遊爺雑記帳

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「ご祝儀相場」は都市伝説か?石破・新政権に株式市場は冷ややか、過去の事例を検証する

2024-10-17 01:33:55 | my notice
 かつては新政権が発足すると、株式市場は「ご祝儀」で値上がりすると言われていました。いわゆる「ご祝儀相場」です。本当にそんなことが起きていたのでしょうか。それとも都市伝説なのでしょうか。
 フロントラインプレスが解説しています。
 
【日経平均一時4万円回復】「ご祝儀相場」は都市伝説か?石破・新政権に株式市場は冷ややか、過去の事例を検証する | JBpress (ジェイビープレス) 2024.10.16 (水) フロントラインプレス

 石破茂新政権が発足して半月ほどが過ぎました。その間、株価は大きく値を上げることもなく、市場は静観を続けている状態です。かつては新政権が発足すると、株式市場は「ご祝儀」で値上がりすると言われていました。いわゆる「ご祝儀相場」です。本当にそんなことが起きていたのでしょうか。それとも都市伝説なのでしょうか。「新政権とご祝儀相場」をやさしく解説します

■石破政権の経済政策に目新しさはなし

 新しい首相が就任すると、その発言は国内外の耳目を集めます。
近年の日本経済はふるわず、国内総生産(GDP)ではドイツに抜かれ世界4位になりました。今も世界で指折りの大国であるとはいえ、日本経済をデフレから脱却させ、成長軌道に乗せるという課題は政治に突きつけられたままです

 
その課題に石破首相はどう立ち向かうのでしょうか

 自民党総裁選で勝利して以降、
石破首相は何度か自身の経済政策に言及しています。例えば、臨時国会で内閣総理大臣に指名された10月1日。石破氏は同日夜、首相官邸で初の記者会見に臨み、経済分野について次のように述べました
 
日本経済はデフレを脱却するかどうかの瀬戸際。『賃上げと投資がけん引する成長型経済』を実現するため、岸田政権で進めた成長戦略を着実に引き継いでまいります。経済あっての財政との考え方に立ち、デフレ脱却最優先の経済財政運営を行ってまいります。その第一歩として、早期に物価高で苦しんでおられる方々を支援してまいります

 さらに、
コストカット型経済を高付加価値創出型経済へ転換させると強調。自動車や半導体、農業など輸出企業を軸に産業の生産性を向上させるなどと語りました。岸田内閣の「資産運用立国」を引き継ぐほか、持続的な実質賃金の向上に取り組んでいくとも力説しました。

 
ただ、この間の石破首相の発言に目新しいものはありませんでした岸田政権の経済運営を引き継ぐとは繰り返しましたが、どのような形で引き継ぐのか具体的な内容は明らかになっていません

 そうした姿勢が影響したためか、
東京株式市場は石破新政権の誕生を好感する値動きにはなっていないようです。石破氏が自民党総裁選に当選して最初の取引となった9月30日の日経平均株価は大幅に下落。終値ベースの比較では、前週末より1919円01銭安(マイナス4.8%)の3万7919円55銭にとどまりました。石破政権の誕生を歓迎する「ご祝儀相場」とは、ほど遠い結果だったのです。

 日経平均株価は10月15日午前の終値で、前週の終値より600円以上も高くなり、4万232円45銭を記録しました。取引時間中としては7月19日以来、約3カ月ぶりに4万円台を回復しました。しかし、この動きは米国の株高や円安傾向を反映したものであり、石破首相へのご祝儀とは無関係のようです。

■新元号発表、東京五輪決定のときはどうだった?

 「ご祝儀相場」とは、一般に市場性の高い商品をセリで取引する際、「初もの」などの出品を祝って高値で落札したり、全体的に値が上がったりする状況を指します。高級品で知られる夕張メロンや高級マグロなどがそのシーズンに初めて卸売市場で取引される際、通常より何倍も高い値がつくケースもその一例です。

 株式市場での「ご祝儀相場」とは、大型株の新規上場や社会的な大イベントなどの際、投資家から一斉に買い注文が入り、株価を押し上げる現象を指します。年明け最初の取引となる大発会も正月気分で買い注文が増えることが多いとされ、ご祝儀相場の一例とされています。

 社会的な出来事に伴う
ご祝儀相場には過去、どんな実例があったのでしょうか

 
最近では、2019年4月1日に行われた新元号の発表時の動きが知られています。当時の官房長官だった菅義偉氏(のちの首相)が発表の記者会見で、「令和」と書かれた墨書を掲げたシーンを記憶している人も多いでしょう。新元号の発表前には「印刷関連銘柄に買い注文が入る」「元号そのものと関係の深い銘柄にご祝儀買いが入りそう」などと言われていました。

 
実際、新元号が発表されると、日経平均株価は上昇。発表の日の終値は前週末の終値に比べて303円22銭高の2万1509円03銭となりました。新元号と関連する企業に買い注文が集まったのも特徴です。

 映像・CM制作「レイ」は社名に「令和」の読みの一部が入っていることなどから個人投資家の注目を集めました。午前の取引終了後に前週末終値比0.3%安だった株価は、「令和」発表後の午後に急上昇。7.3%高の339円でこの日の取引を終えました。新元号の出典・万葉集の文言に関係する社名を持つ外食チェーン「梅の花」も、新元号の発表後に急上昇。このほか、印刷関連需要の増加が見込まれる紙・パルプ、印刷なども急上昇しました。

 
2度目の東京オリンピック開催が決定したのは、2013年9月7日です。アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会でのこと。東京開催が決定した瞬間、喜びを爆発させる安倍晋三首相(当時、故人)ら政府要人らの映像を覚えている人も多いでしょう。

 
オリンピックへの期待から株価はその後、じわじわと上昇していきます。当時の市場はすでにアベノミクスによって株価は急騰を遂げていましたが、開催決定で株価はさらに上昇基調に。建設関連株などを中心に買いが続いていく展開が継続したのです。

■過去の新総裁誕生時はご祝儀相場になったか

 では、首相を選ぶことになる政権与党の総裁選や代表選は株式市場のご祝儀相場につながっているのでしょうか。

 
2001年4月の小泉純一郎総裁の誕生以来、今回の自民党総裁選を含め、政権与党のトップを選ぶ党内選挙は9回行われていますその翌営業日の日経平均株価を見ると上昇したのは小泉氏のほか、安倍晋三氏(2006年9月)、福田康夫氏(2007年9月)など計5回。一方、値下がりしたのは、民主党の菅直人氏(2010年9月)、今回の石破氏ら計4回でした。

 ご祝儀相場の出現する割合は半々に過ぎず、ご祝儀でいつも株価が上がると言える状況ではありません。その意味では「新首相・新政権のご祝儀相場」は都市伝説に近いと言えるでしょう。しかも、
近年では菅義偉氏を選んだ2020年以降、自民党の総裁選では3回連続で株価は下落しています

 
むしろ、政治でのご祝儀相場とは、株式市場の値動きではなく、新政権発足直後の内閣支持率が上向くことを指すようになってきました。首相が交代し、政権のメンバーが一新されると、清新さへの期待感などから支持率の上昇がしばしば生じます。

 同様の傾向は、例えば、米国でも見られます。新政権発足からの最初の100日間は「ハネムーン期間」と呼ばれ、日頃は大統領に厳しい姿勢を示す米メディアや野党も新政権に対する批判を手控え、「お手並み拝見」とばかりに動向を見守る習慣があります。その間は国民の支持率も高く、ご祝儀的な色彩が濃く現れています。

 日本でもそうした傾向は強く出ており、
新政権発足後は期待感も込めて、前政権の末期よりは支持率が高くなるケースが大半です。このため、永田町では「ご祝儀相場で支持率が高く出ただけ」「ご祝儀相場の影響が残っているうちに国政選挙に臨みたい」といった言葉が普通に交わされるようになりました。

 
今回の石破政権発足に関しても同様です

 
石破政権が誕生した直後、読売新聞は緊急全国世論調査を実施しました。石破内閣の支持率は51%。その結果を報じた同紙10月3日朝刊は「新内閣発足の『ご祝儀相場』としては限定的で、27日投開票の衆院選に向け、警戒感も続いている」と伝えています

 また、同じ日の
朝日新聞も石破首相が早期解散に踏み切った事情について、「ご祝儀相場」の語句を使いながら次のように報じました

「派閥の裏金事件からの
党勢回復がかかる次の衆院選は、政権発足から近いほど『ご祝儀相場』が見込める。10月27日は自民党の『不戦敗』が濃厚の参院岩手補選があり、新政権に冷や水を浴びせかねない。『今しかない』という与党の期待を前に、立ち止まって熟慮する余裕は石破氏にはまだなかった」

 
果たして今回の衆院選で、“ご祝儀相場効果”は自民党の期待通りに現れるのでしょうか
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フロントラインプレス
 「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。

 新しい首相が就任すると、その発言は国内外の耳目を集めます。近年の日本経済はふるわず、国内総生産(GDP)ではドイツに抜かれ世界4位になりました。

 日本経済をデフレから脱却させ、成長軌道に乗せるという課題は政治に突きつけられたままです。
 その課題に石破首相はどう立ち向かうのでしょうか。
 
 自民党総裁選で勝利して以降、石破首相は何度か自身の経済政策に言及しています。例えば、臨時国会で内閣総理大臣に指名された10月1日。石破氏は同日夜、首相官邸で初の記者会見に臨み、経済分野について次のように述べました。
 
 「日本経済はデフレを脱却するかどうかの瀬戸際。『賃上げと投資がけん引する成長型経済』を実現するため、岸田政権で進めた成長戦略を着実に引き継いでまいります。
 その第一歩として、早期に物価高で苦しんでおられる方々を支援してまいります。」
 岸田政権の政策を継承するというのだから、当然掛け声は大風呂敷で具体的政策は大局観がない!

 石破首相の発言に目新しいものはありませんでした。岸田政権の経済運営を引き継ぐとは繰り返しましたが、どのような形で引き継ぐのか具体的な内容は明らかになっていません。

 そうした姿勢が影響したためか、東京株式市場は石破新政権の誕生を好感する値動きにはなっていないようです。石破氏が自民党総裁選に当選して最初の取引となった9月30日の日経平均株価は大幅に下落。終値ベースの比較では、前週末より1919円01銭安(マイナス4.8%)の3万7919円55銭にとどまりました。石破政権の誕生を歓迎する「ご祝儀相場」とは、ほど遠い結果。

 ご祝儀相場には過去、どんな実例があったのでしょうか。
 2019年4月1日に行われた新元号の発表時の動きが知られています。
 新元号が発表されると、日経平均株価は上昇。発表の日の終値は前週末の終値に比べて303円22銭高の2万1509円03銭となりました。新元号と関連する企業に買い注文が集まったのも特徴です。

 2度目の東京オリンピック開催が決定したのは、2013年9月7日。
 オリンピックへの期待から株価はその後、じわじわと上昇していきます。当時の市場はすでにアベノミクスによって株価は急騰を遂げていましたが、開催決定で株価はさらに上昇基調に。建設関連株などを中心に買いが続いていく展開が継続したと、フロントラインプレス。
 
 首相を選ぶことになる政権与党の総裁選や代表選は株式市場のご祝儀相場につながっているのでしょうか。
 2001年4月の小泉純一郎総裁の誕生以来、今回の自民党総裁選を含め、政権与党のトップを選ぶ党内選挙は9回行われています。その翌営業日の日経平均株価を見ると、上昇したのは小泉氏のほか、安倍晋三氏(2006年9月)、福田康夫氏(2007年9月)など計5回。一方、値下がりしたのは、民主党の菅直人氏(2010年9月)、今回の石破氏ら計4回。
 9回中、上昇が 5回、値下がりが今回の石破氏を含めて 4回。
 交代とは関係なく、新トップの人物≒政策が決め手のようですね。

 今回の石破政権発足に関しては、政権が誕生した直後、読売新聞は緊急全国世論調査を実施しました。石破内閣の支持率は51%。その結果を報じた同紙10月3日朝刊は「新内閣発足の『ご祝儀相場』としては限定的で、27日投開票の衆院選に向け、警戒感も続いている」と伝えています。

 また、同じ日の朝日新聞も石破首相が早期解散に踏み切った事情について、「ご祝儀相場」の語句を使いながら次のように報じましたと、フロントラインプレス。
 「派閥の裏金事件からの党勢回復がかかる次の衆院選は、政権発足から近いほど『ご祝儀相場』が見込める。10月27日は自民党の『不戦敗』が濃厚の参院岩手補選があり、新政権に冷や水を浴びせかねない。『今しかない』という与党の期待を前に、立ち止まって熟慮する余裕は石破氏にはまだなかった」

 発足後短時間での収銀選挙作戦は、果たして今回の衆院選で、“ご祝儀相場効果”は自民党の期待通りに現れるのでしょうか。



 # 冒頭の画像は、石破首相



  この花の名前は、チトニア フィエスタ デル ソル


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