
中国は領有権の主張を一段と高めるだろうと、最近のオバマ政権が中国に抱く強い警戒感を現したとのことです。
【ワシントン=今井隆】米国防総省は5日、中国の軍事・安全保障に関する年次報告書を公表し、中国が東シナ海や南シナ海での有事に備え、海軍に新型艦艇を導入するなどの装備強化を進めていると指摘した。米国は中国の南シナ海での石油掘削などに対し、「見て見ぬふりはしない」(ヘーゲル国防長官)などとして厳しく対処する方針を示している。報告書は、アジア重視のリバランス(再均衡)政策を掲げるオバマ政権が、中国に抱く強い警戒感を浮き彫りにした。
中国が進める軍の近代化について、報告書は「台湾海峡有事に加え、南シナ海・東シナ海での潜在的な有事への準備に重点が置かれている」と明記。
中国海警局の海洋監視能力が、今後約10年で25%高まると分析した上で、「中国は領有権の主張を一段と高めるだろう」と予測した。
海軍では、小型で近海用の新型艦艇コルベット「056型」について、「13年に9隻を導入した。さらに20~30隻を建造するだろう」としたほか、ヘリコプターなどを搭載し、兵士や車両を海から陸に引き揚げる強襲揚陸艦については「20年ごろまでには建造しそうだ」と指摘、沿海域での戦闘などを念頭に置いた装備導入が進むとの見通しを示した。
昨年の報告書で「2010年代後半に就役する」としていた初の国産空母は、「20年代初頭に就役する」との表現に改めた。空軍についても、「史上例のない規模で近代化を追求し、欧米諸国との差を急速に埋めている」と危機感を示した。
また、中国が南シナ海に「九段線」と呼ばれる9本の線をU字形に引き、その内側に主権が及ぶと主張していることについて、昨年同様「法的根拠も明確に示していない」と批判した。
報告書は、中国の軍備費全体についても、「透明性が欠けている」と繰り返し批判し、2013年の国防費は公表されている1195億が(約12兆2236億円)より21%も多い1450億ドル(約14兆8320億円)を超えると見積もった。
中国が報告書に「断固たる反対」
【北京=五十嵐文】中国国防省は6日、米国防総省が発表した中国の軍事・安全保障に関する年次報告書についての声明で、「中国の正常な国防・軍隊建設を非難し、『中国脅威論』を誇張している」として「断固たる反対」を表明した。
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米の中国年次報告書とは
技術・戦略の現状記載
Q 「中国の軍事・安全保障に関する年次報告書」とは。
A 2000会計年度の国防権限法で、「中国の軍事力に関する年次報告書」の議会への提出が国防総省に義務づけられ、10会計年度の同法で現在の名称に変更されたものだ。
Q 報告書の内容は。
A 中国軍の軍事的・技術的展開の現状と今後の進展、中国の安全保障戦略などを取り扱う。報告書の取り扱い期間における米中の協力なども記載する。最近は、前年の報告書をべースに、新たな内容があれば書き換えたり、加筆したりしている。
Q 今年の報告書の特徴は。
A 中国の海洋進出を踏まえ、東シナ海・南シナ海に関する記述が手厚くなったことだ。一方、米中間の大きな懸案であるサイバー攻撃に関しては前年の表現を踏襲している部分が多い。
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習近平が主席就任後初の訪米での、オバマ大統領との会談で、「太平洋二分割論」を習近平が持ち出し、オバマ大統領が、日本との同盟関係を持ち出し一蹴したものの、その後、米中「新型大国関係」を容認・接近を進めていたオバマ政権。しかし、このところ、アジアへのリバランスを掲げ、米豪共同演習を増強したり、米議会で対中非難が強まるなど、対中警戒姿勢が高まっています。
米国議会で日増しに強くなる対中強硬論 米中間の「新冷戦」が始まったのか:JBpress(日本ビジネスプレス)
米議会も対中警戒姿勢を打ち出し始めた - 遊爺雑記帳
オバマ政権 アジア回帰を実行でアピール - 遊爺雑記帳
勿論、輸出の拡大で雇用回復を政策の柱とするオバマ政権は、対中貿易の拡大も進めています。
しかし、米中「新型大国関係」で大きく傾いた一時期とは明らかな政策転換がなされていると考えるべきでしょう。
何故政策転換がされたのか、専門家の方々の解明された納得できる論に接していません。素人の遊爺には解明する情報も知識もありませんが、素人推測では、中国軍によるサイバーテロの脅威が米国に直接大きな被害をもたらし始め、中国の覇権拡大を肌で感じるようになったことが大きいと考えます。
アジア安全保障会議(シャングリラ会合)でも、ブリュッセルのG7でも、中国への警戒を日本と共に訴えました。
アジアで中国が行っている現実への理解が米国で深まり、対抗行動が始まったのですね。
今回のG7で、日米の協力を仕組んで欧州の各国にも理解を広めた安倍首相にも賛辞を贈らねばなりません。
米国(オバマ政権という意味ではない)は腐っても鯛。持てる情報量や発信力は世界一です。その米国が真実を知り、それを世界に発信すれば、中国のプロパガンダは吹き飛びます。
アジア安全保障会議(シャングリラ会合)、ブリュッセルのG7で各国への真実を理解させる作戦に大きな効果が出ましたが、今後も是非世界の世論に向けた、日米の連携した情報発信が進められることに期待します。
# 冒頭の画像は、中国船に沈没させられたベトナム漁船
「ベトナム漁船乗組員「中国船が沈没させる目的で衝突」」 News i - TBSの動画ニュースサイト

キクバヤマボクチと蜂 撮影場所;六甲高山植物園 (2013年10月 撮影)
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