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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

蔡英文の台湾 過度の対中依存からの脱却を視野に入れたTPP参加

2016-01-20 23:58:58 | 中国 全般
 台湾経済の生命線を一つ一つつぶし、中国依存を深めざるをえない状況に追い込む。そんな中国の戦略から逃れる手段として、中国への過度な経済依存を実現する必要から、民進党・蔡英文氏は、TPP参加を目指すことにしたのだそうです。
 日米はどう応じるのか。台湾のAIIB参加を含め、中国は反発するのかしないのか。政権交代した台湾と中国の関係は、どう推移するのでしょう。
 

脱中国へ「TPP参加」 過度な依存に危機感 (1/20 読売朝刊 [蔡英文の台湾]<中>)

 政権奪還後にらみ 「蔡英文(ツァイインウェン)支持は、米国産豚肉の輸入の支持」

 1200か所を超える養豚場がある台湾中部の雲林県。総統選投開票を控えた1月前半、完成間もない新しい高速鉄道の駅舎を出ると、田園風景の各所に、
畜産業者に民進党の蔡英文主席の不支持を呼びかける横断幕が掲げられていた。
 米国が台湾に求めてきた豚肉輸入の規制緩和。台湾の畜産業者や米国の成長促進剤使用を懸念する消費者は、規制緩和を支持する蔡氏を「変節者」ともみなしている。
 
蔡氏は消費者保護を掲げて規制緩和に反対していたが、昨年5~6月、総統選を前に訪米した後に支持に転じた。民進党の政権奪還が現実味を帯びてきた中、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加が必要との政策判断に至り、米国から支持を得るために規制緩和へ方針転換した
とみられている。

成長鈍化
 19日、中国の昨年の国内総生産(GDP)成長率が25年ぶりの低い伸び(前年比6・9%=速報値)だったと発表された。馬英九(マーインジウ)政権下で経済の対中依存を深めてきた台湾は、中国の減速を受け、2015年の輸出額は前年比10・6%減、経済成長率は約1%にとどまる見通しとなっている。
 
民進党幹部は、TPP参加の狙いを「(中国ではない)選択肢を増やすため」とひと言で言い切る。蔡氏は対中関係悪化に備え、ベトナムなど東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国への企業進出を後押しする戦略も描く。過度の対中依存からの脱却を視野に入れたTPP参加は、台湾を新たな枠組みに取り込み、中国へのけん制を狙う日米の思惑とも一致する。また、輸出品目の似た韓国だけが参加する事態となれば、台湾が大打撃を受けるという危機感もある。


中国の思惑
 ただ、豚肉問題が解決しても、
TPP参加には、「台湾は中国の一部」との原則を掲げる中国から理解を得る必要がある。
 中国はこれまでのところ、台湾のTPP参加には公式に言及していない。米主導の
TPPに自ら参加する余地を残すため、台湾の先行参加を有効利用する考え
もあるようだ。中国が蔡氏に対し、今後、TPP参加への態度をカードとしてちらつかせる可能性もある。
 それだけではない。
中国は、台湾の主要産業の電子機器を中心とした製造業に攻勢をかけようとしている

 台湾企業は技術力を生かして部品を輸出し、世界的なサプライチェーン(供給網)の一角を占めて成長してきた。しかし、
昨年12月11日、台湾の半導体関連企業2社が中国のIT大手「紫光集団」の出資受け入れを表明。14年に半導体製造の「国産化」推進を打ち出した中国政府の方針の下、不景気にあえぐ台湾半導体産業は中国企業の「草刈り場」になる
恐れがある。
 
中国企業の技術力向上で、台湾からの部品調達の必要性も低下している。蔡氏の経済ブレーンでもある台湾経済研究院の龔明鑫副院長は「サプライチェーンに頼る経済モデルは限界だ」と語り、新政権は新産業の振興や内需の拡大といった経済構造改革を進めざるをえない
との見通しを示した。

 
台湾経済の生命線を一つ一つつぶし、中国依存を深めざるをえない状況に追い込む――。中国のそんな戦略も垣間見える。中国の中台関係研究者は余裕の表情でつぶやいた。「台湾経済の出口はある。中国はいつも門戸を開けて待っている」

 中国に飲み込まれることへ「NO」の回答を出した台湾国民。そのためには、過度な中国依存経済から脱却する必要があり、TPPへの参加で中国以外の選択肢を増やすことは、台湾にとっては必要不可欠な政策ですね。
 これに対し、中国が反発をするのかと思いきや、静観をしているのだそうで、TPPに自ら参加する余地を残すため、台湾の先行参加を有効利用する考えもありうるのだとは、中国の余裕なのでしょうか、したたかさなのでしょうか。
 「台湾経済の出口はある。中国はいつも門戸を開けて待っている」と語る中国の研究者の余裕は、台湾経済は中国依存から逃れられないとの自信に満ちているのですね。
 経済成長の減速が顕著となり、投資が減り、逆に海外へ退避する流れが強まる中、そんな余裕があるのでしょうか。

 鴻海が、インドに進出する計画を打ち出したのは、人件費が高騰する中国から、新規需要の成長が見込めるインドへの生産拠点移動の目的だけではなく、対中関係のこうした変化も予見してのリスク回避も考慮してのことだったのでしょうか。

 
鴻海精密、インドに50億ドル投資へ-工場や研究開発施設 - WSJ
 [FT]台湾・鴻海、製造拠点を中国からインドへ  :日本経済新聞


 # 冒頭の画像は、昨年5月に来日し、宇部空港で歓迎の花束を受け取る民進党の蔡英文主席




  この花の名前は、ドクダミ




政府広報(北方領土問題) - YouTube

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