遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

ソーシャルメディアが人々を動かし政権の命運を左右する時代

2011-02-21 00:25:54 | my notice
 中東のデモは、全域に拡大しつづけています。外国企業が請け負う水道料金への不満が理由のモロッコ、電力供給の充実を求めるイラク南部などを含めると、20日現在で15ヵ国にのぼっている様です。いまのところ、原油の積み出しに影響は出ていない様ですが、中東全土を揺るがす不安定な事態は、同時に世界全体のエネルギー供給の不安定化、経済の不安定化に繋がります。また、中国などの独裁国家への感染も注目されます。
 
民主化デモ、中東全域に拡大 ジブチやモロッコでも  :日本経済新聞

 デモへの人々の集結を実現させているのは、「ソーシャルメディア」の情報伝達力の速さと、頒布力の広さです。ただ、この情報は、一私企業の運営するものを介しているのであり、「Facebook」の様に本名を使用しその認証に腐心しているものがあるとはいえ、発信者の素性がどこまで信頼してよいものかは、保証されたものとは言えません。
 ネットには誰でも参加できるということは、様々な利害を目的に参加している輩がいるということでもあるとは、多くの方々がご承知の通りです。
 「ソーシャルメディア」によって、短期間に多くの人々が動かされるという新現象は、清濁混交の両刃の剣のツールによるものであることを認識しておかねばなりません。
 
瞬時の情報共有で激変する秩序と権力 (2/20 日経社説)

 
失業やインフレへの不満、長期独裁への反発や怒り。個々にこうした感情を抱く多くの人が、反政府デモに加わる意志を瞬時に共有し、短期間で独裁政権を倒す巨大なうねりをつくった。エジプト「革命」は、デジタル技術の普及により、既存の政治秩序が一気に変わり得る時代を迎えたことを示す。中東の民主化にとどまらず、世界の政治に広く及ぼす影響を考える必要があろう。

デジタルで市民が結合
 携帯電話もインターネットもなかった1979年のイラン革命は、カセットテープ、ラジカセの普及と並行して起きた。ホメイニ師らの王制打倒のメッセージが次々にコピーされて広がった。それでも、発端となった78年1月の騒乱から王制が倒れるまで、1年以上かかった。
 今回エジプトでは、反政府デモが始まってから18日間で政権が倒れた。速さは驚異的である。反政府運動が広がるテコになったのは、フェイスブックやツイッターなど「ソーシャルメディア(仲間をつくる媒体)」と呼ばれる情報伝達手段だ。

<中略>

 
ソーシャルメディアが力を発揮したのは、2008年の米大統領選だった。フェイスブックの関係者がオバマ陣営の参謀を務め、「デジタルネーティブ(インターネットに習熟した若者)」の結集を呼びかけ、大統領選の勝利につなげた。
 今やソーシャルメディアは「民主化の武器」として注目を浴びる。だが、
インターネットは、民主的な勢力だけがつかっているわけではない。独裁政権側も、過激派も、犯罪組織もそれを利用している

 たとえば
アルカイダは、組織というよりも「情報空間を活動拠点とするイスラム過激派の国際ネットワーク」
というほうが実態に近い。
 独裁的な政治体制の国で、権力側が新しいメディアを世論の誘導や言論統制の武器として利用しつつあることにも、注意が必要だ。秩序を維持しようとする側の活動は、すでに現実の空間からネット上の情報空間に移りつつあるともいえる。
 09年のイランの大統領選の後、発表された選挙結果に異を唱えて盛り上がった改革派のデモでは、ツイッターがその力を示した。いまイランではソーシャルメディアが厳しく規制されている。アラブ諸国でも、政権側はソーシャルメディアの利用を阻もうと通信回線の遮断をくり返すが、反政府側はさまざまな迂回技術を使って対抗する。

米の情報覇権に抵抗も
 米政府は新しいメディアを民主化支援の道具に使おうとする。フェイスブックもツイッターも、中核サーバーは米国内にあり、必要とあれば米政府は内容を把握できる有利さがある。北朝鮮でもツイッターが広がり始めたが、内部告発ともいえるつぶやきを米政府は歓迎する。
 一方で、中国やインドなどは、サーバーを自国内に移すよう北米のサービス事業者に求めている。米国の情報覇権に抵抗する動きだ。
 中国では09年に新疆ウイグル自治区で騒乱が起きて以来、フェイスブックやツイッターの接続が禁止され、代わりに独自のミニブログが普及した。だがこの数週間、「エジプト」や「デモ」といったキーワードで検索しても、ミニブログにつながらない。当局の指示で事業者が規制しているからだ。
 
新しいテクノロジーは情報発信者に読者を提供するが、発信される内容を技術が左右することはない
――米調査会社ユーラシア・グループのイアン・ブレマー代表は、そう説いている。民主化の呼びかけだけでなく、外国人排斥の扇動や、政権に都合のいい事実の歪曲(わいきょく)も、瞬時に共有されて多くの人を動かすかもしれない。
 こうした危うさをはらみつつ、デジタル技術は秩序を左右し始めている。その現実を踏まえて、政治や外交を展開するときを迎えている。

 新しい技術で、新しい文明が生まれ、我々は新しい生活スタイルを得ることができます。その新しい技術を使いこんで、新しい生活に有益に作用させるのは、使う個人個人の責任による種類のものです。
 中東でのデモの広がりは、食糧価格の値上がりがきっかけだとか、抑圧された格差社会への反発だとかいろいろの伏線があるのでしょうが、ブームというか感染しているというか、その勢いは止まるところを知らない感があります。
 特定の思想・宗教やテロなどがこの機に乗じようとしていることは当然のことでしょうから、その魔手に犯されないことを祈るばかりです。

 中国で呼びかけられていたデモは、厳重な警戒の下、逮捕者があったものの、多くの人々が集結することはなかったようですね。
 
中国、1000人以上拘束か…ネットでデモ予告 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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