遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

英国は原発事故を経験して安全性を高めた日立製の原発を導入

2013-04-10 22:58:41 | 新エネルギー
 英国は西側世界で初めて、1956年に商業用原発を完成させた国で、90年代には原子力が全電源の約30%を占めていたのだそうですが、投資の回収に時間がかかることから、1995年を最後に新設を中止していたのだそうです。その後、老朽化原発を閉鎖してきたため現在の原発比率は全電源の15%に減ってきているのだと。
 グリーンエネルギーを推進してきた欧州全体が今、高コスト化による国民負担の増加に悩み始めていますが、英国では気象状況などに左右されるグリーンエネルギーに依存するのはリスクが伴うとし、エネルギー源を分散させるため「原子力を昔の水準に引き上げる必要がある」と判断しているのだそうですね。
 日立製作所は昨年11月下旬、英国の原発事業会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」を買収して、英国の新規原発建設受注に動いていましたが、今年3月に来日し、最新型原発を視察していた英国のジョーンズ・ウェールズ地方担当相は、失敗に学んで安全性を高めた日本の新型原発が英国に建設されることに期待を寄せていると語っているのだそうです。
 

「日本の原発に不安ない」 英ウェールズ担当相 (4/10 産経)

 【ロンドン=内藤泰朗】日本の最新型原発を3月に視察した英国のジョーンズ・ウェールズ地方担当相(61)は、産経新聞との電話インタビューで、「日本の原発には大変感銘を受けた」と述べ、東京電力福島第1原発の事故後、その失敗に学んで安全性を高めた日本の新型原発が英国に建設されることに期待を寄せた。
 英西部のウェールズ地方では昨年11月、日立製作所が英国の原発事業会社を買収し、原発の事故後初となる新規の原発建設に向けて動き出している。
 3月14日から2日間、日本を訪問したジョーンズ担当相は、茨城県日立市にある日立製作所臨海工場と、日立が青森県大間町で建設中の大間原発を視察した。
 視察では「妥協を許さない技術者たちの姿勢とともに、長い年月をかけて建設地の地元の事業参画を促してきたことが事業の成功には何よりも重要だとする説明が印象に残った」と語り、「実に有意義な視察だった」と強調した。
 担当相は大間原発に向かう途中、福島原発を上空から視察。「息をのむ光景だった。それでも、
英国政府は事故後、福島に専門家を派遣して独自の調査を実施した結果、原発を推進していくことを決めた
」と指摘した。
 安全性については、「大間でもすでに事故後、さらなる安全対策が講じられていた。
日立、そして日本政府が今回の失敗に学んでさらに安全な原発をつくることに疑いはなく、心配はしていない
」と語った。
 日立製作所はすでに、英当局にウェールズ地方北部で新規に建設する原発事業計画を提出。数年間に及ぶ設計・技術面などの安全審査を受けたうえで、最大で3基の原発建設に着手し、2020年初めに発電を開始する計画を立てている。


 再び原発推進に転換した英国は、日立の今回の進出を、10年以上のブランクで失われた人材や技術を取り戻す機会ともとらえているのだそうです。日立が「ホライズン」買収に動いた契機は、脱原発を決めたドイツ電力大手が撤退したからなのだとか。
  また、入札では当初、資金力がある中国国有企業が入った連合体が有力視されていたのだそうですが、英国政府の関係者が原発事業に中国国有企業体が入りこむことに警戒感を示し、中国企業体は入札に加わらず、最終的に日立が6億7千万ポンド(約924億円)で落札したのだそうです。英国のエネルギー安全保障を重視した姿勢が日立への追い風となったのですね。

 西側世界で初めて原発を導入した国でも、10年以上のブランクがあると人材や技術が失われ、他国から導入せざるを得なくなっているという現実には、日本としては他人事ではない背筋が寒くなる話です。
 グリーンエネルギーの先進国の欧州で、その負担増に苦しみ始めている話も、先進国が実体験している貴重な情報として学ばねばなりません。波動や潮流といった海洋エネルギーで天候の影響が少ないものの開発に力を入れてきた英国でさえ、グリーンエネルギーの気象状況のリスクを避ける手立てに原発は不可欠との結論に達したという先達の現実にも、後発の日本の我々は、理想の空論に流されることなく真摯に学ばねばなりません。
 
 福島第一は、ねずみによる停電、汚染水貯蔵槽の原因不明(設計なのか工事なのか)の漏水といった、根本にかかわる安全対策がいまだになされていません。高放射能等劣悪な労働環境の中、人手不足にも悩まされつつの諸工事。工事ミスや設計の想定ミスは正常時より高いはずです。にもかかわらず、事故がおきた時の為の多重化された安全対策がなされていません。
 国会事故調が、事故原因は人災と断定した所以ですが、東京電力はいまだにその反省が出来ていないのですね。
 福島第一の事故は、福島第一=東電の人災事故であり、原発全体に及ぶ事故原因ではないと言えるのです。津波が同じ規模の女川は、逆に近隣の避難場所として貢献出来ているのですから。その差が何だったかは、諸兄がご承知の通りで今更申し上げるまでもないことです。

 日立の英国での建設受注が成約でき、英国のお役にたてることと、日本の技術が伝承され、更に高められていくことを願います。
 先達の欧州の経験をしっかり学んで、日本の原子力の扱いを含めたエネルギー政策が確立されることをねがいます。
 廃炉、廃棄物処理をするにしても、40年の年月を要し、そのための技術はまだこれからといった状況です。
 日本の原子力技術の追及・発展はまだまだ必要なのです。





  夜明けの湾岸高速と生駒山系

↓よろしかったら、お願いします。







コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 韓国人は北朝鮮の挑発よりも... | トップ | 日本の歴史の教育は、日本の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

新エネルギー」カテゴリの最新記事