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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

バイデン大統領のアフガン撤退 米世論は6割前後が支持

2021-09-04 00:07:07 | 米国 全般
 2001年9月11日の米同時テロ。
 2001年10月、当時の大統領ジョージ・ブッシュ(子)がアフガン空爆開始を発表すると、ギャラップ社調査で国民の90%がその決定に支持を与えた。翌02年になっても、派兵が「間違いだった」との回答は6%にすぎなかった。
 ところが、派兵が「間違いだった」との数値は、戦況が悪化した05年頃から上昇に転じる。大規模増派が決まった09年には30%、イスラム過激派のテロが頻発した14年には派兵支持を上回る49%を記録。
 アフガン戦争は、約10年に及んだベトナム戦争を超え、米史上最も長い戦争になった。
 戦死者は毎年100人を超え、莫大(ばくだい)な戦費に財政赤字も膨らんだ。
 時の流れと共に、米国民には、厭戦気分が広まってきているのでした。
 そこで、バイデン大統領のアフガン撤退。
 国内外で失政の声が高いのですが、米 世論は6割前後が米軍撤退を支持しているのだそうです。
 
米国の行方 同時テロ20年 {中} 駐留 帰還兵が疑問視 (9/3 読売朝刊)

 がれきの隙間から赤い炎が見えた。車体がひしゃげて横倒しになった消防車に真っ黒の灰が降り注ぐ。
 
旅客機2機がニューヨークの高層ビルに突っ込んだ2001年9月11日の米同時テロ。州兵の一員として現場に派遣されたジョン・バーンズ(55)は怒りに震えた。「この惨事を引き起こした者に報復を」
 その7年後、バーンズはアフガニスタンにいた。自ら志願して身を投じた戦地任務だった。主にアフガン警察の育成を担当した。警察といっても、警官の多くは貧しい農村出身の非識字層だ。銃の撃ち方から車の運転方法、整列の仕方まで、手取り足取り教えた。
 「米軍がアフガンでやっていることは正しいと信じていた」と振り返る。
 
しかし、アフガン民主化の取り組みは一向に成果が見えなかった。その間にも多くの米兵が戦闘やテロで死んでいった。バーンズはやがて、アフガン駐留の意義に疑問を感じるようになった。
 
「遠い異国の戦場で米国の若者が死んだり、殺し合ったりすることが国益にかなうのか」。かつての確信は揺らいでいた
 
この2年は、アフガン駐留米軍の撤収を訴える活動に携わってきた。あの日から20年。戦争の終局は混乱したが、バーンズは全面撤収が正しい判断だったと思っている

犠牲増え 厭戦 内向き世論 撤退支持6割

 退役軍人の心の揺れは米国世論の動きと重なる。
2001年10月、当時の大統領ジョージ・ブッシュ(子)がアフガン空爆開始を発表すると、ギャラップ社調査で国民の90%がその決定に支持を与えた。翌02年になっても、派兵が「間違いだった」との回答は6%にすぎなかった。
 
ところが、この数字は戦況が悪化した05年頃から上昇に転じる。大規模増派が決まった09年には30%、イスラム過激派のテロが頻発した14年には派兵支持を上回る49%を記録した。
 
アフガン戦争は、約10年に及んだベトナム戦争を超え、米史上最も長い戦争になった。戦死者は毎年100人を超え、当初の楽観論は消え去った。莫大(ばくだい)な戦費に財政赤字も膨らみ、08年のりーマン・ショックに続く経済不況が追い打ちをかけた。
          ◇
 重苦しい厭戦(えんせん)気分が国民を覆う中、対外政策の選択の余地は狭まっていく。
 「Yes, We can」(やればできる)の標語を掲げて大統領に就任した
バラク・オバマも、13年、化学兵器を使用したシリアのアサド政権に対し、一度は空爆実施を決めながら、結局見送りを決めた。
 その後の演説で
「我々は世界の警察官ではない」と宣言した。米国は「超大国」の自信を失っていた
 「米国を再び偉大に」と大見えを切った前大統領の
ドナルド・トランプも、対外軍事介入には否定的な考えの持ち主だったアフガン戦費を「完全な無駄」と呼んで厭戦世論をあおった
 
米国の退潮を尻目に存在感を増したのが中国とロシアだ。中国は、資金力にものを言わせた経済攻勢と強引な海洋進出など、覇権主義的な振る舞いで国際秩序を揺さぶるようになった
 そうした流れの中で
今年 1月、国際協調主義への回帰を掲げるジョー・バイデンが米大統領に就任する。「米国は戻ってきた」と胸を張る姿は、アジアや欧州の米同盟国を喜ばせた。
           ◇
 
米軍のアフガン撤退に伴う混乱は、そうした安堵(あんど)感に冷や水を浴びせた米国際政治学者のイアン・ブレマーは、撤退を巡る米国の判断が一方的だったとし、「米国が戻ってきたと期待していた同盟国から見れば、米国は結局、単独主義で信用ならないと映ったことだろう」と指摘する。
 実際、
同盟国には動揺が広がった。20年前、英首相として米国と共にアフガン派兵に踏み切ったトニー・ブレアはバイデン政権への不信感をあらわにし、「永遠の戦争を終わらせるという愚かな政治的スローガンのための撤収だ」と珍しく辛辣(しんらつ)なトーンで米軍撤退を批判した。
 米国内にも同様の声はある。
元アフガン駐留米兵で、アフガン人協力者の国外退避を支援してきたマット・ゼラー(39)は「米国の信頼は地に落ちた。協力者を見殺しにするような国に誰が力を貸すだろうか」と取材に声を荒らげた
          ◇
 ただ、
戦争に疲れた米社会の厭戦気分は基本的に変わっていない米国が20年にわたり支えたアフガン政府の崩壊を目の当たりにした今も、米世論は6割前後が米軍撤退を支持する。
 
米国には、もはや単独で「世界の警察官」を演じる余裕はないバイデン政権が同盟国との協調重視を掲げるのは、その現実を認識しているためだ。地域や対象を限定し、同盟国と分担しながら、中国やロシアの脅威に対抗し、国際秩序の安定に取り組むという。
 米国の対外関与のあり方は20年で大きく変わった。米軍のアフガン撤退はそのことを改めて浮き彫りにした。
背負いきれなくなった重荷から逃れようとする米国に、同盟国はどう向き合うのか。新たな知恵が求められている。 (敬称略)

 9.11 同時テロの現場に州兵の一員として派遣されたジョン・バーンズは、怒りに震えた。そして、7年後、バーンズは自ら志願し、アフガニスタンにいた。主にアフガン警察の育成を担当。
 しかし、アフガン民主化の取り組みは一向に成果が見えなかった。その間にも多くの米兵が戦闘やテロで死んでいった。バーンズはやがて、アフガン駐留の意義に疑問を感じるようになった。
 「遠い異国の戦場で米国の若者が死んだり、殺し合ったりすることが国益にかなうのか」。かつての確信は揺らいでいた。
 この2年は、アフガン駐留米軍の撤収を訴える活動に携わってきた。バーンズは全面撤収が正しい判断だったと思っている。

 「Yes, We can」(やればできる)の標語を掲げて大統領に就任したバラク・オバマも、「我々は世界の警察官ではない」と宣言した。米国は「超大国」の自信を失っていた。
 「米国を再び偉大に」と大見えを切った前大統領のドナルド・トランプも、対外軍事介入には否定的な考えの持ち主だった。アフガン戦費を「完全な無駄」と呼んで厭戦世論をあおった。
 
 米国の退潮を尻目に存在感を増したのが中国とロシアだ。中国は、資金力にものを言わせた経済攻勢と強引な海洋進出など、覇権主義的な振る舞いで国際秩序を揺さぶるようになった。
 そうした流れの中で今年 1月、国際協調主義への回帰を掲げるジョー・バイデンが米大統領に就任する。「米国は戻ってきた」と胸を張る姿は、アジアや欧州の米同盟国を喜ばせた。
 しかし、今回の米軍のアフガン撤退に伴う混乱は、そうした安堵(あんど)感に冷や水を浴びせた。

 米国際政治学者のイアン・ブレマーは、撤退を巡る米国の判断が一方的だったとし、「米国が戻ってきたと期待していた同盟国から見れば、米国は結局、単独主義で信用ならないと映ったことだろう」と指摘。
 同盟国には動揺が広がった。
 米国と共にアフガン派兵に踏み切った元英国首相のトニー・ブレアは、バイデン政権への不信感をあらわにし、「永遠の戦争を終わらせるという愚かな政治的スローガンのための撤収だ」と珍しく辛辣なトーンで米軍撤退を批判した。
 米国内でも、元アフガン駐留米兵で、アフガン人協力者の国外退避を支援してきたマット・ゼラーは「米国の信頼は地に落ちた。協力者を見殺しにするような国に誰が力を貸すだろうか」と取材に声を荒らげた。

 ただ、戦争に疲れた米社会の厭戦気分は基本的に変わっていない。米世論は6割前後が米軍撤退を支持。
 米国には、もはや単独で「世界の警察官」を演じる余裕はない。バイデン政権が同盟国との協調重視を掲げるのは、その現実を認識しているためだ。

 トランプ政権時代に突入した、米中の新冷戦時代。
 バイデン政権では、同盟国と連携する形で、立ち向かおうとしていますね。
 アフガンからの撤退は、力を対中覇権争いに集中する目的もあるのですね。背負いきれなくなった重荷から逃れようとする米国に、同盟国はどう向き合うのか。
 米国の核の傘に頼り、おんぶにだっこの日本。普通の独り立ちした国への転換が求められるのは必至ですね。
 差し迫る台湾有事とその一連での尖閣諸島への中国軍の侵攻。抑止力の備えが急がれますね。



 # 冒頭の画像はカブール空港を飛び立った、最後の米軍機
 


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写真素材のピクスタ


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