは香港のほか、少数民族弾圧が懸念される新彊ウイグル自治区、台湾など、絶対に譲歩できない「核心的利益」と位置づける問題だ。開催中の全人代では、民主派の排除につながる香港の選挙制度の見直し案が審議されている。
王氏は、
民主や人権を重視するバイデン政権の批判が一層強まる事態を想定し、けん制する発言を前面に押し出したとみられる。
台湾を巡る問題についても、「『一つの中国』原則は越えてはならないレッドラインだ。米新政権は、一線を越えた前政権のやり方を全部変えるべきだ」と注文を付けた。
米中が協力できる分野については、「リストは出そろっている」として、新型コロナウイルス対策と世界経済の復興、気候変動分野の三つをあげた。だが、こうした対米関係の改善についての発言は後回しにされた。

■日本には秋波
1時間40分に及んだ記者会見で、
米国の同盟国や友好国については批判を抑制した。
日本については沖縄県・尖閣諸島の領有権の主張は展開せず今夏の東京五輪とその半年後の北京冬季五輪について「両国民の友好感情を深める機会とすべきだ」などと秋波を送った
昨年から国境地帯で軍同士がにらみ合うインドには
「中印は友人で、互いの脅威ではない」と語った。日米豪印4か国の枠組み「クアッド」で、初の首脳会談が今月予定される中、対中包囲網の切り崩しを図る狙いがうかがえる。
習政権は、発展途上国に対しては、新型コロナの中国製ワクチンの提供や経済支援により、引き続き影響力の拡大を図る構えを見せる。王氏は、
2月に開始したワクチンの無償援助の対象国・地域が計69に拡大したことを明らかにした。中国の製薬会社による輸出も43か国に上るという。


少子化対策提案相次ぐ 全人代・政協 「産児制限撤廃」も

【北京=川瀬大介】中国北京市で開催中の
全国人民代表大会(全人代=国会)と国政助言機関・人民政治協商会議(政協)で、産児制限全廃など早急な少子化対策を政府に求める提案が相次いでいる。1979年から続いた二人っ子政策」が2015年末に廃止された後も、出生数減少に歯止めがかからないためだ。
政府系研究機関の社会保障専門家の政協委員は中国メディアに対し、夫婦1組あたり原則2人までとする産児制限を新5か年計画(21~25年)の期間中に全面撤廃するよう提案したことを明らかにした。理由について「出生率が下がり、事態は急を要する」としている。
このほか、現在は
男性22歳、女性20歳の法定結婚年齢の引き下げ子供が多い家庭への減税低収入家庭への出産補助金の支出といった提案も出ている。

中国の少子化は深刻だ。国家統計局などによると、19年の出生数は約1465万人と1961年以降最低だった。女性1人が生涯に産む子供の推計数を示す合計特殊出生率も1.6台に落ち込む。中国政府も危機感を強め、5日に始まった全人代に上程された新5か年計画案にも、「適正な出生率の実現を促す」と明記された。
少子化が続けば経済力の低下につながりかねず、今後さらに加速する高齢化への対応も難しくなる。在米の人口問題研究家・易富賢氏は香港紙・明報に対し、早ければ今年中にも、政府が産児制限の全面撤廃を宣言するのではないか」との見方を示した。
ただ、
産児制限が全廃されても効果は見通せない。高い教育費や不動産価格の高騰、経済成長に伴う価値観の変化で、子供を持たない選択をするカップルは増えている。遼寧省藩陽の既婚女性(28)は「生活水準を下げたくないから、出産するつもりはない」と語った。

 王毅外相は、7日の記者会見で、焦点の米中関係について「核心的利益の侵犯は絶対に許さない」と述べ、米国のバイデン政権を強くけん制したのだそうです。
 香港のほか、少数民族弾圧が懸念される新彊ウイグル自治区、台湾など、絶対に譲歩できない「核心的利益」と位置づける問題に対し、「中米関係では何よりも、内政不干渉の原則を守るべきだ。」と訴え、民主や人権を重視するバイデン政権の批判が一層強まる事態を想定し、けん制する発言を前面に押し出したのだと読売。
 台湾を巡る問題についても、「『一つの中国』原則は越えてはならないレッドラインだ。米新政権は、一線を越えた前政権のやり方を全部変えるべきだ」と注文を付けたのだそうです。
 一方、米国の同盟国や友好国については批判を抑制したのだそうで、バイデン政権が、諸国との連携を強めて対中対抗包囲を進める気配に、みえみえの分断戦術をとろうとの意図のようですね。

 トランブ政権時代に、新冷戦時代に突入し苦戦。バイデン新政権の様子をみていたが、包囲網構築は今のところ変わらないとみてのけん制。

 深刻な中国の少子化。(日本もひとごとではありませんが)
 全人代と国政助言機関・人民政治協商会議(政協)で、産児制限全廃など早急な少子化対策を政府に求める提案が相次いでいるのだそうです。
 男性22歳、女性20歳の法定結婚年齢の引き下げや子供が多い家庭への減税、低収入家庭への出産補助金の支出といった提案がだされているのだそうで、全人代に上程された新5か年計画案にも、「適正な出生率の実現を促す」と明記されたと。
 ただし、高い教育費や不動産価格の高騰、経済成長に伴う価値観の変化で、子供を持たない選択をするカップルは増えていて、産児制限が全廃されても効果は見通せないと。

 その不動産価格の高騰。犯人は、地方財政によるものなのだそうで深刻。
 
新型コロナ: 中国地方財政、不動産頼み 売却収入が税収5割相当: 日本経済新聞 2021年2月18日

【北京=川手伊織】中国で財政の不動産依存が加速している。地方政府が2020年に国有地を不動産会社に売って得た収入は、中央と地方を合わせた税収総額の5割を超えた。景気対策の減税などで税源が細るなか、マンション開発に伴う収入が地方財政を支える構図だ。北京市や上海市など大都市を除けば不動産市況が停滞する地方も多く、不動産頼みも限界が近い。

国有地の売却収入は日本の特別会計にあたる「政府性基金」で管理している。20年は前年比16%増の8兆4142億元(約135兆円)となった。税収の柱である増値税(付加価値税)と企業所得税(法人税)を合わせた額に匹敵する。
地方政府の貴重な財源だ。

一般会計で管理する20年の税収は、15兆4310億元で2.3%減った。新型コロナウイルス対応の減税や名目経済成長率の鈍化で、
財政収入は44年ぶりに減少した。土地売却収入の税収に対する比率は55%に達し、15年の26%から2倍に高まった。

土地売却収入のほかにも、
地方税収には城鎮土地使用税など不動産関連5税がある。20年分は未公表だが、19年までの10年間で4倍に増え、地方税収の25%を占める規模に拡大した。不動産関連の財源がなければ、地方財政が維持しにくくなっている

都市間の優勝劣敗も鮮明になっている。不動産市況の好不調が土地売却収入などの増減に直結し、地方財源の格差を生んでいる。

北京市、上海市、広州市、深圳市の1級都市では、新型コロナ対応の金融緩和であふれたマネーが不動産市場に流れ込み、マンション取引が活発だった。20年の土地取引面積はいずれも前年より2桁増えた。この結果、土地売却収入も北京市で15%増、他の3都市は5割増えた。重慶市や西安市など内陸の拠点都市も収入が増えた。

対照的に、不動産の取引面積が前年を下回った天津市や鄭州市は、土地売却収入も減少し予算を割り込んだ。新型コロナの爪痕が深く、不動産需要が戻らないためだ。中国メディアによると、天津市は20年11月の土地売却オークションで開発業者の入札がゼロだったという。19年に続き予算割れで、20年は予算を4割超も下回った。

不動産関連の収入がしぼめば、地方政府の債務返済にも影響しかねない。例えば、「専項債」と呼ぶインフラ債券は土地売却収入が9割を占める政府性基金を主要財源として返済する。20年の同債券発行額は3兆7500億元と、前年より1兆6000億元増やした。

インフラ投資は新型コロナの打撃から経済を立て直すけん引力になったが、増発した分の返済圧力も高まる。不動産シンクタンク、易居不動産研究院の厳躍進氏は「土地の売買が不調なら、地方政府の債務管理などに影響を及ぼしうる」と、将来のインフラ投資への影響を懸念する。

不動産市場を下支えしようと、外部から来た人に対する戸籍制限を一段と緩和する動きも広がっている。

福州市は1月から、学歴や年齢、職業といった戸籍付与の条件を撤廃した。高度人材だけでなく、農村からの出稼ぎ労働者(農民工)を含めた一般的な労働力の流入を増やし、人口規模を拡大する狙いだ。19年の同市の戸籍ベースの人口は約710万人。同市幹部は中国メディアに「35年までの1000万人突破が目標」と明言している。

蘇州市は賃貸物件に居住する人にも戸籍を開放する。中国では戸籍取得の条件に持ち家の有無を掲げる都市も多い。戸籍の付与を通じて、賃貸居住者が受けられる公共サービスの質を高めることで、人口流入を促す。

同市は同じ省の南京市と、戸籍取得に必要なポイントを相互承認する。外来者は両都市を行き来する限り、これまでためたポイントが無駄にならない。近隣の大都市どうしで人材の流動性を高めて、都市圏を拡大させる狙いもある。

青島市などは高学歴人材などに絞って条件を緩和している。不動産市況が好調な広州市なども同じような政策を打ち出す。「労働力人口が減少するなか、都市の魅力が高いうちに将来の高度人材や労働力を確保する狙いがある」との指摘もある。

 地方政府が2020年に国有地を不動産会社に売って得た収入は、中央と地方を合わせた税収総額の5割を超えたのだそうです。
 地方税収には城鎮土地使用税など不動産関連5税があり、不動産関連の財源がなければ、地方財政が維持しにくくなっていると。
 
 このため、政策で不動産価格の高止まりを維持しなくてはならない窮状。
 庶民には生活に圧力となり政権支持率にも影響も。

 改革開放を称える団派の李克強首相が、台頭する機運が産まれている様子がうかがえます。

 

 # 冒頭の画像は、王毅外相




  この花の名前は、ダンコウバイ


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