遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

EU離脱の英国 札束外交の中国が呑み込めるか

2017-03-30 23:58:58 | 中国 全般
 EU離脱通告した英国は、EUとのFTA交渉を進めると同時に、EU以外の国々とのFTA交渉も進めることになります。離脱を支持する米政権は歓迎の意向で積極的に取り組む姿勢を示していて、英連邦のオーストラリアやニュージーランド、インドなどの連携強化も進めるのだそうです。
 一方、札束外交で英国をひれ伏させる道を進める中国は、この機会に英国を呑み込んで、「一帯一路」構想の推進を強化し、世界への覇権を拡大する、「中華の夢」実現を目指す意向です。

 
EU離脱通告 英、世界とFTA 「グローバル・ブリテン」針路 (産経新聞) - Yahoo!ニュース
 
EU離脱通告 中国「千載一遇の好機」 英と蜜月演出、日米を牽制 (3/30 産経)

 【上海=河崎真澄】中国が欧州連合(EU)離脱を29日に通告した英国を取り込む戦術を着々と進めている。習近平指導部が狙っている新シルクロード経済圏構想「一帯一路」で、外交面でも経済面でも「英中連携」が有益と考えているからだ。同時に日米への牽制(けんせい)にもなる
と踏んでいる。
 「中国にとっては千載一遇のチャンスだ」。匿名を条件に取材に応じた中国の複数の関係者は、英国のEU離脱に関し口をそろえてこう話す。解説を集約すると
ポイントは3点
ある。

■「一帯一路」構想
 まず「一帯一路」と、これを資金面から支える中国主導のアジアインフラ投資銀行
(AIIB)で英国の重要性や存在感がいやます点。「英国はEU依存度を減らす分、対中関係拡大に動かざるを得ない。(1840~42年の)アヘン戦争の時代から中国での権益を虎視眈々(たんたん)と狙ってきた英国の発想は今でも変わらないが、中国はこれを逆手に取る
」と政治学者は話す。

 中国を起点に、欧州まで陸路と海路でインフラ建設による経済利益を共有する構想は、地図上で英国が終点。英国からみれば起点と終点が逆転する構図だ。
 その経路にはマレーシアやインド、オーストラリアや南アフリカなど歴史的に英国とかかわりの深い国々が数多い。「英国が残した法体系がいまも使われている」(政治学者)ため、インフラ建設の許認可をめぐる法的な対応や金融面などでの英国との協力が中国にとっても有利だと映る。

 中国はAIIB構想が動き始めた3年前から英国に働きかけ、西側先進国で初めて参加表明させた。
 
日米が重要な決定権をもつ既存の国際金融機関の体制に、「EUの束縛がなくなると英中の連携が有効な対抗勢力になる」との読み
がある。北京で5月に開かれる「一帯一路」サミットや、6月末のAIIB年次総会は、中国が目指す“英中蜜月”を演出する重要な舞台回しになりそうだ。

■人民元の国際化
 次に、ロンドンの金融センター「シティー」の果たす役割だ。英国のさらなる対中接近で、「
習指導部がめざす人民元の国際化の拠点は当然、ニューヨークではなくロンドンとなり、上海に加え(旧英植民地の)香港が連動して英中金融協力が飛躍的に伸びる」とエコノミストは強く訴えた。「一帯一路」やAIIBの動き拡大と相まって、インフラ投資や貿易などの代金がロンドンで人民元建てで決済され、人民元建ての債券などの発行もシティーが香港と並ぶ一大オフショア(本土外)金融拠点になりそうだ


■武器輸出解禁も
 最後は、1989年の天安門事件に対する経済制裁として、「
EUが続ける中国への武器輸出禁止措置への風穴に英国がなる」(政治学者)ことへの期待。英国からの武器や軍事技術の輸入が可能になると中国側は踏んでいる
。武器輸出解禁の交渉は難航も予想されるが、「EUの束縛さえなくなれば、英国には対中輸出したい軍事技術が数多くあるはずだ」とにらむ。

 
札束をチラつかせて英国をなびかせた中国EU離脱を契機に英中関係を深化させて日米を牽制して、ユーラシア大陸から東南アジア、南太平洋、インド洋からアフリカ、英国まで地球を半周する経済的、外交的な戦略を潜ませている。

 アヘン戦争で中国を植民地化した英国。今は逆に中国が札束外交で、英国をひれ伏させようとしています。
 香港擁護外交で、対中貿易で欧州諸国に周回遅れくらいの差をつけられた英国。その挽回に、ウィリアム王子が一大企業団を引き連れて訪中したり、習近平の訪英の晩餐会では、エリザベス女王が馬車で迎えに行く厚遇をするなど、中国に傅く姿勢を示し、欧州諸国G7の中で、率先してAIIBに参加し、諸国の加入の雪崩現象を引き起こす役割も演じていました。

 EU離脱で、新たな対外経済政策や外交構築に迫られている英国。
 旧来の米英関係を強化し、それを軸に、英連邦諸国との関係も強化し、新たな経済・政治勢力圏を築けるのか、中国の覇権拡大構想に飲み込まれるのか。要注目ですね。

 しかし、ここまでの中国の経済発展の基となっていた「改革開放」路線から、毛沢東時代へ逆流する独裁政治への道を選択し、国内での権力闘争に注力する習近平。
 ささやかれ続けられている経済破綻は、深刻度を増す一方との声は止みません。
 
【中国大混乱(4)】中国に迫る経済大崩壊 人民元暴落は時間の問題、大混乱は必至 - 産経ニュース

 EU離脱の英国が、米英関係を軸に、英連邦圏も復活させ、新たな勢力圏構築が出来るのか、「中華の夢」を追い求める、習近平に飲み込まれるのか、日本はどんな役割を果たすのか、眼が離せません。

 大統領弾劾で、完全に浮浪し世界の変動から取り残されている韓国。ペテン師・篭池の言動を振りかざしテレビのワイドショーの下請けをする国会(=有本香氏の名言)で旗振りをする民進党によって空転する日本は、韓国のことを他人事とみている場合ではない迷走をしていて、一億総ワイドショー化に堕落しかけています。
 激動している世界の流れに、日本の果たすべき役割も大きいし、流れに対処しないと漂流する危機でもあります。
 メディア各社の報道に追随し、パフォーマンスや政局を優先し、政策を論じない野党国会議員が多い日本。かつて、そうしてメディアが吹かせた政権交代の風で誕生した政権が、日本を沈没寸前に陥れました。ようやく回復しつつある日本を、再び沈没の危機に陥れることがあってはなりませんね。



 # 冒頭の画像は、EUからの離脱を通知する書簡に署名するメイ首相




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