遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

安倍首相 アジアの海洋の危機をG7諸国に説得奏功

2014-06-06 23:58:58 | EEZ 全般
 アジア安全保障会議(シャングリラ会合)で、中国の覇権拡大への各国の非難が高まりました。
 そのアジア諸国の声を、G7という世界のひのき舞台で、アジア代表の安倍首相は、各国に認識させ、首脳宣言に初めて、海洋航行・飛行の自由の確保や、海における「法の支配」の重要性を明記させることに成功しました。
 習近平、李克強の首脳陣が訪欧して、反日プロパガンダを展開していましたが、逆襲に成功したことになりますね。
 

中国けん制で結束 首相、欧州へ働きかけ奏功 (6/6 読売朝刊)

 【ブリュッセル=中島健太郎】安倍首相はG7サミットで、中国が強引な海洋進出を進める東・南シナ海で緊張が高まっている問題を積極的に取り上げた。その結果、首脳宣言に初めて、海洋航行・飛行の自由の確保や、海における「法の支配」の重要性が明記された。G7が結束して中国をけん制するという首相の戦略が実を結んだ
形だ。

 「『法の支配』に中国を取りこんでいくことが重要であり、自由、民主主義といった価値観を共有するG7諸国とも協力を強化していきたい」
 前日に続き、外交政策の議論が行われた5日の討議冒頭、安倍首相は南シナ海での中国とベトナムの対立や衝突を念頭に「不測の事態も懸念される」と訴え、緊張が高まる東アジアの現状を説明した。
 サミット閉幕後の記者会見では「ウクライナに端を発した問題は、アジアにも影響を及ぼすグローバルな問題だ。力の横行を放置すれば世界は混乱に陥る。その危機感をG7のリーダーたちと共有した」と手応えを強調した。
 
日本は欧州各国にいかにして、地理的に遠い中国の海洋進出に懸念を共有してもらうかに腐心した。サミットに向けた事務レベル協議で、日本はアジア太平洋重視のリバランス(再均衡)政策を掲げる米国と共に、欧州諸国にアジアの海洋問題を首脳宣言に盛り込むよう働きかけた

 首相が大型連休中の欧州歴訪で、G7メンバーである英仏独の首脳にアジア情勢を丁寧に説明したことも功を奏した。
 こうした準備期間を経て、本番のサミットでは、
ウクライナと東・南シナ海について、「力を背景にした現状変更」という共通点で結びつけ、首脳らの関心を集めることに成功
した。

米露の間で対応に苦慮

 しかし、ロシアとの関係では難しい立場にある。
 首相は5日の記者会見で、プーチン露大統領の今秋の来日予定を念頭に、「大統領との対話を続けていきたい」と語った。北方領土問題を抱える中、プーチン氏との信頼関係を崩したくないとの思いもある。だが、こうした
日本の姿勢には米政府から「もっと圧力を」と不満の声が出ている。一方、プーチン氏はG7の対露制裁に同調する日本への不快感を口にしている。首相が米と露の間で苦慮する状況は今後も続きそうだ。

 南シナ海での中国とベトナムの対立や衝突を念頭に「不測の事態も懸念される」と訴え、緊張が高まる東アジアの現状を説明し、「ウクライナに端を発した問題は、アジアにも影響を及ぼすグローバルな問題だ。力の横行を放置すれば世界は混乱に陥る。その危機感をG7のリーダーたちと共有した」とのことです。

 既に国内各メディアが一斉に取り上げていて、首脳宣言に明記されたことは、今後に繋がる第一歩となると、その効果の大きさがもてはやされていることは、諸兄がご承知の通りです。
 G7というが、EU代表も入っていて、EU全体にも認識が共通されることになるとも。
 欧州からは、遠い東の果て(極東)で起きている東・南シナ海の出来事への関心は低く、中国のプロパガンダが先行するなかで、檜舞台のG7での認知は、大きな実績といえます。そこには、事前の安倍首相の訪欧時からの根回しの準備あるなど、周到な作戦があったのですね。

 まだ欧米各国の反応の報道に接していませんので、日本での好評価も、どこまで認識されているかが未明で、手放しで喜んでいてよいのか、兜の緒を締めねばなりません。
 東京新聞、毎日新聞が、大勢と異なり、低い評価をしている様です。
 

東京新聞:首相 中国脅威論空回り G7関心はウクライナ:政治(TOKYO Web)

<前略>
 
菅義偉(すがよしひで)官房長官は五日の記者会見で、中国を念頭にした首脳宣言を「G7の理解を得たのは極めて大きい」と評価した。
 だが
実態はかけ離れている。
外交の首脳宣言は十分野で計十九項目。ウクライナから始まり、中国関係は第九分野の項目十六だ。表題は「海洋航行および飛行」で、本文にも中国という国名はない。
 安倍首相は首脳会議で、東・南シナ海の情勢を説明し「力を背景とする現状変更を許してはならない」と指摘。
各国は同調しつつ、複数の首脳がウクライナに話題を移した。
首相同行筋は「議論はウクライナで白熱していた」と話す。
 ウクライナに時間がかかったため、五日に追加の外交討議をしたが、中国関連の各国の反応は同様。日本以外は「力による現状変更」の対象は中国でなく、ウクライナのクリミア半島を併合したロシアだった。
 安倍首相の欧州歴訪に先立ち中国の習近平国家主席が三月に欧州を訪れた際、ドイツやフランスは厚遇した。
中国は脅威というより、経済関係を強めたい相手。安倍首相が強調したかった中国脅威論は、深まる日中間の対立を印象付けた。


 毎日の記事は、TVで紹介されていましたが、ネットで見つけることが出来ませんでした。

 繰り返しになりますが、習近平、李克強が訪欧して、反日プロパガンダを展開したからこそ、安倍首相がG7の舞台に向け準備し、反転攻勢をかけたのです。
 一気にEU各国が中国包囲網を形成した、と言うわけではないのは当然です。
 しかし、遠い東の果ての出来事を、今回の南シナ海での出来事もあいまって、認識を新たにさせたことは事実であり、首脳宣言の記録に残されたことは、これまでの流れに変化を与えたことは間違いない橋頭保です。
 また、アジアの代表として、アジアの現状を、G7(含EU諸国)に知らしめて、アジアの諸国の日本の役割への期待に形として応えたことも大きな成果ですね。

 ひきつづき、兜の緒を締めながらの外交攻勢を期待します。



 # 冒頭の画像は、ブリュッセルG7の各国首脳






   キクバヤノボクチ  撮影場所;六甲高山植物園 (2013年10月 撮影)


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Fotolia


続 中国の海洋戦略


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