遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米・国防省QDR スリム化指向が続く

2014-03-06 23:58:58 | 米国 全般
 中国は全人代で、国防予算は8,082億3千万元(約13兆4,460億円)で、前年実績比12・2%増とし、2年連続で2桁の伸びであることを発表しましたね。研究開発費や外国からの購入分は含まれておらず実際の額は更に大きいものであることは諸兄がご承知の通りです。
 それに対し、財政ピンチの米国は、軍事費の削減を進めていますが、「4年ごとの国防計画見直し」(QDR)を発表し、スリムで即応性の高い軍事力への転換を目指すとしました。
 

国防計画見直し 米軍スリム化志向 技術優位、即応性重視 予算制約厳しく (3/6 読売朝刊)

 【ワシントン=今井隆】米国防総省が4日発表した「4年ごとの国防計画見直し」(QDR)は、予算の制約で米軍の戦略が、厳しい優先順位付けを強いられている現状を浮き彫りにした。中国を念頭に、技術的優位の維持やアジア太平洋地域、対テロ作戦を重視する姿勢を打ち出したが、陸軍の大幅削減日本など同盟国との協力強化
で、スリムで即応性の高い軍事力への転換を目指す。

■リバランス
 ウォーマス国防次官は4日の記者会見で、今回のQDRと、2015会計年度の国防予算案(4956億ドル)の狙いを「将来の脅威と米軍が今後10~20年で対応可能にならなければならない事態に目を向けている」と説明した。
 今回のQDRで多用されたのが「リバランス(再均衡)」だ。これまでは主にアジア太平洋地域重視の政策名として使用されてきたが、「幅広い領域の紛争に対応するためのリバランス」「米軍内の能力や即応性のリバランス」「海外での兵力構成のリバランス」と次々に登場した。
限られた資源を効率的に配分
する意図が透けて見える。
 重点を置いたのが、「宇宙空間での攻撃を抑止し、反撃する能力を得る」など、サイバーやミサイル防衛、宇宙、警戒監視などの分野での技術的優位の確保だ。兵力面では、海空軍や即応性の高い海兵隊、特殊部隊に力点を置いた。

■捻出
 
リバランスに必要な予算は、陸軍の古くなった装備の削減と同盟国との協力強化で捻出
する方針だ。
 年末には
アフガンから駐留米軍の大部分が撤収する予定で、2001年から続いた「戦時態勢」が終わる。大規模な陸上兵力は必要なくなり、第2次世界大戦後最小の態勢に縮小
する。
 
日本など司盟国との連携は「地域における挑戦に最も効果的に対応するため、共同対処能力を高め、将来を見据えて役割や任務を発展させる」と記し、軍事面での分担強化
に期待を示した。
 議会は国防予算を13年から10年間で約5000億ドル(約51兆円)強制的に削減することを求めているが、QDRは2015会計年度以降の5年間で1150億ドルの削減にとどめた。

■行方
 QDRは強制削減により「即応性の向上や武器の近代化への投資、必要な設備の更新に重大な危険が生じる」と
軍が脆弱化することへの不安
を繰り返し訴えたが、議会の対応は未知数だ。
 国防予算の支出に必要な国防権限法案は12月に成立する場合が多い。秋の中間選挙後まで、QDRを巡る米議会の議論が足踏みする可能性がある。
 保守系政策研究機関のアメリカン・エンタープライズ研究所のトム・ドネリー氏は、
今回のQDRについて、「米軍の戦略を世界的に大きな力を持つ国家のものから、地域レベルの国家に調整したものだ」と指摘し、超大国からの転落につながる可能性を指摘する。

 中国の軍事費は2桁成長が4年連続。米国は長期削減計画。相反する動きですから、その差は急接近となりますね。
 
 ではどうするのか。
 QDRは、限られた資源の効率的配分を行うことで、技術的優位の確保と起動力向上を図ると共に、同盟国との協力強化を打ち出しています。
 米国内では、米軍の脆弱化を不安視する声や、超大国からの転落を指摘する声があるのでそうです。
 オバマ政権に責任を問う声がありますが、米国が抱えてきた基本に係る病が原因かもしれません。両方が重なっているのかもしれません。いずれにしても、米国の力が堕ちて来ていることは間違いありません。
 一方の中国も、財政赤字が急増していますし、バブルが弾ける危惧は払拭できませんから、日米などの先進国が歩んできた道に、近いうちにはまりこむことは容易に推察できます。ただそれは、未だ今は計算に入れるまでには至っていません。
 
 日本はどうすればいいのか。
 随所で言われていることですし、遊爺も折々に触れいますが、自分の国を自分で守る自立を目指すことが先ず大事です。
 日米同盟の片務を払拭するチャンスです。そうすれば、地位協定の見直しが可能になります。
 勿論、そのためには、日本の防衛力の強化が必要です。防衛力の強化が出来れば、外交力の裏付け・後押しが可能になります。
 また、集団的自衛権の行使を可能にする必要があります。隣で日本の為に命がけで戦っている同盟国の艦船航空機を助けられないで、自分は助けてもらう。そんな関係で対等な(分担し合う)同盟関係が継続出来るわけがありません。
 さらに、日本も米国も、一国で中国と対抗することの負担が大きくなってきていますから、仲間創りが必要です。欧州は大戦の後、ソ連に対抗するために、NATOを結成しました。アジアには、台頭するナチスの再来の中国がありますが、NATOの様な存在がなく、中国の個別撃破での覇権拡大が進んでいます。
 アジア版NATO切望論の声が増えてきている所以ですね。また、そこでの日本の役割への期待が膨らんでいるのも事実ですね。

 【社説】日本には集団的自衛権が必要―アジアの民主主義に貢献 - WSJ.com

 連携と分担。これがキーです。



 # 冒頭の画像は、アフガニスタンのキャンプ・バスションに配属されている米隊員を訪れたヘーゲル長官



  この花の名前は、ミスヒキ  撮影場所;六甲高山植物園 (2013年 9月 撮影)


↓よろしかったら、お願いします。





Fotolia







 
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 3月5日(水)のつぶやき | トップ | 3月6日(木)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

米国 全般」カテゴリの最新記事