遊爺雑記帳

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中国の尖閣諸島への攻勢は、沖縄などを含む日本領諸島へのより広範な長期戦略の一環

2016-07-06 23:58:58 | 東シナ海尖閣諸島
 東シナ海・尖閣諸島への中国の進入攻勢が、海でも空でもスステップアップしていることは、諸兄がご承知のことで、遊爺も何度も取り上げさせていただいています。
 ワシントンで中国の軍事動向を研究する民間機関「国際評価戦略研究センター」の主任研究員リチャード・フィッシャー氏が、中国人民解放軍の東シナ海戦略についての調査結果を報告書にまとめ、このほど公表したのだそうです。フィッシャー氏は、中国の尖閣諸島への攻勢は、沖縄などを含む日本領諸島へのより広範な長期戦略の一環であると指摘されているのだそうです。
 

「中国軍はヘリで尖閣を急襲する」と米研究機関 東シナ海制覇を目論む中国の野望 | JBpress(日本ビジネスプレス) 2016.7.6(水) 古森 義久

 
中国軍が尖閣諸島など日本の領海や領空への侵犯を重ねる中、中国の軍事動向を調査する米国の研究機関が「中国軍部はヘリコプター急襲や洋上基地の利用によって尖閣諸島を奪取する戦略を着実に進めている」とする分析を明らかにした。
 同研究機関は、
中国は長期的には東シナ海での覇権を確立するとともに、沖縄を含む琉球諸島全体の制覇を目論んでいると明言
している。

■尖閣制覇の目的は?
 ワシントンで中国の軍事動向を研究する民間機関「国際評価戦略研究センター」の主任研究員リチャード・フィッシャー氏は、中国人民解放軍の東シナ海戦略についての調査結果を報告書にまとめ、このほど公表した。
 同報告書は、まず中国が南シナ海で人工島建設による軍事化を推進し、同時に東シナ海でも、2013年11月の防空識別圏(ADIZ)の一方的な設置宣言に象徴されるように、軍事能力を高めていることを指摘する。特に、尖閣を含む琉球諸島の南部を重点的な対象とした(1)レーダー網や電子諜報システムの近代化、(2)J-10やJ-11など第4世代戦闘機の配備、(3)新型の早期警戒管制機(AWACS)や電子諜報(ELINT)の配備や強化、(4)以上のような戦力の演習の頻度増加――などが最近、顕著にみられるという。
 また同報告書は、中国は尖閣諸島の軍事奪取のための能力を特に強化しているとし、
尖閣の制覇には二重の目的があると分析する。つまり、“台湾攻略のための戦略拠点を確保する”、および“2020年頃までに東シナ海全域で中国の戦略核潜水艦活動の自由を確保
する”という目的である。

■着々と進んでいる尖閣奪取の準備
 同報告書はそのうえで、
尖閣諸島の軍事奪取に向けた中国人民解放軍の最近の動き
として、以下の諸点を列記していた。

浙江省の南麂列島で、ヘリコプター発着を主な目的とする新軍事基地の建設を始めた。この基地は尖閣諸島から約300キロの地域にある。中国軍ヘリのZ-8やZ-18は約900キロの飛行距離能力があり、尖閣急襲用の新基地
と目される。

2015年6月以降に、
浙江省の温州市で、日本の海上保安庁にあたる「海警」の新しい基地の建設を始めることが明らかになった。温州市は尖閣諸島から約320キロの地点にある。温州市の海警基地はまず尖閣諸島方面での任務につく
とみられる。

中国海軍は
新型のホバークラフトをすでに東シナ海に配備した。さらに新鋭の重量級ヘリの開発にも着手
し、尖閣諸島や宮古列島、八重山列島への敏速な軍事作戦の実施能力を高めている。

中国海軍はウクライナ・ロシア製の時速50ノット、運搬量500トンの
大型ホバークラフト2~4隻を購入し、同様の国産艦も製造中
である。その結果、中国軍は、ヘリコプターの急襲部隊を後方から敏速に支援することが可能になる。 

中国軍は、搭載量15トン、飛行距離400キロの
新型ヘリコプターも独自に開発
している。完成して配備されれば、尖閣諸島の占拠にきわめて効果的な手段となる。

・中国は、2015年7月に公開した
巨大な「洋上基地」の東シナ海への配備を実際に進め、尖閣攻略の有力な武器にしようとしている
。この洋上基地は軍用航空機と軍艦の洋上の拠点として機能するため、中国が占拠した尖閣諸島に曳航すれば、即時に新軍事基地となる。

■沖縄や先島諸島も狙われている
 さらにフィッシャー氏は同報告書で、
尖閣諸島だけでなく沖縄や先島諸島(宮古列島と八重山列島)をも日本から奪取しようとする中国の長期戦略の存在を指摘
した。

 同報告書によると、中国人民解放軍の羅援少将(軍事科学研究院所属)らは、中国共産党機関紙「人民日報」などに2013年半ば以降一貫して「沖縄を含む琉球諸島は本来は中国の主権に帰属する」という主張を発表してきた。中国と沖縄や先島諸島との歴史的な関わりを強調するその主張は、中国政府の意向の反映とみられるという。フィッシャー氏は、
中国の尖閣諸島への攻勢は、沖縄などを含む日本領諸島へのより広範な長期戦略の一環
であるとしている。

 米国で明らかにされた、こうした中国の尖閣諸島、沖縄その他の琉球諸島、さらには東シナ海全体への軍事的野望の実態は、当然ながら日本でも深刻に受けとめなければならない動きである。


 尖閣諸島から約300キロの地域にヘリコプター発着を主な目的とする新軍事基地を建設。約320キロの地点に、「海警」の新基地建設を開始。 新型ホバークラフトの配備と、ウクライナ・ロシア製大型ホバークラフトの購入と同様の国産艦の製造。新鋭の重量級ヘリを開発し、ヘリコプターでの急襲とその部隊への後方からの敏速な支援体制の確立を進めているのだそうです。
 更に、巨大な「洋上基地」を東シナ海に配備し、中国が占拠した尖閣諸島に曳航して、軍用航空機や軍艦の洋上新基地を即座に出現させるのだと。
 勿論、狙いは尖閣にとどまらず、先島諸島や沖縄本島の奪取。その目的は、「台湾攻略のための戦略拠点確保」と「2020年頃までに東シナ海全域で中国の戦略核潜水艦活動の自由確保」。

 野望に向けた、長期戦略を建て、着実に段階をふんで実現に向けて進めていて、最近の軍艦の行動や、戦闘機の行動は、その階段を一歩登ったということなのですね。
 南シナ海の暴挙への世界の眼の集中を逸らすとか、フィリピンが提訴した仲裁裁判所の裁定が下されることからその裁定無視の示威行動というレベルではなく、長期戦略で進めている沖縄占領の一環だというのです。

 軍艦の行動や、戦闘機の挑発行為を、穏便にやり過ごそうとするのは、外務省主導なのでしょうか、官邸主導なのでしょうか。安倍首相の真意がみてとれません。
 中国の戦術は、ジャブを繰り出し、その反応を観乍ら押したり引いたりしながら、時間をかけて目的に向けひたすら進んでいくものだとは、衆知の手法ですね。ジャブの段階で、毅然んとした態度で臨めば、手をひっこめますが、あいまいな態度ではズルズルと既成事実を重ねて、進んでくるのです。
 古森氏が、軍事的野望の実態は、深刻に受けとめなければならない動きだと指摘しておられます。防衛相の思いは、織田元空将が代弁しておられますが、外務省や官邸は過小評価してやりすごそうとしている事なかれ主義に見えるのは、遊爺だけでしょうか。
 それでは、中国の思う壺です。フィリピンが対中輸出削減の犠牲を顧みず国家の主権を護ろうと提訴した仲裁裁判所の裁定が、12日にも下される予定です。反発を強める中国に対し、ドゥテルテ新大統領の対中姿勢は未明ですが、裁定を重視して中国と交渉するとされているようです。日本や関連諸国の支援が、新大統領の行動に反映されると考えます。世界の国々が、裁定を支援し、裁定を無視する中国を無法者と非難することで、中国の南シナ海や東シナ海の力による覇権拡大を防ぐことになります。
 日本政府、外務省の毅然とした態度での外交展開が、日本の為にも、アジアの平和の為にも、求められます。


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 # 冒頭の画像は、鹿児島県口永良部島沖の領海に侵入した中国海軍のドンディアオ級情報収集艦




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