![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/07/ccdd68e7eba81d2090929f7c1aae128f.jpg)
英・エコノミスト誌が、日中が世界規模で繰り広げる論争について、どちらの国も、この舌戦に勝っていない、他のほとんどの国には、介入する理由も、どちらかの味方につく理由もない、国の評判を落とす見苦しい争いだと論評しています。
ダボス会議での安倍首相の発言を、通訳の不手際があったにせよ誤解した報道をしたフィナンシャルタイムスに比べると、よく取材していて、第三国からはそのように見えているのかと、納得する部分もあり、更なる日本のPRの必要性を感じる部分もあります。
日中の論戦は、中国が海洋覇権の拡大の一環として仕掛けているもので、かつての日本政府は、大人の対応などとして無為無策に放置していましたが、中国(韓国も)の虚偽の主張を信じる国や人々が増えて来ていることから、安倍政権では巻き返しの戦術を取り始めているのですね。
「夕食会でのちょっとしたもめごとが殴り合いに発展しそうになるのを見ているようなもの」と警鐘を鳴らしていただいているのは理解できますが、これまでの様に放置していては、日本への誤解が浸透してしまうので、国が滅ぼされるのを座視できず立ち上がっているのです。この、出発点を理解していただかねば、両国の見苦しい言い争いと映ってしまうのですね。日本政府のPR不足があるということですね。
中国の戦術で、日本が戦後の秩序を見出し戦前に逆行しているという中国の戦勝国への喧伝を厄介なものと考えていましたが、この記事では、中国がかつての戦争に言及する道を選んだのは誤りだと指摘していて、真実を知る人はいるのだと、安堵しました。
日本は70年にわたって平和を維持している現実を観ているのです。
なので、アジアでの戦争の話をアフリカでしても共感は呼ばないし、日本による占領を直接経験した国々でさえ、中国の軍備増強と領海紛争に関する強気な主張の方がはるかに問題だとして、日本の姿勢を秘かに歓迎している国がほとんどだと評しています。
更に、中国はアジアで地歩を失いつつあるとも指摘しています。
そのとおりですね。
中国は、日本の過去を非難することよりも、自らの現在の行動を抑え、脅威と見なされないようにすることが有効だとし、日本にとっても、中国をはじめとする他国に遠い昔の戦争について何度も蒸し返す機会を与えてはならないと結んでいます。
ここは、繰り返しになりますが、中国から売られた喧嘩に対し、火の粉をはらっているもので、出発点がどこかの理解を深めていただくことのPRが不足している点が反省点となります。
フィナンシャルタイムスの報道では、日本への誤解が浸透した素地が産んだ誤解と、憂慮しましたが、中国の覇権拡大の現状について、一流メディアは理解していただいていると、安倍首相への皮肉の部分はフィナンシャルタイムスと共通の部分をはらんでいますが、ちょっぴり安堵しました。
# 冒頭の画像は、ダボス会議での安倍首相
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/3c/2f4e53e3c7c5d244a5f237eb41095e5f.jpg)
この花の名前は、ヒメユリ 撮影場所;六甲高山植物園(2013年 8月 撮影)
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ダボス会議での安倍首相の発言を、通訳の不手際があったにせよ誤解した報道をしたフィナンシャルタイムスに比べると、よく取材していて、第三国からはそのように見えているのかと、納得する部分もあり、更なる日本のPRの必要性を感じる部分もあります。
日本と中国が繰り広げる消耗戦:JBpress(日本ビジネスプレス)
(英エコノミスト誌の記事を、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したもの。)
日中間の激しい外交競争は、危険なまでの感情の高ぶりを示している。
中国と日本の間で繰り広げられている外交の消耗戦は、新たに戦いの火が燃え上がらない日がないほどだ。
<中略>
どちらの国も、この舌戦に勝っていない。1月第4週に入り、戦いは世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に舞台を移した。安倍首相はここで再び中国の軍備増強を批判し、日中の対立を第1次世界大戦前のドイツと英国の関係になぞらえて不安を呼んだ。恐らくこれは、不安を利用する戦術なのかもしれない。
だが、この発言は、外交上の口論がはらむ真のリスクを浮き彫りにしている。こうした諍いは大抵、「面白い」と「恥ずかしい」と「やや不安を抱かせる」のどこかの領域に入ると見られる。いわば、夕食会でのちょっとしたもめごとが殴り合いに発展しそうになるのを見ているようなものだ。
他のほとんどの国には、介入する理由も、どちらかの味方につく理由もない。実際、一部の国は他国の忠誠を奪い合う両国の争いに乗じて利益を得ることを期待しているかもしれない。
国の評判を落とす見苦しい争い
<中略>
しかし、その他の国々においては、非難の応酬と中傷合戦は両国の評判を落としている。中でも最悪なのが、両国の駐英大使による、ハリー・ポッターの物語にかこつけたあてこすりだ。
まず、中国大使が日本を闇の魔法使い、ヴォルデモート卿に例えた。さらに、同大使はJ・K・ローリング氏の大作に関する見事な知識を見せ、靖国神社は「ホークラックス(分霊箱)」だと続けた。ホークラックスはヴォルデモート卿が自らの魂の一部を隠した入れ物だ。
それは違う、と日本大使は反論し、「軍拡競争と緊張激化という悪を解き放った」として、むしろヴォルデモート卿の役回りを演じているのは中国だと主張した。
<中略>
中国は他国の内政への不干渉というお題目を繰り返しているが、この内政不干渉はその時々に権力の座にある悪者に中国が与える惜しみない支援の隠れ蓑だとの非難に神経質になっている。
中国は日本のジャブに対して、それは偽善だと応酬することもできたはずだ。何しろ日本もしばしば中国と同じような批判を受けている。例えば、欧米諸国がミャンマーの軍事政権との関わりを断った際にも、日本は人道支援を続けていた。
しかし、中国はかつての戦争に言及する道を選んだ。日本は70年にわたって平和を維持しており、戦時中のアジアの記憶はアフリカではほとんど共感を呼ばないにもかかわらず、だ。
アジアで高まる中国への懸念
日本による占領を直接経験した国々でさえ、中国のアプローチはあまり効果がないように思える。アジア各国は安倍首相の靖国神社参拝に不満を覚えている。それでも、安倍首相が計画している防衛費の増額に懸念を抱く国は少ないようだ。
それどころか、中国の軍備増強と領海紛争に関する強気な主張の方がはるかに問題だとして、日本の姿勢を秘かに歓迎している国がほとんどだ。
安倍首相は就任1年目に東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟10カ国をすべて訪問するなど、この地域に対するご機嫌取りに余念がなく、靖国神社参拝に対する怒りによってこうした努力が台無しになる可能性は低そうだ。
一方、中国はこの地域での地歩を失いつつある。例えば、ミャンマーは2011年以降、西側への開放政策に転じたが、これには中国への依存を減らす狙いもあった。
また、カンボジアの実力者、フン・セン首相は長年にわたり中国との友好関係や同国からのひもなし援助を絶賛してきた。だが、同首相も今では日本との関係も強化しようとしており、2013年12月には両国の関係を「戦略的パートナーシップ」へと格上げすると発表した。
一方の中国も、国営の通信社がフン・セン首相に対し、政治改革を推し進めるよう異例の提言をするなど、かつての援助国との新たな距離感を示唆する動きに出ている。
戦争に言及するな
ありがたいことに、この対立はまだ第1次世界大戦ではないし、ソビエト連邦と米国の同盟国が互いに対立する陣営に2分された冷戦でさえない。各国は中国と日本のどちらかを選ぶ必要はない。それどころか、日中両国が抱く互いへの反感が、競争的な援助をかき立てることを期待できるだろう。
ただし、そうした期待も、対立が紛争に発展する恐れの前ではかすんでしまう。この外交を舞台にした「夕食会」では、誰かが実際にパンチを繰り出さないとも限らないのだ。
中国にとっては、教訓は明白なはずだ。歴史を巡る日本との論争で支持を得るには、日本の過去を非難することよりも、自らの現在の行動を抑え、脅威と見なされないようにすることが有効だ。例えば、南シナ海では、領有権の主張がさらに激しくなっているとして、特にフィリピンとベトナムが中国を非難している。
安倍首相から見ると違うようだが、日本にとっても、教訓は同じくらい明白なはずだ。つまり、靖国神社に参拝することで過去を呼び起こすことで、中国をはじめとする他国に遠い昔の戦争について何度も蒸し返す機会を与えてはならない、ということだ。
(英エコノミスト誌の記事を、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したもの。)
日中間の激しい外交競争は、危険なまでの感情の高ぶりを示している。
中国と日本の間で繰り広げられている外交の消耗戦は、新たに戦いの火が燃え上がらない日がないほどだ。
<中略>
どちらの国も、この舌戦に勝っていない。1月第4週に入り、戦いは世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に舞台を移した。安倍首相はここで再び中国の軍備増強を批判し、日中の対立を第1次世界大戦前のドイツと英国の関係になぞらえて不安を呼んだ。恐らくこれは、不安を利用する戦術なのかもしれない。
だが、この発言は、外交上の口論がはらむ真のリスクを浮き彫りにしている。こうした諍いは大抵、「面白い」と「恥ずかしい」と「やや不安を抱かせる」のどこかの領域に入ると見られる。いわば、夕食会でのちょっとしたもめごとが殴り合いに発展しそうになるのを見ているようなものだ。
他のほとんどの国には、介入する理由も、どちらかの味方につく理由もない。実際、一部の国は他国の忠誠を奪い合う両国の争いに乗じて利益を得ることを期待しているかもしれない。
国の評判を落とす見苦しい争い
<中略>
しかし、その他の国々においては、非難の応酬と中傷合戦は両国の評判を落としている。中でも最悪なのが、両国の駐英大使による、ハリー・ポッターの物語にかこつけたあてこすりだ。
まず、中国大使が日本を闇の魔法使い、ヴォルデモート卿に例えた。さらに、同大使はJ・K・ローリング氏の大作に関する見事な知識を見せ、靖国神社は「ホークラックス(分霊箱)」だと続けた。ホークラックスはヴォルデモート卿が自らの魂の一部を隠した入れ物だ。
それは違う、と日本大使は反論し、「軍拡競争と緊張激化という悪を解き放った」として、むしろヴォルデモート卿の役回りを演じているのは中国だと主張した。
<中略>
中国は他国の内政への不干渉というお題目を繰り返しているが、この内政不干渉はその時々に権力の座にある悪者に中国が与える惜しみない支援の隠れ蓑だとの非難に神経質になっている。
中国は日本のジャブに対して、それは偽善だと応酬することもできたはずだ。何しろ日本もしばしば中国と同じような批判を受けている。例えば、欧米諸国がミャンマーの軍事政権との関わりを断った際にも、日本は人道支援を続けていた。
しかし、中国はかつての戦争に言及する道を選んだ。日本は70年にわたって平和を維持しており、戦時中のアジアの記憶はアフリカではほとんど共感を呼ばないにもかかわらず、だ。
アジアで高まる中国への懸念
日本による占領を直接経験した国々でさえ、中国のアプローチはあまり効果がないように思える。アジア各国は安倍首相の靖国神社参拝に不満を覚えている。それでも、安倍首相が計画している防衛費の増額に懸念を抱く国は少ないようだ。
それどころか、中国の軍備増強と領海紛争に関する強気な主張の方がはるかに問題だとして、日本の姿勢を秘かに歓迎している国がほとんどだ。
安倍首相は就任1年目に東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟10カ国をすべて訪問するなど、この地域に対するご機嫌取りに余念がなく、靖国神社参拝に対する怒りによってこうした努力が台無しになる可能性は低そうだ。
一方、中国はこの地域での地歩を失いつつある。例えば、ミャンマーは2011年以降、西側への開放政策に転じたが、これには中国への依存を減らす狙いもあった。
また、カンボジアの実力者、フン・セン首相は長年にわたり中国との友好関係や同国からのひもなし援助を絶賛してきた。だが、同首相も今では日本との関係も強化しようとしており、2013年12月には両国の関係を「戦略的パートナーシップ」へと格上げすると発表した。
一方の中国も、国営の通信社がフン・セン首相に対し、政治改革を推し進めるよう異例の提言をするなど、かつての援助国との新たな距離感を示唆する動きに出ている。
戦争に言及するな
ありがたいことに、この対立はまだ第1次世界大戦ではないし、ソビエト連邦と米国の同盟国が互いに対立する陣営に2分された冷戦でさえない。各国は中国と日本のどちらかを選ぶ必要はない。それどころか、日中両国が抱く互いへの反感が、競争的な援助をかき立てることを期待できるだろう。
ただし、そうした期待も、対立が紛争に発展する恐れの前ではかすんでしまう。この外交を舞台にした「夕食会」では、誰かが実際にパンチを繰り出さないとも限らないのだ。
中国にとっては、教訓は明白なはずだ。歴史を巡る日本との論争で支持を得るには、日本の過去を非難することよりも、自らの現在の行動を抑え、脅威と見なされないようにすることが有効だ。例えば、南シナ海では、領有権の主張がさらに激しくなっているとして、特にフィリピンとベトナムが中国を非難している。
安倍首相から見ると違うようだが、日本にとっても、教訓は同じくらい明白なはずだ。つまり、靖国神社に参拝することで過去を呼び起こすことで、中国をはじめとする他国に遠い昔の戦争について何度も蒸し返す機会を与えてはならない、ということだ。
日中の論戦は、中国が海洋覇権の拡大の一環として仕掛けているもので、かつての日本政府は、大人の対応などとして無為無策に放置していましたが、中国(韓国も)の虚偽の主張を信じる国や人々が増えて来ていることから、安倍政権では巻き返しの戦術を取り始めているのですね。
「夕食会でのちょっとしたもめごとが殴り合いに発展しそうになるのを見ているようなもの」と警鐘を鳴らしていただいているのは理解できますが、これまでの様に放置していては、日本への誤解が浸透してしまうので、国が滅ぼされるのを座視できず立ち上がっているのです。この、出発点を理解していただかねば、両国の見苦しい言い争いと映ってしまうのですね。日本政府のPR不足があるということですね。
中国の戦術で、日本が戦後の秩序を見出し戦前に逆行しているという中国の戦勝国への喧伝を厄介なものと考えていましたが、この記事では、中国がかつての戦争に言及する道を選んだのは誤りだと指摘していて、真実を知る人はいるのだと、安堵しました。
日本は70年にわたって平和を維持している現実を観ているのです。
なので、アジアでの戦争の話をアフリカでしても共感は呼ばないし、日本による占領を直接経験した国々でさえ、中国の軍備増強と領海紛争に関する強気な主張の方がはるかに問題だとして、日本の姿勢を秘かに歓迎している国がほとんどだと評しています。
更に、中国はアジアで地歩を失いつつあるとも指摘しています。
そのとおりですね。
中国は、日本の過去を非難することよりも、自らの現在の行動を抑え、脅威と見なされないようにすることが有効だとし、日本にとっても、中国をはじめとする他国に遠い昔の戦争について何度も蒸し返す機会を与えてはならないと結んでいます。
ここは、繰り返しになりますが、中国から売られた喧嘩に対し、火の粉をはらっているもので、出発点がどこかの理解を深めていただくことのPRが不足している点が反省点となります。
フィナンシャルタイムスの報道では、日本への誤解が浸透した素地が産んだ誤解と、憂慮しましたが、中国の覇権拡大の現状について、一流メディアは理解していただいていると、安倍首相への皮肉の部分はフィナンシャルタイムスと共通の部分をはらんでいますが、ちょっぴり安堵しました。
# 冒頭の画像は、ダボス会議での安倍首相
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この花の名前は、ヒメユリ 撮影場所;六甲高山植物園(2013年 8月 撮影)
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