遊爺雑記帳

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来年19大(中国共産党第19回大会)に向けた「北戴河会議」

2016-08-01 23:58:58 | 中国 全般
 中国共産党の最高意思決定機関の、党中央政治局常務委員改選が5年に一度の党大会で行われ、それが来年、19大(中国共産党第19回大会)として開催されることは衆知のことです。そして、その骨格は、党長老を交えた、北戴河会議で決定され、今の時期に開催されます。
 党中央政治局常務委員の7つの椅子を巡り激しい政局バトルが展開されていることは、折に触れとりあげさせていただいてきました。
 腐敗政治撲滅の旗印を掲げ、政敵を駆逐し権力集中を進めてきた習近平。江沢民・上海閥と胡錦濤・共青団派との三つ巴のバトルですが、経済成長の減速、南シナ海の「九段線」の仲裁裁判所による否認といった重大マイナス要因発生の中、苦境に立つ習近平がどう動くのかに注目しています。
 長老の江沢民の近況の記事がありました。
 

90歳の元国家主席「動静報道」は先細り 上海支局長・河崎真澄 (8/1 産経 【視線】)

 2002年11月まで中国共産党の総書記を務め、03年3月まで国家主席、05年3月まで中央軍事委員会主席の座にあった江沢民氏が今月17日、90歳の誕生日を迎える
。「上海閥」を築き上げ、国内になおも強い影響力をもつ党長老だ。
 最高指導部の入れ替えを含む重要事案が決まる
5年に1度の党大会を17年秋に控え、「党内が幹部人事をにらむ不安定な時期に入り、政治的な変数になりうる江氏の動静や健康状態に関心が高まり始めた」
(北京の政治学者)という。

 江氏は
昨年9月3日、北京での「抗日戦争と反ファシズム戦争勝利70年」記念軍事パレードで、党長老として姿をみせた。現役の党総書記で、国家主席でもある63歳の習近平氏が「反腐敗運動」を通じて権力闘争を挑み続ける「上海閥」のトップが「健在」を誇示
した形だ。
 習氏にすれば、石油や電力、鉄鋼など数多くの業種で独占的な権益構造を作り上げてきた江氏ら政敵の同席も認めることで「党の団結」をアピールする狙いがあったようだ。一方で
その後、江氏の動静を伝える報道は先細り
となった。
 関係者によると、中国中央テレビ(CCTV)の映像で最後に江氏の姿が確認されたのは、軍事パレードの6日後の9月9日。かつて中央軍事委員会副主席を務め、100歳で死去した張震氏の葬儀に参列した。つえをつくこともなく、しっかりと自分の足で歩いたという。
 注目されていたのは
今年、創立120周年を迎えた母校、上海交通大学での4月8日の式典だ。過去に90周年、100周年、110周年のいずれも江氏は出席してきたが、今年は3月28日に江氏が書いたとされる祝賀メッセージが式典で飾られたのみで、姿は見せなかった

 このため党内や関係者の間に、江氏の健康問題や影響力の低下などで臆測が広がった。党内部や政府の権力闘争が闇の中で繰り広げられる中国において、当の本人が公の場に姿を現さないとなると昨年9月9日のように、要人らの葬儀をめぐる報道が限られた情報源となる。
 江氏に近かった最高指導部の前メンバー周永康前党中央政法委員会書記(73)が前例だ。12年11月の引退後、公式行事への参加報道がしだいに消え、さらに本来なら参列したり、花輪を贈ったりしてもおかしくない葬儀にその存在が確認できないケースが続いた。その後、13年12月に事実上、失脚が明らかになった。
 上海交通大学の式典に姿を見せなかった江氏に関しても4月以降、核兵器開発の功労者や宇宙航空産業の父と呼ばれた人物、さらに江氏が政権を握っていた時代の公安トップなどの葬儀で、参列や花輪などが報道で確認されていない。
 ただ、105歳で死去した広東省顧問委員会の元主任、寇慶延氏の6月20日の葬儀や87歳で死去した全国政治協商会議の元副主席、陳錦華氏の7月8日の葬儀には江氏の花輪があったと確認されている。
動静を伝える頻度が下がったとはいえ、江氏に調査の手が及ぶなど不測の事態が迫っている可能性は低そうだ

 21世紀にあっても秘密のベールにつつまれ、公開情報としては葬儀報道を頼りにせざるを得ない長老の動静。葬儀への参列者や花輪提供者の紹介順で、党内序列の変化など微妙な動きを推測するといった前時代的な手法も残っている。

 中国では毎年
8月上旬、河北省の避暑地である北戴河に党幹部や長老がひそかに集まり、党や政府の重要人事、政策などを議論するのが通例。会議は非公開だが、とりわけ来年の党大会で決まる最高指導部7人の顔ぶれが内々定する
との見方もあり、仮に江氏の出席か欠席が確認できれば重要な材料になるはずだ。
 関係筋によれば
江氏はここ数年、上海市内の迎賓館内か旧フランス租界の邸宅か、どちらかでひっそり暮らしているという。今年は北戴河入りするのか、90歳の誕生日をどこで、どう迎えるのか。注目が集まる。(かわさき ますみ)

 記事では、昨年9月3日、北京での「抗日戦争と反ファシズム戦争勝利70年」記念軍事パレードで、江沢民は、「上海閥」のトップが「健在」を誇示したとしています。ただ、共青団派の胡錦濤も同席しており、遊爺には両者とも老いて体力も衰え、老醜をさらされた様に見えたのですが、素人考えなのでしょうか。体力が衰えても、影響力を保持していれば、政局バトルは出来るのでしょうが。。
 記念軍事パレード以降、江沢民の消息は途切れがちになっているが、汚職調査の手が及ぶなど不測の事態が迫っている可能性は低そうだとのことで、「北戴河会議」への参加が注目されているとの事。

 共青団派は、李克強首相が現役の最高位にありますが、本来首相が管轄する経済に習近平が手を出してくることで、確執が深まりつつあることは既に触れました。

 
中国経済低迷の責任は、李克強なのか、習近平なのか - 遊爺雑記帳
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 今回の「北戴河会議」の焦点は、3つありひとつ目は、習近平主席の権力を更に集中させるかどうか。二つ目は、習近平の盟友・王岐山を残すことが出来るかどうかの、中央常務委員の定年制度の「七上八下」のルール改正の可否。三つ目が、中国のトップである総書記兼国家主席の選出方法(「隔世後継者選出」)を変更するか否かなのだそうです。
 
澁谷 司の「チャイナ・ウォッチ」  今年の北戴河会議の3大テーマ

 経済成長の鈍化、南シナ海の外交孤立化と言った難題を抱える習近平がどう乗り切るのか。虎退治で窮地に追い込まれている上海閥や共青団派がどう巻き返すのか。「19大」に向け、目が離せませんね。


 # 冒頭の画像は、「抗日戦争勝利70年」の軍事パレードでの、習近平、江沢民、胡錦濤、李克強




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