
中国の習近平国家主席は内陸部の甘粛(かんしゅく)省で地方視察を始めた。
その内容は、「視察」というよりも物見遊山に近いもので、手に負えなくなった政治難題からの逃避行そのもの。
一番肝心な時の「逃げの一策」は常に習主席の「危機管理法」となるらしいと石平氏。
香港では約170万人の市民が最大級規模の抗議デモを行い、米中両国が互いに制裁関税の税率引き上げや報復関税を課するなど、米中貿易戦争は激しさを増し、アメリカ政府は、中国側の激しい反発を無視して台湾へのF16V戦闘機の売却を決定。
中国国内では、貿易戦争の悪影響もあって経済の衰退はより一層明確化。
このような内憂外患の最中に、名所古跡の見物に興じたり「文物保護」などの悠長なテーマで座談会を開いたりしている。
習主席がこの時期に甘粛を視察したのにはそれなりの理由があると石平氏。
つまり、貿易戦争からも香港問題からも逃げることができる。習主席の甘粛視察は、手に負えなくなった政治難題からの逃避行そのものだと。
しかも、習近平の逃避行は初めての事ではないとも。
昨年9月25日、米トランプ政権が対中制裁関税第3弾を発動した直後から、習主席は、貿易戦争からの打撃を最も受けやすい沿岸地域を避けて、内陸部の黒竜江省を視察したのだそうです。
一番肝心な時の「逃げの一策」は常に習主席の「危機管理法」となるらしいと。
米中貿易戦争の拡大や香港危機の長期化は全部、習主席自身の失策・失敗の招いた結果。
しかし、彼は自ら作り出した深刻事態に対して最後まで責任を負わない。最高指導者としては「最低」というしかないと。
このような指導者が最高権力の座に居て独裁政治を行っていると、今後の中国が危機多発の中でますます沈没していくのが目に見えるようであると石平氏。
さらに、こんな習近平氏を最高指導者に頂いたことは、共産党政権の運の尽きであって中国という国の不幸でもあると。
定年制を廃し、生涯主席の座に就くことを可能にし、今日の中国の繁栄の基を造った鄧小平の集団指導体制での改革開放経済体制を、毛沢東時代の専制政治に戻そうとしている習近平。
失政での中国経済失速の中、国民の不満の高まりや、共青団派などの対抗勢力の反攻にどう対処し、政権の維持を果たすのか。
第二の天安門事件になりかねない香港情勢、米国との覇権争いが表面化している「新冷戦時代」への突入、経済成長への打開策の「一帯一路」の「債務の罠」の露呈による頓挫。
噴出する難題に、逃避行したくなる気持ちはわからなくないことはありませんが、自分が蒔いた政策失敗の結果。
どのようにして収拾するのか、お手並み拝見ですね。
気をつけねばならないのは、「新冷戦」の相手の打倒米国で、日米同盟や、米国を軸とした自由主義国の連携崩しの戦術への対応。
手近なところでは、韓国の剥ぎ取りと、日本への接近。
長期政権の効果として、国際外交の場で役割に期待され始めている安倍政権の対応が注目されますが、立ち位置を見誤ると逆効果。
世界のひのき舞台で重要な役割を担うには、当然難題解決の能力が問われます。気負わず、しかし大胆な行動が、日本の安倍内閣に求められていますね。
# 冒頭の画像は、TICAD7の参加者

この花の名前は、バイカウツギ
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その内容は、「視察」というよりも物見遊山に近いもので、手に負えなくなった政治難題からの逃避行そのもの。
一番肝心な時の「逃げの一策」は常に習主席の「危機管理法」となるらしいと石平氏。
【石平のChina Watch】習主席の「逃げの政治」 - 産経ニュース> 2019.8.29
今月19日から、中国の習近平国家主席は内陸部の甘粛(かんしゅく)省で地方視察を始めた。その日、彼はまず万里の長城の一部である嘉峪関(かよくかん)を訪れた。その後は敦煌(とんこう)へ行き、仏教遺跡である莫高窟(ばっこうくつ)を見学した。最後には敦煌研究院の専門家たちを招いて座談会を開き、中国の「文物保護」について「重要講話」を行った。
以上のような視察日程は、「視察」というよりも物見遊山に近いものであるが、テレビの画面でこの光景を眺めた多くの中国国民は、多大な違和感を覚えたはずだ。
その前日の18日、香港では約170万人の市民が最大級規模の抗議デモを行い、香港政府と、その背後にある中国政府への対決姿勢を鮮明にした。
一方では、米中両国が互いに制裁関税の税率引き上げや報復関税を課するなど、米中貿易戦争は激しさを増している。アメリカ政府は、さらに、中国側の激しい反発を無視して台湾へのF16V戦闘機の売却を決めた。
中国国内では、貿易戦争の悪影響もあって経済の衰退はより一層明確な傾向となった。国内企業の倒産と外資企業の撤退が相次ぎ、失業の拡大が深刻化している。
まさにこのような内憂外患の最中に、最高指導者の習主席が、米中貿易戦争の最前線からも、緊迫した情勢の香港からも最も遠い西北部の甘粛省へ赴いた。そこで、名所古跡の見物に興じたり「文物保護」などの悠長なテーマで座談会を開いたりしている。
まさに、火事が家の玄関口に及んできているのに、一家の主人が裏庭で悠然と遊びに興じているかのような、摩訶(まか)不可思議な光景である。
もちろん、習主席がこの時期に甘粛を視察したのにはそれなりの理由もあろう。
「紛争の地」の香港から遠く、米中貿易戦争とも関係の薄い内陸地方へ行けば、喫緊の香港問題について発言しなくて済むし、地方の指導者たちを相手に「貿易戦争への対処」について何らかの「指示」を出す必要もない。
つまり、貿易戦争からも香港問題からも逃げることができるのである。
その一方、香港問題や貿易戦争の最前線から遠く離れたこの地で「文物保護」について格好の良い「指示」の1つ2つでも出せば、何とか最高指導者としての存在感をアピールでき、いくばくの満足感を味わうこともできよう。
要するに習主席の甘粛視察は、手に負えなくなった政治難題からの逃避行そのものなのである。
彼の場合、そんなのは初めてのことではない。
昨年9月25日、米トランプ政権が対中制裁関税第3弾を発動した直後から、習主席は、貿易戦争からの打撃を最も受けやすい沿岸地域を避けて内陸部の黒竜江省を視察した。どうやら、一番肝心な時の「逃げの一策」は常に習主席の「危機管理法」となるらしい。
結局のところ、米中貿易戦争の拡大や香港危機の長期化は全部、習主席自身の失策・失敗の招いた結果であるが、彼は自ら作り出した深刻事態に対して最後まで責任を負わない。最高指導者としては「最低」というしかない。
このような指導者が最高権力の座に居て独裁政治を行っていると、政治も経済も外交も全てがうまくいかない。今後の中国が危機多発の中でますます沈没していくのが目に見えるようである。
こんな習近平氏を最高指導者に頂いたことは、共産党政権の運の尽きであって中国という国の不幸でもあるが、われわれ日本にとっては別に悪いことでもない。
今月19日から、中国の習近平国家主席は内陸部の甘粛(かんしゅく)省で地方視察を始めた。その日、彼はまず万里の長城の一部である嘉峪関(かよくかん)を訪れた。その後は敦煌(とんこう)へ行き、仏教遺跡である莫高窟(ばっこうくつ)を見学した。最後には敦煌研究院の専門家たちを招いて座談会を開き、中国の「文物保護」について「重要講話」を行った。
以上のような視察日程は、「視察」というよりも物見遊山に近いものであるが、テレビの画面でこの光景を眺めた多くの中国国民は、多大な違和感を覚えたはずだ。
その前日の18日、香港では約170万人の市民が最大級規模の抗議デモを行い、香港政府と、その背後にある中国政府への対決姿勢を鮮明にした。
一方では、米中両国が互いに制裁関税の税率引き上げや報復関税を課するなど、米中貿易戦争は激しさを増している。アメリカ政府は、さらに、中国側の激しい反発を無視して台湾へのF16V戦闘機の売却を決めた。
中国国内では、貿易戦争の悪影響もあって経済の衰退はより一層明確な傾向となった。国内企業の倒産と外資企業の撤退が相次ぎ、失業の拡大が深刻化している。
まさにこのような内憂外患の最中に、最高指導者の習主席が、米中貿易戦争の最前線からも、緊迫した情勢の香港からも最も遠い西北部の甘粛省へ赴いた。そこで、名所古跡の見物に興じたり「文物保護」などの悠長なテーマで座談会を開いたりしている。
まさに、火事が家の玄関口に及んできているのに、一家の主人が裏庭で悠然と遊びに興じているかのような、摩訶(まか)不可思議な光景である。
もちろん、習主席がこの時期に甘粛を視察したのにはそれなりの理由もあろう。
「紛争の地」の香港から遠く、米中貿易戦争とも関係の薄い内陸地方へ行けば、喫緊の香港問題について発言しなくて済むし、地方の指導者たちを相手に「貿易戦争への対処」について何らかの「指示」を出す必要もない。
つまり、貿易戦争からも香港問題からも逃げることができるのである。
その一方、香港問題や貿易戦争の最前線から遠く離れたこの地で「文物保護」について格好の良い「指示」の1つ2つでも出せば、何とか最高指導者としての存在感をアピールでき、いくばくの満足感を味わうこともできよう。
要するに習主席の甘粛視察は、手に負えなくなった政治難題からの逃避行そのものなのである。
彼の場合、そんなのは初めてのことではない。
昨年9月25日、米トランプ政権が対中制裁関税第3弾を発動した直後から、習主席は、貿易戦争からの打撃を最も受けやすい沿岸地域を避けて内陸部の黒竜江省を視察した。どうやら、一番肝心な時の「逃げの一策」は常に習主席の「危機管理法」となるらしい。
結局のところ、米中貿易戦争の拡大や香港危機の長期化は全部、習主席自身の失策・失敗の招いた結果であるが、彼は自ら作り出した深刻事態に対して最後まで責任を負わない。最高指導者としては「最低」というしかない。
このような指導者が最高権力の座に居て独裁政治を行っていると、政治も経済も外交も全てがうまくいかない。今後の中国が危機多発の中でますます沈没していくのが目に見えるようである。
こんな習近平氏を最高指導者に頂いたことは、共産党政権の運の尽きであって中国という国の不幸でもあるが、われわれ日本にとっては別に悪いことでもない。
香港では約170万人の市民が最大級規模の抗議デモを行い、米中両国が互いに制裁関税の税率引き上げや報復関税を課するなど、米中貿易戦争は激しさを増し、アメリカ政府は、中国側の激しい反発を無視して台湾へのF16V戦闘機の売却を決定。
中国国内では、貿易戦争の悪影響もあって経済の衰退はより一層明確化。
このような内憂外患の最中に、名所古跡の見物に興じたり「文物保護」などの悠長なテーマで座談会を開いたりしている。
習主席がこの時期に甘粛を視察したのにはそれなりの理由があると石平氏。
つまり、貿易戦争からも香港問題からも逃げることができる。習主席の甘粛視察は、手に負えなくなった政治難題からの逃避行そのものだと。
しかも、習近平の逃避行は初めての事ではないとも。
昨年9月25日、米トランプ政権が対中制裁関税第3弾を発動した直後から、習主席は、貿易戦争からの打撃を最も受けやすい沿岸地域を避けて、内陸部の黒竜江省を視察したのだそうです。
一番肝心な時の「逃げの一策」は常に習主席の「危機管理法」となるらしいと。
米中貿易戦争の拡大や香港危機の長期化は全部、習主席自身の失策・失敗の招いた結果。
しかし、彼は自ら作り出した深刻事態に対して最後まで責任を負わない。最高指導者としては「最低」というしかないと。
このような指導者が最高権力の座に居て独裁政治を行っていると、今後の中国が危機多発の中でますます沈没していくのが目に見えるようであると石平氏。
さらに、こんな習近平氏を最高指導者に頂いたことは、共産党政権の運の尽きであって中国という国の不幸でもあると。
定年制を廃し、生涯主席の座に就くことを可能にし、今日の中国の繁栄の基を造った鄧小平の集団指導体制での改革開放経済体制を、毛沢東時代の専制政治に戻そうとしている習近平。
失政での中国経済失速の中、国民の不満の高まりや、共青団派などの対抗勢力の反攻にどう対処し、政権の維持を果たすのか。
第二の天安門事件になりかねない香港情勢、米国との覇権争いが表面化している「新冷戦時代」への突入、経済成長への打開策の「一帯一路」の「債務の罠」の露呈による頓挫。
噴出する難題に、逃避行したくなる気持ちはわからなくないことはありませんが、自分が蒔いた政策失敗の結果。
どのようにして収拾するのか、お手並み拝見ですね。
気をつけねばならないのは、「新冷戦」の相手の打倒米国で、日米同盟や、米国を軸とした自由主義国の連携崩しの戦術への対応。
手近なところでは、韓国の剥ぎ取りと、日本への接近。
長期政権の効果として、国際外交の場で役割に期待され始めている安倍政権の対応が注目されますが、立ち位置を見誤ると逆効果。
世界のひのき舞台で重要な役割を担うには、当然難題解決の能力が問われます。気負わず、しかし大胆な行動が、日本の安倍内閣に求められていますね。
# 冒頭の画像は、TICAD7の参加者

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