トランプ氏が目指す米国は「世界のリーダー」ではない。いわんや世界の警察官ではない。世界のボスであると島田氏。
歴代米国政権は「世界のリーダー」とおだてられ、実質的にカモにされてきた。その過去との決別を決断したのがトランプ氏。
誰であれ「シマを荒らす」行為は決して許さないが、外交エリートが称揚する「リーダー」の地位など喜んで返上する。
一方、米国の最先端技術を盗み、IT分野など最重要の「シマ」を荒らしてくる中共は痛い目に遭わせねばならない。米企業がサプライチェーンから中国をはずさせる狙いがあると島田氏。
生き馬の目を抜くニューヨーク不動産市場での成功体験をルーツとするトランプ氏は、シリアのような土地に手を出さない。
一方中国は、米国の最先端技術を盗み、IT分野など最重要の「シマ」を荒らしてきており米国とすれば、痛い目に遭わせねばならない。
中共が香港民主化運動の武力弾圧などに出た場合、米国は制裁を一段と強化し、日本にも同調を求めてこようと。
中共への圧力強化では、野党も基本的に政権与党と足並みを揃えている米国。中共は「敵対的」な議員の地元企業に集中的に嫌がらせをするなど各個撃破で潰しにくる。それを許さず超党派で国益を守る米国。
米国の制裁で中国から脱出する企業は増える。中国企業ですら脱中国を検討し始めている状況。脱中国でメキシコに移転する企業があればそこで雇用が産まれ、米国への移民流入が救われると島田氏。現に移民がメキシコに戻る動きすら出てきていると。
トランプ政権は中東地上軍の削減を図る一方、海空軍による打撃力は逆に強化し、「テロの中央銀行」イランに対する締め付けも強めてきた。
イランへの制裁は決してトランプ氏個人の「暴走」ではない。
オバマ政権もテロ国家指定を続けていた。
中東有事も視野に入れ、エネルギー政策を大きく転換させてきた。温暖化対策パリ協定からの離脱と化石燃料の採掘規制緩和である。リベラル派は強く非難するが、保守派は大統領の英断とたたえていると。
米国は、テクノロジー開発によるエネルギーの効率使用を通じ二酸化炭素(CO2)の排出量を低下させる方向。むしろテクノロジーの提供を進めるのが先進国型の国際貢献というのがトランプ氏のみならず共和党一般の立場。
原発停止で火力発電への依存を強め、CO2発生量を増加させている日本に批判する資格はないと島田氏。
米国はすでに、石油の中東依存率を20%前後まで低下させた。イランとサウジアラビアの対立が本格戦争に至っても、自国での増産および隣接するカナダ、メキシコからの輸入増で十分対応できる体制が整っているのだと。米国は、中国激動と中東動乱の同時発生にも耐えうる態勢を整えつつあると。
対して日本は近年石油の中東依存度を上昇させ、80%台後半の水準で推移。
一方日本は原発停止など自ら脆弱性を高めている。当然外交スタンスも乖離していかざるを得ない。
激動を始めている世界の組み合わせ。
日本の国会も、メディアも国内の政局に明け暮れるのではなく、激動への中長期の政策議論と決定に注力しないと、民主党政権時に日本沈没をさせかけた状況の再来を招くことになります。
政府のみならず、メディアとその下請けの野党の、世界を中長期に俯瞰した議論を深め、対策を実行していただくことが望まれます。
何故日本の野党が低支持率で低迷しているのか。何故米国では二大政党で拮抗して政権を争っているのか。
外交政策にみられるように、国家に係る重要政策では、是々非々で一致して政策対応がなされているからなのですね。
週刊誌のネタで、政局に熱中している日本の野党には、自らの姿を見つめなおしていただきたい。
また、オールド偏向メディアにも、激動する世界の動きをしっかり報道していただきたい。
# 冒頭の画像は、トランプ米大統領 (14日、ルイジアナ州ボージャー・シティ)
クサギ
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歴代米国政権は「世界のリーダー」とおだてられ、実質的にカモにされてきた。その過去との決別を決断したのがトランプ氏。
誰であれ「シマを荒らす」行為は決して許さないが、外交エリートが称揚する「リーダー」の地位など喜んで返上する。
一方、米国の最先端技術を盗み、IT分野など最重要の「シマ」を荒らしてくる中共は痛い目に遭わせねばならない。米企業がサプライチェーンから中国をはずさせる狙いがあると島田氏。
【正論】中国、中東の同時動乱に備えよ 福井県立大学教授・島田洋一 - 産経ニュース 2019.11.19
≪トランプ氏が目指す米国≫
トランプ米大統領の国際政治観および戦略は、俗な表現においてこそ正確に捉えられる。
トランプ氏が目指す米国は「世界のリーダー」ではない。いわんや世界の警察官ではない。世界のボスである。
歴代米国政権は「世界のリーダー」とおだてられ、各地の紛争に率先して介入、不利な国際合意を受け入れるなど実質的にカモにされてきた。そうした「カモおじさん」(Uncle Sucker)の過去とははっきり決別する。圧倒的な軍事力と経済力で君臨し、誰であれ「シマを荒らす」行為は決して許さないが、外交エリートが称揚する「リーダー」の地位など喜んで返上する。
トランプ氏の発想のルーツは生き馬の目を抜くニューヨーク不動産市場での成功体験にある。ギャングが入り乱れて殺戮(さつりく)を繰り返すシリアのような土地に手を出してはならない。米国が地上軍を引けば代わりにロシアが進出すると「外交のプロ」たちは批判するが無法地帯の地上げに似た汚れ仕事はプーチン氏のようなアウトローに任せておけばよいのである。ロシアには所詮、米国のライバルになるほどの力はない。
しかし地上軍撤退は、特に盟友たる保守派議員の間で反対が強くトランプ氏は撤退を打ち上げては軌道修正を繰り返してきた。もっとも、ロシアと組んで何が悪いとの姿勢は今後も変えないだろう。
一方、中国共産党政権(以下、中共)は性格が異なる。米国の最先端技術を盗み、IT分野など最重要の「シマ」を荒らしてくる中共は痛い目に遭わせねばならない。トランプ氏は関税戦争の最大の意義を、米企業がサプライチェーンから中国をはずし、メキシコなどへの移転を加速させている点にあるとする。
今後、中共が香港民主化運動の武力弾圧などに出た場合、米国は制裁を一段と強化し、日本にも同調を求めてこよう。その時、中国から離脱している度合いに応じて米企業は被害を受けない。また移転先のメキシコで雇用が増えれば、その分、米国への移民流出圧力が弱まる。現に移民がメキシコに戻る動きすら出てきている。
≪国益守るため超党派で隊列≫
弾劾絡みの政争に余念のない野党民主党だが、中共への圧力強化では、基本的に政権与党と足並みを揃(そろ)えている。中共は「敵対的」な議員の地元企業に集中的に嫌がらせをするなど各個撃破で潰しにくる。それを許さず国益を守るには、超党派で隊列を組まねばならない。最右派のクルーズ上院議員(共和党)と最左派で女性最年少のオカシオコルテス下院議員(民主党)が共同で中共批判の法案や公開書簡を出すさまを見るにつけ、日本の国会との意識の差を思わざるを得ない。
トランプ政権は中東地上軍の削減を図る一方、海空軍による打撃力は逆に強化し、「テロの中央銀行」イランに対する締め付けも強めてきた。
イランへの制裁は決してトランプ氏個人の「暴走」ではない。オバマ政権がまとめた2015年のイラン核合意は、同国の核活動の部分的・時限的停止(廃棄はおろか凍結ですらない)に対し国際制裁をほぼ全面解除する内容で、上院では共和党の全議員に民主党の一部(現同党トップのシューマー院内総務を含む)も加わり過半数が異議を唱えた。イランは「テロ支援国」の筆頭で、オバマ政権も指定を継続していた。にもかかわらず、中途半端な核措置と引き換えにテロ・軍拡資金の流入を許すのは重大な誤りというのが主な反対理由だった。
≪日本の「脆弱性」認識を≫
トランプ政権のイラン対応は、15年以前への回帰にすぎない。もっとも違いはある。現政権は中東有事も視野に入れ、エネルギー政策を大きく転換させてきた。温暖化対策パリ協定からの離脱と化石燃料の採掘規制緩和である。リベラル派は強く非難するが、保守派は大統領の英断とたたえる。
米国は、テクノロジー開発によるエネルギーの効率使用を通じ二酸化炭素(CO2)の排出量を低下させてきた。そうした「自然減」以上の無理な削減で経済力を毀損(きそん)するのは愚かなことで、むしろテクノロジーの提供を進めるのが先進国型の国際貢献というのがトランプ氏のみならず共和党一般の立場である。少なくとも、原発停止で火力発電への依存を強め、CO2発生量を増加させている日本に批判する資格はない。
米国はすでに、石油の中東依存率を20%前後まで低下させた。イランとサウジアラビアの対立が本格戦争に至っても、自国での増産および隣接するカナダ、メキシコからの輸入増で十分対応できる。対して日本は近年石油の中東依存度を上昇させ、80%台後半の水準で推移している。
米国は、中国激動と中東動乱の同時発生にも耐えうる態勢を整えつつある。一方日本は原発停止など自ら脆弱(ぜいじゃく)性を高めている。当然外交スタンスも乖離(かいり)していかざるを得ない。政治の責任は重い。(しまだ よういち)
≪トランプ氏が目指す米国≫
トランプ米大統領の国際政治観および戦略は、俗な表現においてこそ正確に捉えられる。
トランプ氏が目指す米国は「世界のリーダー」ではない。いわんや世界の警察官ではない。世界のボスである。
歴代米国政権は「世界のリーダー」とおだてられ、各地の紛争に率先して介入、不利な国際合意を受け入れるなど実質的にカモにされてきた。そうした「カモおじさん」(Uncle Sucker)の過去とははっきり決別する。圧倒的な軍事力と経済力で君臨し、誰であれ「シマを荒らす」行為は決して許さないが、外交エリートが称揚する「リーダー」の地位など喜んで返上する。
トランプ氏の発想のルーツは生き馬の目を抜くニューヨーク不動産市場での成功体験にある。ギャングが入り乱れて殺戮(さつりく)を繰り返すシリアのような土地に手を出してはならない。米国が地上軍を引けば代わりにロシアが進出すると「外交のプロ」たちは批判するが無法地帯の地上げに似た汚れ仕事はプーチン氏のようなアウトローに任せておけばよいのである。ロシアには所詮、米国のライバルになるほどの力はない。
しかし地上軍撤退は、特に盟友たる保守派議員の間で反対が強くトランプ氏は撤退を打ち上げては軌道修正を繰り返してきた。もっとも、ロシアと組んで何が悪いとの姿勢は今後も変えないだろう。
一方、中国共産党政権(以下、中共)は性格が異なる。米国の最先端技術を盗み、IT分野など最重要の「シマ」を荒らしてくる中共は痛い目に遭わせねばならない。トランプ氏は関税戦争の最大の意義を、米企業がサプライチェーンから中国をはずし、メキシコなどへの移転を加速させている点にあるとする。
今後、中共が香港民主化運動の武力弾圧などに出た場合、米国は制裁を一段と強化し、日本にも同調を求めてこよう。その時、中国から離脱している度合いに応じて米企業は被害を受けない。また移転先のメキシコで雇用が増えれば、その分、米国への移民流出圧力が弱まる。現に移民がメキシコに戻る動きすら出てきている。
≪国益守るため超党派で隊列≫
弾劾絡みの政争に余念のない野党民主党だが、中共への圧力強化では、基本的に政権与党と足並みを揃(そろ)えている。中共は「敵対的」な議員の地元企業に集中的に嫌がらせをするなど各個撃破で潰しにくる。それを許さず国益を守るには、超党派で隊列を組まねばならない。最右派のクルーズ上院議員(共和党)と最左派で女性最年少のオカシオコルテス下院議員(民主党)が共同で中共批判の法案や公開書簡を出すさまを見るにつけ、日本の国会との意識の差を思わざるを得ない。
トランプ政権は中東地上軍の削減を図る一方、海空軍による打撃力は逆に強化し、「テロの中央銀行」イランに対する締め付けも強めてきた。
イランへの制裁は決してトランプ氏個人の「暴走」ではない。オバマ政権がまとめた2015年のイラン核合意は、同国の核活動の部分的・時限的停止(廃棄はおろか凍結ですらない)に対し国際制裁をほぼ全面解除する内容で、上院では共和党の全議員に民主党の一部(現同党トップのシューマー院内総務を含む)も加わり過半数が異議を唱えた。イランは「テロ支援国」の筆頭で、オバマ政権も指定を継続していた。にもかかわらず、中途半端な核措置と引き換えにテロ・軍拡資金の流入を許すのは重大な誤りというのが主な反対理由だった。
≪日本の「脆弱性」認識を≫
トランプ政権のイラン対応は、15年以前への回帰にすぎない。もっとも違いはある。現政権は中東有事も視野に入れ、エネルギー政策を大きく転換させてきた。温暖化対策パリ協定からの離脱と化石燃料の採掘規制緩和である。リベラル派は強く非難するが、保守派は大統領の英断とたたえる。
米国は、テクノロジー開発によるエネルギーの効率使用を通じ二酸化炭素(CO2)の排出量を低下させてきた。そうした「自然減」以上の無理な削減で経済力を毀損(きそん)するのは愚かなことで、むしろテクノロジーの提供を進めるのが先進国型の国際貢献というのがトランプ氏のみならず共和党一般の立場である。少なくとも、原発停止で火力発電への依存を強め、CO2発生量を増加させている日本に批判する資格はない。
米国はすでに、石油の中東依存率を20%前後まで低下させた。イランとサウジアラビアの対立が本格戦争に至っても、自国での増産および隣接するカナダ、メキシコからの輸入増で十分対応できる。対して日本は近年石油の中東依存度を上昇させ、80%台後半の水準で推移している。
米国は、中国激動と中東動乱の同時発生にも耐えうる態勢を整えつつある。一方日本は原発停止など自ら脆弱(ぜいじゃく)性を高めている。当然外交スタンスも乖離(かいり)していかざるを得ない。政治の責任は重い。(しまだ よういち)
生き馬の目を抜くニューヨーク不動産市場での成功体験をルーツとするトランプ氏は、シリアのような土地に手を出さない。
一方中国は、米国の最先端技術を盗み、IT分野など最重要の「シマ」を荒らしてきており米国とすれば、痛い目に遭わせねばならない。
中共が香港民主化運動の武力弾圧などに出た場合、米国は制裁を一段と強化し、日本にも同調を求めてこようと。
中共への圧力強化では、野党も基本的に政権与党と足並みを揃えている米国。中共は「敵対的」な議員の地元企業に集中的に嫌がらせをするなど各個撃破で潰しにくる。それを許さず超党派で国益を守る米国。
米国の制裁で中国から脱出する企業は増える。中国企業ですら脱中国を検討し始めている状況。脱中国でメキシコに移転する企業があればそこで雇用が産まれ、米国への移民流入が救われると島田氏。現に移民がメキシコに戻る動きすら出てきていると。
トランプ政権は中東地上軍の削減を図る一方、海空軍による打撃力は逆に強化し、「テロの中央銀行」イランに対する締め付けも強めてきた。
イランへの制裁は決してトランプ氏個人の「暴走」ではない。
オバマ政権もテロ国家指定を続けていた。
中東有事も視野に入れ、エネルギー政策を大きく転換させてきた。温暖化対策パリ協定からの離脱と化石燃料の採掘規制緩和である。リベラル派は強く非難するが、保守派は大統領の英断とたたえていると。
米国は、テクノロジー開発によるエネルギーの効率使用を通じ二酸化炭素(CO2)の排出量を低下させる方向。むしろテクノロジーの提供を進めるのが先進国型の国際貢献というのがトランプ氏のみならず共和党一般の立場。
原発停止で火力発電への依存を強め、CO2発生量を増加させている日本に批判する資格はないと島田氏。
米国はすでに、石油の中東依存率を20%前後まで低下させた。イランとサウジアラビアの対立が本格戦争に至っても、自国での増産および隣接するカナダ、メキシコからの輸入増で十分対応できる体制が整っているのだと。米国は、中国激動と中東動乱の同時発生にも耐えうる態勢を整えつつあると。
対して日本は近年石油の中東依存度を上昇させ、80%台後半の水準で推移。
一方日本は原発停止など自ら脆弱性を高めている。当然外交スタンスも乖離していかざるを得ない。
激動を始めている世界の組み合わせ。
日本の国会も、メディアも国内の政局に明け暮れるのではなく、激動への中長期の政策議論と決定に注力しないと、民主党政権時に日本沈没をさせかけた状況の再来を招くことになります。
政府のみならず、メディアとその下請けの野党の、世界を中長期に俯瞰した議論を深め、対策を実行していただくことが望まれます。
何故日本の野党が低支持率で低迷しているのか。何故米国では二大政党で拮抗して政権を争っているのか。
外交政策にみられるように、国家に係る重要政策では、是々非々で一致して政策対応がなされているからなのですね。
週刊誌のネタで、政局に熱中している日本の野党には、自らの姿を見つめなおしていただきたい。
また、オールド偏向メディアにも、激動する世界の動きをしっかり報道していただきたい。
# 冒頭の画像は、トランプ米大統領 (14日、ルイジアナ州ボージャー・シティ)
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