オバマ大統領の来日に合わせた日米のTPP交渉では、読売新聞がスクープ報道をして、甘利明TPP担当相の取材について「出入り禁止」となったことは、諸兄がご承知のことです。
その後も、読売は交渉が合意の方向の報道で、他社とは異なってきています。
鹿児島の補選が終われば真相が明らかになると遊爺は予測していましたが、読売が状況を取り上げています。事務方は大筋合意と言っていて、農業分野「重要5項目」の中身は、甘利TPP相とフロマン米通商代表部(USTR)代表による第3回会談が行われた24日夕までに決着していた。しかし政治家が「大筋合意」を否定したのは、衆院鹿児島2区補欠選挙への悪影響を強く意識したのは否定できないとのことです。
「合意に至らず』も『実質的に基本合意』も、どちらも正しいんだよ」と言う政府筋。政治って解りづらいですね。
余談ですが、以下の報道もあります。
日米ともに、当然のことながら国内事情を抱えての綱渡りなのですね。
フロマン氏は、ガチガチの石頭で交渉をまとめる気があるのかと疑わしいほどに、譲歩しない。それどころか日本側が譲歩姿勢を見せると難題を吹っかけてくるとの報道を小耳にはさみ、とんでもない輩と思っていましたが、成果の発表を焦るホワイトハウスに対しても、参加している他国への配慮や関連業界への根回しを重視し、頑固を貫くとは、少しだけ見直しました。
鹿児島補選が終わるまで緘口令が出されていた日本側。
フロマン氏同様に、他国への配慮で具体的な数値の公表手控えと、業界への根回し(数値なしで?)を始めることになるのですね。
とくに、米との交渉で圧力となったオーストラリアとのEPAでの条件の見直しが必要となります。オーストラリアのおかげで米との交渉が進んだのに、数値が対豪と変わった部分は、お詫びが必要になりますね。
南シナ海や西太平洋での安全保障でも連携を深めて行こうとしているオーストラリア。きちんとけじめをつけて、今後の良好な関係が継続される様にしておくことが大切です。
この花の名前は、レイジンソウ 撮影場所;六甲高山植物園 (2013年 9月 撮影)
↓よろしかったら、お願いします。
その後も、読売は交渉が合意の方向の報道で、他社とは異なってきています。
鹿児島の補選が終われば真相が明らかになると遊爺は予測していましたが、読売が状況を取り上げています。事務方は大筋合意と言っていて、農業分野「重要5項目」の中身は、甘利TPP相とフロマン米通商代表部(USTR)代表による第3回会談が行われた24日夕までに決着していた。しかし政治家が「大筋合意」を否定したのは、衆院鹿児島2区補欠選挙への悪影響を強く意識したのは否定できないとのことです。
■検証・TPP日米協議 5項目前夜には決着 声明 表現だけ「保留」 (5/2 読売朝刊)
環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る日米協議は、4月23~25日のオバマ米大統領来日時の交渉で実質的に基本合意に達し、最大の難関をくぐり抜けた。わが国にとって対外経済連携でも農政でも「大転換」となるTPP交渉の内幕を追った。
4月25日昼前。安倍首相は日米共同声明の発表を受け、記者団に胸を張った。
「TPP交渉全体にとってキー・マイルストーン(重要な一里塚)となる大きな成果を上げることができた」
だが、25日夕刊の報道ぶりは分かれた。読売が「実質的に基本合意」
と報じたのに対し、他紙は「合意至らず」「合意先送り」と報じた。「TPPと安保取引」の見出しを載せた新聞もあった。
オバマ大統領は24日の記者会見で、尖閣諸島への日米安保条約適用を大統領として初めて明言し、共同声明にもそのことが明記された。だが、共同声明は大統領が来日した23日夜の時点で、TPP以外の文案はすべて完成していた。声明案に目を通した政府筋は証言する。
「23日夜に見たバージョンで『Pマーク』(Pending=保留)がついて空欄だったのは、TPPの部分だけだった」
安保取引説が正しければ尖閣部分にもPマークがついていなければおかしい。取引説は成り立たない。
ただ、Pマークだったのは共同声明の表現ぶりで、農業分野「重要5項目」の中身は、甘利TPP相とフロマン米通商代表部(USTR)代表による第3回会談が行われた24日夕までに決着していた。
政治の現場 検証TPP [1] 「絶対漏らすな」かん口令 議員側、補選への影響懸念
環太平洋経済連携協定(TPP)の日米協議に関する報道合戦がピークに達していた4月25日朝。交渉内容を知る立場の政府筋は本紙の取材に対し、次のようなヒントを口にした。
「牛肉の『9%以上』とした部分は問題ない。だが、豚肉の『4.3%を半減』の部分は間違いになる」
読売新聞は5日前の20日付朝刊1面で、牛肉の関税率は現行の38.5%から「少なくとも9%以上」とすることで日米交渉筋が折り合ったと報じていた。豚肉の関税率については、読売は「現行の4.3%の関税率は引き下げる方向」と表現をぼかしていたが、他社には「半減」と踏み込んだところもあった。
この政府筋は、各社の前打ち記事の正誤に触れる形で、実際の交渉結果をほのめかしたのだった。
別の政府筋も同じころ、本紙の別の記者に「重要5項目すべての分野で大筋合意した」と認め、感慨深げに「日本は変わるよ。歴史的な日だ」とつぶやいた。
25日午前10時過ぎに発表された共同声明には、空欄だったTPPの部分に次の文言が収まっていた。
《重要な課題について前進する道筋を特定した。TPP交渉におけるキー・マイルストーンを画し……》安倍首相は25日夜、周囲にこう漏らした。
「共同声明をちゃんと読めば『合意至らず』の報道にはならないよ。TPPの書きぶりをよく読めば分かるはずだがなあ」
◇
25日夕刊の報道ぶりが「実質合意」「合意至らず」と分かれると、いずれの報道が正しいかを政府の当事者たちにただす場面が随所でみられた。
記者「読売の『実質合意』は誤報か」
甘利明TPP相「知らない。おれに聞くな。読売に聞け」
*
菅義偉官房長官「しかし今日の夕刊は驚いたな」
記者「読売の報道は違うという理解でいいのか」
菅「まあ、大筋合意はしてませんということで、それに尽きますよ」
だが、政治家が口をそろえて「大筋合意」を否定するのとは対照的に、事務方の政府関係者は言外に「事実上は大筋合意した」ことをにおわせた。
ある高官は、記者団に次のように解説した。
記者「読売が『実質合意』と書いている」
高官「ある程度できあがったものがないと、ほかの参加国に働きかけできないでしょう」
記者「数字もまとまっているのか」
高官「数字の話をせずに合意も何もないよ」
記者「甘利大臣は合意ではないと言っている」
高官「そうだけど、何か案がないとTPP交渉に参加する他の10か国にこれで行きましょうと言えない。日米で何も決まっていないのに10か国に決めろと言っても、それは無理でしょう」
なぜ、事務方は合意をにおわせ、政治家は合意を否定したのか。
他の10か国に打診する前に表に出るのは望ましくない、という事情があるのは確かだ。しかし、政治家の場合、直後に投開票日(4月27日)を迎える衆院鹿児島2区補欠選挙への悪影響を強く意識したのは否定できない。
◇
オバマ大統領の来日を2日後に控えた4月21日のことだ。石破茂自民党幹事長のもとに、衆院鹿児島2区補選の情勢調査の結果が届いた。
自民党の公認候補への支持が45ポイントだったのに対し、民主党など野党4党が共闘して推す対立候補は35ポイント。「10ポイント以上開いていれば当選確実」がこれまでの経験則だが、気になる部分があった。鹿児島市内に限ると対立候補の方が5ポイント強勝っていたのだ。もうひとつ気がかりだったのが、ある報道機関の調査結果で、対立候補との差は4ポイントしか開いていなかったことだ。
自民党選対幹部は述懐する。「5ポイント以内の差は逆転あり得べしの経験則に照らして、補選は油断できない状況にあった」
補選の調査結果が明るみに出たころ、日米のTPP共議は、豚肉の扱いを巡って暗礁に乗り上げていた。
日本政府は、基準価格より安い輸入豚肉ほど関税率が高くなる「差額関税制度」の死守を最優先に交渉に臨んだものの、それには米側の要求をのんで、基準価格を大幅に引き下げることが避けられそうになかった。
鹿児島は豚の畜産農家が多い。豚肉で譲歩を強いられたことが公になれば、鹿児島2区補選の戦況が一変しかねない━━。安倍官邸は、菅が主導して、4月半ばには《共同声明は「大いに前進」といった抽象的な表現にとどめる。「大筋合意」の表現は避ける》との方針を固めていたが、補選の数字を受け、事務方に「数字は絶対に漏らすな」とかん口令を敷いた。
これが、政治家たちが一様に合意を否定した真相だった。
25日夜、ある政府筋は各社の報道合戦をねぎらいつつ、こんな解説を施した。
「ホワイトハウスは『ヒストリカル・ブレイクスルー(歴史的な現状打破)』とまで言って評価している。ただ、12か国のマルチの交渉だから、合意していないのは事実。だが、共同声明には、日米2か国でこれから他の交渉参加国を説得しましょうということが書かれている。それは当然、日本と米国で話がまとまったからだ。だから、『合意に至らず』も『実質的に基本合意』も、どちらも正しいんだよ」
-------------------------
*日米TPP協議の報道ぶりは分かれた
読売 日米TPP実質合意「重要課題に道筋」(4月25日夕刊)
朝日 TPP日米合意見送り徹夜協議溝は埋まらず(25日夕刊)
毎日 日米TPP合意至らず「重要課題に道筋」(25日夕刊)
日経 TPP日米合意先送り「前進の道筋」確認(25日夕刊)
産経 TPP 甘利氏「収斂(れん)へ前進」「重要課題に道筋」(26日朝刊)
東京 日米TPP「道筋特定」米に事実上、譲歩(25日夕刊)
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環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る日米協議は、4月23~25日のオバマ米大統領来日時の交渉で実質的に基本合意に達し、最大の難関をくぐり抜けた。わが国にとって対外経済連携でも農政でも「大転換」となるTPP交渉の内幕を追った。
4月25日昼前。安倍首相は日米共同声明の発表を受け、記者団に胸を張った。
「TPP交渉全体にとってキー・マイルストーン(重要な一里塚)となる大きな成果を上げることができた」
だが、25日夕刊の報道ぶりは分かれた。読売が「実質的に基本合意」
と報じたのに対し、他紙は「合意至らず」「合意先送り」と報じた。「TPPと安保取引」の見出しを載せた新聞もあった。
オバマ大統領は24日の記者会見で、尖閣諸島への日米安保条約適用を大統領として初めて明言し、共同声明にもそのことが明記された。だが、共同声明は大統領が来日した23日夜の時点で、TPP以外の文案はすべて完成していた。声明案に目を通した政府筋は証言する。
「23日夜に見たバージョンで『Pマーク』(Pending=保留)がついて空欄だったのは、TPPの部分だけだった」
安保取引説が正しければ尖閣部分にもPマークがついていなければおかしい。取引説は成り立たない。
ただ、Pマークだったのは共同声明の表現ぶりで、農業分野「重要5項目」の中身は、甘利TPP相とフロマン米通商代表部(USTR)代表による第3回会談が行われた24日夕までに決着していた。
政治の現場 検証TPP [1] 「絶対漏らすな」かん口令 議員側、補選への影響懸念
環太平洋経済連携協定(TPP)の日米協議に関する報道合戦がピークに達していた4月25日朝。交渉内容を知る立場の政府筋は本紙の取材に対し、次のようなヒントを口にした。
「牛肉の『9%以上』とした部分は問題ない。だが、豚肉の『4.3%を半減』の部分は間違いになる」
読売新聞は5日前の20日付朝刊1面で、牛肉の関税率は現行の38.5%から「少なくとも9%以上」とすることで日米交渉筋が折り合ったと報じていた。豚肉の関税率については、読売は「現行の4.3%の関税率は引き下げる方向」と表現をぼかしていたが、他社には「半減」と踏み込んだところもあった。
この政府筋は、各社の前打ち記事の正誤に触れる形で、実際の交渉結果をほのめかしたのだった。
別の政府筋も同じころ、本紙の別の記者に「重要5項目すべての分野で大筋合意した」と認め、感慨深げに「日本は変わるよ。歴史的な日だ」とつぶやいた。
25日午前10時過ぎに発表された共同声明には、空欄だったTPPの部分に次の文言が収まっていた。
《重要な課題について前進する道筋を特定した。TPP交渉におけるキー・マイルストーンを画し……》安倍首相は25日夜、周囲にこう漏らした。
「共同声明をちゃんと読めば『合意至らず』の報道にはならないよ。TPPの書きぶりをよく読めば分かるはずだがなあ」
◇
25日夕刊の報道ぶりが「実質合意」「合意至らず」と分かれると、いずれの報道が正しいかを政府の当事者たちにただす場面が随所でみられた。
記者「読売の『実質合意』は誤報か」
甘利明TPP相「知らない。おれに聞くな。読売に聞け」
*
菅義偉官房長官「しかし今日の夕刊は驚いたな」
記者「読売の報道は違うという理解でいいのか」
菅「まあ、大筋合意はしてませんということで、それに尽きますよ」
だが、政治家が口をそろえて「大筋合意」を否定するのとは対照的に、事務方の政府関係者は言外に「事実上は大筋合意した」ことをにおわせた。
ある高官は、記者団に次のように解説した。
記者「読売が『実質合意』と書いている」
高官「ある程度できあがったものがないと、ほかの参加国に働きかけできないでしょう」
記者「数字もまとまっているのか」
高官「数字の話をせずに合意も何もないよ」
記者「甘利大臣は合意ではないと言っている」
高官「そうだけど、何か案がないとTPP交渉に参加する他の10か国にこれで行きましょうと言えない。日米で何も決まっていないのに10か国に決めろと言っても、それは無理でしょう」
なぜ、事務方は合意をにおわせ、政治家は合意を否定したのか。
他の10か国に打診する前に表に出るのは望ましくない、という事情があるのは確かだ。しかし、政治家の場合、直後に投開票日(4月27日)を迎える衆院鹿児島2区補欠選挙への悪影響を強く意識したのは否定できない。
◇
オバマ大統領の来日を2日後に控えた4月21日のことだ。石破茂自民党幹事長のもとに、衆院鹿児島2区補選の情勢調査の結果が届いた。
自民党の公認候補への支持が45ポイントだったのに対し、民主党など野党4党が共闘して推す対立候補は35ポイント。「10ポイント以上開いていれば当選確実」がこれまでの経験則だが、気になる部分があった。鹿児島市内に限ると対立候補の方が5ポイント強勝っていたのだ。もうひとつ気がかりだったのが、ある報道機関の調査結果で、対立候補との差は4ポイントしか開いていなかったことだ。
自民党選対幹部は述懐する。「5ポイント以内の差は逆転あり得べしの経験則に照らして、補選は油断できない状況にあった」
補選の調査結果が明るみに出たころ、日米のTPP共議は、豚肉の扱いを巡って暗礁に乗り上げていた。
日本政府は、基準価格より安い輸入豚肉ほど関税率が高くなる「差額関税制度」の死守を最優先に交渉に臨んだものの、それには米側の要求をのんで、基準価格を大幅に引き下げることが避けられそうになかった。
鹿児島は豚の畜産農家が多い。豚肉で譲歩を強いられたことが公になれば、鹿児島2区補選の戦況が一変しかねない━━。安倍官邸は、菅が主導して、4月半ばには《共同声明は「大いに前進」といった抽象的な表現にとどめる。「大筋合意」の表現は避ける》との方針を固めていたが、補選の数字を受け、事務方に「数字は絶対に漏らすな」とかん口令を敷いた。
これが、政治家たちが一様に合意を否定した真相だった。
25日夜、ある政府筋は各社の報道合戦をねぎらいつつ、こんな解説を施した。
「ホワイトハウスは『ヒストリカル・ブレイクスルー(歴史的な現状打破)』とまで言って評価している。ただ、12か国のマルチの交渉だから、合意していないのは事実。だが、共同声明には、日米2か国でこれから他の交渉参加国を説得しましょうということが書かれている。それは当然、日本と米国で話がまとまったからだ。だから、『合意に至らず』も『実質的に基本合意』も、どちらも正しいんだよ」
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*日米TPP協議の報道ぶりは分かれた
読売 日米TPP実質合意「重要課題に道筋」(4月25日夕刊)
朝日 TPP日米合意見送り徹夜協議溝は埋まらず(25日夕刊)
毎日 日米TPP合意至らず「重要課題に道筋」(25日夕刊)
日経 TPP日米合意先送り「前進の道筋」確認(25日夕刊)
産経 TPP 甘利氏「収斂(れん)へ前進」「重要課題に道筋」(26日朝刊)
東京 日米TPP「道筋特定」米に事実上、譲歩(25日夕刊)
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「合意に至らず』も『実質的に基本合意』も、どちらも正しいんだよ」と言う政府筋。政治って解りづらいですね。
余談ですが、以下の報道もあります。
「数字は外に出すべきでない」 フロマン氏ホワイトハウスと激論 (5/2 読売朝刊)
TPPに関する日米協議で、フロマン米通商代表部(USTR)代表が実質的な基本合意の内容を発表するかどうかを巡り、米ホワイトハウスとの間で、電話により激論を交わしていたことが1日、分かった。日米交渉筋が明らかにした。
交渉筋によると、日米首脳会談に伴う共同声明を発表する直前の4月25日朝、実質合意をアピールしたいホワイトハウスが「数字を出さなければ日米協議がつまずいたと報道される」と主張、フロマン氏は「数字は外に出すべきでない」と反論したという。TPP交渉に参加する他国への配慮に加え、米国内の畜産業界への根回しに時間をかけたいとの思惑があったとみられる。
日米協議では、豚肉の関税の扱いが最後まで難航し、政府筋によると、安い肉ほど関税が高くなる「差額関税制度」を維持した上で、基準価格を大幅に下げる方向で決着したとしている。
「関税死守主張した」 (5/2 読売朝刊)
4月27日に投開票された衆院鹿児島2区補欠選挙は、自民党の公認候補が約2万票差をつけて野党4党が推す候補に圧勝した。TPPの日米協議は補選に大きな影響を与えなかったという見方が大勢だ。
自民党の石破幹事長は記者団に勝因を聞かれ、「TPPの交渉にあたっては(関税を死守するという)国会決議をきちんと守ると訴えたし、大統領訪日時にも(日本側は)きちんと主張した」と強調した。
自民党関係者は「日米協議で、豚肉が打撃を受けるとみられていたら、まずかった」と述べた。農水族議員は補選から一夜明けた28日、「米国の言い分をのまされた合意が出ていれば、形勢は逆転していただろう」と振り返った。
補選前は、日米協議の結果について慎重ないいぶりを続けていた甘利TPP相は29日、都内で記者団に対し、「(日米協議は)大筋合意までは行ってないが、大筋合意までの道筋は間違いなく見えている」と語った。
TPP交渉参加12か国は今月12日から首席交渉官会合をベトナムで開く予定で、19~20日には閣僚会合を開く方向で調整している。
TPPに関する日米協議で、フロマン米通商代表部(USTR)代表が実質的な基本合意の内容を発表するかどうかを巡り、米ホワイトハウスとの間で、電話により激論を交わしていたことが1日、分かった。日米交渉筋が明らかにした。
交渉筋によると、日米首脳会談に伴う共同声明を発表する直前の4月25日朝、実質合意をアピールしたいホワイトハウスが「数字を出さなければ日米協議がつまずいたと報道される」と主張、フロマン氏は「数字は外に出すべきでない」と反論したという。TPP交渉に参加する他国への配慮に加え、米国内の畜産業界への根回しに時間をかけたいとの思惑があったとみられる。
日米協議では、豚肉の関税の扱いが最後まで難航し、政府筋によると、安い肉ほど関税が高くなる「差額関税制度」を維持した上で、基準価格を大幅に下げる方向で決着したとしている。
「関税死守主張した」 (5/2 読売朝刊)
4月27日に投開票された衆院鹿児島2区補欠選挙は、自民党の公認候補が約2万票差をつけて野党4党が推す候補に圧勝した。TPPの日米協議は補選に大きな影響を与えなかったという見方が大勢だ。
自民党の石破幹事長は記者団に勝因を聞かれ、「TPPの交渉にあたっては(関税を死守するという)国会決議をきちんと守ると訴えたし、大統領訪日時にも(日本側は)きちんと主張した」と強調した。
自民党関係者は「日米協議で、豚肉が打撃を受けるとみられていたら、まずかった」と述べた。農水族議員は補選から一夜明けた28日、「米国の言い分をのまされた合意が出ていれば、形勢は逆転していただろう」と振り返った。
補選前は、日米協議の結果について慎重ないいぶりを続けていた甘利TPP相は29日、都内で記者団に対し、「(日米協議は)大筋合意までは行ってないが、大筋合意までの道筋は間違いなく見えている」と語った。
TPP交渉参加12か国は今月12日から首席交渉官会合をベトナムで開く予定で、19~20日には閣僚会合を開く方向で調整している。
日米ともに、当然のことながら国内事情を抱えての綱渡りなのですね。
フロマン氏は、ガチガチの石頭で交渉をまとめる気があるのかと疑わしいほどに、譲歩しない。それどころか日本側が譲歩姿勢を見せると難題を吹っかけてくるとの報道を小耳にはさみ、とんでもない輩と思っていましたが、成果の発表を焦るホワイトハウスに対しても、参加している他国への配慮や関連業界への根回しを重視し、頑固を貫くとは、少しだけ見直しました。
鹿児島補選が終わるまで緘口令が出されていた日本側。
フロマン氏同様に、他国への配慮で具体的な数値の公表手控えと、業界への根回し(数値なしで?)を始めることになるのですね。
とくに、米との交渉で圧力となったオーストラリアとのEPAでの条件の見直しが必要となります。オーストラリアのおかげで米との交渉が進んだのに、数値が対豪と変わった部分は、お詫びが必要になりますね。
南シナ海や西太平洋での安全保障でも連携を深めて行こうとしているオーストラリア。きちんとけじめをつけて、今後の良好な関係が継続される様にしておくことが大切です。
この花の名前は、レイジンソウ 撮影場所;六甲高山植物園 (2013年 9月 撮影)
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